【ショック】大好きな子が喰われた4【体験】から誘導されてきました
まずは再会したときの話です。
カヨが勤めている会社の候補はいくつかあったのですが、
高確率でここが本命だろうという会社を私はわかっていました。
電話で確認しようとも思ったのですが、身内でも無い男性から
身元を確認する電話は彼女に迷惑がかかるだろうと思い、
その会社に焦点を当てて直接尋ねることにしました。
先週の金曜日のことです。
予め有給届けを出して仕事を休んだ私は、とりあえずその会社の近くまで
訪れたのですが、正直そこからはノープランでした。
まだ昼前だったので、とりあえず近くのコンビニやカフェで時間を
潰しながらも、「このまま待ってるだけじゃ無理があるよな」と
なにか策を考えている間にお昼になっていました。
会社からは沢山の社員と思われる人間がお昼を取りに出てきたので、
これ幸いにと不審者と思われないよう気をつけながら、
カフェのガラス越しからカヨの姿を見つけようと
凝視していたのですが、全然わかりませんでした。
それから私は会社に直接電話をすべきかどうかを
迷っているうちに、どんどんと時間は進んでいき、
やがて日は暮れて終業時間になりました。
その間は途中で本屋で本を買って戻ってきたり、
何度もコーヒーをおかわりしてはカフェに居座りました。
ただそういうのは申し訳無いと思うので、何度か
食べたくもないパフェやケーキなども頼んでましたが。
@@@@
4えん
やがて帰途についていく社員が入り口からぞろぞろと出てきました。
もし今日会えなかったら、後日は身内を騙ってでも
電話しようと心に決めて、その日だけはこのまま持久戦で
挑むことを決意しました。
しかしこの会社で働いてる確証もなければ、もしかすると
欠勤や出張、裏口から帰った、という可能性も十分考えられました。
しかしなんというか、正直私もカヨに会うのが怖かったんだと思います。
このまま会えないのであれば、と考えるとそれはそれでそれでほっとしました。
心の奥底ではむしろそっちを望んでいたのかもしれません。
しかし7時ごろだったでしょうか、若い女性のグループが出てきました。
その中の一人を見た瞬間、心臓が鷲づかみにされたような感覚がありました。
頭がかっとなり、息苦しくて胸を押さえました。
少し遠目で、普段見たことがないスーツ姿で、髪型も違ったのですが、
その娘はカヨだと確信しました。
私はその期に及んで、会うべきかどうかを逡巡しました。
数秒だと思うのですが、その場で座り込んだままでした。
手の平や背中に嫌な汗をかいているのがわかりましたし、
動悸もつらく、足も震えていました。
自分がどうやって、その場で意を決して立ち上がったのかは
よくわかりません。やけくそだったと思います。
会計を急いで払い、気づいたら走っていました。
そのグループに近づくと、私はゆっくりと歩き出し、
その背後に近づきました。
もう2〜3mだったと思います。
正直逃げ出したかったです。
でも何とか声を振り絞りました。
自分で言うのも変ですが、
まさに振り絞った、って感じでした。
「カヨ」と自分でも恥ずかしいくらい震える声で、
前を歩く集団の背後に声を掛けました。
何人か関係無い女の子まで振り返りましたが、
カヨもきょとんとした表情で振り返りました。
いつも長かった黒髪はばっさりと短くなっていました。
そのせいで、渋い色のスーツを着ていましたが、
高校時代よりも幼く見えました。
血色も良く、どちらかと言えば少し太ったくらいなのかもしれません。
まぁ元々細かったので丁度良いくらいだと思います。
私は自分がどんな顔をしていたのかわかりません。
ただカヨは一瞬ぱぁっと笑顔になって、しかしその後ふっと
気まずそうに視線を地面に向けました。
私はその瞬間、本当に1秒にも満たない瞬間でしたが、
「ああ、やばい。この雰囲気やばい。この空気は駄目だ。
やっぱり迷惑なんだ。そりゃそうだよな。帰ろう。今すぐダッシュで帰ろう」
と頭の中で大量の思考が一気に駆け巡りました。
関係無いんですが、今の彼女に以前「生理が来ないんだけど」と
言われた時も一緒の感覚がありました。
カヨはそこからぱっと明るい感じで、他の子達に
「ごめんね。昔の友達なんだ。後で行くから先行ってて」
と笑顔で言っていました。
女の子達は「わかった〜」と言いつつも、私の方を見てひそひそしたり
にやにやしながらカヨを肘でつつき、「あとで説明してね」的なやりとりをしていたので、
何か勘違いをさせてしまったようでした。
結局迷惑をかけてしまいました。
私とカヨはしばらく無言のままお互い地面を見つめていたり、
時折顔をあげては気まずそうに笑いあったりしていました。
それから堰を切ったように、どちらからともなく
「へへへ」と笑いながら「元気だった?」とお互いの腕を
ぽすぽすと叩き合ってました。
特に込み入った話はせずに、「元気かどうか」と「今何をやってるか」
だけの情報を交換しました。
ただカヨは今から上司の送別会らしく、もう行かなきゃいけない
との事だったので、お互いの連絡先を交換してとりあえずは
その場は別れることになりました。
ただその際、カヨは「やばい泣きそう」と言いしゃがみこんでしまい、
すぐ立ち上がったのですが、もう目は真っ赤で涙も少し流れてました。
「あんまり好きじゃない人の送別会だから誤解されると嫌だなぁ」
と無理矢理笑っていました。
「それじゃまた連絡するから」と踵を返したカヨの背中をしばらく
見ていたんですが、カヨは何度も振り返り、その度に笑顔で手を振ってくれました。
カヨの姿が見えなくなると、急に体の力が抜けてどっと疲労感が襲ってきたのですが、
それでも帰り道はすごく足取りが軽かったです。
その1時間後くらいから、カヨから「送別会退屈だよ〜」とか
「同僚からヒロ君との関係をしつこく聞かれてますw」とかそういったメールが来て、
しばらくカヨとの久しぶりのメール交換を楽しんでました。
それから自然な流れで、来週二人で御飯に行こう、ということになりました。
もちろん下心はこれっぽっちもありません。
結婚を前提に付き合っている彼女もいますし。
しえん
もちろん彼女には、カヨとの御飯は許可を貰いました。
(ただ仕事を休んで会いにいったのは流石に秘密です)
昔の友人で、色々と大変なことがあった子だから、
ずっと心配してた子なんだ、と熱弁したら許してくれました。
「その子の写真とかある?」と聞かれたので、
昔のプリクラを探してきて見せたら
「こんな綺麗な子がヒロなんか相手にするわけないか」と笑われたのですが、
私は怒るよりもそうだろうそうだろう、とカヨを誇りに思いました。
「その代わり今度紹介してよね?ただでさえあんた友達少ないんだからさ」
とも言われました。私は喜んで承諾しました。
彼女は20代後半(というかまぁそこそこギリギリな感じです)の年上の女性です。
とても砕けた感じの人なので、同じタイプのカヨとはウマが合うでしょうし、
何より何かあった時、カヨの助けにもなれると思ったからです。
とりあえずこれで終わりです。
御飯を食べた後、何か報告するようなことがあればまた来ます。
それではノシ
眠れない・・・
Cです。
がんばれヒロ。
ヒロよくやった。今の彼女もいい人だな。
>>795 ヤマシタとはまだ付き合ってるのか聞いたか?