生命保険大手4社が、保険金不払い問題発覚後の2006〜10年に自民、民主両党の国会議員ら
計62人の飲食接待費として計約650万円を支出したり、第一生命が07年度に国会議員44人
側のパーティー券を計1千万円以上購入したりしていたことが分かった。生保側がこの時期、金融
庁の行政処分での有利な取り扱いを議員に働きかけた疑いも判明。生保業界の政界工作疑惑が浮か
び上がった。
日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命の大手4社の接待先には、金融関係の審議を行う衆
院財務金融委員会や参院財政金融委員会の国会議員らが含まれていた。国会担当の大手銀行幹部は
「財金委の所属議員を金融業界が接待することは、特定の趣旨を持ち、不正行為につながると疑わ
れるので避けている」と指摘した。
生保の複数の内部資料や生保関係者の話によると、生保大手4社合同か一部の社が行った飲食接待
は、06年4月〜10年2月に自民党議員21人、同党議員秘書31人、民主党議員4人、同党議
員秘書6人の計62人、74回に上った。このうち衆参両院の財金委の在籍議員は8人、議員秘書
は8人。接待での1人当たりの費用は1万数千〜3万円が多いが、1人当たり9万5千円の高級料
亭もあった。
また、第一生命は06年7月〜07年7月に、生命保険協会の会長会社を務めており、07年4月
〜08年3月に国会議員側のパーティー券購入費として1千万円以上を支出していた。自民党議員
37人、民主党議員6人、無所属議員1人の政治団体への支出で、このうち当時、現職大臣や衆参
財金委委員だった議員は少なくとも計6人。尾身幸次元財務相(自民)側には、財務相だった時期
などに資金管理団体や派閥の政治団体などが開催した6回のパーティーに計108万円を支出した
としていた。また、大野功統元防衛庁長官(自民)側に3回計40万円▽林芳正参院議員(自民)
側に2回計40万円▽峰崎直樹財務副大臣(民主)側に2回計26万円▽小沢鋭仁環境相(民主)
側に2回計24万円▽宮下一郎前衆院議員(自民)側に1回12万円。いずれも1回当たりの購入
額は政治資金収支報告書に記載義務がない20万円以下だった。
http://www.asahi.com/national/update/0717/TKY201007170435.html