「財団法人交通事故紛争処理センター」

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私の日常の疑問ですが、自宅の階段で転んだり、スキーの転倒で手足を骨折した場
合、被害者は何の疑問もなく、健康保険証を提示して治療を受けます。

どこにも、もって行き場がありませんので、腹をくくって入院し、治療に専念しま
す。このケースでは、大半の被害者が手術が終わって松葉杖の段階になると、社会
復帰で会社に出勤します。
通勤電車の混雑が危険であるとして、タクシーを利用して通勤する? 聞いたことが
ありません。
ギプスが取れて、抜釘を完了しますと、看護婦さんがとっても美人? 主治医が独身
でハンサム? の理由を除けば、リハビリ目的の通院など、あり得ません。
大方は、6ヶ月以内に治療を完了し、さして痛がる風でもなく普通に仕事をこなして
います。
これが交通事故となると、「健康保険の適用をお願いします!」 保険屋さんのお願
いに対して
「何で、俺の保険を使わんとあかんねー!」
「加害者、呼んでこんかい!」
来たらきたで、「コラー、何考えとんねん、誠意をしめさんかい、ワレー!」
入院は通常、2ヶ月となります。
退院しても社会復帰はしません。
毎日、タクシーを利用しての通院です。
治療先では、入院時の仲間と喫煙室に陣取り、今後の賠償について、捕らぬ狸の皮算
用です。この頃になると、休業損害の定期的な振込が何故か、遅れがちになります。
加害者は、もう、なしの礫です。
怒り心頭に達して、吠えまくり、唸りまくります。
保険屋さんは、待ってましたとばかり、弁護士対応です。
休業損害の支払を止められて、ひぼし状態となるのですが、何故か、通院は続けま
す。
精も根も尽き果てて、後遺障害を受ける頃には、関節の可動域は改善しており、元通
りではありませんが、後遺障害等級に該当しません。
もうボロボロになって、偉そうな弁護士に急き立てながら、先の皮算用は何だったの
?の金額で示談締結となります。
それから、慌てて職場復帰をしても、会社の雰囲気は変わっており、居場所が見つか
りません。窓際でウィンドウズの画面を見て、「これは、一体どうしたことか?」 
もう取り返しはつかないのです。
同じ事故でも、どうしてこうも違うのか?
簡単です! フンギリの問題なのです。
先の事故では、さすがに、階段やスキー板に誠意を求める被害者はおりません。
「今度からは、気をつけよう!」 ここでフンギリをつけてしまっているのです。
その後は、治療に専念しますが、仕事が気になって落ち着きません。
医師に言われる前に、社会復帰を強行するのです。
早期の社会復帰は、周囲に好感を持って受け容れられます。
周囲の同情やサポートもあって、本人もやる気満々で、遅れはすぐに取り返します。
交通事故受傷で、入院やむなしの状況となりました。
被害者及び家族は、「起こってしまったことは、仕方がない!」 先ず、フンギリを
つけるのです。
フンギリとは、コンピューターの世界で再起動と同義語です。
再起動すれば、加害者や保険屋さんの動向など、全く気にならないから不思議です。
考えることは、早期社会復帰、ただ一点です。
であれば、自分の怪我の詳細を承知しておかなければ、なりません。
日課は、学習となります。
学習とは、新しい事実の発見ですから、新鮮で驚きの多い毎日となります。
ともすれば、痛みを忘れてしまう毎日となります。
傷病名、手術の内容、改善の程度、社会復帰のおよその目処が見えてくれば、更に

それを早める努力を繰り返すことになりますが、結論は、「ともかく社会復帰を急
ぎ、6ヶ月を経過すれば症状固定とし、あわよくば、後遺障害等級も獲得する!」 
おのずと見えてくるのです。
交通事故の実利は、被害者の心構えでゲットしたり、失ったりを繰り返しているので
す。