もう気軽には出来ないな…献血の事前同意制導入間近
http://terry997.exblog.jp/18778646/ 何が出来ないかって、献血。
もう、20数年にわたって50回以上しているのが献血なのである。
始めた動機は、単なる善意から。
献血って、時間もかかるし、体に針を刺すから多少の痛みもある。
見返りは何も無い(まぁ、お菓子くらいはもらえるが)。
それでも続けてこれたのは、困っている人がいるから、という思い。
ところが献血による健康被害というのを知ってしまった。
例えば…
もう気軽には出来ないな…献血の事前同意制導入間近
http://terry997.exblog.jp/18778646/ 平成11年7月30日(金)サンケイ新聞東京本社版25面
78回目の献血で後遺症
大阪の主婦が右ひじ筋肉痛 日赤相手取り提訴
献血50回を達成し、日本赤十字社から最高の栄誉の「金色有効賞」を受けた大阪市平野区の主婦(49)が29日、
「通産78回目の献血の際、注射針の挿入ミスで右腕に激痛が走り、重い物を持てなくなる後遺症が出た」として、
赤十字社を相手に慰謝料など総額約1260万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。
訴状によると、主婦は平成9年11月21日に大阪府赤十字血液センターの献血バスで献血に応じた。
若手看護婦が注射針を主婦の右ひじの内側に刺した後、「血管が逃げた」と針を2回動かしたため、
主婦が激痛に悲鳴を上げると、さらに年配の看護婦が若手看護婦をしかりながら針を深く刺し、
今度は右ひじの外側がしびれるほどの激痛が走った。
主婦は年配の看護婦に「痛いから針を抜いて」と懇願したが聞き入れられず、
血液200CCを抜き取られたという。
主婦は同年12月に地元の病院で「右ひじ部筋肉痛」と診断され、
献血以前の約半分の重量の物しか持てなくなったという。
また、示談交渉の際、血液センター従業員からは「わしの会社は名前と同じ赤字やから」と
損害賠償の請求をあきらめるよう圧力をかけられたという。
主婦側は従業員の言動について「血液事業に協力してきた恩をあだで返すものであり、
日赤の人道主義とは完全に矛盾する」としている。
日本赤十字社事業局血液事業部の話
「献血に強力された方の善意の気持ちに報いるために一刻も早く回復されるよう治療に専念いただき、
誠実に対応させていただいていると大阪の血液センターから聞いております」
もう気軽には出来ないな…献血の事前同意制導入間近
http://terry997.exblog.jp/18778646/ 現在では献血の健康被害には救済制度があるにはあるが、内容的にとても満足なものとは言えず、
じこが起こった際には大変なことになるのは明白。
その事故の発生率は、平成18年の資料によれば、軽微なものを含むと全体の1%程度に
事故が起こっている。
事故率が1%って、異常に高いと思う。
ちなみに、注射針が腕の神経を損傷してしまう事故は1/10,000.
自動車事故で死ぬ確立は、同じく1/10,000.
飛行機に乗って事故にあう確立は諸説あれど大体1/200,000.
少なくとも宝くじで1等よりはかなりの高率であるのは明らか。
自分のことで言えば、青あざになったことは数回ある。
一番酷いのは、成分輸血をしようとした際、刺した針につながっている透明チューブが縦に裂けていて、
空気が逆流してきたのを針の刺さっていない腕で必死に押さえたことがある。
それでも制度が継続できているのは、日本人の無警戒さから来るのか、それとも赤十字という安心感からか…。
もう気軽には出来ないな…献血の事前同意制導入間近
http://terry997.exblog.jp/18778646/ ところが、今年の2月から「献血の同意説明書」というのが東京都にて先行導入されている。
上記にあるような事故が起こることを「予め同意する」というものだ。
ちょっと待って欲しい。
「同意」という言葉は非常に重くて、上記の主婦の方の場合においてこのような同意書を事前に取り交わしていたならば、
強烈な割合で赤十字の過失が減殺されるのではないか?
医務課によれば、裁判対策とはっきり言ってもいた。
だが、全く無料の慈善行為に対して、障害が生涯残るようなリスクを負わせるのは、無理は発想ではないか?
(そもそも公序良俗の観点から無効かもしれないが)
赤十字が事故時は完全にフォローします、と言わなければ献血を安心してすることは出来ないだろう。
無垢な善意のドナーにリスクを負わせるなんて。
これでは献血なんて、痛くて時間がかかって大変な上に、生涯を棒に振る障害リスクはこっちもちということになる。
善意を施したいという気持ちに水を差すね、全く。
これではAIDS検査のみの人々が献血ルームに来ることにならないだろうか。
(もしそうなら献血ルームって怖い場所になるね)
長く続いてきた善意の習慣だけど、残念ながら当面見送ることになるだろう。