女の子ニアが苦手な人は回れ右でお戻りください 住み分けましょう
スレの趣旨
・sage推奨、age厳禁、ほのぼのマターリで
・微エロ、多エロ、精神的エロ、肉体的エロ…"ニアのみ女の子"ならなんでもOK
スレの注意
・萌えスタイルは人それぞれ、スレの趣旨&空気から外れない限りは口出ししないこと
・萌え作品投下時はカプ名や内容を書いて、住民の好みでスルーできるように配慮
・空気嫁スキルの無いカキコや自演やアラシは徹底スルー、ニアリストらしく冷静に対処
・次スレは
>>980を踏んだ人が立てること
スレ名は「デスノートのニアが女の子だと思い込み続けるスレ」+スレ数
(前スレ)デスノートのニアが女の子だと思い込み続けるスレ4
http://sakura01.bbspink.com/test/read.cgi/hneta/1167841895/
初投下させて頂きます。
メロがSPKを訪れた後の話です。
エロはあまりありませんが(難しいですね〜)設定等かなり勝手に作ってるので
不愉快な方はスルーして下さい。
稚拙な文章、申し訳ありません。
9 :
Lを継ぐ者:2007/02/13(火) 08:35:58 ID:j0FlUDGD0
誰もいないSPK本部。
ニアは莫大な資料と映像の中でたたずんでいた。
今日、メロが本部を訪れた。
4年ぶりの再会だった。
ニアはふと思い出したようにミルクパズルを取り出した。
ピースのすべての形状を暗記している。
真ん中からパチパチと機械のようにうめていく。
左端のLと書かれたピースを埋めようとした時、入口に人の気配を感じた。
「メロ…」
メロがバツの悪そうな顔でたたずんでいる。
「来ると思っていました」
「ふんっ。なんでもお前の思い通りって事か」
10 :
Lを継ぐ者2:2007/02/13(火) 08:38:46 ID:j0FlUDGD0
ワイミーズの頃からそうだった。
昼間、散々ニアを罵倒し、からかった日の夜は必ずニアの部屋にきた。
そして気まずそうに一言
「今日はわるかったな」
と言い、でていくのだ。
11 :
Lを継ぐ者3:2007/02/13(火) 08:44:04 ID:j0FlUDGD0
「銃をつきつけたのは謝る…」
「気にしていません。むしろあなたに撃たれた方がどれだけ気が楽だったか…」
ニアは最後のピースをはめないままパズルをばらした。
「ミルクパズルか…懐かしいな…まだ持ってたのか。」
「はい…ですがいつもLのピースをはめるとき躊躇します…私一人ではLを越える事はできません…」
メロはパキッと板チョコを口に含む。
「ふん。随分弱気じゃねーか。俺はお前の駒になるつもりはないし仲間になるのもゴメンだ」
「分かっています」
12 :
Lを継ぐ者4:2007/02/13(火) 08:47:43 ID:j0FlUDGD0
しばらく沈黙が続いた。
沈黙を破ったのはメロだった。
「じゃあ行くからな。」
「リドナーの所へ戻るのですか?」
「マットと合流する。俺は俺のやり方でキラを追う」
「わかりました…」
13 :
Lを継ぐ者5:2007/02/13(火) 08:49:36 ID:j0FlUDGD0
メロが振り返り外にでようとした時、ぐいと引っ張られる感覚があった。
振りかえるとニアがメロのジャケットの裾をつかんでいる。
「…?」
「分かりました。さようならメロ…」
言いながら今度はメロの腰に手をまわしニアがメロを抱き締める形になった。
「なにしてんだお前…」
「…」
メロはニアをみてハッとする。
こいつこんなに小さかったっけ…。
ワイミーズにいた頃は身長もさほど変わらなかった。
14 :
Lを継ぐ者6:2007/02/13(火) 08:51:30 ID:j0FlUDGD0
メロは中腰になりニアの顔をのぞきこんだ。
ニアはうつ向いたままメロの顔を見ようとしない。
「あのな、お前が離さないと俺は動けない」
「メロ…さようなら…」
そういいつつも抱き締める腕は力を増す。
メロにはさっぱり意味が理解できなかった。
「もう一度言う。俺から離れろ。でないとぶっとば…」
「私の!!」
メロが言い終わらない内にニアが大声をあげた。
「…?」
ニアはメロの体に顔を埋めながら小さい声で言った。
「私の一番になってください…」
15 :
Lを継ぐ者7:2007/02/13(火) 08:54:30 ID:j0FlUDGD0
「……」
全く予想外の言葉にメロはしばらく立ち尽くした。
その後すべてを悟ったのか、がばっとニアを肩に抱きかかえ
ベットルームのドアを蹴り飛ばし開け、ニアをベットに投げた。
「痛いです…メロ…」
メロはジャケットを脱ぎニアに覆い被さり乱暴にキスをした。
「…ふあうっ!」
「こういう時は口を開くんだ」
ニアの顎を押し、無理矢理口を開け舌を入れるがニアは答えない。
「ばか!舌を絡ませろ!」
「は…はい…」
ピチャクチャと卑猥な音があたりをつつむ。
16 :
Lを継ぐ者8:2007/02/13(火) 08:59:17 ID:j0FlUDGD0
メロはそのままニアの首筋へ舌を落とし、
めくりあげたパジャマの先にある小さな胸へとむかう。
「はあっ!め…メロ!」
メロはニアの小さな乳首を持て遊ぶかのように舐める。
手を下半身にすべらせニアの小さな蕾へ這わせる。
「お前、ここも小さいな…」
メロはニヤッと笑いながらも蕾への刺激はやめない。
「あっっメロ…恥ずかしいです。」
ニアは目を固くなに瞑り、耐えている様子だった。
メロはそんなニアを壊したい衝動にかられた。
ニアの足を開き舌で蕾を転がす。
「くっう…やめてく…メロ…」
17 :
Lを継ぐ者9:2007/02/13(火) 09:02:28 ID:j0FlUDGD0
蕾から膣口に舌を這わせ、ニアの膣に舌を入れる。
その後、湿った秘部に指を入れるとニアの体がビクッと反応した。
「感じるか?」
「いえ…ものすごく…痛いです…」
ニアが青ざめた顔で嘆く。
指一本でこんなにも痛いなんて…。
愛液もすっかり渇いてしまった。
確かに狭すぎる。
メロも行為自体は初めてではなかったが処女を相手にするのは初めてだった。
18 :
Lを継ぐ者10:2007/02/13(火) 09:04:10 ID:j0FlUDGD0
ワイミーズをでた後、メロを拾ったのは女弁護士だった。
その女とのセックスはメロが生きる為の奉仕以外何者でもない。
ただ女にいわれるがまま行われるセックスだった。
その後、キラも知りえないマフィアのボスが少年愛好者だと弁護士を通して知る。
ボスに近付き、ベットの上で殺した。
その首を持ちロッド・ロスの元へ向かった。
メロにとって性行為は嫌悪でしかなかった。
19 :
Lを継ぐ者11:2007/02/13(火) 09:06:02 ID:j0FlUDGD0
しかしニアは違う。
なにも分からず、すがるような目で自分を見てくる。
そんなニアがたまらなくいとおしく感じた。
「大丈夫だ。痛いのははじめだけだ。俺を信じろ」
全く根拠のない自信だったが、メロは愛撫を繰り返した。
愛液と唾液でシーツもしめりかけた頃、メロは自分自身をニアに当てがい、ぐっと突いた。
「うぅ…」
ニアの泣きそうな声をきいた気がしたが自分自身が止まらない。
ぐっと締め付けるニアの体、ニアの体温、ニアの中で溢れ出てくる愛液に頭が真っ白になる。
20 :
Lを継ぐ者12:2007/02/13(火) 09:08:01 ID:j0FlUDGD0
「ハァハァ……ニア…」
「メロ…かなり息があがってますが大丈夫ですか…?」
「ばか…」
相当痛かったはずなのに…高揚しつつも冷静なニアに腹がたつ。
結局、俺はニアには勝てないな…
はじめてそれでもいいと思った。
俺はニアが好きだ…
(;;´Д`)ハァハァハァ
22 :
Lを継ぐ者13:2007/02/13(火) 09:11:01 ID:j0FlUDGD0
メロはそれまでにない強さで突いた。
「あああっ…!メロ!はあッ。やめ…うぐっ」
ニアの言葉を遮るように深い深いキスをする。
キスの合間に聞いた言葉
「メロ愛してます…」
それと同時にメロは果てた。
23 :
Lを継ぐ者14:2007/02/13(火) 09:14:47 ID:j0FlUDGD0
「おいサッカーしようぜ!」
「悪い!これからロジャーによばれてるんだ。またな!」
ワイミーズハウスと呼ばれる施設。
初夏に入る前の暑い日だった。
少年はロジャーの部屋に向かう階段を二段とびでかけあがった。
途中見掛けない白髪のおじさんをみかけ怪訝に思ったがロジャーの友人かなにかだろう。
部屋のドアを開けると相変わらずストレス顔のロジャーが座っている。
「こんにちはロジャー。今日はどうしたの?」
少年は横にあった椅子をガタガタと引っ張りだし当然のように座る。
24 :
Lを継ぐ者15:2007/02/13(火) 09:16:45 ID:j0FlUDGD0
「君ももうすぐ15才になる。その後の進路は考えてるのかね?」
少年は口を尖らせて言った。
「ロジャー、僕はワイミーズでトップだよ。それもこれも世界の探偵Lを目指すためじゃないか。
僕がなるのはL以外は考えられない!」
「そうか…しかしLをつぐのは容易ではない。かなりの覚悟が必要なのも分かっているね?」
少年は立ち上がりテーブルをバンと叩く。
「そんなの分かってる!僕を早くLに逢わせてよ!
ワイミーズの皆が憧れるL…なのに一度もここに来たことないじゃないか。
施設の皆は言ってるよ。本当はLなんて存在しないんじゃないかって!」
ああメロ………相変わらずいろんな意味でカワイソス………
26 :
Lを継ぐ者16:2007/02/13(火) 09:19:46 ID:j0FlUDGD0
フウッ
ロジャーはため息をつく。
「君は興奮すると少し感情的になるようだね。」
図星をつかれ少年は赤くなり椅子にへたりこんだ。
「落ち着きなさい。Lは存在する。」
「ごめんなさい……ロジャー、さっきから気になってるんだけど後ろにいるおじさんは誰?」
おじさんと呼ばれる人物は気配を察知されないよう入ったつもりだったが
少年は以外と冷静に感付いていたらしい。
「彼はLにもっとも近い場所にいる人物…レスターだ」
「ふ〜ん。レスターよろしくね」
少年はにこやかに手を差し出す。
「あ…ああよろしく」
握手に答えたもののレスターは動揺を隠し切れなかった。
27 :
Lを継ぐ者17:2007/02/13(火) 09:21:46 ID:j0FlUDGD0
階段でみた時からこの少年が現在のL候補だとすぐに気付いた。
ストレートのプラチナブロンド。
黒目がちな切長の大きな目。
透き通るような白い肌。
スレンダーで小柄な体格。
首にはかなり年季の入った古いロザリオがかかっていた。
28 :
Lを継ぐ者18:2007/02/13(火) 09:23:31 ID:j0FlUDGD0
レスターはそのロザリオにおぼえがあった。
「それは…?」
「このロザリオ?なんでも父親の形見みたいで母親が
いつもつけておくようにとワイミーズの
職員に伝言したらしいんです。
でも僕は聞いただけで実際父と母には会ったことないんですけどね」
少年は少し寂しそうに笑った。
29 :
Lを継ぐ者19:2007/02/13(火) 09:25:44 ID:j0FlUDGD0
レスターは思い出した。
メロが高田を誘拐し、メロ高田共にキラによって焼け死んだ。
ニアの指示でメロの遺体と所持品を回収した。
その中でロザリオは奇跡的に無事だった…。
それに間違いないだろう。
・)ソーッ
誰もいないようだ
せっかくの神作品を切って申し訳ないのだが投下………神と携帯の人ゴメン
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第一章(三分の三) 少女期の終わり
カップリング・L×ニア
21禁
陵辱自慰
S要素高し
31 :
Lの時計25:2007/02/13(火) 10:11:24 ID:Hsjmr5m30
追っては来ないようだ。
離れから自分の部屋がある棟まで駆け抜け、仔猫のように身を潜め、
ニアはようやく一息ついた。
ここなら誰も来ない。
夕食の時間帯まで待って、窓から部屋に忍び込めば誰にも見られずにすむ。
白いブランケットに包んだ身体。下からは細い足がふとももまで
覗いている。
膝ががくがく震える。ダメだ。膝を突くな。堪えろ。
身体が妙に火照っていて、どうしようもない欲求をニアにしてくる。
身体をどうすればこの欲求が治まるのか、おおかたの見当は付く。
だが、まさかこんなところで。
「んんっ………」
32 :
Lの時計26:2007/02/13(火) 10:11:58 ID:Hsjmr5m30
膝が擦る。足下には草むら。すすきが群生していて、ニアがしゃがめば
見つからないだろう。ここから見える位置に、窓はない。
「………ひ、やっ!」
雑草がむき出しになった敏感な場所をくすぐる。慌てて尻をくるむ。
気にすることはない。やってしまえ。
自分の中の誰かがささやく。ニアは意味もなく首を横に振った。
我慢すれば治まるはずだ。いや、手っ取り早いのは部屋に戻り冷たい
シャワーで丁寧に局部を洗うこと。集中している血流さえ引けば、
うずきも引いていくはずだった。
理論上は。
だが、身体を這った指。舌。それが与えた感触はしっかりと身体に
染みこんでしまった。水で流して忘れられるものではない。何より。L。
ニアは地面に膝をつく。
………あんな人だったなんて。
ニアの唇から、こらえきれずに嗚咽が漏れる。
33 :
Lの時計27:2007/02/13(火) 10:14:35 ID:Hsjmr5m30
小さな頃から憧れて、何度も事件をなぞって遊んで。初めて会ったとき、
どれほど嬉しかったか。
微笑んでくれたとき。額に優しくキスをされたとき、嬉しくて
なかなか眠れなかった。
「っう………ぅぅ、Lぅ………」
あなたが好きです。そう言ったのは嘘じゃないのだと、その時ニアは
思い知った。
けれど、何もかも手遅れだった。何もかもが。
草が不自然に揺れる音がして、ニアははっと顔を上げた。焦げ茶の髪の、
見慣れた少年が立っていた。手にはボール。愕然と、白いブランケットを
被っただけの少女を見下ろしている。
「ニア………? 」
34 :
Lの時計28:2007/02/13(火) 10:15:35 ID:Hsjmr5m30
「マ、マット」
ニアは前をかき合わせる。まずい。マットはメロの親友だ。
彼からメロに伝わってしまう!
彼が何か言う前に、ニアは口を開いた。
「マット。お願いがあるんです。私の部屋から服を取ってきて下さい。
この姿のままでは戻れません」
「………服。えっと、そうだニア、服は」
「お願いします。………聞かないで下さい、マット」
涙に濡れた目で見返す。
彼の頭脳と性格なら、不自然な理屈をこねるより、事実をほのめかした
ほうが良い。
分かった。硬い表情でつぶやくと、マットはきびすを返した。
去っていく後ろ姿を見ながら、ニアは安堵の息を吐く。
草の匂いの中で、ニアは身体を小さく丸めた。圧倒的な緑に、消え入ろうと
するかのように。
35 :
Lの時計29:2007/02/13(火) 10:17:25 ID:Hsjmr5m30
「遅いぞマット。次、オレな」
メロに声をかけられて、マットはぎくりと立ち止まった。
が、それも一瞬のこと。笑いながらボールを投げる。
「おいマット、どこ行くんだよ!」
「悪い、ちょっとヤボ用思い出した」
手をひらひら振る。いつもの軽い調子で受け流し、後ろを向く。
………どういうことだよ。
自問自答しなくても、マットには分かっていた。ストリートにいたとき、
ここに拾われる前、何度か見たあの姿。合意の情事ではない、
腫れた瞳。涙の跡。
ニアを襲った奴がいる。それも、この敷地内に。
レイプの70パーセントは顔見知りの犯行だと言う。警戒心の強いニアを
襲えるなら顔見知りレベルじゃない。ワイミーズ関連の誰かだ。
自分が育った場所―――この中に犯人がいる。
36 :
Lの時計30:2007/02/13(火) 10:18:11 ID:Hsjmr5m30
許せなかった。ここで、あんなやりきれないことが起きるとは
思ってもいなかった。
全員が競いあいながらも、朝には誰もがねむたげな顔で「おはよう」と
言いあえる、そんな場所だとばかり思っていた。
平和ボケだな。マットは自嘲する。安全な場所なんて、しょせん
どこにもないんだ。
―――とにかく今は、ニアを助けないと。
マットの背中を見送ってから、ニアは緑の茂みに押し入った。
やらなきゃ。
こんな状態では人前で平常心は保てない。保つ自信がない。
それこそが言い訳だとニアの理性が告げる。
違う。違うんだ。私はこんなことしたくない。けれど、身体が。疼いて。
37 :
Lの時計31:2007/02/13(火) 10:19:02 ID:Hsjmr5m30
ニアは指を自分の茂みに伸ばした。
変な感じだった。そもそもトイレで拭く場所だし、風呂でも割れ目に
添って洗うものだと教わった。陰部という名の通り皺が多いので、
そうしないと不潔に陥りやすいのだ。けれど今、何億回と触れてきた
はずのそこは、いつもとは違う、メスとしての本性を現し始めていた。
「あううっ…あん、あ、はあっ」
指を入れて上下にこする。教わってもいないのに分かる。
これが本能というものか。そこまで考えて、思い出したくもない男の顔が
脳裏に浮かんだ。
「あん、あはあ、ああんっ」
甘い息を堪えきれない。
違う。教わったのだ。あの男に。Lという呼び名を持つ、名も知らぬ男に。
ニアは泣いていた。
「一緒にお茶しましょうか」
38 :
Lの時計32:2007/02/13(火) 10:20:05 ID:Hsjmr5m30
憧れの相手からの誘いに頬を染めた、幼い少女。ニア。
―――男を欲しがる身体を慰めながら、彼女は小さなニアに、
別れを告げた。
可愛かった。今ならそれが分かる。彼女は本当に可愛かった、その無垢な
少女に。
「やぁ………ああん、あ、あはぁ………んっ…あん」
………別れを、告げる。
「ああんっ、ああ、あは………っつ、ああ………ん………っあああ………っ!」
そこには女がいた。いましがた、生まれた女が。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
二度目の投下の時焦ってしまいこの文章を忘れていました。
申し訳ありませんでした。
>>Lを継ぐ者神
まじびびりました
なぜなら今投下しているSS、途中まで同じ題だったんです
一瞬「あれ? 私投下したっけ?」みたいな(^^;)
途中で切ってしまい申し訳ありませんでした。
少年の明るさが切ない………
>>1さん乙です
40 :
Lを継ぐ者20:2007/02/13(火) 10:37:57 ID:j0FlUDGD0
「Lに最も近いレスターがここにくるってことはロジャー、もしかして…?」
「ああそうだ。君にはL候補としてこれからLの元で訓練に入る。
今すぐワイミーズをでる準備にとりかかりなさい」
「やっぱり?!やったー!!僕、頑張るよ!
レスターこれから準備があるので失礼します。」
少年はペコリと一礼しバタバタと部屋を出ていった。
「いい子ですね。ロジャー、あの子がメロとニアの…」
「子供です。産まれてすぐにワイミーズへ預けられたので
現在の三代目Lが自分の母親だとは知りません。
名前はElle‐River。
ワイミーズでもエルと呼ばれています。」
>>39 「Lの時計」神。楽しみに待ってました。
話ぶったぎって申し訳ないです…こちらは「20」で終わりです。
連続投稿の壁がきつかった…orz
タイトルはいいのが思いつかずとりあえず最後の部分から書き始めたので
ありがちなタイトルにしてしまいました。
もしかして今までのSSタイトルともかぶってるかも??
もしそうなら申し訳ないです…。
では、また読者として楽しませて頂きます。
読んで下さった方、ありがとうございました。
>>Lの後継者神
ええええ何を言いますか続き書いて下さいよぅ
>>1さん
スレ立て乙!
これでまたたくさんのニアたんに逢えます…嬉しい
>>Lを継ぐ者神
申し訳ないですが、子どもネタのときは表記をお願いしてもいいでしょうか?
妊娠ネタは我慢できる。
でも、「デスノ世界に存在しない子ども」が存在していて
あたり前のように登場人物と話をしたりするのはかなりショックだったので……。
(こういうの私だけかもしれませんが)
自分の言い方に気を悪くされたらすみません。
>>Lの時計神
悪人世界の悪人ニア楽しみにしています 自分悪人好きw
…本スレに貼ったの誰?
>>43 すいませんでした。今からじゃ遅いかもしれませんが…
これからログ読んでいく方へ
「Lを継ぐもの」には架空の人物が登場します。
不快に思う方はスルーしてください。
>>1 スレ立て乙です!
女の子ニアたん愛してるよ!
おはようございます。
以前、放課後の補習を投下したものです。
今日がバレンタインデイという事をすっかり忘れていました。
10分ほどで書き上げたものなので矛盾点があるかもしれませんが、
メロ×ニア投下します。
キスまで。
タイトルは『ニアのバレンタインデイ大作戦』
では
2月14日。
いつもはただ何となく過ぎる、2月のある日。
しかし、今回は違った。
ニアはそれを実行すべく、調理室へ足を運んだ。
キラ事件。
これが発端で、今は日本に居るL。
そんな彼から聞いた、日本の話。
「日本では、2月14日に、女性が好意を寄せる男性
にチョコレートを贈る風習があるようです。
何でもお菓子メーカーが流行らせたそうですが。
・・・・もてる男性が羨ましいです。」
そう言っていた彼を思い出した。
ニアは慣れない手つきでチョコレートを湯銭にかけ溶かす。
・・・きっと、喜んでくれる。
そして。
彼にメッセージを送る事が出来る。
自分の秘めた思いを。
意図はわからなくていい。ただの自己満足だから。
ゆっくりと型にチョコレートを流し込む。
暫く冷やせば完成だ。
珍しくニアは胸を高鳴らせ、部屋へ戻っていった。
「ちょっと、誰ですか!???」
ガラッと教室のドアを乱暴に開けると、息を切らしたニアが叫んだ。
「二、ニア!?」
近くにいたリンダが驚きの声を上げる。
「わ・・・私の・・・私の作った・・・・・」
言葉にならず、後から後から涙が零れる。
リンダをはじめ教室にいた女子が心配そうにニアを囲む。
ニアらしくなかった。
いつもであれば、冷静に犯人を探すだろう。
だが、高鳴った気持ちの分だけニアは冷静さを失っていた。
「チョコ!?」
事情を聞いたマットがニアを見つめた。
「・・・また、どうして??」
その質問には答えない。
「それを持ち出した方を知っているかと聞いているんです。」
真剣に質問するニアに、マットはニヤッと笑っていった。
「・・・そんなの、一人しかいないだろ??」
ワイミーズハウスの小さな広場。
大きな木の下に、彼が居た。
――――メロ。
彼は包装も、何もしていない型にはまったままのチョコレートを手にし
それを黙って見ていた。
そこへ、息を切らし走ってくる小さな白い体。
「・・・随分な慌て様だな。」
「当たり前です。」
メロは、ニアのチョコレートを隠そうともせず、自ら犯人を名乗った。
ニアしか知らないそのチョコレートこそがその証拠。
「ハートのチョコレートか・・・」
「あ!!」
メロはチョコレートを型から外すとバキッと音を立てた。
「な・・何するんです!!!」
「チョコレートは食べるもんだろ?」
「・・・それは私のものです。」
「・・・Lのものだろ?」
「え?」
L?確かにLはニアに日本の2月4日の風習を教えてくれた。
「何故そう思うのです?」
「あいつが甘党だって事。そして。」
メロは一口分欠けたチョコレートを見つめて言った。
「お前がLを好きってこと――――」
はぁ・・・
溜息をついたのはニアだった。
「はずれです、メロ。」
まさか、メロがその風習を知っているとは思わなかった。
これはニアの予想外。
でも。
「私はそれをLに送るつもりで作ったのではありません。」
そう言うと、ニアはメロにそっと近づいた。
「!?」
驚いたのはメロだった。
ニアがメロに唇を重ねていた。
「・・・・・少し甘すぎましたね。」
ぺろりと自身の唇を舐めるとニアが言った。
「お前・・・・・」
とまどうメロを前にニアは少し頬を染めた。
「まあ、つまりはこういう事です。」
その台詞に今度はメロが真っ赤になった。
束の間の時間、二人はただ黙ってお互いを見つめていた。
そこに、少し冷たい風が流れる。
冷たいけれど、とても優しい風だった。
ジリリリリリッ!!!
「そろそろ授業です。」
ニアはくるっと後ろを向いてゆっくりと歩き出した。
メロがその後姿を追うと、ニアが振り向く。
いつもの無表情ではなく、歳相応の女の子らしい可愛い笑顔だった。
「ハッピーバレンタイン、メロ。」
終わり
タイトル、『ニアのバレンタイン大作戦』
の方が語呂がよかったかもorz
どうしてもバレンタインデイネタを書きたくて
朝から失礼しました。
お目汚しすみません。
遅刻する・・・
ニアたんの手作りチョコ・・・ハァハァ(´Д`)
バレンタイン神乙です!!
神乙です!
ニアたんの手作りチョコ自分も欲しい(;´Д`)ハァハァ
ハァハァ
良いな欲しい欲しい
携帯の方すみませんOTL
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第二章 優しい嘘
カップリング・マット×ニア
21禁
策略和姦
S要素あり
神、乙です!
うわー!ニアかわいいよぅ!!
今日ほどメロに嫉妬する日はないなw
63 :
62:2007/02/14(水) 09:11:49 ID:j1cJDzRs0
あっ神!さえぎっちゃってすみません!!(゚Д゚;)
64 :
Lの時計33:2007/02/14(水) 09:13:00 ID:bfQHLvOl0
第二章 優しい嘘
大丈夫か、なんてヤボな言葉しか出てこなかった。思い詰めた表情のニアを部屋まで送ると、ニアがしがみついてきた。
「ニア?」
「すみません………もう少し一緒にいてください」
「分かった。嫌じゃないなら、ここにいる」
ほっとした表情で僕を見上げるニア。
「マットが嫌なはずがありませんよ。シャワーを浴びてきます」
きびすを返す。マットはどきりとしてその背中を注視した。意味ありげな台詞だ。
いや、何を考えている。ニアは今混乱しているんだ。
当たり前じゃないか、ただでさえ男女のことには鈍そうな彼女だ。いきなりそんなことをされて、平静でいられるはずがない。
それにしても。
>>63 こちらこそごめんなさい
バレンタイン神もごめんなさいOTL
なんで私はこう長文になるのかOTL
66 :
Lの時計34:2007/02/14(水) 09:15:26 ID:bfQHLvOl0
ニアを襲ったのは誰だ? 彼女はそもそも危険な場所には行かない。必ず誰かが来るような場所を選んで座っている。このことから、前の孤児院で何かあったのだろうとは察しが付いた。
周囲の子供達の中で突出して賢く、可愛らしいニア。妬みを受けるには十分な理由がある。
これは………誰かに呼び出されたとしか………しかし。
「マット?」
「うわっ! ニア、もう上がったの? ってその格好何」
ニアはバスタオルを身体に巻いたままの格好で、所在なさげに立っていた。
「マット、お願いがあります」
「うん」
「私を抱いて下さい」
………はい?
一瞬、目が点になった。
「ニア、何を言うんだよ。少し落ち着け」
「あなたこそ落ち着いて下さい。これしか方法がないんです。あの男に勝つには」
67 :
Lの時計35:2007/02/14(水) 09:18:01 ID:bfQHLvOl0
「あの………男………? 」
愕然とした。ニアはまっすぐそんなマットを見据えている。
「まさか………そんな、ありえない」
ニアが襲われたのは、さっき別れてから今までのたった20分の間。
二番のメロはずっと自分と一緒にいた。三番は自分。
この施設で一番のニアがそこまで言うなら、消去法で行くと彼でしかありえない。
彼。L。ワイミーズすべての目標。
「私だって信じたくはありません。ですが、そのありえないことが起こったんです」
ベッドに座り込んで頭を抱えたマットに、ニアはたたみかけるように言う。
「幸い最後までされたわけではありません。けれど次対峙したら………その前に、予習しておきたいんです。無茶苦茶言ってるのは分かってます。けど………お願いします」
「バカ言うな」
マットはニアの肩をつかんでゆさぶる。
「お前混乱しすぎだよ。そういうのはさ、好きな奴とやるもんだろ? お前は僕のこと好きじゃないじゃないか」
「たしかに恋愛感情はありません。けれど、マットが良いです。お願いします。私、メロには軽蔑されたくない………」
68 :
Lの時計36:2007/02/14(水) 09:18:48 ID:bfQHLvOl0
メロ。その名前にマットはため息をついた。
「いいか、ニア。僕はストリートにいたころ色んなケースを見てきた。君はショックをショックで乗り越えようとしてる。自分を痛めつけることで、何でもないことだと思い込もうとしてる。自己否定の行き着く先は………みじめな結末しかないんだ」
自分の手の中で震えていた少女。数ヶ月後、似合わない厚化粧でストリートに立っていた………
震える自分の手を見る。
「僕はニアにあんな風になって欲しくない」
「マット」
ニアは微笑んで、マットに優しく口づけた。
キスの甘さに見上げると、どこか嬉しげな、頬を染めた少女がいた。
「やっぱり、あなたを選んで良かった………」
69 :
Lの時計37:2007/02/14(水) 09:21:02 ID:bfQHLvOl0
「安心して下さい。私はヤケになっているのではありません。自分でも驚くぐらい
冷静です」
「とてもそうは見えないけど」
「これはあなたにも関係のあることです。マット、あの男はメロにもこのことを
言うつもりです」
「なんだって!?」
ますますわけがわからない。
「あの男は性的興味で私を襲ったのではありません。後継者候補としての
バグを見つけるのに、最大かつ共通の弱点を突いたまでです。本人も
そう言ってました」
自分のことなのに淡々と言う。それがマットには許せなかった。
ぐっと拳を握りしめる。痛いほどに。
「………L………っ!」
70 :
Lの時計38:2007/02/14(水) 09:21:42 ID:bfQHLvOl0
マットは特にLが好きではなかった。メロが語るL像は、彼の願望が
多々混ざっている気がしたし、毎回適当に受け流していた。
男に興味ないというのもある。
だが。人を人だとも思わぬような、そんな奴だとは思ってもいなかった。
「もしメロがこのことを知ったらどう思うでしょう」
「………一発ぶん殴って出て行く」
「はい。ここはLつながりで創設された施設ですから。潔癖な彼なら、
ここにいることを施しと感じるでしょうし、ましてやL候補と見られるのは
耐えられない。私のことを考え、告発もしない」
しかし彼はまだ14だ。まともな方法で生きていくことが出来るとは思えない。
それに。
メロがニアに淡い恋心を抱いていることは知っていた。
71 :
Lの時計39:2007/02/14(水) 09:22:27 ID:bfQHLvOl0
それはまだ芽であるがゆえに純粋だ。憧れのLが彼女を陵辱したと知ったら、
おそらくメロはLに反旗を翻す。
だが、メロがLに敵うはずもない………。
マットは深い深いため息をついた。
「分かったよ、ニア」
「………」
「先手必勝だ。君が勝つしかないんだな。この………勝負で」
「はい」
ニアが圧勝すれば、ワイミーズでの成績と合わせて一番は彼女だ。
メロに言う必要はない。
メロが二番と決まれば、言っても話をややこしくするだけだから。
すべては計算の上だった。
マットは嘲うように口元をゆがめた。
「だから、僕なんだ?」
「………はい」
72 :
Lの時計40:2007/02/14(水) 09:23:44 ID:bfQHLvOl0
「だから、あなたしかいないんです」
バスタオルがなぞる、形の良いふくらみの上で手を合わせる。
祈るように。
シャワーを浴びて出てくると、ニアはベッドに腰掛けていた。マットは腰に
タオルを巻いた姿でその隣に腰掛ける。
傍目にも、ニアの緊張、思い詰めた様子が伝わってくる。
マットは微笑む。
「緊張しなくていいよ。リードなら出来るから。今まで初めての子ってのは
無かったけど、なるべく優しくする」
ニアはこくりと頷く。
「ありがとうございます」
白いを通り越して青白くなった表情。よく見るとかたかた震えている。
73 :
Lの時計41:2007/02/14(水) 09:24:29 ID:bfQHLvOl0
本当にこれで良いのか。思ったが、ニアはどのみちLから逃げられない。
実質三番の自分がLから彼女を守れるはずもないし、ニアは逃げるつもりが
ない。ならば。
僕が、同意の上でニアを抱く。愛情をこめて。少なくとも初めては、そうして
あげたかった。
女の子が好きだから、という理由だけじゃない。
メロとニアは、家族のいない自分に、温かな時間をくれた人だから。
「えーと、それ、やめない?」
「はい?」
「僕はニアのことも好きだよ」
「ありがとうございます」
「うん、だからそういうのヤメ! 」
ニアの額をぴんとはじく。きょとんとした。
「痛いです」
「ニアと僕は恋人同士。今だけだけど。………分かったね? 」
覗き込んで微笑う。ニアは泣きそうな顔で笑うと、静かに頷いた
74 :
Lの時計42:2007/02/14(水) 09:25:10 ID:bfQHLvOl0
「好きだよ」
嘘だ。思いながらニアは唇を重ねた。Lとは違うぬくもりが自分を
浸食していく。
自分は間違っているのではないか?
何度もそう思った。本当はLと、優しく肌を合わせたかった。本当は。
………けれど。
「マット………私も、あなたが好きです………」
「………うん」
「好きです」
「ニア」
「大好きです」
頬を涙が伝う。マットは痛ましげな表情でそれを拭った。
「分かってる………」
今日はここまでです
すみませんが今回はエロ無しです
しかしバレンタインか………
うーん。やっぱ時期ネタだよなぁ………
出来に納得がいかなかったんでやめとこうと思ったんだが………
いいや投下しちゃえ
Milk Pazuru番外編2「バレント・ディ」
12禁
ほのぼの
77 :
バレント・ディ:2007/02/14(水) 09:29:52 ID:bfQHLvOl0
部屋に戻ると、残り3枚あったチョコレートが消えていた。
調理室
「あっメロが来た〜ダメだよメロ、男はあっち!」
「マットもいんだろーが!」
「メロ気にしないでオレ紳士だから」
「意味分かんねーよ! ところでお前ら、俺の」
しっしっと邪険に手を振るリンダ。パジャマの上に赤いエプロンを付け、
三角巾をかぶったニアと、同じ格好のふたり。目の前には見慣れぬ調理器具と
チョコの山。甘い匂い。見慣れたメーカーの物が三枚。
メロは無言で奪い取った。
「あー!」
「あーあ」
「まあ盗品ですからね。やむを得ないでしょう」
「そのコメントがむかつく! ニア、マット、リンダ。
どういうつもりだよっ!」
「どういうつもりって………」
三人は顔を見合わせる。なんだ? この困惑した雰囲気は。
リンダが腰に手を当てて上目遣いににらむ。
「明日はバレンタインでしょ!」
まるで正義の味方の決めぜりふである。はあ?
「バレントディのことか?しかもそれが………どうかしたのか………?」
聖バレントディ。聖者の日を祝い、友人同士が贈り物をしあう日である。
もちろんメロもハンカチとマショマロを用意していた。
が、それがチョコとどう結びつく?
「ああーもうダメ。耐えらんない。ニア、こんな鈍感男やめてマットに
しときなよ」
「そうですね………考え直します………」
「やりぃ♪」
結託している。嫌な雰囲気である。
メロがふるふる震えているのを見て、さすがにまずいと思ったのか
マットが口を開く。
「バレンタインといえばさ、年に一度、可憐な乙女が男の子に告白する
愛の日だよ。ほらふたりの姿を見てみろよ」
言ってふたりの肩にぽんと手をおく。おい、リンダは良いがニアに
触るんじゃねぇ。
「ハートマークのついたエプロンに、白い三角巾! 一生懸命作った
チョコを愛を込めて意中の男の子に手渡す日………!
おっそろしくロマンチックだと思わねぇ?」
メロはぐいとマットの襟首をつかんだ。
「すなわち、お前の入れ知恵か。おおかたオタクなゲームで仕入れた
知識だろうそれ」
「ぎくり」
「ゲーム中の変なイベント再現したくなっただけだろうそれ」
「ぎくぎく」
「………まあいいじゃないですか、メロ。私もたまには気分転換に
お菓子作りなど」
「したいと思うタマか? お前が?」
マットを庇う台詞に、メロは反射的にむっとして返す。
ニアは何か言いたげにしたが、口をもごもごさせてうつむく。
心なしか顔が赤い。
間にリンダが立ちふさがった。
「もういいからメロは出て行って! ニアが可哀想でしょ!?」
「お前はいちいちうるっせーよ!」
「くっ………乙女心の分からん男は、いいから出てけーーっ!!」
リンダは気迫でメロを追い出した。
閉じられたドアの前で、呆然と立ちつくすメロ。
「乙女心って………そんな怖い物なのか? リンダ」
「もうやんなるよねー。こっちはこっちで頑張ってるのにさぁ、
男ってこれだから」
「………メロは悪い子ではないですよ。ただ、ちょっと感情的に
過ぎるだけです」
「………うん、分かってる」
リンダははにかむ。チョコを削ると甘い匂いがたちこめた。なんだか気分が
フワフワする。
「ニアはメロが好きなんだ?」
ニアの小刀がだんっ!とまな板を叩いた。
「!?」
「………そういうことになるかも知れません」
「はい?」
思わず顔をのぞきこむ。この二人、付き合ってたはずだけど?
と言わんばかりに。
ニアは何だか愕然とした顔で下を向いている。
マットも下を向く。
「………おいおい、ニアちゃん。問題発言なんですけど。オレ親友として
どうすべきよ?」
「マットは黙ってて」
「自分でも分からないんです………一度は確信を持てたんですが、
最近分からなくなってきました………」
チョコを削り出す。
「だからこんなことをしたくなったのかも知れません」
だって、形があれば安心するから。
可愛らしいハートを贈る儀式を。
「………嫌いになっちゃったの?」
「まさか」
寂しげなニアに、リンダも困ったように首を傾げる。
「じゃあ………これ以上好きになりたくないんだ?」
「!」
ニアはリンダを振り返った。見透かしたような、それでいて悲しげな目。
そうかも知れない。
自分もメロも後継者候補。いつかは道を違える日が来る。
だからニアは、これ以上メロを好きになりたくなかった。
なのにメロを傷つけ、嫌われることも避けたかった。
甘い甘いチョコレートに隠れた、ずるい自分の本心。
可愛いリボンで誤魔化して、渡すつもりだった?
………ずるい。
「………まあいいんじゃねーの?」
最初に口を挟んだのはマットだった。
「オレらまだ子供だし。Lの後継者候補っつーても、随分先の話だろ? 未来を悲観して今は我慢するなんて、おかしいっしょ。
んでほっといても、メロはニアに愛想つかされる可能性はあるし」
「………マット」
「格好良く成長したオレに惚れ直すというシナリオもあり」
「あははそれはない」
「リンダ………お前な………」
「はい。ありがとうございます」
ニアははにかむと、チョコをふたたび削り出す。
今の気持ち。
自分でもよく分からないけれど、今メロを思う気持ちを込めて。
………ちょっと待てよ。
「………しかし食品に気持ちなど入るのでしょうか」
「入ったら面白いけど、困るでしょ」
言って軽くニアの胸をつつく。
「な、何を」
リンダはウィンクする。
「それは男に渡しちゃダメ。常にここに入ってないとね♪」
ぴっと指を立てた。「簡単に主導権を渡してはいけません」
「メロ」
部屋に入ると、メロは机に向かってるところだった。
「なに?」
ニアは紙袋を後ろ手に、もじもじとしている。
やはり渡すとなると気恥ずかしい。ハートマークは可愛らしいが、
それって私のキャラですか? と己につっこみたくなるくらいだ。
が、結局マットとリンダに押し切られてしまった。バレンタインデーには、
おそらく普段かわいげのない女の子への罰ゲームの意味合いも含まれているに
違いない。
「あの、チョコレートが出来たんで試食していただけませんか」
「………試食?」
冷たいまなざし
「ふーん。試食なんだ。やるのはL?」
まずった。
「え、Lの分もありますが、メロに食べてもらいたいんです」
言って紙袋を差し出す。ピンクのハートマークの舞った、可愛らしい
紙袋だった。
「………ふーん」
「何ですか」
「いや、お前も女の子なんだなーと思ってさ。ハートねぇ。ピンクねぇ。
ほお」
にやにやと笑う。ニアは唇をかみしめた。
「ただの印刷物です」
「ただの印刷物だよな? けど選択したのはお前だ」
「こ、これしか無かったんですよ。そんなことより………いらないんですか?」
上目遣いに見る。押されている。しかもあきらかに面白がっている。ニアは
むっとした顔でメロに紙袋を押しつけた。
「メロの好きなチョコレートですよ。本当にいらないんですか。
じゃあ私がいただきます」
「さんきゅ」
言って素直にメロは受け取った。不審そうなニアに、メロは
「なに?」と返す。
「メロが素直です………」
「いけないのかよ」
「いえ、よく考えたら私、反論されることばかり考えてました
………メロが素直………そんな選択肢もあったなんて………」
ぶつぶつ言っている。「やはりあなたは予測が付きません」
「お前、俺をなんだと思ってるんだ?」
「………物好き?」
「おい」
「正直な話、あなたには腹を立てているんです、私」
メロから顔を逸らして言う。真顔の告白に、メロは何も言えずに
立ちすくむ。
「俺に?」
「いえおそらく私自身に。自分で自分の気持ちが分からない。
そこにあなたという不安定要素がからむと、私、すごく頼りないというか、
バカになったような気分になるんです………」
―――確かに
ニアは変わった。なんというか、すごく女の子らしくなった。今までの
中性的な雰囲気から、少女の雰囲気に。それは成長期というだけの理由だろうか。
「でもお前、別に成績落ちたりしてないじゃん」
「いえ。集中力が確実に落ちてます」
「それってさあ、俺がいると気が散るってことだよね?」
「平たく言えば、そうです」
きっぱり。断言しながらも、ニアはそれが迷惑という訳では無さそうだった。
頬をうっすらと染めてメロを見る。
「何でなんでしょうね」
潤んだ瞳。触れれば柔らかな銀髪。メロはニアに近づくと、そっとキスをする。
「変です………」
「………」
「こんなことをして、嫌じゃないなんて、どう考えても私らしく
ない………」
理性に必死に戻ろうとするニアを、戻らせたくなかった。もっと俺のことを
見て欲しい。
俺のことだけを。
「ニア」
背中に手を回す。しなやかで柔らかい身体。ニア。
「いいよな?」
ニアは答えなかった。メロの唇をそっと吸う。
盗むように。
と、その時
ぱちん、という音がして電気が消えた。
「あれ………?」
ハウスの音がしんとしたあと、ざわめきが起きた。どうやら全体の回線が
落ちたらしい。このハウスは良く特殊な装置を使うため結構別電源が多い。ということは。
闇が深い。夕方だと言うのに、窓の外に明かりが見えない。
「送電線事故があったようですね。この辺一帯が停電してます」
ニアの冷静な声。メロの手をほどく。
「気にするなよ」
「何言ってるんですか。絶対誰か捜しに来ますよ。特にあなたの友達」
それはそうだ。ニアの言い分が正しい。だが………面白くない。
メロは葛藤の末、ニアから手を離した。
「くそっ」
「メロ?」
「じゃ、これでも食うか」
紙袋をかさかさ振る。暗闇の中でもニアの気恥ずかしげな空気は
伝わってきた。
「はい」
「ちょっと目が慣れて来たな………?なんだこれ」
ハート型のチョコに、ピンクのペンで丸っこく「愛するメロへ」と
書かれている。
割と上手だ。メロは眉をひそめた。
「お前の筆跡じゃない………よな?」
ニアの字は四角いし、POP文字が上手だなんて聞いたこともない。
四角い字を書く人間が、慣れないチョコの上でここまで上手にカーブの
大きい字を書く確率は低い。円をぶれないように描くのが難しいのだ。
「マットが書いてくれました」
あっさり告白する。
………あのバカ。野郎が書いても嬉しくねーよ。気づけよ。
「気が利くようでそうでもないからな、あいつは」
「ちょっと分けて下さいね? 作ってたら試食の分が無くなって
しまったんです」
「それで俺の部屋から板チョコ三枚を、ね」
「はい。味見していないので、味は保証しません」
「さりげに俺が悪いかのように誘導するな。分かった、やるよ。
口移しで」
「割って下さい」
「割ったら不吉だろこの形」
「メロがそんなこと気にするはずもありません。それは詭弁です」
「口移しが嫌なのか?」
「………メロがいやらしいです」
言いながらも口をつぐむ。勝った。思いながらチョコを口に入れた。
「………う」
まずい。
なんだこれ。
まず食感がありえない。べたべたというよりぬるっとしてる。味がない。
ないのに妙な食品添加物臭がする。しかもなぜか芯がある。
―――どうやったらここまでまずく作れるんだ。
「どうですか? おいしいですか」
「ニア………」
暗いせいで表情が分かりづらいのだろう。ニアが少し嬉しそうに聞いてくる。
メロは数秒考えたあと
「―――ああ、うまい」
「本当ですか!? 良かったぁ」
何が「よかったぁ」だ。よくねえよ全然。メロは心の中で悪態をつく。
「うまいからお前にはやらん」
「ええ、何でですか。下さいよ。自分が作った物って食べたこと
無いんです」
「お前はそこの板チョコでも食ってろ。とにかくこれは俺が
もらったもんだ。やらない」
「ケチです」
「うるさい」
まずい。
心底まずい。涙が出てきた。あとで胃薬をロジャーにもらいに行かねば。
パキッ。
「あーうまいなぁ」
「………いいですよ、その気なら」
ニアはメロの肩に手を回すと、唇を近づける。メロはすんでのところで
阻止した。
「むぎゅ」
「やらんと言っとるだろーが」
「酷いです」
「うるさい」
こんなまずくしやがって。チョコに失礼だろ。
しかも何だよ「おいしいですか」って。嬉しそうに。
そんな反応されてまずいと言えるわけあるか。
言ってやりたい。本当に言いたい。相手がこいつじゃなかったら絶対言う。
メロは口端を噛んだ。
………本っ当にむかつく。
「あーニアは可哀想だなーこんなうまい物食えなくて」
「もう………メロはやっぱり意地悪です………」
暗闇にニアの恨めしげな声が響いた。
数日後
「L。ニアからこんなものが」
ワタリが差し出した荷物を受け取る。発送元はワイミーズ・ハウス。
Lは包みを開けると、ハート柄の模様に目をしばたたかせた。
「ああ、日本の風習か」
なぜニアだけが贈ってくるのか。Lは首をひねる。
誰が持ち込んだにせよ、子供はイベントが好きだ。ワイミーズハウスで流行った
確率が高い。
恐らく本命はメロ。他の子達から贈られて来ないのは、私への媚びだと
思われたくないからか。
ニアはこんなつまらない媚びはしない。そのことをニアは承知で送ってきた。
すなわちこれは。
―――親しい者に贈る、純粋な好意。
丁寧にラッピングされたリボンをつまみながら外し、箱を空ける。
シンプルなハート型。一目見て素人の手作りと分かる。
Lは表情を和ませたが、箱をつまみあげた。
「ニア」
すみません。目を伏せる。
「ワタリ、処分を」
「よろしいのですか」
「食べるわけにもいかないだろう。他言は無用だ」
手作りはいくらでもすり替えられる。おまけに加工を判断しづらい。
ニアからワイミーズを通してワタリへ。安全性はずば抜けて高いが、
確率はゼロじゃない。
Lという立場上、安易に口にするわけにもいかなかった。
「かしこまりました」
会釈をして出て行く。Lはひらひらとリボンを振りながら、ため息をつく。
「手作りチョコですかぁ………あーあ。………時折L辞めたくなります………」
肩を落とした。
バレンントディはこれで以上です
途中で規制かかってしまい遅くなりました
呼んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
携帯の方ごめんなさい
>>45から読んで下さい
やばい面白すぎるwwwバレンタインはたくさんの
ニアたんに会えていい日だな!神乙です!!
_____
(\ ∞ ノ
ヽ、ヽ /
`ヽ)__ノ
ニアのパンティおくれー!
倉庫更新&テンプレ変更しました。
ご確認お願いします>神さま
ご連絡が遅れて申し訳ありませんでした。
>前倉庫番さま
メール読了後ご指摘の箇所を修正、返信いたしました。ご確認下さい。
同人サイトについて勉強しますね(^_^;)
スレ汚し失礼しました
106 :
fear :2007/02/15(木) 01:42:08 ID:Rb0Vr25o0
続きです。
性虐待を受ける子ニア。
21禁。長編。
暴力シーンを含む表現、
陵辱・鬼畜が苦手な方はスルーして下さい。
では、どうぞ。
107 :
fear :2007/02/15(木) 01:43:02 ID:Rb0Vr25o0
「おはよう、ニア」
今までと別人の彼は、口元に笑みを浮かべて
ニアへと歩み寄った。
「ゃ・・・・」
顔を背けると、その態度が気に入らなかったのか、
思い切り頬を殴られ、思わず悲鳴を上げた。
「煩い。・・・これから俺は出かけてくる。その間いい子にしてろよ」
髪を掴まれ、壁へ打ち付けられた。
「・・ッ・・・此処は・・一体何処ですか・・・」
「家の地下室」
108 :
fear :2007/02/15(木) 01:44:04 ID:Rb0Vr25o0
地下室があるは珍しくない。
窓も無ければ、脱出できる扉もこの一室には、一つしかない。
叫んだとしても、外には聞こえないだろう。
押さえつけられた頭を髪の毛で引っ張り、再度壁へ打ち付けられる。
痛くても、悲鳴を上げないように我慢していたのに、
また何かが自分の中へ入ってくる。
「やっ・・・何・・・っ・・・」
先程入ってきたものよりも、一回りほど小さいソレは
冷めた体に熱を与えるかのように動いている。
「んん・・・!!?あ、ぃやあ・・ああぁ・・・」
109 :
fear :2007/02/15(木) 01:45:38 ID:Rb0Vr25o0
じゃあな、と言ってそのまま扉を閉ざせば、
再び暗闇の中に1人、取り残された。
「あ・・・っ・・やんっ・・・あぅ・・・あぁ・・・・・」
中で何かが回転している。
それが何なのか、知識のないニアには分からない。
僅かな機会音は終わりを知らぬかの様に、鳴り続けた。
「ひぁああ・・・・ああぁっ・・、んぁあ・・・・っ・・」
腰をビクつかせ、足先に力が入る。
手先は血の通いが悪いのか、冷たさで痛む。
そんな痛みよりも、奥を止め処なく動くもののせいで、
風呂場の時のような感覚に、再び呼び戻された。
110 :
fear :2007/02/15(木) 01:46:20 ID:Rb0Vr25o0
「・・・・・ッああ・・ふっ、ぁ、・・はぁ・・・・」
自分がハウスでもっと我が侭を言えば、
こんなことにはなっていなかったのだろうか。
大体、里親制度は自分に合ってないから、移ってきたのに
酷い仕打ちだと、全てを憎んだ。
「ぃやあっ・・アア・・・・ぁっ・・ダ・・メ・・」
喘いだ体は、達する寸前である。
力を少しで無抜けば、すぐにまたあの時の様になるだろう。
一度経験したあの感覚を、しっかりとニアの体は覚えている。
「―――ッ!!ああぁああ!!!!」
呼吸が乱れ、肩が激しく上下する。
そんな苦しさは御構い無しに、変わらず中を蠢いている。
111 :
fear :2007/02/15(木) 01:48:18 ID:Rb0Vr25o0
「ぁああ・・・・取っ・・てぇ・・」
誰かが居るわけでもないのに、
自然と甘い声が漏れるかのように訴える。
何度もイかされた体は疲れきって、
ニアの口から唾液が、腹部へとだらしなく垂れていった。
暗闇に慣れた目が、僅かに周りの風景を映す。
「んくっ・・・・・ああ・・・・・っ」
あれから、何時間たったのだろうか。
凄く長い時間だったような気がする。
意識が朦朧とする中、足音が頭に響く。
その音聞くと、体が反応し小刻みに震えた。
「ぁ・・や・・・はぁっ・・・」
扉が開く時。それは、彼が来たことを示していた。
いい子にしてたか、と近寄り
ニアを散々荒らしたものを抜き取った。
京間此処までです。
続きを投下するのが遅れてしまいましたが・・・。
神乙です!!
ニアたんが何時間も喘いでるなんて・・・・(;´Д`)ハァハァ
新スレになってからも伸びが早い早い!
相次ぐ神ラッシュ嬉しすぎ
fear神
ずっと待ってました!あぁ、カワイソスなニアたん…スマン、萌える
Lの時計神
マトニアwktk!マットの手ほどきを受けて奴を見返してやるんだ
今後の展開見逃せない!
バレンタイン神
まさに青春の1ページ…ニアたんのチョコ欲しい
放課後シリーズ、楽しみに待ってます!
神のお話は心に何とも言えない気持ちを残すんだよな…
fear神
ああ、ニアタンカワイソス………萌えてしまう自分が怖いw
二代目倉庫番様
乙です!これからも頑張って下さい!
長文厨でスミマセンOTL
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第二章 優しい嘘(二分の二)
カップリング・マット×ニア
21禁
策略和姦
S要素あり
*マットの過去にオリジナル要素あり
言葉の割にはせわしい愛撫だった。行為に熱中しようという、彼なりの
努力の現れなのだろう。少し乱暴だな、と思いつつも言えない。
ある可能性に思い至ってニアは頬を赤く染めた。
………技巧の差だ。
Lはどこであんな技術を身につけたんだろう。だいたい、性交は一人では
出来ないはずだ。自分が知らない女とLが………そこまで考えたとき、
マットの顔がアップになった。
「ニア」
「ははははいっ!」
「集中してる?」
疑惑を含んだまなざし。ニアは目線を落とした。
「すみません………」
「もう………」
118 :
Lの時計43:2007/02/15(木) 09:16:24 ID:7OP7FJbO0
マットは呆れたようにニアを見下ろす。ニアの小さな胸が申し訳なさで
いっぱいになった。マットに頼んだのは自分。なのにこんなときに他の人の
………それも、あんな奴のことを思い出すなんて。
「ニアは初めてだよね?」
「は、はい」
「つうことはムード作りか………いや、この場合………」
「あの、マット?」
ベッドから降りる。思わずつかもうとした手を優しく払いのけ、部屋の隅に
置かれた長い鏡を持ってきた。引きずり、ニアに向ける。
「きゃっ」
慌ててシーツを掴んだ。
「な、何するんですか! やめてください」
「集中しないからじゃん。はいはい、お姫様。ちゃーんと見ながら
やってくださいね」
「ううっ。マットも変態だったんですか………? もう嫌です………」
119 :
Lの時計44:2007/02/15(木) 09:17:22 ID:7OP7FJbO0
泣きべそをかく。涙をぬぐうと、唇を合わせる。
「んっ………ん」
「あれ? 結構効いてない?」
「やめてくださいってば」
「良きに計らえ。苦しゅう無いぞ」
体中を撫でる。さりげなく首に添えられた手が、ニアの顔を鏡に映させる。
真っ赤な顔をして、良いように身体をまさぐられている自分の肢体。
非現実的に見えて、鏡は鏡であるが故に現実だと証明する。
「何の話ですかっ………ああ、あんっ、そこはダメ………っ」
くちゅくちゅと、いやらしい音が響いた。ショーツの中に指を入れられ、
すでにねっとりとした染みを作っている。
120 :
Lの時計45:2007/02/15(木) 09:34:37 ID:vJN+M4g80
「あ………はぁっ、ああん」
「ここ、いいんだ?」
「やぁ………マット、悪趣味で嫌です………」
「そんなこと言ったって事実だよ。ほら」
股間にある手ごとショーツを引き下げる。ショーツと銀色の花の間に
蜜が引いていた。
「ほら、見てみろよニア」
「嫌です………お願い、やめてください………」
真っ赤になって顔をふる。
「ふうーん。うわ、すごいきれい。ニアほど色白いと違うね」
「しかも誰かと比べてるんですか! もうっ、いい加減にしないと
怒りますよ!?」
「はいはい、サーセンサーセン。さっさとsexyberに戻っちゃって下さい」
言ってぺろんとニア自身をなめあげた。
「ちょっ………もうっ、やん、あはあんっ」
121 :
Lの時計46:2007/02/15(木) 09:35:14 ID:vJN+M4g80
言ってぺろんとニア自身をなめあげた。
「ちょっ………もうっ、やん、あはあんっ」
「あっ感じちゃう? やだねーオレ結構自信持っちゃうかも」
「あなたねぇ! ………あんっ、あはぁ、ああんんっ」
緩急をつけて肉の花をいじりながら、マットは比較的冷静だった。いや、
冷静になろうとしていた。
興奮すればいい。いや、そうさせてやる。
頭が真っ白になるほどに。
「あん、あはあんっ………!」
ニアの身体が弓なりに反る。くったりと力のぬけた身体を抱き上げ、
柔らかな唇にそっとキスをする。
「マット………」
うるんだ目で自分を見る。もう、止まらない。マットはズボンを降ろした。
ニアは嫌がるかのように身をよじらせたが、抱きすくめられて、抵抗を
やめた。
122 :
Lの時計47:2007/02/15(木) 09:36:04 ID:vJN+M4g80
「愛してるよ、ニア」
「………はい」
「こっちを見て。ニア」
おずおずと目をあげる。マットはニアに自分自身を押し当てると、
少しづつかきわけていく。痛みがあるのか、ぎゅっとしがみついてくる。
「………大丈夫?」
「はい。聞いていたほど痛くはない………です。でも、
ちょっと苦しい………」
その言葉を聞いてほっとした。この上痛いと泣かれてしまったら、続ける
自信が無かったから。自分を包み込む身体の柔らかさを感じながら、
念のためゆっくり挿入して、奥まで到達する。
「入ったよ」
「………変な感じです。じんじんする」
眉をひそめる。困惑しきり、という表情が可愛かった。頬に
ちゅっとキスをする。
123 :
Lの時計48:2007/02/15(木) 09:37:10 ID:vJN+M4g80
「ひゃ」
「ニア、可愛い」
「ま、マット。いきなり何を」
おろおろするニアの身体を抱き寄せ、少しづつマット自身で中を
刺激していく。ニアの中が男性を求め出すのに、たいした時間は
かからなかった。
「マットぉ………はぁ………ん」
「ニア。ニア、ニア」
ニアの指がマットの背中に食い込む。互いをむさぼりあいながら、
シーツを汚していく………。
行為が終わったあと、掃除をしながら、マットはつぶやいた。
「ニア」
「はい」
124 :
Lの時計49:2007/02/15(木) 09:37:46 ID:vJN+M4g80
「僕はニアが好きだよ」
ニアはシーツをゴミ袋に入れながら、じっとマットを見すえる。
「………私もです」
「うん」
頷く。まるで何かの儀式のように。「両思いだね」
ぽつんと。
その時ニアは思い出した。マットが、自分と誰を重ねたのか
分かってしまった。
「………ニアには、あんな風になって欲しくない」
125 :
Lの時計50:2007/02/15(木) 09:38:37 ID:vJN+M4g80
「どうしたの?」
ニアの変化に、マットは探るようなまなざしを向ける。常とは違う
鋭い視線。
それに触るな。気配がそう告げていた。
「………何でもないです。マット、下でジュースでも飲みませんか。
私、とても喉が渇きました」
「うん、そうだね」
マットが相好を崩す。
一瞬感じた影はどこにもない、いつもの、穏やかな彼だった。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
スレ進行が………ほんとごめんなさい
時計ネ申乙です!サーセンキターww
続きが気になって仕方ない身としましては、ハイペースで投下して下さるネ申は
本当にネ申です(*´Д`)ハァハァ
鏡に映しながら愛撫されちゃうニアたん(*´Д`)ハァハァ
一見明るく見えるマットに見える陰りが気になります
続きwktkして待ってます(*´Д`)ハァハァハァハァ
二代目倉庫番様乙!!トップの女の子ニアたんの横顔シルエットすごく美しいです!!!!!!
ただ、注意表示の後いきなりSSが始まるのと、表示の幅が狭くて変な所で改行になると読み難いかな?
『オリジナルキャラあり 倉庫番×ニア ニアはYB倉庫のSSを読んでし
まうと、こう言った。
『皆さんお上手ですね。倉庫番さん乙です」
倉庫番にそう告げるとニアは横を向いた。頬が、うすいピンクに染まってい
た。照れているのだろうか。はかなげな横顔が綺麗だった。』
よりも
『オリジナルキャラあり 倉庫番×ニア
ニアはYB倉庫のSSを読んでしまうと、こう言った。
「皆さんお上手ですね。倉庫番さん乙です」
倉庫番にそう告げるとニアは横を向いた。頬が、うすいピンクに染まっていた。
照れているのだろうか。はかなげな横顔が綺麗だった。』
の方が読みやすいのではないでしょうか? (下手な例に登場させて、すみません
もちろん、神が投下した形で保存するのが一番ではありますが…
神乙です!
ニアたんが鏡の前で恥ずかしがる姿が浮かんできてハァハァしますた(*´Д`)
続き楽しみにしながら待ってます!!
>>128 ご指摘ありがとうございます。私もあのスキン気に入ったんですが、ご指摘の通り狭いので(カスタマイズ能力がない)やっぱ変えました。これで見やすくなると思います。
SSがいきなり始まる点については、携帯読者様に配慮してのことなので、ご容赦ください。
今回は私のスキン選択ミスですが、もしSSで「こうしたらいいのに」という部分があったとしても、私がいじることは著作人格権の侵害になってしまうので、
神様のご指摘がないと変えることはできません。
神様チェックお願いします
131 :
fear :2007/02/15(木) 23:39:53 ID:bwrcqUSA0
続きです。
性虐待を受ける子ニア。
21禁。長編。
暴力シーンを含む表現、
陵辱・鬼畜が苦手な方はスルーして下さい。
今回挿入シーンあります。
では、どうぞ。
132 :
fear :2007/02/15(木) 23:41:08 ID:bwrcqUSA0
「んっ・・・もぅ・・やめてっ・・・・」
アルコールと煙草の臭いが鼻をつく。
抵抗すれば面白がって殴り、手に持っていた煙草の火を消す為、
ニアの透き通る身体へ痕をつけた。
「ぃっ・・いた・・ぁい・・・」
ジュッ、と音を立て肌へ熱さよりも痛みを与える。
目を瞑り、痛みに耐えると唇へ何か圧し当てられる。
「んぅ・・・・・?」
目を開ければ、彼のモノが唇の隙間へ入り込んでくる。
食事は一切与えられてないけど、吐き気がして、
歯を食い縛り、頑なに閉ざした。
「言うこと聞け!」
固い何かで思い切り頭を打たれた。
一瞬、意識が飛んでしまいそうなくらいの痛みに、悲鳴を上げる。
痛がると、彼は余計に暴行を与え続けた。
133 :
fear :2007/02/15(木) 23:41:44 ID:bwrcqUSA0
「はむぅ・・くぅっ・・・・」
嫌々ながらも、口に含んだ大きなモノ。
次第に大きく固くなり、喉へ粘液を放たれる。
「げぇっ・・・ごほ・・っ・・・うぐぅ・・」
咽返り、口内に広がる液体を吐き出すと、
またしても、殴りかかってくる。
だから決して吐き出さず、
綺麗に一滴も逃す事のない様、飲み込まなければならない。
その彼のモノを蕾へ突きつけられた。
嫌がれば殴られるか、彼を興奮させ
もっと酷いことをされるかのどちらかだった。
134 :
fear :2007/02/15(木) 23:44:43 ID:bwrcqUSA0
「んぐぅ・・・!!・・・ったぁ・・・ぃ・・・」
容赦なく蕾へソレは入っていく。
痛みに耐え、喘ぎ声を懸命に発した。
ちっともこんな声を出す気なんてないけれど、
甘い声を出すと、彼はこの行為を発すれば終わらせてくれる。
「ぁ・・っ・・ああッ・・・ふっ、あ、あっ・・」
赤くなった足先に力が入り、丸まる。
相変わらず、両腕の金属はガチャガチャと音を立てた。
「んん・・・ぁ・・・んぁあ・・・・っ・・・」
奥を鋭く打つように突き、腰を動かし始めた。
振動と共に痛みも増すが、だんだん目の前が見えなくなる。
「ひっ・・ぁあ・・・イ・・クぅ・・・!――あぁあああ!!!」
達した体は力が抜け、首がだらんと俯いた状態になる。
呼吸を整える間も無いまま、再び機械をを挿入された。
135 :
fear :2007/02/15(木) 23:45:33 ID:bwrcqUSA0
「あああッッ・・・!ぅう・・くっ・・・」
ここで嫌といえば、
煙草の火を突き付けられるか、殴られるかだ。
彼はいつも何処かへ行き帰ってくるなり、ニアの体を荒らした。
そして自分が地下室にいない間は、機械に任せるのである。
もう何日学校へ行っていないのだろうか。
1週間程なら、出校停止の病気などと言えば言い訳が利く。
だが、5日という短い日数は過ぎているだろう。
それまでずっと、蕾に何かを突き付けられている。
そのせいで、蕾はヒリヒリと痛み触れなくとも、悲鳴を上げていた。
136 :
fear :2007/02/15(木) 23:46:32 ID:bwrcqUSA0
「あっ・・いたぁ・・・いっ・・ん・・・っ・・・」
彼が帰ってくれば、彼のものを受け入れなければならない。
その時間が終わるまで、恐怖にただ怯えていた。
そして、その時がくる。痛む蕾を見ることは出来ないが、
きっと、赤くなって出血しているかもしれない。
「ああっ・・お願・・っ・・いです・・・もう・・今日だ・・け・・ぇ・・・」
彼を見ることは出来なかった。
目を見るのが怖いから。
危害を加えられえると思い、歯を食いしばると、
蕾をいきなりなぞられる。
今日はこれで終わります。
乙です!
誰か、ニアたんを助けてあげて!!
このままだと使い物にならなくなってしまうYO!
いや、もしかしたら淫乱ニアたんが出来上がるのかも??
そうなったら・・・ハァハァ
乙です!
ニアたんが可哀想・・・(⊃Д`)
でも、淫乱ニアたんに成長した所を想像してハァハァしますた(;´Д`)
続きも楽しみしてます!
カワイソすぎ・・・。ニアたんが男に報復するなら読み続けますが、
犯られっ放しならリタイアするので、次回投下の時にでも教えてください
チキンですいません・・・。
でも、それだとオチがわかってしまうのよね・・・
そういう場合、神はどういう判断を下せば良いのだろう?
「最後は報われませんので注意して下さい」
または「最後はハッピーエンドです」とか?
いずれにせよオチがわかってしまうか・・・
オチを知る前に140さんはもうリタイアした方がいいんじゃないかな
>>140 同意。だがオチはまずいでしょう。
スルーして、倉庫に格納されてから読んでもいいと思うよ。
>>140 >>142 さんの意見に同意
かわいがり方は人それぞれだけど、許容範囲も人それぞれなんだし
読書感想文の宿題出されたわけじゃないんだし、無理して読む必要はないのでは。
投下行きますノシ
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
21禁
第三章 決壊(二分の一)
21禁
カップリング・メロ×ニア
口淫陵辱
S要素高し
146 :
Lの時計51:2007/02/16(金) 10:14:32 ID:sju+H++80
第三章 決壊
「メロ、何やってんだよ」
頭を押さえてうずくまったメロに、ボールをぶつけた相手が手を振って叫ぶ。
らしくないミスだった。そんなこと自分が一番良く分かってる。
メロはボールを足にひっかけると、遠くに向かって蹴り上げた。
「あ!………あーあ」
「………ちょっと抜けるわ。じゃあな」
足早にグラウンドを後にする。背後から少年の声が追いかけてきた。
「メロ!? 人数足りなくなるだろー!………」
147 :
Lの時計52:2007/02/16(金) 10:15:33 ID:sju+H++80
何かが変わった。
そう気付いたのは、二週間ほど前のこと。
変わったのはマットとニアだ。
あのフェミニストのマットが、ニアに関してだけどこかそらぞらしく
対応するようになった。それだけなら、自分の気持ちを勝手に
おもんばかった行動とも取れるのだが、問題はニア。
マットに対して少し柔和になったというか、親しいとも取れる態度を
取るようになったのだ。
といってもかすかな変化だったが。物を取るときかすかに触れる手や、
話しかけるときの仕草に油断がある。どこか気を許した相手に対するそれだ。
それに、最近。
148 :
Lの時計53:2007/02/16(金) 10:16:23 ID:sju+H++80
ニアはきれいになった。時折はっとするほど。今までは白靴下をはいて
ごろごろしていたら、たまに「邪魔」と踏んづけてやったものだが
(「何するんですか」と不機嫌そうな顔をするのが面白くて、
何度もやった)、女の子らしい輝きをまとうようになると、触れることすら
ためらわれるというか、距離を感じてしまう。そんな自分がじれったかった。
そんなある日。自分は知ってしまったのだ。
マットの部屋の前で。
「ああんっ。マット………」
「次、これ試してみる?」
「な、何を言うんですか………やあん、やあ、はぁ」
149 :
Lの時計54:2007/02/16(金) 10:17:02 ID:sju+H++80
扉の奥の甘い声。
知識はあった。甘い声に立ち上がってくる自身を感じながら、
メロは猛烈な怒りと嫉妬を感じていた。
―――どういうことだよ………?
「よお、メロ。サッカーでヘマやらかしたんだってぇ?
お前らしくも」
振り向いた表情にマットは口を閉ざす。メロは口元をゆがめた。
「ああ、ちょっとぼうっとしてた。ところでさ、マット。お前女の子
好きだよな?」
「え? ………ああ、まあ」
まずい。表情がそう告げている。
150 :
Lの時計55:2007/02/16(金) 10:17:40 ID:sju+H++80
ポーカーフェイスになりきれないところがお前の最大の弱点だよ、マット。
お前は人が良すぎる。だからこうやって、自滅するんだ。
「こないだもリンダにちょっかい出してたよな?」
「え、えっと、何怒ってんの?」
「なのに何で………っ、何でニアは平然とそれ見てたんだよ!」
押さえきれない怒りの奔流が、決壊した。
しまった。
そんな相棒の表情を見たのは一瞬だった。マットはふっとばされて頭と
背を壁に打ち付ける。うめき声をあげたが、マットは殴り返さなかった。
151 :
Lの時計56:2007/02/16(金) 10:18:41 ID:sju+H++80
愕然とした顔で
「メロ、お前まさか」
「見てたよ! お前らがさ、本当にそうなら………我慢してやっても
良いと思った! けど、何だよそれ。何なんだよ………っ!」
うまく言葉にならない。マットは赤くなった頬をぬぐうと、
無言でメロを見上げた。
好き同士なら良かった。腹は立つけれど、他の奴に取られるよりずっといい。
けれどニアは彼を愛していない。おそらくマットもだ。
―――なのに、ふたりは肉体関係を持った。
不潔だと思った。親友と初恋の相手がそんな奴らだなんて、我慢がならない!
「何してるんですか?」
「ニア、来るな………っ!」
152 :
Lの時計57:2007/02/16(金) 10:19:38 ID:sju+H++80
廊下からきょとんとした声がする。不思議そうに顔を出したニアは、
ふたりの様子を見て、すべてを悟ったようだった。
「マット!」
かけよるニアの手首をメロが掴む。軽くひねった。
「いたぁ………っ!」
「メロ、やめろ。ニアは悪くない」
「相変わらずフェミニストだな、マット。じゃあ遊びでこんな
処女臭いガキ誘ったとでも言うのかよ! フェミニストのお前が!」
「………それは」
「状況的にお前しかありえねぇんだよ、ニア。こいつを誘ったのは
お前だな?」
153 :
Lの時計58:2007/02/16(金) 10:20:26 ID:sju+H++80
ふたりの間に微妙な空気が流れる。それが性的な関係を連想させて、
ますますメロは激高した。
「この………売女。淫乱女」
「違う、ニアは」
何か訴えたげにメロを見上げていたニアは、マットの言葉を
震える声で遮った。
「そうです。私がマットに頼みました。私を抱いて欲しいと」
自分で言った癖に、メロはその言葉に衝撃を受けているようすだった。
「………な、何で」
「いけませんか? 女性にも性欲はあるんですよ、メロ。経験豊富な
マットに頼んだだけです。あなたなら分かりますよね?
マットを丸め込むくらい訳がありません」
154 :
Lの時計59:2007/02/16(金) 10:21:30 ID:sju+H++80
「! ニア、やめろ」
「簡単でしたよ、マットを………」
メロはぐっとパジャマの襟首をひっつかむ。拳を振りかざしたその時、
ニアがふっと微笑んだのを見た。
―――?
「きゃーっ!」
甲高い悲鳴が響く。はっとして振り返ると、本を落としたリンダが立っていた。
「誰か! 誰か来てー! メロが………っ!」
155 :
Lの時計60:2007/02/16(金) 10:22:29 ID:sju+H++80
月の光を見上げていた。ニアはノックもせず入ってきた人物に、
振り向きもせず話しかけた。
「………来ると思ってましたよ、メロ」
「ここまではお前の計画通り………か?」
「はい。こんなに早く来るとは思いませんでしたが。やはり、反省室は
何の効能ももたらさないようですね」
メロはぐっとニアの右肩をつかんだ。
「まずお前が反省しろよ………」
「痛っ………」
顔をゆがめる。だが苦情は言わなかった。
「あなたのほうが………この役には向いています………正直な話、
マットでは優しすぎる」
「ふざけるな。男を何だと思ってる? 」
156 :
Lの時計61:2007/02/16(金) 10:22:59 ID:sju+H++80
ベッドに突き飛ばす。乱暴に馬乗りになり、パジャマを引き裂いた。
唇をこじあけ、小さな舌をなめまわす。敏感になっているニアの身体は、
それだけでもう反応を始めていた。
「あはあ………ふぅ、あはあんっ………ああ」
「ふぅん。やっぱりお前、淫乱なんだ」
ニアは唇をぎゅっと噛みしめた。メロはおかしそうにそれを見下ろす。
157 :
Lの時計62:2007/02/16(金) 10:23:36 ID:sju+H++80
ニアは心の中で語りかける。
こんなブラックジョークを知っていますか、メロ。
あなたは歯の痛みに苦しんでいます。しかし今日は日曜日。歯医者はやっていません。
いよいよ我慢できなくなってきました。
この痛みを打ち消すのに一番いい方法は何ですか?
―――答えは、胸にナイフを刺すこと。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
このままだと余裕で表示が「Lの時計200」とか行きそうです………
乙です!
続き待ってる〜ノシ
自分、昼にこれ読むの日課になってる
仕事場で上司の前で見る背徳感…
>>159 気持ちはすごく嬉しいんですが、見つからないようにしてくださいねw
161 :
159:2007/02/16(金) 12:31:25 ID:qtG1tlrpO
>>160 あなたは神か?
携帯厨なので何とかコッソリ
神、毎日お疲れ様!
明日も萌貰いに来ます
メロニア展開にハァハァ
162 :
fear:2007/02/17(土) 02:10:19 ID:GJPsJsEA0
続きです。
性虐待を受ける子ニア。
21禁。長編。
暴力シーンを含む表現、
陵辱・鬼畜が苦手な方はスルーして下さい。
今回は暴力・挿入共に無いです。
とりあえず、オチは無しでよろしいでしょうか?
今まで通り、投下しますね。続きどうぞ。
163 :
fear:2007/02/17(土) 02:12:16 ID:GJPsJsEA0
「ぃたあぁ・・・痛いっ・・む、むり・・で・・す・・・」
あまりの痛さに涙が零れた。
それほど動かない足を、精一杯ばたつかせ抵抗する。
ひんやりとしたものが、蕾に塗られた。
きっと、ローションか何かを塗っているのだろう。
そんなことしても、痛いに決まっている。
「だめっ・・・ああぁあ・・・や・・・っ・・・ぃたいい・・!」
彼は何度もニアをイかした器具を抜き取ると、
蕾へローション塗りたくり、
そのまま何も言わず地下室から出て行った。
164 :
fear:2007/02/17(土) 02:13:03 ID:GJPsJsEA0
「・・・・・?」
微かに臭う薬品の香り。
そのことから、ニアはそれがローションでないことに気づく。
きっと、さすがに彼も無理だろうと思ったのか、
薬を蕾に塗っていたのだ。
彼の行動に驚く。
とりあえず今日は苦しまないで済むと安堵した。
此処へ閉じ込められてから、しっかりと睡眠をとったことはない。
眠るというより、気を失うといった表現のほうが適切である。
目を瞑り、久しぶりに静かな夜を過ごせると思ったら、
またしても、騒がしい音が聞こえてくる。
しかも、今までに無い大きく複数の音。
瞑った目を見開き、自然と体はいつもの様に震えが止まらない。
165 :
fear:2007/02/17(土) 02:14:21 ID:GJPsJsEA0
「ゃ・・いや・・・」
瞳には涙が溜まった。
部屋を探るようにして響いた音が近づき、
地下室への階段を素早く下りる音がすると、扉が乱暴に開かれる。
だがそこに彼の姿はない。
しかも、それが一体何なのか一目見て分かった。
警察である。
「な・・に・・・・」
ニアを見つけると、驚いた顔をして近づいた。
だが、男性の姿が目に映ると
ニアは発作を起こしているかの様に、呼吸が乱れた。
166 :
fear:2007/02/17(土) 02:17:15 ID:GJPsJsEA0
「やだっ・・・こないで・・・・・っ・・」
警察官は無線機で何か伝えると、
ニアへ自分が着ているコートを掛けようと差し伸べた。
「やっ・・・ご・・っ・・めんなさい・・・ぃ・・・っ・・」
怯えて怖がるニアへ、優しくコートを体へ掛けると、
赤い十字架のマークが入った服を着ている人が、
コートの上から毛布で包む。
次々と、怖い顔をした男性が地下室へ入ってくる。
先程現れた、スーツを着た男性が
繋がれている両手足の金属の音を立てて、何かしていた。
短いですが、今日はここまでにします。
>>fear神
乙です!
ようやく助かるんだねニアタン。良かった………
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第三章 決壊(二分の一)
21禁
カップリング・メロ×ニア
口淫陵辱
S要素高し
170 :
Lの時計63:2007/02/17(土) 08:54:29 ID:69okwE4O0
「なんつう顔してるんだよ。お前が好きなことだろ? 心配しなくても、
ちゃんとやってやるって」
「………うぅ」
「ほらなんか言えよ!」
前髪をぐっとひっつかんで、無理矢理上を向かせる。
「………何を言うんですか………」
「ふーん。お前、意外と我慢強いんだな」
面白そうにさらに髪をひっぱる。痛みを堪えるニアの表情を存分に楽しんだ後、
メロは手を離した。きれいなプラチナブロンドが数本、メロの指に残る。
「くわえろよ」
「はい?」
「分からないはずないだろ? しゃぶれって言ってんの」
ニアは唖然とした。
171 :
Lの時計64:2007/02/17(土) 08:55:10 ID:69okwE4O0
「そういう行動もあり、ですか………」
「お前………まさかずっと受け身だったわけ?」
さすがに呆れたようすでニアを見る。
「はい。マットもそれで良いと」
「………あいつの話はすんな」
「へ?」
ニアは不思議そうにメロを見た。「あ、ごめんなさい。つい」
メロは怒りと諦念の混ざった感情を抱えていた。
そうだ。こういう奴だった。鋭い癖に、人の感情の、一番肝心な
部分に対して非常識なまでの鈍感さを発揮する。
なぜ俺がこれほど怒るのかとか、たぶんそれも分かっていないんだ、
このバカは。
「いいから、しゃぶれ。ほら」
172 :
Lの時計65:2007/02/17(土) 08:55:46 ID:69okwE4O0
メロ自身を取り出し、ニアの髪を掴んで無理矢理持っていく。
「痛いです。さっきから髪ばかりつかまないでください。
そういう行為もあるんだと、言って下さればちゃんとやりますから」
その素直さに、少し怒りが治まる。
「いやに素直じゃないか。でも、無理矢理させんのが良いんだよ。
分からない?」
「メロまでが変態ですか………もう好きにして下さい。
ここは変態ハウスですよ本当」
「一番の変態はお前だろ」
「違いますよ」
「違わない。ほら、さっさとやれよこの変態。無駄口叩いてないでさ」
「うう…っ」
173 :
Lの時計66:2007/02/17(土) 08:57:04 ID:69okwE4O0
ひざまずいてメロ自身に口づける。まるで許しを乞うような姿勢に興奮した。
ニアは困ったようにちろちろなめていたが、首を傾げたあと、
一気にくわえ込んだ。
「ふぅ………っ。なかなか、上手じゃないか」
ニアはしゃぶりながら丁寧にいじっていく。「もう少し強く」と言うと、
強くなるし、「もっと上」と言うと亀頭の辺りを集中攻撃してくれる。
なんだか機械のような動きだ、と思って、メロはニアの前髪をそっとかきあげた。
「ニア………?」
ニアのうつろな瞳は、何も見ようとしていなかった。メロも。
ただ機械的に、この行為をトレーニングしているだけだ。淡々と。
妙だ。初めてそう思った。性欲にかられている者の行動じゃない。
なぜ、なぜニアは性行為を「学習」しようとする………?
174 :
Lの時計67:2007/02/17(土) 08:57:51 ID:69okwE4O0
「んっ………メロ? どうしました? 」
メロから口を外し、汚れた顔で見上げる。
「ニア、お前」
変じゃないか? 言いかけた時、ニアは間髪入れずに
「もっと強くした方がいいんですね。分かりました」
再びくわえ込む。さっきとは違う、無理矢理かつランダムな動きに
メロは翻弄され、ニアの口の中に果てた。
汚れた唇を小さなピンクの舌でなめとりながら、ニアはくるくると
銀色の髪をいじる。巻き毛が月の光に照らされ、天使のようだった。
思えばこの世に、快楽のための性を広げたのは堕落した天使たちでは
なかったか。
175 :
Lの時計68:2007/02/17(土) 08:58:26 ID:69okwE4O0
メロは少し離れてニアを見る。
「ニア、お前さ」
「はい?」
「なんでこんなことしてるんだ? 性欲云々とか、あれ嘘だろ」
ニアは笑う。いや違う、目が笑っていない。
「それがあなたに関係ありますか? メロ」
「なっ」
おいで。
「知りませんよ、あなたの気持ちなんて。だからマットも」
176 :
Lの時計69:2007/02/17(土) 08:59:28 ID:69okwE4O0
おいで。
おいで。こっちにおいで。メロ。
勝った。
ニアはメロの怒りが、最高潮に達したことを知り、とどめを刺す。
「―――遊んであげたんです」
メロがニアを押し倒す。怒りに任せて、ショーツごとズボンをはぎとった。
さして濡れてもいないニア自身を無理矢理突く。まともに入っていく
はずもない。
177 :
Lの時計70:2007/02/17(土) 09:00:03 ID:69okwE4O0
ねじこむような行動は、まだ性に目覚めて浅いニアの女性器に激しい痛みを
与える。
「うう、ううっ………メロぉ………」
「よくも………この売女! 淫売っ………」
「ん………あん、くぅ………」
これでいい。
ニアは痛みのため、妙に冷静になった頭で思う。
これで、メロとマットは被害者だ。これでいい。これでいいんだ。
私を嫌いになれば、私の事なんておもんばかる必要は無くなる。
頭の奥で誰かが悲鳴を上げている。ニアはそれを黙殺し、メロが与える
痛みに集中した。自然に溢れてくる涙を、メロがいまいましげに見下ろす。
「お前なんか泣いたって可愛げあるかよ!」
吐き捨てるような声だった。
ニアはそっと目を閉じる。溜まった涙がひとすじ、こぼれ落ちた。
178 :
Lの時計70:2007/02/17(土) 09:00:44 ID:69okwE4O0
………記憶の中で声が響く。
「またやってるの? メロ。こりないんだから」
リンダの呆れた声。マットがからかう。
「もーやだねーこれだから思春期の少年は」
「お前だって同年代だろ!」
いつも集まるメンバーに、怒るメロ。周囲が騒げば騒ぐほど、
冷静になってしまう自分。
「どうでもいいんですが、踏むなら背中にして下さい。
最近本を読みすぎたらしく、凝って凝って」
「………年寄りかお前は」
179 :
Lの時計72:2007/02/17(土) 09:01:18 ID:69okwE4O0
和やかな声
優しすぎる日常。
もう戻れない。なぜなら。
私が、この手で壊した。
今日はここで終わりです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
明日はようやくLニアです
>>Lの時計神
あぁ・・ニアたん
違うよ〜壊したのはLだよ〜
ニアたんだって被害者だと思う・・(泣)
次のLニア・・どうなるんだ一体・・
明日が待ち遠しいです
>>fear
パパの悪事はどうやってばれたんだろう??
とにかくニアたんにやっと安息の時がくると思うとホッ・・
ここから前作のメロニアに繋がるまで何があるのか気になる!
182 :
181:2007/02/17(土) 13:23:24 ID:tQ/qvEDk0
すみませんfear神
名前に「神」が抜けてたOTZ
神に対し不届きな自分を許して下され・・・
>fear神
ニアたん助かって良かった!
でもまだ何か裏が有りそうな気もして目が離せない…
>Lの時計神
堕ちていくニアの心が切ない…!(つд`)
どうか良い方向に向かいますように
続き楽しみに待ってます!
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
21禁
第四章 錯綜(二分の一)
カップリング・Lvsニア
対決和姦
*今回エロ無し
第四章 錯綜
「ニア、客間に来なさい」
ロジャーに呼び出されて、ニアは決意を固めるときが来たことを知った。
あれから1ヶ月が過ぎた。マットともメロとも、一度も話してはいない。
それどころか、メロはあからさまに避けるようになった。マットはたまに、
気にしている様子でこっちをちらちら見ているが、話しかけてくる様子はない。
リンダが一度だけ理由を尋ねに来たが、「何でもない」と言うと、
押し黙って引き下がってくれた。
―――ニアは静かになった周囲を、淡々と受け入れた。
もう後悔すべきことなんて何もない。それが、今の自分の強みだった。
こんこん。
186 :
Lの時計74:2007/02/18(日) 09:16:09 ID:Y2GSG2+f0
「L。いますか」
ドアが開く。Lはいつもの優しい表情でニアを見下ろす。それに少しほっとした。
「おや。可愛らしい格好ですね」
ニアは赤いワンピース姿だった。胸元が少し開いて、小さなリボンで
結ばれている。髪にはサテンの、同じく赤いリボン。
可愛い、と言われて、ニアは顔をふせた。
「どうせなら、持っていたら不利な服装の方が良いでしょう。
変態っぽいというか」
パジャマを取られたことを暗に非難している。Lは口元に手をやり
「………そういうことですか………これは一本取られましたね。
では、行きましょうか」
ぽんとニアの頭に手を置く。その仕草がやはり見知ったLで、ニアは一瞬、
すべての悪夢が嘘のように思えた。
「行くって、どこへですか?」
187 :
Lの時計75:2007/02/18(日) 09:16:48 ID:Y2GSG2+f0
「ホテルです」
「未成年者略取及び、婦女暴行の現行犯容疑で捕まりに行くんですか?
良い心がけですね」
「大丈夫です。私がオーナーのビジネスホテルですから」
平然と返す。
「途中に遊園地があるから、ちょっと寄りましょうか?
今日は久々のオフなんです。そういえば、今日は特撮ショーがあったはずです。
名目は分かりませんが」
「………L………」
「はい」
「こんな時に遊園地ですか。しかも特撮ショー提案。人を馬鹿にするにも
程があります………」
「特撮嫌いですか? なんならミニシアターに変更しても」
188 :
Lの時計76:2007/02/18(日) 09:17:28 ID:Y2GSG2+f0
「いえ、行きます。今週から始まった「キラレンジャーショー」でしょうか。
あ、早く行かないと間に合いません。急ぎましょう」
「………」
じっとりと自分を見下ろす視線を、ニアは無表情で受け流した。
小さな子供達に混じり、ニアはソフトクリーム片手にキラレンジャーショーに
熱中していた。背の高いLは所在なさげに身体を小さくしている。
「はあ………正義の味方ですか。子供はこういうの好きですね………」
「………」
「ニア?」
「………」
「………ニーア」
「あ! ………ああ、すみません竜崎」
外ではLではなく、竜崎と呼ぶように指示されていた。
189 :
Lの時計77:2007/02/18(日) 09:18:13 ID:Y2GSG2+f0
「構いませんよ。喜んでくれて何よりです」
Lは言って自分のソフトクリームをなめる。
「………本当はハウスのみんなを連れて来れればいいんですけどね」
「無理な希望を口にしないでください。あ、キラブラックが出てきた」
ニアの目が輝く。Lはぺろりとその頬をなめた。
「ひゃっ」
ぺちゃ。
ニアはソフトクリームを取り落とす。
「あ、すみません。頬についていたもので、つい」
自分のソフトクリームをニアに渡す。いいの? というまなざしに頷く。
ニアは再びショーに熱中した。
190 :
Lの時計78:2007/02/18(日) 09:19:04 ID:Y2GSG2+f0
ショーがすべて終わり、ニアは隣を見た。その時。
隣には誰もいなかった。
「竜崎?」
子供達が父親や母親に手を引かれて出て行く。笑顔と歓声。嬉しそうに
ショーの感想を口にする子供。笑って受け止める親。
「竜崎、どこに………?」
足下に嫌な感触。ソフトクリームだ。引いていく人並みの中、ニアは
見知った顔を探した。
Lを見るときの目の高さで。
191 :
Lの時計79:2007/02/18(日) 09:19:51 ID:Y2GSG2+f0
顔。顔。顔。………見知らぬ、顔。
色。色。色。………違う、色。
人混みの中にふと黒髪を見て、ニアは叫んだ。
「L!!」
言葉をぶつけられた男性がふりかえる。全然違う。少女の表情に
とまどった彼は、だが、同じ黒髪の子供に引っ張られそっぽを向いた。
どこ?
どこにいる?
ぽんと肩を叩かれた。
「!」
192 :
Lの時計80:2007/02/18(日) 09:20:50 ID:Y2GSG2+f0
「どうかしました!? 」
Lが真顔でニアを見下ろしていた。
「あ、すみません。ショーに夢中になっていたので………」
トイレか電話だろう。治安が悪いといえど、周囲は子供と親で出来た壁。
ここから幼児でもないニアをさらうのは容易なことではない。
そう判断できるのに、ニアはぐっと言葉を呑み込んだ。
何が「L」だ。人前で呼んじゃいけないのに。何が。
私のバカ。
「何かあったんですか」
「いえ、何も」
「では不安にさせましたか。すみません」
しゃがんで目線を合わせる。こんな時は素直に謝るのか。
気遣う仕草。優しい瞳。ニアは口を押さえて首を横に振る。
193 :
Lの時計81:2007/02/18(日) 09:21:39 ID:Y2GSG2+f0
「嫌いです………」
「はい?」
「大っ嫌い………あなたは、嘘つきです」
Lは少し寂しそうに微笑むと、ぽんとニアの頭をはたいた。立ち上がる。
「それに私はもう、正義のヒーローではありませんからね。当然でしょう」
違う。確かにあの日まではそう思っていた。けれど、これは違う。違うんだ。
だが。
―――私には、全てを壊してまで手に入れたものがある。
認めてはいけない感情をニアは呑み込んだ。12とは思えぬ、苦い表情で。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます
ひゃ〜!リアルタイムで堪能させていただきました!!
神、乙です!
ニアたん、切ないよ・・・
ホントにLが好きなのね・・・
続き、wktkしながら待ってます!
神乙!
かわいいニアの仕草が堪らないです(*´`)
キラレンジャーに噴きつつも二人のやりとりにほのぼのしました
続き楽しみにしてます
こんばんは。
以前、ニアのバレンタインデイ大作戦を投下した者です。
今回はマット×ニア投下します。
マット視点でキスまでです。(スミマセン・・・orz)
感情部分や説明が多く、台詞が少ないので嫌いな方はスルーして下さい。
キスまでのくせに少し長いので、何日かに分けて投下します。
タイトルは『君の詩』
では、どうぞ。
198 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:19:34 ID:gBgUhRyS0
高らかに唄おう。
愛の詩を。
高らかに告げよう。今、君に―――――
199 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:21:25 ID:gBgUhRyS0
君が好きだった。
たまに見せるその笑みが。
君の強さが。
・・・・・・君の奏でる音色が。
ワイミーズハウスの自由時間。
特にする事もなく、マットはふらふらと施設内を彷徨っていた。
廊下を歩いていると、目の前にふと太陽の光が差し込んだ。
その光に誘われるように窓の外を見てみる。
遠くからは年少組の笑い声。緑は萌えキラキラと輝いていた。
「うむ、本日も平和なり。」
満足そうに呟く。こんな穏やかな日常が、とても好きだった。
200 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:25:12 ID:gBgUhRyS0
ワイミーズハウスに集うのは優秀な子ども達ばかりだ。
皆、ある人を目標に才能を磨いている。
一応、オレもその一人。
施設に入るに当たり『マット』という名を与えられた。
今日からオレは、『マット』
新しい名前に躊躇うことなくあっさりと受け入れる。
・・・・・・名前を変えるのは何度目だっけ?
マットが施設に入るまでの詳細は誰も知らない。
触りならロジャーあたりが聞いているだろうけど。
きっとそんな子どもは自分だけじゃない。
皆、人知れず辛い部分を隠し今を生きている。
――――――きっと、あの子も。
201 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:27:14 ID:gBgUhRyS0
「お、女の子発見!!」
マットは窓を開けると見つけた二人に声を掛けた。
「お〜い!何やってんの!?可愛い子ちゃん達!!!」
その声に気付いた二人の内の一人が呆れたように返事を返した。
「マット〜、あんたまたサボって・・・・・・
自由時間といえども有意義に使えるか試されてるの、わかってる??」
その声の主はリンダ。ツインテールがよく似合う少女だ。
「へ〜へ〜、わかってますって、リンダちゃん。」
マットは手の平を見せ、降参のポーズを取った。
「丁度良かったですマット。この役、私の代わりに引き受けてくれませんか?」
その言葉を放ったのは銀色の髪が美しい少女。
・・・・・・ニアだ。
「お、ニアちゃん!外に居るなんて珍しいね。」
リンダは絵が得意だ。そしてニアはそんな彼女と行動をすることが多々ある。
今日も彼女に付き合って絵のモデルにさせられているようだった。
202 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:27:55 ID:gBgUhRyS0
「お、女の子発見!!」
マットは窓を開けると見つけた二人に声を掛けた。
「お〜い!何やってんの!?可愛い子ちゃん達!!!」
その声に気付いた二人の内の一人が呆れたように返事を返した。
「マット〜、あんたまたサボって・・・・・・
自由時間といえども有意義に使えるか試されてるの、わかってる??」
その声の主はリンダ。ツインテールがよく似合う少女だ。
「へ〜へ〜、わかってますって、リンダちゃん。」
マットは手の平を見せ、降参のポーズを取った。
「丁度良かったですマット。この役、私の代わりに引き受けてくれませんか?」
その言葉を放ったのは銀色の髪が美しい少女。
・・・・・ニアだ。
「お、ニアちゃん!外に居るなんて珍しいね。」
リンダは絵が得意だ。そしてニアはそんな彼女と行動をすることが多々ある。
今日も彼女に付き合って絵のモデルにさせられているようだった。
203 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:28:56 ID:gBgUhRyS0
「ちょっと、マットが話し掛けるからニアの意思が鈍っちゃったじゃない!!」
リンダは感情を露わにマットを怒鳴った。
しかし、何を言われようとも可愛く映る。女の子ならば。
「リンダ、そんなにカリカリしてるとニキビ増えちゃうよ〜?」
「んな!!」
「ほらほら、可愛い顔が〜・・・・・・」
「・・・・・・殴ってやりたいとこだけど・・・・・・
いいわ、降りてらっしゃい!仕返しにアンタもモデルにしてやる!!!」
そんなリンダの隣で無表情を解き柔らかに微笑むニアが居た。
・・・・・・彼女の笑みを見ると、どうしてか胸が高鳴る。
なぜだろう?
204 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:29:57 ID:gBgUhRyS0
自称、フェミニスト。
女の子は大好きだ。
女の子は小さくて、柔らかくて、温かくて、ほっとする。
絶対に自分を傷つけない、そんな存在。
だけど。
ニアを見てると心が痛い。
悲しい表情を浮かべる訳でもない。涙を流しているのを見た訳でもないのに。
いつもの無表情。感情の無い顔。
でも、その無表情が感情の表れだったらどうだろう?
『感情がない』なんて。
・・・・・・これ程悲しい事はない。
205 :
君の詩:2007/02/18(日) 21:31:06 ID:gBgUhRyS0
でも違う。
たまに見せる彼女の笑みが『無』ではないと教えてくれた。
それがとても嬉しかった。
「今、参ります。お嬢様方。」
マットは揚々と空を跳んだ。
優しい笑顔を見せてくれた彼女の元に一刻も早く辿り着きたかった。
今日はここまでです。
すみません、一部ダブって投下してしまいましたorz
前回投下したニアのバレンタインデイ大作戦も酷いものでした。
やはり10分はまずかった・・・・
この場を借りしてお詫びします。
続きはまた今度です。
うおお−−−!
寝る前に覗いたらマトニアが!!
久々なマトニアにwktk!!
興奮してサーセンww
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 マトニア!マトニア!!
⊂彡
マトニアキター!!
>>君の詩神
マットの視点が優しくて和みます
バレンタイン良かったですよ。最後の笑顔にどきっとしました。
fear神はお忙しいんだろうなぁ………待ち遠しい
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
21禁
第四章 錯綜(二分の二)
カップリング・Lvsニア
対決和姦
(注)責めと受けが入れ替わります。L受けが苦手な方は要スルー
ただ、男のあえぎ声は必要ないと思うのであんま書いてません
S要素高しというか攻×攻。暴力描写なし。
211 :
Lの時計82:2007/02/19(月) 09:34:47 ID:fC4/9DJQ0
「どうぞ」
そっと肩を抱かれて部屋に入る。ブラウン系で統一された、落ち着いた
部屋だった。ベッドが目に入ってどきりとする。
その仕草にLは目を細めた。
「覚悟はしてきたんでしょう。シャワー浴びます?」
「L………そういう見せかけの優しさはやめてください」
「とはいっても、普通に振る舞ってるだけなんですが」
「嫌いです」
「………それはさっき聞きました。ニア、もしかして拗ね」
大きく手をふりかぶる。Lは細い手首をつかんだ。手の甲にキスする。
「L」
「一緒に入りましょうか?」
いたずらっぽく笑う。ニアは困った表情をした。
212 :
Lの時計83:2007/02/19(月) 09:35:35 ID:fC4/9DJQ0
「さあさあ、そうと決まれば服をぬぎましょう。
それともぬがせて欲しいですか? 」
「くっ………この、変態」
前を押さえて手に抵抗する。Lはぴっと胸元のリボンを引っ張った。
明らかに楽しんでいる。
「破るという手もありです」
「ダメです。帰りの服が変わっていたら、あなたが私に何をしたか
周囲にばれますよ!?」
「冗談ですよ」
「本当にむかつきます!」
「可愛い子ですね」
ちゅっと小鳥のように唇をついばむ。ニアの頬が赤く染まった。
213 :
Lの時計84:2007/02/19(月) 09:36:30 ID:fC4/9DJQ0
Lはニアを抱きすくめると、背中のチャックをつまんだ。
「何するんですか」
「何するんでしょう? 何だと思います?
賢いあなたなら分かりますよね」
「………っ」
「えっ分からないんですか? まさか。私の跡を継ごうかという優秀な」
「………っくすです」
ニアは歯をぎりぎりと噛みしめながら言う。え? え? と
Lは子供のように聞き返す。
「………sexです」
「残念。服をぬがそうとしただけですよ」
「L。人を殺したいと思ったのは、生まれて初めてです」
Lは笑ってキスをする。ジッパーを降ろした。裸の腰を抱くLの手が
温かで、ニアは少し身体の緊張を解く。
214 :
Lの時計84:2007/02/19(月) 09:37:17 ID:fC4/9DJQ0
いいか。
相手のペースに乗せられるな。
ニアは自分の頭の中で、そうつぶやいた。
私が。ネイト・リバーがこの男を負かせてみせる。
―――女としての武器を使って。
ジッパーをはずし、スカートをまくり上げる。
「はい手をあげて」
「………子供じゃありません」
「ロリコンと言った癖に」
手を弾く。ニアは背中のタグを外すと、思い切ってすとんと脱いだ。
215 :
Lの時計85:2007/02/19(月) 09:40:11 ID:fC4/9DJQ0
ティーンズ向けの、ピンクの花が舞う揃いの下着。Lは唇に指を当てる。
「そう来ましたか………」
「ロリコン相手ですから」
きっぱりと目を見返したニアに、Lは少し眉をひそめた。
「ニア、あなた」
彼の口から続きは聞きたくなかった。ニアは言葉を遮る。
「はい。私はもう処女じゃありません」
Lは少し衝撃を受けたようだった。考えるしぐさで左上の空を見る。
「そうかメロ………いや、マットですか」
「両方です」
Lはちょっと呆れたようなまなざしを向ける。
216 :
Lの時計85:2007/02/19(月) 09:41:47 ID:fC4/9DJQ0
「―――そこまでして勝ちたいんですか」
「当たり前です。「L」は、その名は」
きっぱりと言い切る。
「私のものです。メロには渡さない」
手を伸ばす。Lの肩に手を回し、自ら口づけた。
―――それが宣戦布告だった。
シャワールームに水音が響く。ユニットバスにお湯は半分ほど。ニアは下着姿のままお湯に手を入れる。
「L。こんなもので………あんっ」
「ご苦労様です。これはご褒美ですよ」
ブラジャー越しに張りのある乳房をまさぐる。ニアはすぐそばにあるぬくもりを感じながら、背後に手をのばす。顔を上げた。
217 :
Lの時計87:2007/02/19(月) 09:42:33 ID:fC4/9DJQ0
「やんっ………あん」
上着だけ脱いだLがいた。彼は愛おしげに笑う。
「この体勢でキスは難しいですよ」
「L」
振り返ってLに口づける。
「うっ?………どこ触ってるんですか」
「忘れましたか? お返しです」
Lの乳首をまさぐりながら、小さな舌でぺろぺろとなめる。
「ニア、くすぐったいです。やめてください」
平常心の声だ。
「もう………男はずるいです………」
ニアは口を尖らせた。おそらく女と違い、すべてが下に集中しているのだ。
性感が。
「そんなねじれた意見、生まれて初めて聞きましたよ。さすがはニア」
218 :
Lの時計88:2007/02/19(月) 09:43:28 ID:fC4/9DJQ0
「さあ脱いで下さい。それとも脱がせてあげましょうか?」
意外とたくましい胸板につつっと指を滑らす。少しふくらんだ前に
にやりと口をゆがめた。
「ふーん。いいんだ?」
「ニア。あなた性格変わりました!?」
「あなたのせいです」
間髪入れずに返す。くっとLは唇をかみしめた。
「そうはさせません」
Lは体格の差を生かしニアの下に回り込むと、ぺろぺろと身体をなめ始めた。
ブラジャーのホックをはずす。かすかに鳥肌の立った、白いふくらみが
露わになった。
219 :
Lの時計89:2007/02/19(月) 09:44:05 ID:fC4/9DJQ0
「ひゃっ………あんっ」
「可愛いですよニア………」
「はぁっ、ああんっ、………くっ、この」
柔らかい身体を生かし、白靴下でぐにぐにとLの急所を踏む。
「ううっ………やりますね、ならばこうです」
後ろ手にパンツに指を入れる。少し激しめに指を動かす。
「! あんっ、ああんっ、あはあんっ」
「私に勝とうなんて甘いですよ」
その言葉に飛びそうになったニアの理性が戻った。
経験。自分より先にLに抱かれた女がいるという事を。
「………ぁ、あはあん、ああああっ」
220 :
Lの時計90:2007/02/19(月) 09:45:05 ID:fC4/9DJQ0
「私に勝とうなんて甘いですよ」
その言葉に飛びそうになったニアの理性が戻った。
経験。自分より先にLに抱かれた女がいるという事を。
「………ぁ、あはあん、ああああっ」
屈辱の中で頂点に達し、ニアはくたりと身体を預けた。朦朧とする頭を振る。
Lがその頬にキスする。
いつもの、優しいキス。
「………L。かかりましたね?」
「え? ………いえ、何ですか」
「今度はあなたの番です」
言ってLを押し倒す。ユニットバスから溢れたお湯が、ふたりの身体を
温かく濡らした。
221 :
Lの時計91:2007/02/19(月) 09:45:45 ID:fC4/9DJQ0
「さあ濡れました。脱ぎましょうね」
「図りましたね………」
「ふふ、何のことですか」
濡れて青みが増したズボンのボタンを外す。トランクスの上からキスした。
「………ちょっと待って下さい」
「何を待つんですか?」
身体をよじるLの足を捕まえる。当たりをつけてかぷりと小さくくわえた。
そのまま柔らかな唇を上になぞっていく。Lは口端を噛みしめた。
ちらりと流し目で見上げ、わざと視線を股間に戻す。
「L、良い子にしていたらあなたの欲しい物を差し上げますよ」
「だからちょっと待って下さい。だいいちどこをL呼ばわりしてるんですか!?
222 :
Lの時計92:2007/02/19(月) 09:46:31 ID:fC4/9DJQ0
「上のお口は黙ってもらって結構ですよ? そう、気持ちいいんですか………
ふふ………」
チュッとキスして一気に脱がす。現れた物に少し眉をひそめた。
「………入りますかね」
その一言に、Lはなぜかニアを抱きすくめた。真剣な顔でニアに口づける。
浴室にぴちゃぴちゃと淫靡な音が響く。
「んん………えりゅ………?」
怒っている。そう感じたが、なぜここで感情をむき出しにするのかが分からない。
Lの黒い瞳にとまどう自分の顔が映っている。
「決めました」
「はい?」
嫌な予感がした。
「今日はオフですし、あなたが泣いて許しを乞うまで、犯し続けます」
今日はここまでです。………Lの性格が………うわぁ
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。励みになります。
すみません訂正です
>>214 ×タグ
ファスナーの小さい金具(互いにひっかけるやつ)って何て言うんですか?
>>221 ラストの台詞最後の「」」抜け
うほほほ♪
攻め攻めなニアたんもうんよしまたよし実によしww
神乙です!攻めニアも子悪魔ちゃんな感じでテラカワイス
Lの最後の台詞でますます盛り上がって参りましたwww
お仕置きクルー?(*゚∀゚*)wktk
積極的なニアカッコ可愛い(*´∀`)
これからどうなってしまうのか続きが待ちきれませんw
wktkして待ってます!
>>Lの時計神
さ、最後のLの台詞が・・・wktk
この勝負、どちらが勝利を収めるのか目が離せません!
続き楽しみにしてます!!
こんばんは。
昨日の続きを投下します。
マット×ニア
話の進行はマット目線。キスまでですorz
感情部分や説明が多く、台詞が少ないので嫌いな方はスルーして下さい。
では、どうぞ。
229 :
君の詩:2007/02/19(月) 21:43:22 ID:ib0kOzPY0
「もう、信じられない!!」
マットが跳んだのは二階の窓。
突如目の前に舞い降りた少年にリンダはご立腹の様子だった。
「怪我でもしたらどうするのよ!!」
「優しいな〜リンダ。だから女の子って好き。」
「馬鹿!!」
その言葉とは裏腹に少し震える姿が可愛らしい。
「・・・・・・こいつ、どう思う?ニア。」
リンダの問い掛けに、ニアは前髪の隙間からマットを覗く。
「マットらしいです。」
ねえ、聞いた?『オレらしい』だって。
その言葉が優しく心に響く。
「やっぱニアはオレをわかってるな〜。」
「でもマット。今のは本当に危険ですからもうしないで下さいね。」
ニアはいつもの無表情で言うと、銀の髪をくるっと巻いた。
そしてそんな彼女を『ニアらしい』と思った。
230 :
君の詩:2007/02/19(月) 21:46:59 ID:ib0kOzPY0
「・・・・・・ニアが嫌がる訳、わかったよ。」
「でしょう、マット。」
二人は並んで座り、目の前のリンダを見つめていた。
「まあ、そう言わず。楽しみに待ってて、ニア。・・・・マット、動いたら百叩きの刑だから。」
シャッシャッ、とスケッチブックが音を立てる。その音から慣れた様子が読み取れた。
「格好良く描いてよ、リンダ。」
「うるさい!」
時間がゆっくりと流れる。
穏やかな風は仄かに甘い薫りを運んだ。
女の子の・・・・・ニアの薫り。
何て心地いいんだろう。
天気は良くて、風は優しくて。
何もかも忘れてしまえる、そんな気がした。
231 :
君の詩:2007/02/19(月) 21:57:35 ID:ib0kOzPY0
完成した絵は文句のつけようがなかった。
「おお!さすがは絵の虫!!」
「それって褒め言葉?」
リンダは唇を尖らせ目を細めたが満足そうな表情だ。
白の世界に映るのはマットとニアの正面顔。
鏡で移したかのように瓜二つ。
「すごいです、リンダ。」
「へへ、ニアにそう言ってもらえると嬉しい。」
リンダはニアだけに笑顔を向けるとスケッチブックを閉じた。
が、マットがそれを止めた。
「なあリンダ!それ、オレに頂戴?」
「え??」
「頼むよ〜!リンダさん、いやリンダ様!!!」
そう言って無理やり手に入れてた絵を見るとマットは嬉しそうに言った。
「ニアと初ツーショット♪」
232 :
君の詩:2007/02/19(月) 22:00:32 ID:ib0kOzPY0
こんな穏やかな日常をたまに壊す奴が居る。
ワイミーズハウスでも優秀中の優秀、メロだ。
メロは行動力もあって社交的。下級生にも慕われる少年。
でも、感情の起伏が人一倍激しい。
そんなメロが嫌いな訳じゃないけれど、ニアに当たるメロは好きじゃなかった。
何を隠そう、ニアはワイミーズハウスきっての天才児。
そしてその次に位置していたのがメロ。
嫌でも二人は比べられ、負の部分を背負うのは主にメロだった。
「うるさい!!僕に構うな!!!」
そして今日も荒れていた。月が浮かぶ、そんな頃。
「私は事実を言ったまでです。メロ、あなたはもっと冷静に物を見た方がいい。」
手におえない彼に面と向かって文句を言えるのはニアだけだった。
「まあまあ、抑えてメロ。ほら、ニアちゃんも危ないから〜」
そう言って間に入るのはいつだってマットだった。
もちろん、その場を宥める意味もあったけど。
本当の理由は・・・・・・。
233 :
君の詩:2007/02/19(月) 22:04:10 ID:ib0kOzPY0
どんなになじられても疎ましがられても。
メロの横にはニアが居た。いや、その逆も在りきだ。
傍目から見ると今にも割れそうな凍りついた空気。
でも、違った。
本当は熱かった。
とても、とても。
だからいつも邪魔をした。完全な炎になるのを邪魔してた。
本当は知っていた。
ニアの無表情に感情が灯った理由を。
今日はここまでです。無駄に長くてすみません。
続きはまた今度・・・・。
神乙です!!
マットがこれからニアたんにどう出るか
wktkしながらお待ちしています!
>>君の詩神
来たらちょうど投下中で、楽しく読ませていただきました。
今夜はいい夢を見られそうです。ありがとうございます。
>>223 Lの時計神
いつも乙です。もうそろそろ折り返しですか?
日々の萌をありがとうございます。
ワンピのファスナーの上にある金具は、「ホック」ではないでしょうか。
カギホックとか商品名よりは、単に「ホック」だ思います。
ブラジャーのそれと同じ様式の物体です。
これからも神の作品を楽しみにしております。
神乙です!
マトニアにほのぼの(*^_^*)
マットが何か抱えてる気がするし、これからの展開が待ち遠しいな〜
神乙です!
マット…切ない(つд`)
とても甘酸っぱくて胸が締め付けられます
青春の香りなんて言うと年寄りみたいですが、まさにそんな感じですね
続き楽しみにしてます!
>>君の詩神
マットはやはりアテウマっと………(つд`)
辛いよね板挟みって
>>236さん
ホックですか!ありがとうございます!
残りあと6日間の投下になります。最後の2日間は、
どーもLの心情が伝わりづらい部分があるので、L側から見た
サイドストーリーを投下します
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第五章 堕ちた天使
カップリング・L×ニア
口淫陵辱
*オリジナル要素あり
この章は特に、SM苦手な方にはお勧めできません。
241 :
Lの時計93:2007/02/20(火) 09:38:50 ID:wF4QUpXw0
第五章 堕ちた天使
「あなたが泣いて許しを乞うまで、犯し続けます」
ニアは一瞬、自分が何を言われたか分からなかった。くらりと
目の前が揺れた。
「………L」
「何ですか」
「それではただの強姦魔です。あなた、どこまで堕ちる気ですか」
「でも、一番はもう決まりですよ」
Lは真剣な顔でニアを覗き込む。
「三番も二番も利用して、私を追いつめたのはあなたです。
………二代目L」
ニアはこわばった笑みを浮かべる。Lはさらにずいと顔を近づけた。
ずるり。身体を支えていた手が滑った。
242 :
Lの時計94:2007/02/20(火) 09:39:57 ID:wF4QUpXw0
「きゃっ」
「ニア」
とっさにささえ、優しくニアに口づける。
「可愛いニア。今から見せてあげますよ―――大人の本気を」
ニアの表情がこわばった。
恐怖で。
「あはぁ、ああんっ、ああっ」
Lは膝の上にニアを乗せ、乳房をもみしだきながら花をいじっていた。
見せつけるようなわざとらしい動き。
ニアは必死で向こうを向いている。
「ニア、あなた感度が良いですね。この分だと、今までさぞかし
気持ち良かったんでしょう」
「や………あんっ、L、何を」
243 :
Lの時計95:2007/02/20(火) 09:40:45 ID:wF4QUpXw0
「L、やだぁ、やめて………ああんっ」
蕾をつまみ、くちゅくちゅとこする。びくんびくんと身体が揺れる。
「ほら、こうやって指が滑りますし」
くちゅっとニアの中に指を入れた。その動きでニアは逝ってしまう。
「おや?………そんなに待ちかねたんですか? いやらしい子です」
ぐちゅぐちゅと人差し指を入れては抜く。再び高まってくる性感に、ニアは
泣きそうな顔でLにしがみつく。
「さてと」
Lは洗面器を手に取ると、ニアの頭にユニットバスのお湯をぶちまける。
「!? けほっ、けほ………っ」
「本当は水でいきたいところですが、こういうときに冷水では命の危険が
ありますからねぇ」
「え、L。なぜ怒ってるんですか」
「怒ってませんよ?」
「嘘です!」
244 :
Lの時計96:2007/02/20(火) 09:41:25 ID:wF4QUpXw0
冷たいまなざしに反論する。ニアは泣きそうな顔でLを見た。
ここまでやったのに。
Lになるために、ここまでやったのに。
「………私を、軽蔑しているんですか………?」
かすれた声。Lは初めて、ニアの表情に対しとまどいながら見返した。
「………いえ、あなたは良くやった。それが「L」です。自分のために
人を利用する。
確率は50%でしたが………。なのに、あなたはやり遂げたのに、
私の中で釈然としない」
マットの優しさも、メロの純粋さも踏みにじり、時に自らの身体をも
投げ打つ。
それが、「L」。
「L。もしかして、あなたの最初の人は」
Lは答えない。
ふたりは重い沈黙の中向き合った。
245 :
Lの時計97:2007/02/20(火) 09:42:00 ID:wF4QUpXw0
「えっと………罪悪感とか」
「いえ。その感覚とは違います」
「だったら、なぜ」
「分からない」
「………分からない?」
Lは身体を縮めた。爪を強く噛む。
「答えが出ない。こんなこと今まで無かった………」
真顔だった。ニアは愕然と彼を見る。
Lに分からない。
ニアにも分からない。
だがLはポシティブだった。
「ニア。こうなったら、不可能を消去していくしかありません」
246 :
Lの時計98:2007/02/20(火) 09:42:36 ID:wF4QUpXw0
Lはニアの腰を持ち上げ、すでに十分固くなったそれを、ニアの花に
あてがった。ニアがよがって逃れようとするのを、無理矢理押さえつける。
「大丈夫です。すでに十分濡らしました」
「そういう問題じゃ………あう、あんっ、痛い! 痛いです………っ」
「我慢して下さい。すぐに気持ちよくなります」
ずぼずぼと下品な音を立てて入っていく。ニアはされるがままに、
Lにしがみついた。
「あはあ、あんっ………」
「動きますよ?」
「ちょ………待って下さい! まだ痛」
「優しくしたくない気分なんです。すみません」
「謝ってな………ああんっ、あんっ、あはあんっ」
「………っ気持ちいいです。あなたの中」
「やだぁ………っうそつき、冷静すぎ………私ばっかり、酷いっ………」
「嘘をついても仕方がありません。ちょっとこれは想定外です」
247 :
Lの時計99:2007/02/20(火) 09:43:23 ID:wF4QUpXw0
「Lのバカぁ………っ」
「うるさい子ですね」
唇を吸う。互いに舌をからめながら、目を見る。一瞬、
答えが脳裏をかすめた。
「L………?」
Lは目を逸らす。
快感が思考のためのスペースを埋めていく。
まさか。
「………ああんっ、あん、あはぁん」
「ニアっ………」
声がさらに甘くなる。ニアは快感に溺れそうになりながらも、Lの頬に
そっと口づけた。
Lは一瞬、不思議そうにニアを見返した。
チェックメイト。
罪のない人たちを巻き込んだ、愚かな私たちの勝負の結末。
ですが―――これでは引き分けです、L。
「さぁ、きれいにして下さい。あなたはこっちの方が好き
なんでしょう?」
ニアの銀髪を指で荒くすきながら、Lは小さな存在を見下ろす。ニアは
小さな口で必死になめとっていた。少し口元につっこむと、簡単に
せきこむ。
「ごほっ、ごほ………っ」
「ああ、すみません。少し動きました」
「Lぅ………」
ニアは恨めしげにLを見上げた。
ニアは恨めしげにLを見上げた。
「なんですかその目。ニア、知っていますか。あなた生意気なんですよ。
そうやって高潔に、自分だけはきれいでいようとする」
「私は………っ」
「何ですか? 男のモノをしゃぶりながらご高説を垂れても説得力は
ありませんが、一応伺いましょう」
ニアは汚れた顔を手で拭く。
「私は別にきれいじゃありません! マットもメロも、あんな目に
遭わせた私を、きれいだと思いますか………L」
「きれいですよ。じゃなければ、ここまでいたぶってやろうとは思わない」
「誤解です!」
「いえ、むしろこれは理解です」
Lはニアの胸をいたぶる。
「やんっ………L、Lやめて………」
「世の中にはこんな人間もいるという。本当にあなたは興味深い」
ニアの髪の赤いリボンをつまんで外す。細い首に巻き付けた。
低い声でささやく。
「………だから私がもらいます。あなたを、全て」
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
それではまた明日ノシ
神乙です!!明日も楽しみにしてます!
神乙です!
ニアたんの喘ぎ声を脳内リピートしますた('Д`;)ハァハァ
続きも楽しみにしてます!
>>Lの時計神
乙です!
どんな目に遭おうとも、自ら堕ちようとも
汚れないニアが素敵です。
そんなニアを奪えるLが羨ましい・・・
続き楽しみにしてます!
こんばんは。
昨日の続きを投下します。
マット×ニア
マット視点でキスまでです。
感情部分や説明が多く、台詞が少ないので嫌いな方はスルーして下さい。
では。
256 :
君の詩:2007/02/20(火) 22:37:35 ID:alpOpZhw0
きっと自分では無理であろう。
これでもナンバー3のオレだけど。
メロのようにひたすら努力を重ねればいつかは・・・
でも違う。それは『オレらしく』なかった。
まず、志が違った。
二人は同じ目標を糧にしている。生きる原動力に変えている。
でも、オレは。
そんな資格は持っていない。二人に並ぶ資格は持っていない。
お互いに背を向ける二人を少し羨ましいと感じた。
通じ合える二人はとても強い。
257 :
君の詩:2007/02/20(火) 22:40:21 ID:alpOpZhw0
少し昔の事を思い出した。
何度も変えた名前。何度も変えた自分自身。
・・・・・・オレは本当に弱かった。
一人の人間にすら成れず、全てを捨ててきた。
ここに来て『マット』の名を貰った時も同じだと思っていた。
だけどそこには自分以上に重いものを背負った子ども達が必死で生きていた。
一つの目標を胸に。
そして・・・・・・ニアに出会った。
258 :
君の詩:2007/02/20(火) 22:41:57 ID:alpOpZhw0
「マット?」
記憶の淵に沈んでいくマットに手を差し伸べたのはニアだった。
「・・・・・・ニア。」
「どうしました?顔色が優れないようですが・・・・・・。」
「・・・・うん、ちょっと。でも大丈夫。」
「私達のせいで、いつもすみません。」
『私達』
「・・・・・・じゃあニア。ちょっとオレに付き合ってくれない?」
女の子が優しくしてくれるのはとても嬉しい。
だけど。
ニアの優しさはちょっと痛かった。
259 :
君の詩:2007/02/20(火) 22:43:36 ID:alpOpZhw0
誰も居ない夜の教室。
青白い光に導かれベランダへと足を運んだ。
闇が全てを包み、月がそれを和らげる。
「綺麗ですね・・・・・マット。」
「そうだね、ニア。」
こんな夜に二人きりなんてまるで恋人同士だ。
今、愛の詩を唄えば或いは。
・・・・・・何て。そこまでオレは馬鹿じゃない。
けれど、たまにはいいかもしれない。馬鹿に成りきるのも。
リンダがオレに言った『馬鹿』に成ってしまえば、きっと。
260 :
君の詩:2007/02/20(火) 22:44:27 ID:alpOpZhw0
「ねえ、ニア・・・・・覚えてる?」
「はい?」
「オレが初めてここに来た日の事。」
「・・・・・ええ、それはとても。
あの頃のマットはまるでメロのようでした・・・・・」
月明かりは二人を包み、ゆっくりとその日へ誘ってくれた。
261 :
君の詩:2007/02/20(火) 22:45:08 ID:alpOpZhw0
短いですが、今日はここまでです。
中々話が進展しなくてすみません・・・
続きはまた今度。
神乙です!
静かな落ち着いた雰囲気の文章ですね。
こういうの大好きです
マットの過去話楽しみに待ってます(*´∀`)
君の詩神
続きwktk!マットの昔が気になる…!
ニアと上手くいくといいな〜
>>君の詩神
乙です!
マットの過去気になる〜!
えっと、すみません
>>242なんですが、文章が抜けています
「あはぁ、ああんっ、ああっ」
Lは膝の上にニアを乗せ、乳房をもみしだきながら花をいじっていた。
見せつけるようなわざとらしい動き。
ニアは必死で向こうを向いている。
「ニア、あなた感度が良いですね。この分だと、今までさぞかし
気持ち良かったんでしょう」
「や………あんっ、L、何を」
「見て下さいよ。何を顔逸らしてるんですか。ほら、こんなに欲しがって。
呆れた話です」
の後に
>>243に続けて下さい
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第五章 堕ちた天使(二分の二)
カップリング・L×ニア
口淫陵辱
*オリジナル要素あり
この章は特に、SM苦手な方にはお勧めできません。
湯船に浸かるニアの身体を引き寄せて、Lは自分の膝に載せた。
「以前もこんなことがありましたよね?」
「あれはまだ7つの頃です」
「そんなに経っていない気分なんですが………」
口に指を当ててまじまじと見る。所在なさげに俯くニアの、
首の赤いリボンを軽くひっぱる。
水面に照らされさらに白く輝く肌に、無数の気泡がついていた。
「変わるものです。きれいですよ、ニア」
ニアがますますうつむく。
「このリボン、何の意味があるんですか?」
「意味などいりません」
真正面を向かせ、小さな尻を持ち上げて自身に持っていく。
途中でぴたりと動きを止めた。
「自分でやってみてください」
「ええっ」
「何が「ええっ」ですか。何事も勉強ですよ?」
「詭弁です。あなたは私を陥れようとしているだけです」
Lは目を据わらせると、自身でゆっくり、ニアの花弁を愛撫した。
敏感になっているそこは耐えきれず反応を始める。ニアは身体を反らした。
「うう………ぅん、L、お願い、もうっ」
Lはくすりと笑う。
「「もう自分で入れたい」ですね。分かってます」
「違っ………もう………」
Lは立ち上がると、ニアを放置し湯船から出る。身体を縮まらせ、
唇を噛みしめるニアの顔を覗き込んだ。
「自分で慰めてもらっても良いんですよ? ここで見物してます」
ニアは迷ったが、自分も湯船から上がるとLに抱きついた。腰を上げ、
L自身をそっと手で持つ。
「どうやるんですか………?」
うるんだ目で見上げる。誘うように。
「腰を上げて。もう少し上。そう、そこです」
自分では位置が分からないらしい。ニアはおろおろしながら花弁に
モノを押し当てた。
「………むぅ」
「たぶん上すぎます」
尻を引っ張り誘導する。ぐちゅ、という音と共に入った。Lはユニットバスに
背中を当てると、ニアの小さな肢体を抱きすくめる。
「今度は、あなたが動いて下さいよ」
「ぁ………はぁ………んあぅ」
「もっと強く」
「―――はい………」
うつろな目でつぶやく。Lはぎゅっと抱き寄せた。
愛おしそうに。
何度もいかされて、ぐったりと風呂場に転がるニアをよそに、Lは
メニューを見ている。
「何か頼みますか? 私はこの「ホットケーキセット」なんか良いですね」
「………」
「ニア? メニューですよ」
目の前で振る。「ああ、そんなに疲れちゃいましたか。すみません。
あんまり感度が良いもので、つい本気で楽しんでしまいました」
「L………」
「はい?」
「食べたくありません………」
「え? 消費カロリーすごいですよたぶん。男性と違って
じわじわ来ますから、いきなり倒れちゃいます。
でも、倒れても許してあげませんよ? 泣いて土下座するまで」
「さりげに要求がレベルアップしていますが………謝りません。
むしろあなたが謝るべきでしょう」
「誰にですか?」
ニアは唇をかみしめる。誰に? むしろ彼らに謝るべきなのは
………自分だ。
「マットとメロ」
「あなたの名は入らないんですか?」
「挿れません」
Lは微笑んだ。
「でしょうね。だからあなたは生意気だと言うんです」
「? 訳が分かりません。L、私にはあなたがいちゃもんを
付けてるようにしか」
「やはりそう思いますか」
さすがにむかっときた。起きあがり、Lの肩をつかむ。
「え、L。どこまで私を試せば気が済むんですかっ」
「試す?」
「そうです。私に泣いて謝れとか、前提となる理論が破綻しています。
だいたいあなたがこんなことを始めなければ、酷いことは
起こらなかった………っ!」
「はい。そうですね」
真顔でニアを覗き込む。真剣なときの彼の癖だと、ニアはすでに
気付いていた。
違和感を感じ、手を離す。Lは汚いモノでも持つかのように
メニューをつまむ。
「えっと、なんにします?」
「好きにして下さい」
「じゃあメニューの上から下まで。あ、もちろん残さず食べてもらいます」
「………ホットケーキセット。ドリンクはミルクで」
「そうですか。残念です」
言ってシャワーを出す。温度を確認してから、ニアの頭からかける。
「え、L?」
「じっとしててください」
スポンジを取り出し、ニアの全身をゆっくりと洗う。その手の優しさに
泣きそうになる自分がいる。Lは苦笑して
「はい、口もゆすいで。そうそう、良い子です」
さっきまで責め立てていたくせに、今度は子供扱いか。読めない人だと
思いつつ、ニアもスポンジを手に取った。
タオルケットで拭きあいっこをし、ふたりはバスロープに着替えた。
ソファに腰掛ける。
届いたルームサービスの前で、ニアはかすかに頬を染めいやいやと
首を横に振る。
「やめてください」
「ダメです。こういうときは」
「自分で飲みますからっ」
スポーツドリンクを飲ませようとするLと、唇をかみしめてふるふると
顔を横に振るニア。Lは拗ねたように口をふくらませた。
「せっかく優しくしようというのに、可愛くないですよ?」
「………っ」
「はい。あーん」
「やめてください! 本当に………っ」
がちゃん。
コップが倒れて、Lの膝を濡らした。しまった。そう思ったが、
Lはあららと言いたげにバスロープをつまんだだけだった。
「また洗い直しですね。どうしました?」
「怒らないんですか?」
「いえ。ようは私の態度が気持ち悪かったんでしょう。分かります」
立ち上がる。
違う。
ニアは首を振った。
なぜ分からない? 世界の切り札ともあろう者が、なぜ。
そこまで考えてニアは悟った。
自分だ。
責められている自分が、Lに気持ちを伝えていない。
だから分からない。伝わらない。
責められた後の優しさが、どれほどの痛みを持つのかを。
許してしまいそうになる自分。それに吐き気をもよおす自分。
すべてが許せなくて。
………今、感情の主導権を握っているのは、あなただ。
ニアはつばを呑み込んだ。
「L。私はあなたが嫌いです」
ゆっくり振り向いたLに、ニアは微笑った。
―――治まらない痛みなら。
胸にナイフを。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
残り第六章1回、第七章(最終章)2回、Lサイドストーリー二回投下します
もう少しお付き合い下さいませ
神乙です!!
ニアの不安定な気持ちの揺れがなんだか切なくなりました
それにしてもニアは可愛い(*´Д`)ハァハァ
続きも楽しみにお待ちしています!
ニアが「嫌い」と言う度に大好きと言ってるように見えます
ちょっと息苦しいくらいに素敵に切ないですね
Lがエロくてニアがいじらしくて
今回はどんなオチなのか楽しみにしてます
>>Lの時計神
ニアがLにどのように気持ちを伝えるのか気になります。
そしてLはニアの気持ちをどう受け止めるのか・・・・ドキドキ
続き楽しみにしてます!
こんばんは。
昨日の続きを投下します。
マット×ニア
マット目線でキスまでです。
感情部分や説明が多く、台詞が少ないので嫌いな方はスルーして下さい。
では。
283 :
君の詩:2007/02/21(水) 21:16:58 ID:nQnksn+50
名前を貰ったばかりのあの日。
顔見せの為、教室の壇上に立っていた。
投げつけられる好奇の視線を返すように、揃う顔を見ていた。
オレはまだ『マット』に成れてなかった。
一つ前の名前を引きずり誰も寄せ付けずにいた。
そして、ニアが言ったメロのように、溢れ出す感情を止める事が出来なかった。
ある時、クラスの誰かが冗談混じりに聞いてきた。
それはワイミーズハウスの禁則事項。聞かず、聞かれずの約束。
だからこうして違う名を与えられたのに。
・・・・・・抑えきれない感情を剥き出しにした。全てを壊してやりたいと思った。
『過去』『名前』・・・・・そして『今までの自身』全てを。
今とは逆であの時止めに入ったのはメロだっけ。
そんな彼を殴り倒すと今度は白い小さな体がオレの視界を遮った。
284 :
君の詩:2007/02/21(水) 21:38:23 ID:nQnksn+50
それがニアだった。
彼女は荒れるオレの前に無表情で立つと、何故か頬に手を当てた。
そして呟いた。オレに、自分に言い聞かせるように。
「―――――大丈夫。」
漆黒の瞳はしっかりとオレを捉える。
瞳の中のオレは涙を流していた。とめどなく、とめどなく。
ニアはその涙を拭ってくれた。優しく、優しく。
「たぶん、あの時だったと思う。『オレがマット』に成ったのは・・・・・・」
マットは月の色に染まるニアを見ると小さく唇を噛んだ。
「何も言わなくていいです。・・・・・・わかってますから、マット。」
ニアは月を見ていた。あの時と同じ表情で。
自分が、そしてニアが抱えるものが何なのか知っている。
それは、『寂しさ』だ。
285 :
君の詩:2007/02/21(水) 21:44:26 ID:nQnksn+50
「怖いんだ。オレを傷つける世界が。
自分の過去でさえオレを傷つける。だから・・・・・」
だから、求めた。
優しさを。温かさを。平和な日常を。
・・・・・・自分より、弱い存在を。
「オレはニアが好きだよ。」
その言葉に一瞬肩を震わせると、ニアはゆっくりと顔を向けた。
「さすがにそれは知らなかっただろう?」
月明かりは眩しくて。その目に映し出された姿が嫌でもわかる。
・・・・・・漆黒の瞳は弱い自分を教えてくれた。
286 :
君の詩:2007/02/21(水) 21:52:18 ID:nQnksn+50
そっと銀の髪に触れてみる。
女の子とじゃれるのは得意。だけどニアに触れるのはこれが二度目。
「ニア、オレ・・・・・」
ニアは何も言わずただマットを見つめている。
―――――馬鹿に成りきれ。
どこからか聞こえるその声に従おうと思った。
そこに立つ少女がとても魅力的だから。
月に照らされたニアが、とても美しかったから。
奪うように唇を重ねた。
「んっ・・・・・」
ニアの甘い声を呑み込むと更に深く唇を味わった。
ニアの全てが欲しくてたまらない。
「ニア・・・・・!!」
短いですが、今日はここまでです。
後2日で投下終了です。
一つ、番外編でマット×ニアのエチありも用意してあります。
キスだけでは申し訳ないのでまたこっそり投下したいと思います・・・
神乙です!
続きも楽しみにしております!!
マットがどうするか気になる(;´Д`)
神、乙です!
こういう雰囲気好きだなあ…
今のマットになるまで色々あったんですね
マットの明るさの裏につらい過去があると思うと…泣
マットに対しニアがどんな反応を見せるのか楽しみです!
>>君の詩神
雰囲気にうっとりしました。ニアタン優しいなあ………
続き楽しみにしてます!
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第六章 友達
18禁
カップリング・マット×ニア
慰撫和姦
*死にネタあり
S要素無し
第六章 友達
ここ数日、ニアから一切の情動が消えていた。
理由は、さっきメロから聞いた。
「Lが死んだ」
メロがそう言った時、真っ先に頭に浮かんだのはニアの顔だった。
知ってか知らずか、メロはチョコをかじりながら続ける。怒っているように
見えた。
「「L」の座はニアに譲った。マット、さよならだ。俺は今日ここを立つ」
メロは止めても聞かないだろう。必要最低限の物を詰め込んだ小さな鞄。
それに目をやり
「………メロちゃん。オレもついてくわ」
パキッ。チョコの割れる音。
「あいつについていてやらないのか?」
「知ってる? ニアよりお前の方が保身が下手」
それに。
自分が側に、嫌でもLを思い出すだろう。ニアにとって、ワイミーズ関係者は
周囲にいない方が良い。
「L」として、新しい環境でがむしゃらにやった方が、きっと痛みを忘れられる。
だがメロは通り過ぎた。やっぱダメか。目を閉じる。
背中越しに、ぽんと肩を叩かれた。
「変えるなよ」
「え?」
「携帯の番号」
誰もいない自習室で、ニアはしゃがみこみ、白いパズルを延々とはめこんでいた。
「………マットですか」
乾いた空間に、無感情な声が響く。
「よーニアちゃん。遊ばない? 」
「マット」
「はいはい」
「知ってますか。あなたは嘘が下手です」
ぐっと詰まる。ニアは振り返りマットを見る。全てを見透かすその瞳で。
「メロに聞きましたか」
「………ニアは賢いよね、本当に」
「そうみたいですね。私には逆に、何故あなた方が分からないのかが分からない。
それをいちいち解説しなければならない。
本当に、この世は面倒なことが多いです………」
「ニアにも分からないことってあるんだ?」
ニアがぽとりとパズルのピースを落とした。
「いえ。………正確には、ありました、です」
「ニア?」
「私はそれを初めて手に入れました。気付いたときとても嬉しくて、
だからこそ怖かった………怖かったんです、マット」
きっと、彼も。
「なのに、私は………っ」
「ニア!」
床にたたきつけた手を、マットは握る。ニアがすがるように見た。
マットは唇を重ねると、ニアを抱きしめる。
「壊して下さい。壊してぇ………っ」
だだっ子のように身体をすりよせる。マットは首筋にキスをした。
「ニア、ダメだ。しっかりしろ」
「マットぉ………」
白痴のようなまなざしを受け止める。心配そうな表情に、少し理性が戻った。
背を撫でる。ニアはされるがままになっている。
「言っただろ? 「僕はニアも好きだ」って」
涙のにじんだまなざしに、マットは愛おしげにくすりと笑う。
「優しくしないでください………」
「するよ? すべてが君の思うとおりにはならない」
優しくニアを押し倒す。
「なあ、ニアちゃん。頭良いんだよな。そんなに何でも答えられるなら、
ひとつ聞きたいことがあるんだ」
「何ですか?」
「………抱かない方が良かった?」
最初に。
ニアのうるんだ目に、自分の泣きそうな顔が映る。
ニアは目を閉じた。泣きながらも、抵抗しなかった。一番欲していたのは
ぬくもりだったから。
「ニア、赤ちゃんみたい」
すがってくる身体を愛撫しながら、マットはささやく。
「マットの意地悪ぅ………」
「意地悪で言ったんじゃないよ」
身体を重ねた時、マットはニアのかすかな独白を聞いた。
「あなたを好きになれたら良かった。そうは思います―――でも………」
その一言でマットは思い出していた。
あの夜、自分の部屋に来たメロのことを。
「マット。お前らに何があった?」
騙しきれるとは思えなかった。
僕は一部始終を話した。全てをだ。
そう―――ニアの決意を裏切ったのは自分なのだ。
「オレがやるしかないな………」
パキッ。チョコの割れる音。
「L、ニアを越して、一番になる。そのためには何だって利用してやる」
「メロ………?」
マットには分からなかった。メロの真意が。
ただ静かに何かが変容しようとしていた。親友の中で。
罪悪感という名の楔を打たれて。
激しくまぐあいながら、マットはメロに、ストリートの少女に、そしてLに、
神に祈りを捧げた。
神様。この世界には難題が多すぎて、そしてオレたちはずるくて弱い。それでも。
どうか。オレたちを救って下さい。
―――神様。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます
明日明後日は完全オリジナル、9年後の話になります
ネ申乙です!なんだか皆それぞれがセツナス…(´・ω・`)
9年後のお話がどんな風に展開されるか楽しみにしてます!
302 :
fear:2007/02/22(木) 22:44:17 ID:8rqK8fq10
遅くなりましたが続きです。
性虐待を受ける子ニア。
21禁。長編。
今回エロ無しなので、嫌な方はスルーして下さい。
「・・うぅっ・・ひっ・・・・」
男性ばかりに囲まれ、パニックに陥っていた。
呼吸が乱れると、口元に何か当てられるが、
感触も何もかもが違うのに、彼のモノを思い出した。
「やだああっ・・・ああっ・・・ぅ・・ぁっ・・」
303 :
fear:2007/02/22(木) 22:44:54 ID:8rqK8fq10
吊るされた両腕が下りてくる。
間接が痛み、血が流れていくのを感じた。
両足も自由になるが、あまり動かすことが出来ない。
目の前が真っ暗になり、そのまま意識を失った。
目を開けると映るものは白だった。
首を横に向けると、そこには知らない女性が居る。
「・・・・・・」
「目が覚めたのね。気分は?」
304 :
fear:2007/02/22(木) 22:45:46 ID:8rqK8fq10
良いわけが無い。それよりも此処は何処なのか。
自分の腕には点滴がうたれ、綺麗なベットで寝かされていた。
「ここは・・・」
「病院。あなた、体の至る所に怪我をしているから無理しちゃダメよ」
全身がズキズキと痛む。
打撲や痣や火傷のせいだろう。
それに、荒らされた体は外傷だけではない。
「あなたは・・・・??」
彼女はニアと向き合うと、心理病棟の専門医師だという。
自分は精神面においても、深い傷を負っているから
カウセリングなど、これから彼女がするのだと言った。
305 :
fear:2007/02/22(木) 22:46:46 ID:8rqK8fq10
「私・・どうなるんですか・・・・?」
「暫くは、此処で安静にしてもらうわ。先のことはその時に決めましょう」
ワイミーズハウスへ戻れるのか。
どうせなら病院で過ごしたい。個室で人とのかかわりが無く、
お見舞いに来る者も居ないだろう。
「それから・・・・」
真っ直ぐニアの目をみつめ、
言葉を選んでいるのかなかなか話を切りださない。
「なんですか?」
彼女の態度や表情から、良い知らせではないと判断した。
重苦しく口を開き、放つ言葉が頭の中に響く。
「あなたのお母さんは、もう亡くなっているの」
306 :
fear:2007/02/22(木) 22:47:28 ID:8rqK8fq10
頭の中がめちゃくちゃになる。
ただでさえ、精神的に参っているのにこのタイミングで告げられたら、
本当に自分の体がどうにかなってしまうと思った。
「どういう・・・意味・・・」
以外にも冷静な自分を疑う。
母親といっても本当の母親ではない。
かといって、嫌いなわけじゃないし自分を大切にしてくれた。
だが、触れ合った時間が短すぎる。
下手すれば、別れた施設の人たちよりも短いだろう。
307 :
fear:2007/02/22(木) 22:48:21 ID:8rqK8fq10
自分を可愛がってくれた人物が亡くなったというのに、
涙の一滴も出ない自分は最低だと思った。
「いつ、亡くなられたんですか?」
落ち着いている自分の様子に、話しても大丈夫だろうと
思ったのか、質問に戸惑うことなく答えてくれた。
彼女の話によれば、母親は病院へ連れて行かれた後、
緊急入院をした。そこまでは聞かせられたとおりだったが、
その数週間後に亡くなったことは知らなかった。
自分が閉じ込められている間に、さまざまな出来事が起こっていたのに、
外の様子を知る術もなく、恐怖に怯える日々を送っていたのだ。
父親は、その後精神不安定いなり、薬を始めたらしい。
仕事も辞め、毎日のように飲んだくれ別人となってしまった。
だからといって、あの行為を許す筈ない。
出来れば自分の記憶の中から、一番消したい記憶である。
今日はこれで終わります。
>>fear神
待ってました!
ようやくニアが助かってホッとしました。
心に傷をおったニアが立ち直れるか心配です・・・
>>Lの時計神
突然のLの死・・・
ニア・・・切ない・・・
9年後のお話でどんな展開になるのか楽しみにしてます!
こんばんは。
昨日の続きを投下します。
マット×ニア
マット目線でキスまでです。
感情部分や説明が多く、台詞が少ないので嫌いな方はスルーして下さい。
タイトルは『君の詩』
今日はかなり短いです。
では。
311 :
君の詩:2007/02/23(金) 00:13:43 ID:ls60jMET0
どうして彼女なのか。
どうしてニアなのか。
何度も何度も自分に問いかけた。
同じ寂しさを持つから?
オレに優しさをくれたから?
・・・・・・違う。ニアだからだ。
「ニア・・・・・」
でも・・・・・・これ以上は駄目だ。
オレは馬鹿にも成りきれない、本当に弱い奴だ。
壊す事がこんなにも怖いなんて。
「マット、泣かないで下さい。」
その声に顔を上げると、ニアは初めて会った時のように涙を拭ってくれた。
優しく、優しく・・・・・・
312 :
君の詩:2007/02/23(金) 00:14:52 ID:ls60jMET0
「・・・・・ニア?」
「あなたの寂しさは、私の寂しさと似ています。」
「でも、ニアはメロを・・・・・」
「メロは私に無いものを持っていて・・・・・そこに憧れています。」
そしてまた、メロもニアを通して見ているのだろう。
・・・・・・自身に足りないそれを。
「あれからマットは変わりましたよね。」
ニアはあの日の続きを話し始めると、柔らかな微笑みをくれた。
「あなたは随分と明るくなって、親しみやすくなりました。」
それは、優しさを貰ったから。
「成績もぐんぐん上がって・・・・・」
それは、少しでも近づきたかったから。
「―――――私はそんなあなたが羨ましかった。」
すみません、話の都合で今日はここまでです。
次がようやくラストです。
もう暫くお付き合いくださいませ・・・
神乙!
次で終わるのか…サミシス
>>fear神
待ってましたよ〜
ニアがようやく助かって良かったです
>>君の詩神
ニアが天使だ………
ラスト楽しみにしています
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第七章 Lの時計
カップリング・L×ニア
12禁
キス
*オリジナル、ニア21歳
ニア死にかけネタあり暴力描写あり苦手な方は要スルー
ネット上の古い噂を元に制作
S要素無し
「ニア」
ハル・リドナーの呼びかけに、ニアは回想をやめ振り返った。
「………もう行かないと」
ニアは銀髪をくるくると指で巻いた。
「ごめんなさい、ぼうっとしていました」
初夏の日差しがニアとハルを温かく包む。
墓の前には赤い薔薇。彼なら、「こんなもん持ってくんな」と言って
笑いそうだけれど。
墓石名は―――ミハエル・ケール。
あれから9年が経過した。
キラ事件解決後、すべてを失ったニアはLの名を継いだ。コナン・ドイルと
ドヌーヴの名も継ぐことになったのには驚いたが、よく考えればLの
やりそうなことだ。
身長は18歳から20歳の間に5センチ伸びた。どうやら自分は成長が遅いらしい。
ここ数年で、顔や身体のラインが見間違えようもなく女のそれになって
しまったので、パジャマ着用をやめていた。
かといっておしゃれをするでもなく、銀髪はショートカットのまま、
くったりしたシャツとズボンをはき続けた。正直な話、身体を締め付ける
格好が苦手だった。
ハルはそれをもったいないと言う。だが、ニアは女であることが面倒に
なっていた。
身体が疼こうが心がねじれようが、どのみちもう、ニアを優しく抱いてくれる
者はいない。
ひとりも。
9年が経過し、Lのことも、マットやメロのことも、悲しく優しい記憶として
記憶の中にしまわれつつあった。
―――この世で時間が最も優しいと言ったのは、どこの誰だっただろう。
墓の上で何かがきらりと光った。なんだろう。思ってふりむいたその時。
全身を衝撃が貫いた。
何がおきたのか分からなかった。すとんと気を失い、倒れる。意識が戻った
その時、カメラアングルのようにぐらりと視界が揺れた。
「ニア! ニアーっ!」
リドナーが銀髪の女性の身体を揺すっている。白い服に赤が広がっていく。
レスター指揮官が駆け寄ってきた。
迷わず女性を抱え上げ、駆けていく。
「レスター、リドナー、何をしてるんですか。私はここに」
言いかけて、止まった。
手を伸ばしたつもりが、自分の手が見えなかったから。
下を向こうにも、首をもたげる感覚が分からなくなっている。
「私が、死んだ………?」
「おそらくキラ派残党の仕業でしょうね。一体、どこに潜んでいたのか」
背後から声をかけられて、ニアはぎょっとした。
懐かしい気配。声。―――が。
「L!? どこですか!」
「この世界では互いの姿が見えませんね。ニア、ちょっと待って下さい」
世界がまた暗転した。
Lが立っていた。
見慣れた、記憶の中のLが。
「L!」
ニアはLの首筋にしがみつく。あの頃よりも、顔がずっと近くにあった。
「きれいになりましたね、ニア。もっと顔を良く見せて下さい」
Lは愛おしげにニアの頬を両手ではさんだ。
「あなたは私の前では泣き顔ばかりです。感動の再会なんですし、
笑ってもらえませんかね」
「L、ごめんなさい。ごめんなさい………っ」
衝動に突き動かされて、ニアは叫んでいた。Lは困った様子で
「あなたが謝ることなんかないでしょう? 」
「だって、だって私、嘘をつきました。わざとあなたを傷つけたんです」
「それはマットから聞きました」
Lはため息をついた。
「ニア。マットから伝言です。―――「布団がふっとんだ」」
ニアはその場に崩れ落ちた。
「ここでそう来ますか………っ」
「嘘です。落ち着きましたか? 」
「L。相変わらず人を馬鹿にしてますね。その性格、死んでも
治りませんでしたか」
むっと睨み上げると、Lはおかしそうに笑った。
「正確には「ニアちゃん美人になったね! ちょっと惜しいな、
あ、メロはオレが面倒見るからあんま気に病むなよ。ニアちゃんだって
被害者なんだから」だそうです。
もう一人の彼からもです。「いつまでもメソメソすんな、うぜぇ。
あと、Lはオレがシメといたから安心しろ」」
「………シメられたんですか?」
「はい。でもこれ聞いてさっきシメ返しました。やはり彼にされると
納得いかない。
まあ、一回は一回ですよね?」
「最悪ですね………あの二人には殴られて当然なのに………」
「あなたとマットになら殴られても良いです」
「嫌ですよ。そのままじわじわと真綿で首を絞めるような罪悪感に
さいなまされて下さい。
恐らくマットも同意見です」
「い、今気付きました………もしかしたら私も被害者なのでは………」
「お気になさらず。その代わり」
目を閉じる。
「キスを下さい。今度こそ、優しく」
無造作に頭をかく。
「改めてお願いされると、気恥ずかしいんですが。私」
Lはニアの肩を抱き寄せ、そっと唇を重ねる。ニアは素直に受け入れる。
離れると、Lは唇に指を当てた。不思議そうに
「? この感触は初めてです」
「いまさら何を」
「これは………よほど怯えさせていた、ということですか。馬鹿でしたね」
「? 死んで少しは改心したんですか」
「さすがにあのふたりに責められてはね。けれどニア、私は謝りませんよ」
「ええ結構です。最高にむかつく人ですね。やっぱり嫌いです」
ぽんぽんとニアの頭をはたく。
「そうですか。私はあなたが好きですけどね」
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます
いましばらくお付き合い下さいませ
Lの時計神乙です。ああー切ないオリジナルストーリー。。。
いつまでもお付き合いしますとも!!
楽しみに待ってます!!
全編第七章LMMN章ごとにカップリング変化、長編。
全員悪人かつS、陵辱あり、人間関係はカオス。
ストーリーは原作に忠実、死にネタあり、キャラの過去に多少オリジナル
要素あり、キラ事件解決後オリジナルあり
嫌悪感を感じた方は徹底スルー推奨
「Lの時計」
第七章 Lの時計
カップリング・L×ニア
12禁
キス
*オリジナル、ニア21歳
ニア死にかけネタあり暴力描写あり苦手な方は要スルー
ネット上の古い噂を元に制作
S要素無し
ささやいてニアの頬にキスする。懐かしいキスに、ニアの涙腺が再びゆるむ。
だがLはそっと肩を引き離した。
「L」
「ニア。この時間は、神とやらが用意してくれたようです。やり方は乱暴ですが」
ニアはその時思い出した。メロの墓の上で、何かが光ったのを。
「嘘です………っ! もしかして私、ここで死ぬはずなんじゃないんですか!?
あなたたちが勝手に」
「ニア。そんなことはありません」
「嫌です、お願い。もう離れたくない………」
引き戻そうとする、見えない力に必死で抵抗する。Lは寂しそうにニアに口づける。
「周囲を見ることです。あなたを信じ、慕っている者は必ずいます。あなたが
それに答えていないだけ。私には、そうとしか見えません」
「嫌です、L………行かないで………私、あなたが好きなんです………」
しまいこんだはずの激情があふれ出る。そういう自分を、ニアはもう馬鹿だとは
思わなかった。
愛し方を間違えた自分たちは愚かだ。でも。
人を愛することそれ自体が、愚かであるはずがない。
ましてや相思相愛なら。
L。もっとそう呼んでおけば良かった。
飽きるまで、愛しておくんだった。どれほどの痛みを与えられても。
傷口から鮮血が流れても。
私たちの時はもう動かない。
「L」
「愛していますよ、ニア。―――いえ、三代目L」
優しく笑って、ニアの銀髪をかきあげる。ふわっとLの匂いがした。
あるはずのないぬくもりが、ニアを撫でる。
「嫌です、嫌ぁ。お願い、もうひとりは嫌です」
子供に戻ったかのように泣きじゃくるニアを、Lは穏やかに諭す。
「ひとりじゃないと言ったはずです。ニア、良い子だから聞き分けて下さい。
あなたは私たちが無くした、とても貴重な物を持っている。大切にして下さい。
それはいつも生きている人とだけ共にあるんです。だから」
世界が暗転した。
Lの声が耳に残る。
「たくさん用意してくださいね、愉快なおみやげ話を。
その時はみんなで伺いましょう」
………重い。
身体が水袋になったかのようだった。視力がなかなか戻らない。ふと横を見ると、
ハル・リドナーの疲れた顔。眠っているようだ。
「ジェバンニ………」
ベッドの脇のデスクで、パソコンに向かっている彼に話しかける。はい、と
普段の調子で言いかけ、ジェバンニは立ち上がった。
「ニア! 目を覚ましましたか、よかった………っ」
リドナーがはっと顔を上げる。茫洋としているニアに抱きついた。
「痛い!」
「あっ、ごめんなさい。どうしよう。私………っ」
泣き崩れる。その時ニアは思い出していた。
婚約者を失いキラ事件に参戦した彼女。ここまで自分に付いてきてくれたのは、
もしかしたら、メロの死に責任を感じてのことだろうか。
その上、ニアまで殺されてしまったら。
………さっきまで、どんな心地でいただろう。
ナースコールを押そうとする手を止める。胸に激痛が走った。とっさに身体を縮め、
激しく咳き込む。
「げほっ、げほ………っつう」
「無茶をしないでください!」
ジェバンニはベッドに手をつく。
「あなたは撃たれたんです。弾は肺を貫通していて、非常に危険な状態でした。
幸い手術は成功しましたが………一週間も眠っていたんですよ?
安静にしていて下さい」
乱れた布団を優しくかけ直す。ニアはうわごとのように
「レスターは………?」
「レスター指揮官は犯人を突き止め、キラ派のアジトを探っているところです」
「………そうですか、レスターが………」
そう。みんな、ここまで付いてきてくれたんだ。
もうキラは死んだのに。
「みんな………ありがとう、ございます」
ニアの頬を涙がつたう。ジェバンニは初めて見るニアの涙に、驚いた顔で
「ニア!? 痛みますか、鎮痛剤を」
「………ニア、大丈夫です。整形手術をすれば傷はほとんど目立たなく
なりますから」
二人して覗き込む。目が真剣だ。ニアは小さく吹き出す。
「………いえ。懐かしい人の夢を見たものですから。それに、いつも冷静な
あなたがたは取り乱しているし。おかしいです………」
くすくすと笑う。泣きながら。
リドナーとジェバンニは顔を見合わせた。
「ニア、もう少し眠った方が良いのでは」
「………そうですね」
目を閉じる。心の中でLにささやく。
さようなら、L。
大好きです、L。いいえ。
あの頃私は―――あなたに、恋をしていました。
<了>
本編はこれで終わりです。
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございました。励みになりました。
明日明後日はサイドストーリー、L視点です。
書いてて思ったんですが肺貫通しててしゃべれるもんなんだろーか………?
それではノシ
>>Lの時計神
お疲れ様です!
もう少し早ければリアルタイムで見れたのに惜しい!
最後にLに別れを告げたニアが切ないです。
でも温かい気持ちになりました。
サイドストーリー楽しみにしてます!
おはようございます。
マット×ニア投下します。
キスまで、マット目線。
今日ラストです。
それでは、どうぞ。
339 :
君の詩:2007/02/24(土) 09:52:55 ID:fY3oOgjR0
「あなたは優しい人です、マット。」
思いがけないニアの言葉に顔を上げる。
「オレが優しい?・・・・・違う、オレは弱いだけだ・・・・・」
「自分を弱いと認める事はすごい事です。その分、優しくなれるから。」
その強い眼差しが今まで頑なに隠してきたものを貫いていく。
全てを溶かし、夜の闇に紛れるように消えていく。
「・・・・・ははは・・・・ニアには敵わないや・・・・・」
マットは照れくさそうに前髪で両目を隠した。
今、目の前に居るのは年下の小さな少女。きっと心だって小さい。
もしかしたら抱えるものはそれ以上かもしれないのに。
「・・・・・情けないなぁ、オレって。」
完敗だった。そして、あっさりと打ち負かされた自分をやっぱり『オレらしい』と思う。
月は静かに浮かび、二人は静かにそこに立つ。
「ねえニア。もう一度だけ。もう一度だけ、いい?」
「・・・・・月が出ている間なら、何度でも。」
340 :
君の詩:2007/02/24(土) 09:56:18 ID:fY3oOgjR0
甘く、深く。
存在を確かめるように。寂しさを埋めるように。
今だけは、今だけは。
恋人のように。愛を囁くように。全てを君に告げる。
「んっ・・・・・マットぉ・・・・・」
「ニア・・・・・好きだ・・・・・・」
絡み合う舌が詩を唄う。
求める腕が音色を奏でる。
彼女の吐息は風のようで。
その表情は月のようで。
全てが優しい詩に変わる。今、高らかに――――――
341 :
君の詩:2007/02/24(土) 09:59:50 ID:fY3oOgjR0
・・・・・・自由時間。
いつものようにふらふらと施設を彷徨うマットが居た。
相変わらず続く良い天気。
そして、変わらずこんな日常が好きな自分がいる。
「・・・・・本日も平和なり。」
――――――あの日の事は忘れない。
手に入らなくても心はずっと唄ってる。
リンダが描いた二人のように、ずっとずっと一緒だ。
君が好きだった。
たまに見せるその笑みが。
君の強さが。
・・・・・・君が奏でる詩が。
342 :
君の詩:2007/02/24(土) 10:05:37 ID:fY3oOgjR0
「いいえ、平和ではありません。」
「!?」
その声に驚き後ろを振り返る。
いつの間に居たのだろうか?そのに立つのは紛れも無くニアだった。
「大変なんですマット。あなたの協力がないと解決しないんです。」
その言葉にマットは慌てた。
「また、メロが!?」
「・・・・・・違います、メロではありません。」
「?」
ニアはマットを近くに呼ぶとそっと腕を伸ばした。
「あれからずっと止まらないんです。あなたの音色が。」
高らかに唄おう。
今、二人の詩を―――――― 【終わり】
終わりです。
キスまでなのに長々とスミマセンでした。
昨日、すっかり投下し忘れてたのですがorz
>>Lの時計神と同時に本編のラストを迎えられて嬉しかったり…///
次回、『君の詩』の続きでエチありを投下したいと思います。
が、最近(今も)規制がかかりやすいので規制が解けたらこっそりと。
携帯から失礼しました…
乙です〜
リアルタイムで楽しめました!
えっ何言ってんですか照れますがな(><)
ラストですごい幸せな気分になりました
次回作楽しみにしています!
うわぁ〜神乙です!
最後の文章が素敵で思わず魅入りました!
次回の作品も楽しみにしてます!
神乙!
きれいな文章にうっとりしました
しかし、キスだけなのになんでこんな萌えるんだw
次回作楽しみにしてますよ!!
ずっとロムってた……
時計神乙です!
21の女になったニアハァハァ
マトニア神もハァハァ…ニアが可憐です
fear神
ニアたん助かってよかった、オチ楽しみにしてます
時計神乙です
洗いっこと拭きあいっこするLとニアに激萌えました
ほのぼの切ない……ニアたんがLに会えて良かった
サイドサイドストーリー、L視点も楽しみです
君の詩神乙です
大どんでんがえし!ニア可愛い…
Lの時計〜荒野の一輪〜
L×ニア
*L視点サイドストーリー、ニア5歳〜本編序盤まで
エロ要素無し
350 :
荒野の一輪:2007/02/25(日) 08:17:38 ID:G/bOfZIO0
しゃがんでニアの瞳を覗き込む。
映るのは私を無心に慕う輝き。私はきっと、とても優しい表情を
しているだろう。
私が子供の頃の恩師の顔。私が大好きで、遙か昔に去っていって
しまった人たちが眼に浮かぶ。
ああ、そこにいたんですか。
こう感じていたんですか。
それは人が通る道。つながり歩いていく道。
彼女もいつか、遠い未来に、この日の私に出会うのだろう。
ワタリが創設したワイミーズハウス。
とても優秀な子が転院してきたと聞いたのは、もう3ヶ月も
前のことだ。
351 :
荒野の一輪2:2007/02/25(日) 08:18:10 ID:G/bOfZIO0
長い数式でも瞬時に答えをはじき出す。一回聞いただけで
他国言語を習得する。10のテレビ画面の内容を同時に見分ける
齢5つの少女。
なのに報告するロジャーの声は困惑していた。
「会えば分かります」
遊戯室の真ん中に子供が座っている。美しいプラチナ・ブロンド。
もう正午過ぎだというのに、パジャマ姿のままでサイコロを
積み上げている。
「初めまして、ニア」
子供は振り返らない。聞こえているはずなのに。私は正面に回り込んだ。
サイコロタワーはすごいスピードで完成していく。
濡れたような黒い瞳は私を見ない。そのことを不必要だと感じている。
352 :
荒野の一輪3:2007/02/25(日) 08:19:06 ID:G/bOfZIO0
私は興味を持ってニアをまじまじと見た。
………なんて可愛らしい子だろう。そして。
なんて私に似てるんだろう。
私はいたずらしたくなって、サイコロを一つつまみあげた。
―――次はここ。
先手を打たれてニアは不審そうに私を見た。だがそれも一瞬。
再びタワーに熱中する。
―――次は、ここ。
ニアの指と私の指がこつんと触れる。
子供の表情に驚きが広がる。
さらに勢いよくタワーを組み立て始めた。さっきまでとは違う、
挑戦的な仕草。
353 :
荒野の一輪4:2007/02/25(日) 08:20:02 ID:G/bOfZIO0
―――ここ、ここ、ここ。
ニアの眼がきらきらと輝いている。頬がバラ色に染まった。さっきまでは
感じなかった子供特有の輝き。
「ああ、やられちゃいましたね」
完成したタワーを前に、私は笑う。余ったサイコロをとんと
ニアの頭に置いた。
きょとんとしたニアは、しかしくすぐったそうに笑い、小さな手で
砂上の楼閣を崩す。
彼女はいまや真っ直ぐに私を見すえていた。
「初めまして、ニア。私がLです」
ニアの眼が大きく見開かれた。
354 :
荒野の一輪5:2007/02/25(日) 08:21:05 ID:G/bOfZIO0
それからニアは私に懐いた。
ワイミーズに来た時は必ず呼び鈴を押して会いに来る。
それでも最初は本当に心配だった。ニアはしゃべろうと
しなかったから。
能力が図抜けて高いニアには、相手が分からないと言うこと
自体が分からない。
伝えようとしても、結局それは「気持ち悪いくらい人を読む、
薄気味の悪い子供」ということになってしまい、周囲から避けられる。
それが重なり、ニアは口を閉ざしたのだろう。
しかしニアの情操教育係は私には不向きだった。とても忙しかったし………
私にもニアの、今感じている辛さが分かるからだ。そして結局
甘やかしてしまう。
しかしそれも杞憂と言うか、私の傲慢な考えだった。
マット、リンダ。いつしか彼女の周りには人が集まるようになる。
355 :
荒野の一輪6:2007/02/25(日) 08:22:05 ID:G/bOfZIO0
マット、リンダ。いつしか彼女の周りには人が集まるようになる。
子供は子供の同士で社会を学んでいくのが一番良い。
一抹の寂しさと共に、深い安堵があった。
その時、自分がどれだけ彼女のことを気にかけていたか分かった。
爪を噛む。
………らしくない。
その日は風が強かった。
怒っているわけでもなかろうに、大気に荒れ狂わされている風が、
私には泣いているように思えた。
それを証拠に、窓を叩きつける涙がいつまでも治まらない。
窓枠に逃げまどう小さな虫をガラス越しにつつく。あなたは雨宿りですか、
小さな来訪者さん。
356 :
荒野の一輪7:2007/02/25(日) 08:23:24 ID:G/bOfZIO0
コーヒーカップに視線を落とす。
―――ん?
視界をかすめた不自然な白。私は立ち上がり窓を叩く。
ここからは出られない。瞬時にきびすを返していた。
木の根本にいた、びしょぬれのニアを抱き上げる。意識がない。
私は部屋に戻ると、備え付けのユニットバスに入りニアの服を脱がした。
唇は紫に、頬は蒼白になっている。濡れた服はどんどん体温を奪う。
自分も脱ぐと湯船に入り、温かいシャワーをニアの全身にかけていく。
夏の雨で良かった。冬なら急性肺炎を起こしていただろう。
「何をしてるんですか………あなたは」
白く輝く身体は陶器の人形のようだ。7歳のニアの身体にまだ性徴はない。
357 :
荒野の一輪8:2007/02/25(日) 08:24:04 ID:G/bOfZIO0
私は彼女の名前を呼ぶ。
「ニア。ニア、起きなさい」
「んっ………」
ニアは目を開ける。だが、ぼうっと私を見ただけで、こてんと肩に頭を
預け眠ってしまった。
湯がたまり、水圧に浮いてくる背中を押さえる。子供にはまだ熱いはずの
水温が、ニアの呼吸を整えていく。
徐々に体温を取り戻していく身体を抱きしめる。
ああ、何て優しいぬくもりなのだろう。
今日はここまでです
読んで下さった方、レス下さった方、ありがとうございます。
すみません訂正です
>>356 ×身体にまだ
○身体にはまだ
>>荒野の一輪神様
乙です!
5歳のニアが可愛くてたまりません!!
前作を知っているだけにLの優しさが身に沁みます。
ほのぼの(*^_^*)
こんにちは。
『君の詩』を投下した者です。
16禁SSを投下します。
タイトルは『唄が聞こえる』
『君の詩』と繋がっていて、内容は暗いです。
話は繋がってはいますが、別物として作りましたので
マットとニアが両想いで終わったままが好きな方は
スルーして下さい。
死にネタあり。
マット目線で、感情部分が多くセリフ少なめ。
それでも読んで下さる方、どうぞ。
361 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:04:05 ID:1CR+RcET0
最悪だった。
慣れない異国に不機嫌な天気。
その音は無機質で。
オレの好きな平穏は一体どこへ行ってしまったんだろう。
仕方なくオレは目を閉じた。
完全な闇に染まる前、思い出したかのように口にしてみた。
永遠に忘れる事にない、君の詩を――――――
362 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:04:59 ID:1CR+RcET0
思い溜めたオレの詩は月の晩をきっかけに形を成した。
想いは一つ、君の声が重なる。
それはまるで子守唄のように、とても心地良かった。
詩の続きをもっと聞きたかったけれど、
月日が、そして運命がそれをさせない事を知っていた。
だからあの時君を求めた。強く、強く・・・・・・
あの日、初めてこの手で彼女を抱いた。
363 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:05:42 ID:1CR+RcET0
「好きだ・・・・・・」
そう言って小さな体を抱きしめる。
「い、痛いです・・・・マット・・・」
彼女は苦しそうにオレの肩で息をする。
優しくしたいのに、優しくできない。
そんな自分が『オレらしい』のか『オレらしくない』のか。
答えはいらない。彼女を求めるオレの熱さが全てだから。
364 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:06:41 ID:1CR+RcET0
「ど・・・して・・・急に・・・・」
ニアは少し戸惑った様子でオレに問い掛けた。
「・・・・・どうしてだろう。何か、急に。」
嘘だ。
今日、メロが施設を飛び出した事を知った。
皆に何も告げず、突然に。あまりにも不自然に。
それは、きっと『彼』に近い、ニアだけが知っている事実。
――――――『L』だ。
それしかない。そうに決まっている。
嫌でもわかってしまうんだ。
メロが居ない今、彼女の変化に気付く事が出来るのはオレだけだから。
ニアは抵抗しなかった。
嫌がる素振りは見せるものの、完全には閉じていない。
そしてその意味をオレは知っている。
それは・・・・・・
365 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:08:22 ID:1CR+RcET0
「あ・・・・・マットぉっ・・・・・」
小さく震える肩を掴み、唇を重ねた。
柔らかな感触を確かめながらうっすらと開いた隙間に舌を忍ばす。
舌と舌がぶつかると、逃げられないように捕える。
絡み合う度に口の中で響く音が興奮を高めていく。
「うむっ・・・・ふうぅ・・・・・ん・・・・」
切ない声を喉で鳴らすとニアはオレの首に腕を回した。
「もっとオレを求めて。オレを好きだと言って。」
オレ達はまだ幼くて。それを愛だと呼べるのかもわからない。
それでも背を押す『それ』が行為を止めさせない。
――――――『寂しさ』
366 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:10:11 ID:1CR+RcET0
?ぎとるように上着を脱がすと真っ白な肌が目に飛び込んだ。
ニアは下着はおろか肌着さえ身につけていない。
「風邪引くよ、ニア・・・・・」
暖かめるように小さな体を包むと、その柔らかさが伝わった。
白い肌はしっとりと、程よい弾力でオレを迎える。
白の上に実る果実はぷっくりと淡い色を見せ、それを躊躇いもなく口に含んだ。
「あっ・・・・・」
ニアは魅惑の声を上げる。
その声があまりにも可愛くて、さらに欲望が募った。
「もっと聞かせて・・・・・ニアの声・・・・・」
無我夢中で舌を這わせ、指を滑らせる。
もっと聞かせて、君の唄を。
367 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:11:47 ID:1CR+RcET0
心の欲望は自身の熱へと変化を遂げる。
・・・・・・目の前の雌を欲するただの雄へと成り下がる。
フェミニストの仮面を脱ぐと、オレはニアに見せた。
男の顔を。
「マット・・・・・?」
ニアは少し怯えたような目を向ける。
「これからする事、わかるよね?ニア。」
目を逸らされないようにニアの頬を掌で挟む。
その時、ニアの潤んだ瞳が何かを映した。
一瞬の躊躇い。
その影を追い払うように長いキスを交わすとそっとズボンに手を掛けた。
368 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:12:43 ID:1CR+RcET0
無造作に放たれた衣類が床に転がる。
二人は生まれたままの姿で抱き合うと小さく音を奏で出した。
「んっ・・・・くっ・・・・・・」
ニアの苦痛が胸に響く。
優しくしてやれないオレは何てずるいんだろう。
ニアが映した影への嫉妬。目の前の快楽。
理性なんて本能には勝てやしない。
なんて浅はかな。人とい存在は。・・・・・オレという存在は。
「ああっ・・・マットぉっ!!」
オレの大きさに慣れていくように、ニアは女に成っていく。
「ニア・・・・・求めて・・・・」
「あっ、あっ、あっ・・・・・・」
「ニア・・・・・言って・・・・」
ニアは体をくねらせ髪を振る。
更に激しく突き上げると甘い声を漏らした。
「あっ、好き、好きですマット・・・・もっと・・・もっとぉっ・・・・・!!!!」
369 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:13:35 ID:1CR+RcET0
今、確かにオレはニアの中で。
悲しく鳴り響く音を消しさるように埋めていく。
「あっ、ああああっ、はっ、はぁっ・・・・・」
ニアもまた求めるように体を揺らす。オレの存在で、心を保つ。
「好きですっ!好きですマットぉ・・・・・っ!!!!」
でも、確かにオレはニアの中に。
心の中に、オレはいる。
「あっ、あっ・・・・私・・・・私っ・・・・・・!!!!」
「ニア、言って。もう一度、言って・・・・・・・」
「あっ、マットっ・・・・マット・・・・・・・・」
「ニア、言って・・・・・!!!」
「好きなのぉっっ!!!好きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!!!!!」
それでも十分だった。それが例え『真実』でなくても。
370 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:14:32 ID:1CR+RcET0
あの時少しでも彼女の寂しさを紛らわす事が出来たなら・・・・・
それで十分だった。
その言葉が例え真実でなくても。
オレを通して『彼』を見ていたとしても。
いつから歯車は狂い出したのだろう。
平穏が好きだったオレが嘘のように。
まるでゲームのような人生に身を投じ、最後はこんな有様だ。
『彼女』は『彼』を通じて感じてくれただろうか。
オレの存在を。
少しでも思い出してくれただろうか。
オレの詩を。
そして知るのだろうか。こんなオレの成れの果てを。
371 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:15:19 ID:1CR+RcET0
きっと君は何食わぬ顔でそれを知り、何食わぬ顔で忘れてしまうのだろう。
でもそれでいい。それでいいんだ。
無表情で冷酷で。誰よりもLを目指していた君はそうでなきゃいけない。
でも許して欲しい。
オレの弱さが、甘えがまだ求めてる。
君の詩を求めてる。
372 :
唄が聞こえる:2007/02/25(日) 12:16:55 ID:1CR+RcET0
闇に染まりゆく中オレは唄った。
月の晩に見た君を。
優しさをくれた君を。
オレを好きだと言った君を。
・・・・・・オレが愛した君を。
「ねえ、言って。オレに聞かせて・・・・・・」
今、聞こえる。
君の詩が―――――――
終わり
終わりです。
気付くの遅すぎなんですが、タイトル間違ってました。
『詩が聞こえる』でしたorz
一応、『詩が聞こえる』は『君の詩』の別作品ですので
マットとニアが両想いのままに留めておきたい方は無視して下さい。
最近エチの内容が薄いので、次はもう少し濃い内容のものを投下したいと
思います・・・・・
長々とすみませんでした。
>>詩が聞こえる神
乙です!
マット………何があったんだ………セツナス
愛って難しいよなあ、なんて柄にもなく考え込んでしまいました
次の作品も楽しみにしています!
感想続きです
ある本によると
恋というのは衝動、愛というのは行動することなんだそうです。
恋は本能で愛は意志。
慰める目的を持ってニアを抱いたなら、それは「意志」であって「愛」の一種
なんじゃないかな………と思いました
エッチネタ板で私は何を言ってるんだ(汗)すみません失礼します
神、乙です!
マット‥‥
ニアたんに思いを馳せながら散る姿が切なかったです
でもニアたんの好きという言葉は嘘じゃないと思う
マットがそう思い込んでただけで‥‥
と深読みしてみるw
次回作楽しみにしてます!
Lの時計〜荒野の一輪〜
L×ニア
エロ要素なし
378 :
荒野の一輪9:2007/02/26(月) 07:13:52 ID:l+2XCyzT0
目を覚ましてからもニアは一言も口を聞かなかった。もう寒くはないだろうに、
母猫を探す仔猫のように震えていた。私の仕草一つで、
飛び上がってしまいそうだった。
「ニア」
「―――っ」
小さな唇を噛みしめる。
「いけないことをしたと思うなら、謝りなさい。思わないのなら
その必要はありません」
「はい………ごめんなさい」
言ってズボンをずらそうとする。私はそっと手で止めた。
「ニア。前の孤児院ではどうだったのか知りませんが、ここでは
体罰は行っていません」
「………いいんですか?」
「して欲しいならしますよ? さあ、定規はどこだったか」
ニアはぷるぷると顔を横に振った。私は笑い、濡れた銀髪を
タオルでくしゃくしゃっと拭いてやる。
ホットミルクを手渡す。ぶかぶかのパジャマから、手を伸ばして受け取る。
「ありがとうございます………」
「勝手に寮を抜け出したことに関する罰は、ロジャーから受けてもらいます。
まあ、トイレ掃除一週間ってとこですか。
それはさておき、ニア。私が今何を考えていると思います?」
ギシッ。彼女の座る椅子の背に力を込める。
「怒ってますよね………」
「違います。私はあなたが心配です、ニア。あなたの理解力と分析力は
ずば抜けて高い。
このふたつに年齢は関係ありません。それが才能と呼ばれる物の特性です。
けれど、人のことはなかなか、その人自身にしか分からない物なのですよ。
こればかりは経験を積まないと。なのにあなたは、私以外の人と喋ろうともしない
今なんて私にもだんまりだ。さすがにお手上げです」
「迷惑ですか」
「違います」
「あなたに………会いたかったんです」
「ニア?」
「帰ってきたと聞いたから。だけどもう扉は閉まっていて………
思い切って抜け出したら、どうしたらいいのか分からなくなりました………
びしょぬれだし、帰っても名乗り出ても、怒られると思って、
あの木の根本に座っていたんです」
「今でなくても、明日伺いますよ」
「………だって」
今すぐに会いたかった。そう告げている。
真っ直ぐに私を慕うまなざしが痛い。
―――やはり。
この子は「L」には向いていない。いや違う。
私の跡を継ぐことは―――この子の為にはならない。
「ロジャー。まだ見つかりませんか」
「はい。やはりニアほどの能力がある者は。保護者のいる家庭にも
勧誘をかけてはいますが、よしんばワイミーズに入れたところで、
優秀な学友が増えるだけでしょうね」
あれから三年が経った。
ニアはやはり喋ろうとはしなかった。
ニアが精神的な問題を抱え込んでいるのは明らかだった。心を閉ざし、己の内面と
目の前の問題だけに向かう少女。
自分を見た時だけ、花のような笑顔を浮かべる。
違う。違うのだ。
それではあなたは壊れてしまう。
「L」を継ぐのは―――私の死後になるかも知れないというのに。
明るいニュースが聞かれるようになったのは、メロという少年が入所してからだ。
いつものようにニアに会いに行くと、扉の向こうから、明るい声がした。
「お前さあ、いい加減外出ろよ。カビ生えるぞ。まさかその頭、
白カビなんじゃないだろーな」
揶揄する声。少年特有の、構ってもらいたいだけの声。ニアの不機嫌そうな声が続く。
「………白カビ………。銀髪ですよ」
「白髪?」
「話になりません」
「まーたやってんの? もうメロってば、あんまりニア苛めちゃダメだよ」
「こいつうざいし」
「メロの方がうざいです」
「うん、メロの方がうざいよね」
「えっ何の投票? 」
「マットは私たちの味方よね。はいこれで三票! 多数決でメロの負けぇ!」
「マット、それでもダチか!」
「えっ!? ちょ、ちょっと待ってオレ何も………」
くすりと笑う。こんな自然な彼女を初めて見る。
―――ニアは大丈夫だ、きっと。このまま進んでいけば。
だが、運命は容赦がなかった。
キラ事件発生。
犯罪者の突然死が半年で100人を越す未曾有の大事件は、私に緊急の用件を
与えた。
死ぬかも知れない。今度ばかりは。
早急に決めねばなるまい。後継者はニアか、メロか。恐らくニアになるだろう。
しかし今のままでは。
時間が足りない。あまりにも。
「L、ちょっといいですか?」
少女が頬を染めて見上げてくる。信じ切った瞳。可愛いニア。
あと何年も経っていたら。あなたは私を懐かしく思い出せたのかも知れない。
メロとともに捜査をしていてくれたのかも。あるいは、メロがあなたの隣に。
―――ニア。
あなたはこれから、最も信じた人に裏切られます。
叩いた方も痛いなんて言わない。叩くのは意志、叩かれるのは意志じゃない。
―――だからどうか、私を嫌って下さい。キラ事件解決後も生き伸びるために。
あなたがあなたで無くなってしまわぬように。「L」の名に呑み込まれぬように。
知っていますか? メロ、そしてニア。
薔薇の蕾のように、ゆっくり花開いていく才能。
黄色い薔薇の花言葉は嫉妬。
白い薔薇の花言葉は―――私はあなたにふさわしい。
荒野に咲く一輪の薔薇。
言葉遊びに過ぎないけれど、彼女が、L。運命の花言葉。
<了>
「Lの時計」(LMM×N)
第一章少女期の終わり(21禁・L×ニア・陵辱自慰)
第二章優しい嘘(21禁・マット×ニア・策略和姦)
第三章決壊(21禁・メロ×ニア・口淫陵辱)
第四章錯綜(21禁・Lvsニア・対決和姦)
第五章堕ちた天使(21禁・L×ニア・口淫陵辱)
第六章友達(18禁・マット×ニア・慰撫和姦)
第七章Lの時計(12禁・L×ニア・キス)
〜荒野の一輪〜(L×ニア)
これで終わりです
半月もの期間、お付き合い下さりありがとうございました。
今回エロエロだったので
次はエロ少なめになります
その時は、またお付き合い下さると幸いです
ニアの成長とLの父性にも近い愛情。深いです。
精神的に未熟なニアの成長を願いながら、共にLも成長していたのかなーと思いました。
それにしてもニアたんは一途な子や・・・かわええ
最後は萌えというより感動しました。また作品読みたいです。お待ちしてます。
荒野の一輪神乙でした
白い薔薇って、七巻表紙のLの花でそして画集のマジ顔でも登場する、
Lを象徴する花ですよね…いいなあ…
しかし・・・・・・コナン=ドイルでエビドリア吹いたwww
継ぐ気かニアたん!!ほんとにいいのか!!!
書くのかシャーロック=ホームズをw
>>388 丁寧なご感想をありがとうございます
新作はすぐお届けできることになりました。今。
>>389 ご指摘ありがとうございます
×コナン
○エラルド
に訂正お願いします
あなたには一言言いたいことがあります
ちょwおまいがそんなこと言うから書いちゃったじゃねえかよwww
せっかく切ない感じで終われると思ったのにwwwバロスwww
「コナン・ドイル」
ロジャー×ニア
エロ無し
「本気ですか………」
唖然とするニアを、ロジャーはデスクに肘をついて見上げる。
通常でも困っているような眉がさらにゆがめられた。
「本気だ」
「世界一の探偵が世界一の探偵の話を書く。自信過剰にもほどがありますね」
「ニア、それはちょっと言い過ぎなんじゃないかな。原作ファンにも
わりと人気があるみたいだよ」
「コナン・ドイルという名の同人作家がいるのは知ってましたよ。
でも同人誌なんて腐るほどあるのに、わざわざこの名前使うから、
インターネット上にアンチまとめサイトまで作られてるじゃないですか………」
「? 詳しいなニア」
「と、とにかく! 私は小説なんて書いたことないですし、
そんな才能はありません」
「嘘つきには全員話作りの才能があるらしい。適任だよ。メロでは無理だ」
「そ、そんな理由でも一番だったんですか………私に同人誌を書けと………」
ニアはがっくりとデスクに手を付いた。
恨みます。とにかく恨みますよL。そう心の中で決意する。
ロジャーは背後の紙袋を示す。
「とにかくファンからは矢の催促だ。編集社も対応に困っているとかで………
人気作品を「作者死亡につき未完」がどれほど読者を傷つけるか、
君には分かるかね」
「勝手に傷付けば良いと思います。それは個人の問題です。関係ないです」
「………とにかくこれは継いでもらう。いいね?」
「横暴です」
「良いね?」
念を押す。言っとくけどセット物件だからLって。目がそう言っている。
ニアは口端をかみしめた。
くっ………Lと良いロジャーといい、大人なんて大嫌いだ。
………まあ、Lの名を汚すわけにはいかない、いかないんだろう。
いかないんだと思う。たぶん。
まずは有名な小説の書き方本を読んだ。スティーブンキングは家族思いを
アピールしたくて、大江健三郎は寝ぼけているらしいと分かった。
何の参考にもならなかった。
本物のシャーロックホームズシリーズを読んだ。統合失調。以上。
Lの作品を読んだ。登場人物を追いつめて楽しむ。絶対パソコン場面の前で
にやけてる。
捜査中のストレスをこんなことで………このオタクのサドの変態。以上。
「だから向いていないと言ったんです………」
ニアは何もない天井を見上げた。
あまりに自分なりの解釈が出るのが早かった。
そしてこんなことを書けば読者から猛烈な抵抗が来るに違いない。
つまり私が継ぐと、自動的にLの、じゃなかった同人作家コナン・
ドイルの名を汚すことになるわけだ。
いや、考えるんだ。何か興味のあることなら書けるに違いない。
「あ………!」
ニアはにぱっと笑うと、頬を両手で挟んだ。
3ヶ月後、同人作家コナン・ドイルの新作が発表された。
同人ファンサイトは一気に盛り上がった。
内容はそれなりの出来だった。まずまずと言って良い。しかし
その盛り上がりは内容とはあまり関係がなかった。
シリーズに新人物が登場したのだ。主要キャラ的位置づけの。
新人物はホームズの事務所で働くことになった新米探偵で、頭は良いのだが
ひきこもりで常に甘い物ばかり食べていてひょろりと長身の黒髪のその風体が
異様として書かれ、作中ではさんざんな目に遭うのである。
窃盗犯人と疑われ美女には痴漢容疑をかけられ子供には泣かれ
その子の親に怒られ車に轢かれ鈍器で殴られ睡眠薬を飲まされ
2階から飛び降りる羽目に陥り人を助けても感謝もされずもうないだろうと
読者が安心したところでラストでバナナですっころぶ。
とにかく徹底した作者のサドっぷりに愛さえ感じ、彼は人気キャラとしての
地位を獲得していく………。
ファンレターの山を前に、ニアは上機嫌だ。しかしその天使の笑顔には
何やら黒い物が見え隠れする。
「さぁて………次回作ではどんな不幸に遭ってもらいましょうかね、L」
くすくす笑う。ロジャーはそれを見ながら、深いため息をついた。
私は間違っていたんだろうか、L………。
だが何も言うまい
彼女はコナン・ドイルの任務を遂行しているだけ………
あとはロジャーという名の登場人物が出てこないことを切に祈るばかりであった。
以上です
既存の作品に対し一方的な見方がありますが、話の都合上書いただけなので
スルーして下さい
ラルのごとくニアのおっぱい揉みたいです(この場合おっきいか)
ミサミサの拘束具をニアにつけたいです
おしっこする所みたいです
「この変態!」と罵られたいです
ロリ顔美少女、親父凌辱ものにニアを主演で出したいです
こんな話がいつか書きたいです
402 :
fear:2007/02/27(火) 23:29:45 ID:soIsrnp+0
遅くなりましたが、続きです。
エロ無しが嫌な方はスルーして下さい。
「・・・・」
一人になりたいと、告げると何かあったらこのボタンを押すように、
ナースコールであろう機械の場所を教えた。
彼女が部屋から出て行き、数分経ち静まり返った部屋に、ドアを叩く鈍い音が響いた。
誰かと思えば、ハウスに居た頃、自分が最も懐いていた人物。
一目見て直ぐに分かった。
――L。
403 :
fear:2007/02/27(火) 23:30:25 ID:soIsrnp+0
だんだん、ニアへと近づいていくが、距離が縮まると
ニアの表情は強張っていく。
「やだっ・・出てって・・・っ・・・」
呼吸が乱れ、発作を起こす。
その様子を見かねたLは、ナースコールのボタンを押した。
「・・っ・・・!」
すぐにナースが慌しく駆けつけた。
「どうしました?」
Lは何も言うことなく、静かに部屋から去っていく。
後姿からは、悲しげな思いが溢れている様だった。
処置を施され、ほとんど病院の人間しかこの部屋を出入りしなくなった。
それ以外は心理臨床が来るぐらいだ。
何度も、繰り返し彼女と話をした。
こんな風に喋っているだけで、克服できるものなのだろうか。
404 :
fear:2007/02/27(火) 23:32:02 ID:soIsrnp+0
時間は同じ速度で過ぎていくのに、
とても早く感じそして遅くも感じた。
自分はもうこの病院を退院する。
そしてあの、ワイミーズハウスへと帰るのだ。
身内の男性なら、前とは全く同じではなくとも話せられるまでに至った。
世話になった医師の人たちに、
別れを告げると迎えの車に乗り込んだ。
「おかえり、ニア」
口々にその言葉が耳へはいっていく。
きっと、みんな自分になにかあったことくらい知っている。
でも、そのことには触れずに、
前と同じように接してくれることに感謝した。
405 :
fear:2007/02/27(火) 23:33:28 ID:soIsrnp+0
「あ・・・」
部屋へと向かう途中、あの金髪の少年に出くわした。
彼は、一瞬動きを止めて自分を見るがすぐさま再び歩き始めた。
「ひ、久しぶり・・・・」
「お久しぶりです、メロ」
「・・・もう、来ないかと思った・・」
目線を下へ向け、彼は少し顔を赤く染めていた。
「ちゃんと、戻ってきましたよ。もしかして・・心配してました?」
「なっ・・!!心配なんて・・・そ、・・・そりゃあ、少しは」
「あなたとは、会いましたね。私がここへ一度訪問したときに」
「え?あ、あぁ」
そんなこともあったな、とメロは照れくさそうに返事をする。
「あの時も・・・・あなたは随分変わっていた。そして今も」
406 :
fear:2007/02/27(火) 23:43:14 ID:soIsrnp+0
「なんだよ、急に・・・。お、お前はあんまり変わってねぇな」
この、しんみりとした空気を変えようとしているのだろう。
でも自分のこの気持ちが理解できない。
彼はとても、変わった。
自分の知らない彼の姿。
少し、寂しいと感じたのはきっと、気のせい・・・。
「そうですね・・・・私はあまり・・・・」
見た目からすれば、病気のように痩せた身体も、
病院に居た間に少しはマシになっただろう。
だが、彼に対する気持ちは、あからさまに変わっている。
外からは分からなくとも、心の中(うち)は変わっていた。
今日はここまでです。
続きはいつ投下出来るか分かりませんが、
次で終わる予定です。
コナン神 笑わせていただきましたwところでこれは素人の推理なのですが・・・
コナンをエラルドに訂正するとエラルド=ドイルであって、エラルド=コイルにはならない
つまりこの指摘により、あなたはもう一作書くことになる・・・!!
楽しみにしていますw(気を悪くされたら申し訳ない)
fear神
乙です ああニアたん・・・・
ニアたんが再びメロの前で笑えるようになるのを待っています
ええと、大分前「月夜に銀の薔薇」から始まるお話を投下させてもらったものです。お久しぶりです。
初代倉庫神、ご迷惑をお掛けしました。倉庫の過去ログ読んで自分のイタさに絶望しました…
二代目倉庫番様、乙です!
唐突ですが、13巻を読みまして「月夜に銀の薔薇」から始まった「荊姫」シリーズの続きを投下します。
でもタイトルはバラ科じゃなくてクジャクサボテン科です。すみません
(お姫様が王子様と薔薇のお城を出て行くところで「荊姫」終わるので・・・
初めての方、申し訳ありません。
もし興味がありましたらYB倉庫をご覧下さい。身勝手な言い方ですみません。…
これは、漫画「デスノート」の二次創作です。
七月から十月にかけ投下した「月夜に銀の薔薇」「荊姫」から成るシリーズの続きになっています。
カップリングは月ニア 全三章+エピローグ
まずは一章 微エロにつき注意
死にネタ無し(←重大なネタバレ
なおタイトルに立腹される方もおられると思います。気を悪くされた方、申し訳ありません。
でも月と女の子ニアの話で「花」といえばこれしか…………
>>fear神
乙です
ニアタンはもちろんだけど、L、悲しいだろうなあ………
自分があの時強硬に勧めなければ………とか、思っちゃうよね。セツナス
ニアタンが笑顔を取り戻せますように
>>408 ニアタンを同人作家専業にするつもりですかあなたはw
ヒトが夢をみるのはレム睡眠の時だという。
月は夢をみていた。目が覚めると同時に忘れてしまう夢を。
「二人ならLに並べる。二人ならLを越せる」
暗い倉庫の中、月に対面したニアはそう言いながら、
Lの人形の上に自分とメロの指人形を指にはめて掲げた。
月はそんなニアを脅威の目で見ていた。
「そして今。私たちはLが証拠を挙げられなかった に…、Lが敗れた に…
確たる証拠を突きつけている!!」
「!……くっ……」
月の目に、Lの指人形が
そしてメロとニアの指人形が映った。メロとニア、二人の。
声にならない咆哮をあげ、月はその場にうずくまった。
そして月は目が覚めた。夢のことはもう忘れていた。
412 :
409:2007/02/28(水) 09:10:44 ID:hdyT9mHJ0
言い忘れてました。
ネットカフェから投下しているため、時間が長くなると思います。申し訳ない
もし、SSを投下予定の神がおられましたら、どうか自分に気にせずお願いします。
その時はいったんお休みします
目が覚めると見知らぬ天井が目に入った。同時に誰かの声がした。
「気が付きました?」
月はハッとした。ペンバー夫人が心配そうに月を見ていた。
「すみません。ご迷惑をおかけしました」
月は慌ててソファから降りた。そこはFBI捜査官レイ=ペンバーの家だった。
「もしかして寝てないんじゃないのか?夜神君」
レイ=ペンバーが言う。
「ええ、まあ。…でも、もう大丈夫です」
意識ははっきりしていた。だが夫人はまだ心配顔だった。
「もう少し横になってて?仕事も大事だけど、まず身体が第一だわ」
「いえ、もう行かないと」
「でもただの疲労にしてはうなされていたし、心配ごとがあるのなら余計に」
「ナオミ。夜神君は大切なひとに会いにいくんだよ」
レイの言葉にナオミ=ペンバーは、月の左手の薬指のプラチナのリングに気がついた。
「わかったわ、レイ。つい、癖で…ごめんなさい、夜神さん」
そんな夫妻を前に月は、彼の特別な少女を想い、左手を、リングを、そっと握った。
ハイウェイの頭上、雲が走る夜の空に天体の月が懸かっていた。綺麗だった。
月は、特別な少女と一緒に見たいと思った。銀の巻き毛の少女。
月は学生だったある夜を思い出した。階下から幸子が月と粧裕を呼んだ。
『ほんのいっ時しか咲かないからライトと粧裕に見せたくて』
両の手の平より大きな白い花。月下美人。夜の居間に涼しい芳香が漂っていた。
『お父さんにも見せてあげたいな』『ほんとね』二人の言葉に、ビデオを
準備しようとした月は止められた。『それより花が咲くのを一緒に見ようよ』
あの時月は二人の気持ちがよく理解できなかった。
今ならわかる。一緒に何かを見たり同じ時間を過ごしたい「誰か」がいる。
そういうことだ。
以前の月は何でも知っていたが何にも知らなかった。彼女を知るまでは。
「ニア‥‥‥」
月はそっとその名を口にした。月に恋を教えてくれた少女の名を。
この世界にはニアがいる。そのニアに会える。世界は本当に綺麗だった。
ようやく突き止めたニアの所に向かいながら月は、それにしても、と考えた。
どうして僕はあのとき、ペンバー夫妻を前に倒れてしまったのか。
月は以前、Lの情報収集のためにアメリカのペンバー夫人と会っており、今日は
その礼のために訪れていた。夫妻はまだ若く、夫人のお腹には2人目の子どももいる。
幸せな家族、幸せな夫婦だった。帰る際、月はペンバー氏に挨拶をした。
それはよくある別れの挨拶に過ぎなかった。
「さよなら。レイ=ペンバー」
とたんに月は既視感におそわれた。
単なるデジャヴではなく、とてつもなくおそろしい感覚だった。
「夜神君?…どうしたんだ…?」
月は目の前のレイの腕を掴んでいた。大丈夫。間違いなくレイ=ペンバーは生きている。
生きている?当たり前じゃないか!
夫人も心配して駆け寄る。そうだ、彼女にも挨拶をしなければ。
さようなら。南空ナオミさん。そう言おうとして月はめまいがした。何だ?
『南空』はペンバー夫人の結婚前の姓だった。
月は、自分が立っているこの世界の足場がぐらつくのを感じ、
と同時に目の前が真っ暗になっていくのを感じ、そして倒れていた。
ペンバー夫妻には心配させてしまった。きっと、徹夜続きの疲れが出たんだろう。
だがそれはもうじき消える。なんといっても、ニアに会えるのだから。
月は幸せだった。間違いなく、このときは。
ニアと会う約束をしたその建物は、外見は普通の高層ビルだった。
中に入るとある者が月の腕を取った。絵描きとして独立したリンダだった。
「ある人があなたを待ってる。ニアとの約束には時間があるはずよ、でしょ?」
それが誰かは言わずに、リンダは月をエレベーターに導いた。
「ニアは相変わらず建物から出ないの。メロとは正反対」
エレベーターの中でリンダは言った。そして呟くように、あるいは月に聞かせるように続けた。
「…だからニアは、メロが好きなのかな?自分にないものを持ってる彼が」
上昇するエレベーターの音だけが大きくなった。平静を装って月が聞く。
「…なぜ、そう思う?」
「ニアの作った指人形って、メロのだけは力が入ってるから。着いたわ」
月が降りると、リンダは月にカードを渡してb教え、それから言った。
「気にしないで。私の目にはそう見えるって、そういう話」
ニアの作った指人形。
月は以前、ニアから指人形を贈られた。もっとも、結局は貰えなかったが…。
だが、指人形がなんだというんだ?
月は左手を握り、エンゲージリングを確かめた。怪我が治ったばかりで少し痛みが走った。
カードを挿しb入力するとその部屋のドアが開いた。
「急にお呼び立てして申し訳ありません」
両足を椅子に乗せた独特の座り方。思ったとおり、L。
「急いでるんだ。用件だけ聞こう」
「月くんの正義感と手腕を信じて、もし誰にも漏らさないと誓って頂ければ、
『L』の後継者に関する重大な事をお話したいと思っています」
ニアとの約束の時間は迫っていたが月は少し考えると、Lの向かいの椅子に座った。
メロとニアの二人がLの後継者の座を競っている最中だということは月も知っている。
そしてLもまた、ニアが月と婚約したのだと知っているはずだ。月は言った。
「誰にも言わないよ。何?」
Lが言った。
「メロとニア、二人がLです」
ワクテカしながら見てますよ〜ノシ
月は一瞬混乱し、理解し、そしてまた混乱した。メロとニア。二人がL。
「メロもニアも、二人でLを継ぐことをこころよく了承してくれました」
メロがニアに強い想いを抱いていることを、月は察していた。だがメロは
それを押し隠し、かたくなにニアを拒否し、越えようとしていた。
その彼が、ニアと二人でLを継ぐ事を了承した…?そしてニアが‥‥。
「実は、後継者の試練の最中事故が起きたんです。そこは雪山で、折からの
気象の異変の影響から時期はずれの雪崩がおき、二人は遭難してしまった」
がたん!
椅子を倒して詰め寄る月にLは答える。
「もちろん二人は無事です。そうでなければLは継げない」
紅茶に角砂糖をしこたま入れてLが続ける。
「命がけで共に試練を乗り越えた男女には連帯感が芽生える、といいますから
結果的にはそのために、二人で継ぐ事を了承したんでしょう」
一般的にはそれは連帯感ではなく、恋愛感情といわれている。だがLは
わざと間違えた。月に言わせるために。誰が言ってやるものか。
「ここまでは計算どおりか…?」
「計算で二人を死ぬかもしれないような目に合わせて、
それが『L』の試練だというのなら、『L』なんて何の価値もない」
淡々と、Lは言った。静かな声だった。
「すまない。言い過ぎた」
「いいえ。月くんにしてみれば心配なのは当たり前です」
Lはいつもの飄々とした調子に戻った。
「ですが、確かにいいチャンスかもしれません。ニアが月くんに出会う前から、
私は、メロとニア、二人で継ぐのが最適だと考えていましたから」
月はハッとした。
「リンダに指人形のことを吹き込んだのはお前だな」
「あれはリンダの独自の解釈です」
しゃあしゃあとLは言う。だがそれは真実だろう。
だからリンダを迎えによこしたのだろう。
「リンダは色々とユニークな見方をする子です。月くんにも聞かせたい」
「以前さんざん聞かせてもらったよ」
この世界が胡蝶の夢だとか。僕たちは本当は敵同士だとか。
「そろそろ時間だ。もう行く」
背を向ける月に、Lが声をかける。
「月くん」
月は振り返った。椅子に座ったまま、Lは真面目に月を見ていた。
「もうこの際はっきり言います。選ぶなら、他の誰かを選ぶべきです。ニア以外の誰かを。
月くんも、恋愛には向いていない」
「・・・・・・・・・」
バキィィィィィィィィ!!
月のパンチがLの顔面に、Lのキックが月の頬に、同時に入った。
踵を返し、口元を拭って部屋を出ようとする月にLが言った。
この男には珍しい、かすかに同情を寄せるような声。
「遭難した彼らは暖をとるため、たった一つ残された寝袋を二人で使っていた。
発見された時、二人は寝袋の中で一糸まとわぬ姿で抱き合っていたそうです」
エレベーターの中で月は、左手を、指輪を握り締めた。別々の場所にいる二人をつなぐ、
約束の指輪を。
最上階に着いた。そこで降りた月はボーダーラインのシャツを着た青年とすれ違った。
月は彼をワイミーズハウスで見たことがあった。
「今は入らないほうがいい」
すれ違いざま、彼のつぶやく声がした。
月が振り返ると、閉まろうとするエレベーターの向こうで再び彼が言った。
「邪魔だよ?」
笑っていたような気がした。約束より2分早かったが月は教えられたb入力して
その部屋に入った。
部屋の中央に、大きな机と座り心地のよさそうな機能的な椅子がしつらえてあった。
その椅子にはニアが座っていた。そして机にはメロが腰をかけていた。メロはニアの方を向いていた。
ちょうど部屋のドアが開いたとき月が見たものは
メロが人差し指でニアの顎を浮かせ、キスしているところだった。
「ニア!」
二人が振り向く。殴りかかろうとする月をかわしてメロは机から降りて言った。
「どちらが先にたどり着くか───」
「競争ですね………」
ニアが答える。メロの左顔面に火傷の跡が出来ていた。月は二人が醸し出す空気が以前と違うことに気がついた。
以前の二人の間には、お互いよそよそしくぴりぴりした緊張感が漂っていた。
だが今のメロとニア、二人の間にはしっくりした雰囲気があった。
二人一組で完成された彫像のような美しく侵しがたい雰囲気が。
チョコを手に出て行くメロを追いかけようとする月に、ニアが声をかける。
「挨拶と、あとチョコをくれただけです」
ニアは『えー』の形に口を開けてチョコのかけらを月に見せ、噛み砕いた。
確かに欧米ではキスは挨拶で、ここはアメリカだ。何より月はノックもせず
部屋に入るというペナルティを犯している。ばつが悪くなり月は言った。
「…簡単に、人から食べ物をもらっちゃいけないって教わらなかったのか?…」
「教わりませんでした」
久しぶりに会った恋人との会話が子供への注意みたいで、月は情けなくなった。
机の上にニアとL、そしてメロの指人形が置いてあった。月のはどこにもなかった。
人形にすら嫉妬している自分も情けなかった。
「…聞いたよ。メロと二人でLを継ぐんだって?」
「ええ」
「メロと…仲直りしたのか?」
「別に私たち喧嘩していた訳ではないです。二人ならLに並べる。二人ならLを越せる。それだけです」
一瞬、ペンバー家で感じた感覚が甦った。めまいと、そして心臓を掴まれたような感覚。
机の上の指人形。メロのだけは、愛嬌のある造形だと思った。リンダの言葉のせいだろうか。と。
「この話はあとにしませんか?」
ニアが椅子から立ち上がり、月のところに来た。
背が少し伸びていた。、髪も少し長くなっていた。左手の薬指には指輪。次の瞬間。
「あ、痛い…」
月はニアを思い切り強く抱きしめていた。先ほどの遭難の話を思い出していた。
もしかしたら最悪、永遠にニアを失っていたかもしれない。そう思うと抱きしめる力が強くなる。
と、月の身体に腕を回し、泣き出しそうな声でニアが言った。
「会いたかった……」
ニアの声に嘘はなかった。不安も憂いもどこかに吹き飛んでいた。
腕の中にニアがいる。それだけが事実で、そしてそれだけで良かった。
「聞いたよ。メロと二人で遭難したこと……」
と、ニアの身体がかすかに硬くなった。
「…Lからですね」
『二人は一糸まとわぬ姿で抱き合っていたそうです』
月の脳裏にその光景が生々しく浮かんだ。
胸が焦がれる思いがして、月はニアのパジャマの裾から手を入れて肌をまさぐった。
「…あ…」
ニアもまた、月の首筋にキスをする。だが月はニアの唇にはキスはしなかった。
メロのチョコレートの味のするキスはごめんだった。
だが、ニアの身体はいつもと違いこわばっていた。
不審に思いながら月は、ニアの敏感なピンク色の先端を探り当てた。
「!?」
月は異変に気が付いた。
ニアの乳首が硬くならなかったのだ。やわらかなままだった。反応しなかった。
そしてニアは一所懸命に月の頬や首筋にキスを繰り返す。ひたすら一生懸命に。
先ほどのニアの言葉『会いたかった』ニアは素直だった。これまでになく。
「ニア………メロと何があった?」
月はニアから身体を離した。
ニアの顔がうっすら青くなった。
「どうやら身体は嘘をつけないよう、出来ているんですね」
「!!?」
ニアの言葉の意味が理解できなかった。いや理解したくなかった。
「メロと二人で裸でいたことは聞いた。…そこは寒いところだった。だから
暖をとるために、メロと、肌を重ねた。…、それだけの話なんだろう?」
「そう、思いますか?ほんとうに?」
そうだ。そう思えなかったからこそ月は確かめ、
そしてそんな月の真意をわかっているからこそ、ニアもまた確かめているのだ。
さきほどのメロとニアの間には目に見えない確かな絆があった。
ただ暖をとっただけではない、二人の間になにかがあったのだ。
「‥‥‥あったのか?‥‥‥メロと」
「‥‥‥何もなかった、と言えば嘘になります」
静かにニアは言った。
わかってる。そうしなければあるいは二人は無事ではすまなかった。だが嫉妬はそれを言わせない。
「…僕より良かったのか?メロは」
ニアの表情が能面のようになった。
「だから僕なんかには反応しない身体になったとそう言…」
「夜神月。それ以上言ったら、私はあなたを軽蔑します」
そして、ニアは言葉を区切りながら月に向かってはっきり言った。
「ひとつ、はっきりさせておく事があります。あの時、私はあなたとメロを天秤にかけて、
そして、メロを選びました。これは事実です」
428 :
427:2007/02/28(水) 12:45:20 ID:DdpN/Xav0
すみません、
>>427に、一行抜けがありました
八行目と九行目の間に
無事で良かった。そう言いたいのに、なぜ言えないのだろう。
という行が入ります。つまり
ニアの表情が能面のようになった。
無事で良かった。そう言いたいのに、なぜ言えないのだろう。
「だから僕なんかには反応しない身体になったとそう言…」
となります。申し訳ありません…
そう言うとニアは向こうを向いた。
月は、口の中がカラカラに渇いていくのを感じながら
一番大事な事、そして、一番恐れている事を聞いた。
「‥‥‥メロが好きなのか?」
「好きです」
向こうを向いたままニアは答えた。
打ちのめされて、やがて月は言った。
「…………婚約はどうする?…白紙に戻すのか……?」
「あなたがそう言うのなら、仕方がないですね」
ニアは向こうを向いたままだった。
『仕方がないですね』
そんな簡単な一言で、二人の関係が終わってしまうとは思ってもいなかった。
無理やりにでもニアを抱きたかった。だが出来なかった。
月はふらりと部屋を出た。
今、力づくで抱けば間違いなく、月はニアを滅茶苦茶にしてしまっていた。
外は雨だった。濡れながら月は歩いていた。ボロボロだった。
あれだけ美しかった世界が、今は冷たくよそよそしかった。
傘をさして行き交う人々の笑い声が自分を嘲笑っているように思われて、
月は立ち止まり両手で顔を覆った。
「‥‥‥ニア‥‥‥」
胸の中にニアが現われた。だがニアはメロの手を取り、そして行ってしまった。
ニア!ニア!! 行くなバカヤローッ!!!
冷たい雨に打たれながら月は、顔を覆う掌だけは厚く濡れているのに気づき、
顔から手を離した。涙だった。指輪もまた濡れていた。
石もない、イニシャルも彫っていない、シンプルなプラチナの指輪。
婚約指輪。そう、きっかけは指人形だった。
半年以上前、写真代わりにとニアが月にプレゼントした、ニアを模した指人形が。
月………ニア、酷い………
ニア特製のニアの指人形。一目見て月は言葉に詰まってしまった。月にとってのニアはもっと可愛かったから。
と。そんな月を見てニアはさっと指人形を取り返した。
『どうやら気に入らないようですから、これは私が使います』
月は慌てた。ニアからの贈り物が嫌だったわけじゃない。
『ごめん。悪かった。やっぱり僕にくれないかな』
『嫌です。あなたにはもうあげません』
そう言うとニアは向こうを向いた。
こういう時にする事は決まっている。
月はニアの顔を自分の方に向けさせた。ほっぺがふくれていた。可愛くてたまらなかった。
『ニア』
月はニアの頬を小さくつつくと、ニアの唇にそっと自分の唇を重ねた。
『……ん……。…………。…ライト…。あ、ん……んっ……』
そして。ベッドの上で月は、ニアの白い指をそっと握りながら、ニアのこの指に
指人形よりもリング嵌めたいと思った。ニアの髪と同じプラチナの、約束の指輪を。
そう。きっかけは指人形だった。
苦い苦い、苦い味。
小さなバーで月はウイスキーをあおると煙草に火をつけた。
酒も煙草も苦かった。苦い苦い思いに相応しい、苦い苦い味。
胸の奥の、真っ黒な狂おしい感情に似た……
「ふ…ふ…」
自分だけがニアを想っているのだと考えると苦しかった。
ニアはこんな苦い無茶とは一生無縁だ。彼女の身体はアルコールも煙草も受け付けない。
「おい!ここは禁煙だぞ!」
屈強な男が注意して、月は険しい顔で振りむく。と、別の男の声がした。
「すまない、連れが面倒を起こしたようだ」
彼は煙草を消し、月をかばうようにして隅のテーブルに連れて行った。
レイ=ペンバーだった。
「この国では今や、酒場での喫煙すら文字どおり煙たがられているんだ」
レイは、ミネラルウォーターを持ってきて月に渡した。
「通りで君を見かけてね。まだ身体が本調子じゃないようだったから……お節介だったかな」
レイは月の向かいの席に腰を下ろした。
「恋人とケンカでもしたのか?」
月は口をつぐんだままだった。
「僕たちもしょっちゅうケンカになるんだ。子供の事。家の事。それから仕事の事」
黙っている月に構わず、レイは話し出した。
「ナオミも元は捜査官でね。今も仕事の事に口を挟む癖がある。その度に、
僕は、仕事を辞めるという条件で結婚したんだ、と言っては衝突する」
レイは苦笑した。それから真面目な声で言った。
「実はその条件を出した理由はね……。彼女は…ナオミは、捜査をしながら、いつも
誰かを追いかけてるような……誰かを待っているような、そんな気がしたからなんだ」
月はレイを見た。レイも月を見ていた。
「‥‥‥なぜ、そんな話を僕に‥‥‥?」
「‥‥君じゃなかったんだな」
「今判った。君じゃない。…いや。…あるいは、君に似ているのかもしれない」
月の脳裏に、前回ナオミを訪れた際の彼女の言葉が甦った。
『あなたにはLに似たもの…近いものを感じました』
そして彼女の寂しげな笑顔を思い出した。
『Lなら信じられる』
南空ナオミはLの指示のもと、2002年8月22日ある事件を解決した。
もちろん、Lと彼女の間には何もない事ははっきりしている。
『月くん「も」恋愛には向いてない』そう言ったのはLだった。
月は気が付いた。Lに「も」想う女性がいる事を。そしてそれが誰なのかを。
『選ぶなら、ニア以外の誰かを選ぶべきです』
レイは話を続けていた。
「結婚して数年経つ。子どももいる。でも彼女が仕事の事に口を挟むと、いまだに
不安になる。家族ができれば自分が捜査官だった事を忘れるくらい忙しくなって、
そんな癖もなくなってしまうと踏んでいたんだが…」
レイは大きなため息をついた。
「とんでもない、甘かったよ。ケンカの度に僕とナオミはまったく別の
人間だと思い知らされてる。でも結局はどっちかが折れるんだ」
それから真面目に言った。
「僕たちはそうやって、一緒に時間を紡いでる」
そう言うと、照れくさそうにレイは立ち上がった。
「少ししゃべり過ぎたかな。そろそろ帰らないとナオミが心配する」
月もまた立ち上がり。レイに手を差し出した。
「どうかMrs.ペンバーによろしくと伝えて下さい」
レイと握手しながら、月は別れの挨拶をした。
「さよなら、レイ=ペンバー。お元気で」
今度はめまいなどしなかった。
外に出ると雨はまだ降っていた。ゴロゴロと雷の音が響いていた。
ありがとうレイ=ペンバー。だが僕はあなたのような大人じゃない。
幼稚で負けず嫌いで加減ってものを知らない……。
過去、女性に告白を受ける事の多かった月は、彼女たちを拒否せず付き合ってきた。
そうしながら月は、自分が恋愛に向いてない事を知った。
誰にでも優しくはできる。だがいつも醒めていた。と言って同性を好きな訳でなく
つまり自分はそういう感情とは生涯無縁なのだと思ってきた。
初めての、本気の恋だった。こうなった今でも気持ちはちっとも揺るがない。
だが、ニアが好きなのは…
ピカッ!!雷鳴が響いた。と、月の脳裏に、Lが以前月に言った言葉が浮かんだ。
『私は、月くんがニアを殺してしまうとさえ考えています』
月は顔を上げた。顔面を雨に叩かれながら月は、雨雲に覆われた空を見た。
黒い雲は夜空に懸かる月を隠していた。ニアと一緒に見たいと思った天体を。
そして月はある決心をして、左手を、指輪を握り、ニアのもとにゆっくり歩き出した。
ここまでが第一章です。
長い時間、スレ占領してすみませんでした
>>431 レスありがとうございました。
ニアよりも、月の誕生日にこんなSSを投下する私が一番酷いと思うw
一章につき約20スレもある、長い話ですが
あと二章+エピローグまでご迷惑をおかけします
それでは
>>神
乙です!(買い物行ってました)
うはwwほんとだ神ヒドスww
本格的なシリアス路線にうっとりしました。
続きお待ちしております!
結局…月はデスノートを手にしてなくても不幸になるのでしょうか…何だか切ない…
でも…最後まで読ませて頂きます。
頑張ってください。
441 :
えっちな18禁さん:2007/02/28(水) 20:32:55 ID:dTMtgUUw0
fear神乙!!ラストは幸せになれるといいな…続き楽しみにしてます
薔薇神乙です!!お久しぶりですw
続きwktk!!
あげてしまいました。すいませ・・・ん
>>feаr神
ニアたん、早く元気になってほすぃ
神、ニアたんを幸せにして下さい〜〜
>>薔薇神乙です!
きっと薔薇神のことだから素敵なオチ…じゃなくてハッピーエンドですよね?そうですよね…?
と期待しつつ
でも心の準備はしておきますのでこころおきなく投下お願いします
なんか男ニアスレといいこっちといい悲しめの話が続いていてチョト凹む…
ニアたん幸せになってくれ。。。
>>443 さらにスレを暗くしようと思ってたんですが、そうですか………
ではミルクパズルシリーズでほのぼの書くんで数日お待ち下さい
>>444 神様!
ほのぼの楽しみですお待ちしてます
でも個人的には暗いのも読みたいです…
ニアが美しければなんでも萌
こんばんは
「月下美人」を投下したものです。
レス下さった方、ありがとうございました
たった今から第二章を投下することにします。
ただ、他に投下する予定の神がおられましたら
どうか自分には構わずお願いします。そのときは一旦休みますので。
ネットカフェからご迷惑をおかけしています・・・・・・
これは、漫画「デスノート」の二次創作です。
七月から十月にかけ投下した「月夜に銀の薔薇」「荊姫」から成るシリーズの続きになっています。
第二章・21禁・カップリングはメロニア
(ただし、全体的な話は月ニアですのでご注意を!)
そのビルの最上階に着いた月は、エレベーターを降りてボーダーシャツを着た青年に再び会った。彼は言った。
「ネットで見たよ。俺がこういうのも言うのもなんだが、可愛らしい日本人女性だな」
この青年がなぜあんな風に言ったのか、月は理解した。
弥海砂とのスクープ写真。画像は荒かったし、勿論一般人である月の顔は隠されていた。
だがこの青年には判ったのだろう。
一月前、月は、アイドルであり女優でもある弥海砂に突然告白された。
『一目惚れってした事ない?』
あのとき。お忍びで月の所に来た弥はそう言った。弥の言葉に月の脳裏には白い少女が浮かんでいた。
会ったときからずっとやきもきさせられている、毒舌の特別な少女。
『……あるよ』
月は怪我していた左手の包帯を取って、指輪を見せた。
『すまない』
泣き出す弥に月はただ謝っていた。弥をつけてきた芸能記者がいるとは知らずに。
青年が言った。
「あんたは何をしてたんだ?メロは、ニアを守って火傷まで負ったのに!…」
そこまで言うと青年は、エレベーターの扉が閉まるより先に、非常階段に向かい駆け下りていた。
月がその部屋に入るとメロだけがいた。ニアはもう消えていた。戻らない事だけはわかった。
ひと足遅かった。と、机の上の指人形を取りながらメロが言った。
「してはいない」
月はメロを見た。メロの言葉の意味はひとつしかなかった。メロが続ける。
「いいところまでは行ったんだが…」
次の瞬間、月の右フックがメロの頬に決まっていた。メロが床に転がった。
メロは立ち上がると、月のボディに右ストレートを喰らわした。
「・・・ぐ、っ」
……いくら腕が細いからって、顔じゃなく腹を殴られると効くな……
吐き気をこらえて姿勢を正し、月は指輪を握りしめて言った。指輪がある間はニアは婚約者だ。
「メロ。ニアを助けてくれて…」
「お前の為じゃない。俺はお前と口をきく気はない。礼なんか言われたくない」
メロは指人形を机に置くと、部屋を出ようとした。再び月が言った。
「ありがとう」
「何のことだ」
メロは部屋を出て行った。机の上に広げられた地図、そのとある場所にニアの指人形が置かれていた。
エレベーターが下降していく。
独特の浮遊感を感じながらメロは、ニアの言葉を思い返していた。
『私はメロを…………選びます』
これは礼に過ぎない。あの決心をして行動した、ニアへの。
それでも今日、あの男に会う前のニアは、懸命に恐れを隠そうとしていた。
だから俺はチョコを与えた。甘いものは心を癒す。だが。同時に疑惑の種も撒いていた。
ああわかってるさ、無駄な足掻きだって。それでもせずにはいられないだけだ!
一階に着いた。エレベーターの扉が開き、メロはマットと合流した。
「余計なことを言ったな、マット」
「悪いか。俺はメロの味方だ」
外に出ると、この時期には早い雨がまだ降っていた。マットが言う。
「また降ってる。今年の気象は異常だってさ」
メロはあの雪山を思い出した。
暖かい気候が続いて地盤が緩み、雪崩が起こったあの日を。
ニアと二人、固く結びついたあの夜を。
顔が痛かった、熱い。身体が震える、寒い。喉、喉が渇く。苦しい。水。水が欲しい、誰か…
『死なないで』
声がした。ような気がした。と、唇に柔らかいものが触れてそこから水が流れてきた。
ごくりと喉を鳴らして、メロは水を飲むと目を開けた。
目の前にニアの顔があった。ニアは、横たわるメロの顔を挟んで両手で持っていた。
「気が付いたんですね」
「・・・・・・ニア・・・・・・」
メロは思い出した。
メロとニアは、Lの後継者としての試練のためある組織を追いこの雪山の建物に来ていた。
そしていい処まで彼らを追い詰めた。だがそこで爆発が起きた。一味の一人が爆破スイッチを押したらしい。
あのとき、ニアの身体に火の粉が降り注ごうとしていた。
もっともそれは70%の確率で避けられる類のものだ、とLなら言うだろう。
メロもそう思った。ニアなら70%の確率で避けられる。だが、30%の確率で火傷を負う。
メロはニアが無事な確率を100%にした。
自分の身体を盾にしたのである。
そして二人だけは逃げ遅れ、爆発に誘導された雪崩で半分崩壊した建物に閉じ込められたのだ。
神、続きを・・・
半分崩壊した天井から空が見える。つまり建物の周りは雪に埋もれてはいるが、空気はあるってことだ。
そして発見されるのもそんなに遅くはないはず。ただ、暖房がないのがネックだった。
メロは、たったひとつ残っていた、LLの寝袋に毛布一枚で入っていた。焼け焦げた服は脱がされてた。
ニアのパジャマの袖に包んだ雪を当てている顔は痛くて熱いのに、
身体は、寝袋に隙間が出来ているせいで寒くて震えていた。熱があるのがわかった。
と、寝袋のファスナーが下ろされた。
ニアが寝袋の中に入ってきた。ニアは何も着てはいなかった。裸だった。
「…ニア、やめろ!!」
「服は濡れていたので脱ぎました。じっとしていて下さい。体温で暖をとります」
「………俺を、馬鹿にしてるのか」
「いいえ」
「弱ってるからって、何もできないと思うなよ」
熱で、息を荒く弾ませながら、メロはニアの胸をぎゅうっと鷲掴みにした。
「…っ」
び、くんとニアの身体が揺れた。
ニアのその姿はメロを刺激した。メロはニアの乳房を掴みながら、乳首を指の間で摘んでいた。
「ぁんっ…!」
ニアが小さく喘ぐ。
「……これ以上何かされたくなかったら、離れろ」
「嫌です」
「知らないぞ……俺は今、熱がある…何をするかわからない」
「何をしても構いません」
それはメロにとって挑発以外のなにものでもなかった。
「…できないと思ってるのか」
メロはニアの白い首筋に強く吸い付いた。
「…っ!」
小さく、ぴくんとニアが反応した。メロが離れると、そこに紅い刻印が印されていた。
「感度良好…だな」
メロは止まれない自分を感じながら、再びニアの首に、肩に唇と舌を這わせていた。
「んっ…」
『やめて』とも『嫌だ』ともニアは言わなかった。ただ、ニアの両腕が無意識にメロの身体を押しのけようとしていた。
「嫌なら離れろ…」
「嫌です。離れません…あ」
メロの冷たい指が、熱い舌が唇が、ニアの肌の弱いところを探り当て、なぞっていた。
「んっ、ん、んん…」
メロを刺激しまいと、ニアは唇を噛んで声を押し殺していた。
だがニアは敏感だ。どんな小さな愛撫にも反応し、意識せずともメロを興奮させていた。
こんなニアは初めてだった。
快感を堪えるニアの表情が
抑えようとして上がる淫らなニアの声が
起ちこめる、果実のようなニアの匂いが
ピンク色に染まっていくニアの肌が
すべすべした暖かいなめらかなニアの触りごこちが
ニアの全てが、媚薬となってメロを刺激していた。
そしてメロは、指をそっとニアの太ももの奥に忍ばせていった。
「……っんっ、メロ、や…!……ん……。は!」
メロの長い指が、ニアの濡れた花弁にたどりついた。
「…あいつが知ったらなんて言うかな」
メロの言葉に、ニアは一瞬、動きを止めた。
「…構いません」
口元が歪んでいた。嘘だった。
「虚勢が最後まで続くか、試してみようか…」
嫉妬からメロは、ニアの中に指を入れて動かした。ぐちゅ、と音がした。
「あっ、あぁんっ」
掻き回されて、耐え切れずにニアはよがり声を上げた。
もう止まれなかった。
ニアの両腕を押さえつけると、メロはニアの閉じた両膝をぐいと自分の膝で割り脚を開かせた。
硬くなったメロ自身の先端が、ニアのいちばん柔らかいそこに触れた。
「…っ」
観念したようにニアは目を閉じた。まぶたが微かに震えていた。
ニアの身体の中に、メロが自分を押し進めようとしたそのとき、ニアが言った。
「仕方がないですね」
閉じたまつ毛に涙が浮かんでいた。
メロはニアから手を離して言った。
「ニア。チャンスをやる。逃げたきゃ逃げろ」
ニアが目を開けた。
「嫌です。何があっても、私はメロを絶対死なせないことを選びます」
ニアの口元は歪んではいなかった。ただ、大きな瞳から涙がひと筋こぼれ落ちた。
「……!!」
メロはニアの身体に両腕を回した。同時にニアの身体が硬くなる。と、ニアの耳元でメロが言った。
「誰がお前に欲情するか。死ななくてすむよう体温を借りるだけだ」
「………メロ………」
「もう、俺は寝る」
そう言うとメロは寝袋のファスナーを閉めた。ニアもまたメロの身体に腕を回した。
肌と肌がぴったり重なると、ニアの体温がメロの身体に移っていき
心地よくてメロはまどろんでいた。そんなメロの身体を抱いて、ニアもまた目を閉じた。
一つしかない寝袋の中で、二人はお互いの身体を離さないよう抱き合い、眠った。
メロは目を覚まし、寝袋を少し開けた。天井の裂け目から夜空が見えた。
満月の光が射し込んでいた。ニアもまた目を覚まし、寝袋を少しあけて空を見ていた。
プラチナブロンドが月の光に映えて一層美しかった。だがニアの表情は何だか暗かった。
「気分でも悪いのか?」
「……夢を見ていました」
声が少し震えているような気がした。
「メロも出て来ます。そしてLも。それから‥‥‥。でもただの夢です」
メロは、焦げ残ったズボンのポッケからチョコを取り出して、ぱきっと口で折ると
かけらを口移しでニアに与えた。甘いものは人を癒す。
「…!」
「水をもらった礼だ」
「……起きていたんですか」
ニアはもぐもぐとチョコを飲み込むと、また何事か考えるように天井を見ていた。
月の光を浴びたニアは綺麗だった。ニアが考えているのはおそらく……。メロは言った。
「あいつはどうするかな。俺たちがこうしている事を知ったら」
「間違いなく、ヤケを起こしますね」
ふぅ、とニアはため息をついた。
「温室育ちの、幼稚で負けず嫌いなお坊っちゃんは、こういう感情的な挫折には弱い。
対処法が分からずに、酒や煙草やケンカ、ベタなものに手を出す可能性が高いですね」
なんだかニアの毒舌が心地よく感じられメロは言った。
「じゃあ、あいつの何が良くて婚約なんかしたんだ?」
「幼稚で負けず嫌いなとこです」
「……」
聞くんじゃなかった、とメロは思った。と、ニアが言った。
「…そう言えばメロも負けず嫌いですね」
ニアはメロを見た。メロもニアを見た。
月の光の中で、ニアは妖精のように見えた。
大きな瞳がメロを見つめていた。こうして見つめあうのは初めてだった。
「‥‥‥ニア」
「‥‥‥メロ」
それは自然な動作だった。
メロはニアの身体に両腕を回し、ニアもまた、メロの身体に両腕を回していた。
最初からそうなるのが当たり前であるかのように、二人は抱き合っていた。
2辺のピースだけで出来たパズルがぴったり合わさり、完成されたように。
「もうずっとわかってたんです。…初めて会ったときから」
「……?」
「私達、不思議なほど正反対でした。まるでお互いを落っことして生まれてきたみたいに」
メロもまた、ニアに対して同じ事を感じていた。
だからこそずっと、ニアには負けたくなかった。
「この雪崩はLの計算にはなかった。だから私達、生きて帰れば勝ちです。
私たち、どちらが欠けていても雪崩と寒さに抗えず、このまま埋もれてしまったかもしれない。
ニアはメロにはっきりと言った。
「メロと私、二人ならLに並べる。Lを越せる」
ニアのその言葉がメロを素直にさせた。
「そうだな。ニア」
メロはそう言ってニアを見た。初めて二人、微笑んでいた。
メロはある言葉を口にしようとした。ずっと秘めておくつもりだった気持ちを。と、ニアが言った。
「私はメロが好きです」
「!……」
メロもまた、同じ事を言おうとした。と、ニアが更に続けた。
「私たち、きっと双子だったんです」
「……」
口をつぐんでしまったメロに、ニアが言う。
「ほんとうに私、メロが好きですよ?」
「…やっぱり俺は、お前が嫌いだ」
そう言うとメロは、またチョコを折って口移しでニアに与えた。
「……嫌いなんじゃなかったんですか?」
「だからだ。ケンカの種を蒔いてやる」
「彼は私にベタ惚れです。だから大丈夫」
『大丈夫』。そう言うニアの口元がまた歪んでいた。嘘をつく時の無意識の癖。
そして二人は救出された。Lはメロとニアに、二人で『L』を継ぐ事を打診し二人はそれを了承した。
462 :
二代目倉庫番:2007/03/03(土) 23:31:19 ID:LkwU9gFu0
空気読まずにすみません。
初めまして薔薇神、ネット環境が不安定なようなので今質問させていただきます
今投下中の作品を倉庫に掲載させていただくさいには、荊姫の下に
新カテゴリ「月下美人」を作り、1「別々」2「双」とクリックしたら
順に読めるという形にしてよろしいでしょうか?
「荊姫」には「*別Verです」という表記がありますが、
お話の最終投下時で良いので指定注意書き等をご指示願います
この季節にはそぐわない雨を見ながら、もうひとつ、メロは思い出していた。
ニアがワイミーズハウスを抜け出して、あいつの処へ向かった夜も雨が降っていた。
決して自分から外には出ないニアが。
それが何を意味するのか、あの雨の夜にメロは思い知った。
と、同時に自分の気持ちも知った。
ニアは誰とも遊ばずただ、Lから貰ったパズルを繰り返し組み立てていた。
メロはそんなニアをいつも見ていた。そんなニアが何故か腹立たしかった。
ニアが腹立たしいからこそ、ニアを越えて、一番になりたいのだと思っていた。
だが。つまり。一番になれば、Lを越えれば、ニアはLではなく僕を見るようになる。それが動機。
気が付いたときは遅かった。
空を見た。雨はまだ降り続いていた。メロの心とおんなじに。
そしてニアの心とおんなじに。ニアの半身であるメロにはそれがわかった。
だが‥‥いつかは晴れる。やまない雨はないはずだ。
「マット、例の件だがまだ手出しは出来ない。まずはそっちからだ」
「OK」
『L』としての捜査のため、メロはマットと連れ立って街の中へと歩いていった
月はメロが示した場所の、ホテルの前に立っていた。
再びLの言葉が脳裏に甦っていた。
『私は月くんがニアを殺してしまうとさえ考えています』
そうだなL。
お前は正しい。
愛は人を殺しさえする。
だけどお前は間違っている。
今度ここから出てくるときに、きっと死んでるのは僕の方。
愛をなくすのは、死ぬのと同じことだ。
そして月は、左手を、婚約指輪を握り、ニアの部屋に向かって歩き出した。
・・・・・申し訳ありません
>>464の中の 11行目の
愛をなくすのは、
という一文を
愛を失うのは、
に訂正します・・・・すみません
以上で二章終わりです。
読んでくださった方、レス下さった方、ありがとうございました。
>>二代目倉庫番さま はじめまして。拙いSSでご迷惑をおかけしてます。
>今投下中の作品を倉庫に掲載させていただくさいには、荊姫の下に
>新カテゴリ「月下美人」を作り、1「別々」2「双」とクリックしたら
>順に読めるという形にしてよろしいでしょうか?
はい、その形で大丈夫だと思います。丁寧にありがとう。指定注意書きは「21禁 月×ニア」でよいと思います…。
466 :
二代目倉庫番:2007/03/04(日) 00:44:01 ID:/xuddOTB0
了解しました。ご連絡ありがとうございます。
>>月下美人神
切ない………いろいろうまくいかないよね、誰が悪いわけでもないのに
続き楽しみにしています
薔薇神乙です!
パラレルリンクは面白いです
たまにはニアの方を嫉妬で狂わせちゃうといいよ月
そりゃもう無茶くちゃにw
468 :
fear:2007/03/04(日) 01:11:12 ID:Hf3pKn+w0
続き遅くなってすみません。今回で終わります。
「もう行くからな。早く、荷物の整理しろよ」
駆け足で、ニアの横を通り過ぎて行く。
目線を横へ向けると、金髪の髪だけが映った。
後ろを振り返ると彼の背中はだんだん小さくなって、
陰の中へと消えてしまった。
メロはもしも今、追いかけて呼び止めたら待っていてくれるのだろうか。
一瞬、自分は何を思っているのだろうと考えた。
メロは自分に何かとつっかかってきて、自分もそんなメロとは
関わりたく無かった筈だ。
だから、きっと疲れているせいだと、
この時は深く考えようとしなかった。
469 :
fear:2007/03/04(日) 01:11:56 ID:Hf3pKn+w0
それに自分はやっと会話が出来るようになった程度。
だから、メロを想うなんてありえないと自分に言いかけ誤魔化した。
ハウスへ帰ってきてから、数日たった頃。
リンダとマットが自分のほうへ寄ってくる。
普段、周りに人がくるなんて滅多に無いことだから、
どう接すればいいか分からなかった。
「ねぇ、ニア。メロと何かあったの?」
「・・・?いえ・・・、何もないですけど」
「ふぅ〜ん・・・」
2人は顔を見合わせると、口角を上げてニヤリと笑った。
470 :
fear:2007/03/04(日) 01:12:34 ID:Hf3pKn+w0
「何ですか?」
「別にッ!!それより、ニア頑張れよ!」
「だから、何が・・・」
「ねぇ、どうして最近メロと話したりしないの?」
リンダの問いに、
内緒にしていたことを、バレてしまったかのように胸が高鳴った。
「そ、それは・・・」
「メロと話してると、ドキドキする・・・とか?」
「・・・ッ!!」
「あはっ、図星?」
471 :
fear:2007/03/04(日) 01:20:55 ID:EUWzDIcV0
リンダの言うとおり、メロとまともに話せれない。
どうしてそんなこと、分かったのだろうか。
それにメロと話そうとしたりすると、
他の子とは違って、なんだか緊張してしまうのは何故なのだろう。
「ニアって、頭いいけどこういうのは鈍いんだから」
「じゃあ、リンダやマットは分かるんですか!?」
コクリ、と大きく頷いて、ニアの耳元でマットが小さく囁いた。
「メロのこと、好きなんじゃないの?」
472 :
fear:2007/03/04(日) 01:22:31 ID:EUWzDIcV0
熱が上昇していくのが感じられる。
やけに恥ずかしい思いは、脈打つ鼓動と同じで収まらない。
「か、からかわないで下さい・・・・!」
怒っても、マットは笑ってニアの髪の毛をくしゃりと掴み、頭を撫でた。
2人は誰にも言わないかわと言って、そのまま部屋から出て行く。
まだ、顔が熱い。
全身が緊張から解れない様な感覚。
パズルへ集中を向けようと、
ピースを1つ1つはめ込んでいった
473 :
fear:2007/03/04(日) 01:23:32 ID:EUWzDIcV0
今まで誤魔化してき想いは、もう誤魔化しきれない。
周りが思う様に、自分が恋をするなんて思わなかった。
しかも、相手はメロ。
どうして、メロを好きになったのかなんて分からないけど、
この気持ちに嘘は無かった。
自分の想いをメロは知ったらどうなるのだろうか。
もしも、そのせいで気まずくなるくらいなら、
このままの方が良いに決まってる。
けれでも、メロの気持ちも知りたい。
怖いけれど、マットがあんなこと言うから・・・。
この時はまだ、自分とメロの思いが通じるなんて、
思ってもいなかった。
これで終わりです。
長くなってしまい申し訳ありません。
読んでくれた方々、ありがとうございました。
>>Fear神
乙です!
ニアタンが救われて良かった
次回作も楽しみにしています!
476 :
二代目倉庫番:2007/03/04(日) 12:11:42 ID:/xuddOTB0
Fear神申し訳ありません
業務連絡です
アニメのデスノート二部放映に先立ち、4スレ(dat落ち)に投下された
作品を全てアップさせていただきます。
4スレと萌えスレ13の更新は今しばらくお待ち下さい
>サプライズ、Lの時計神
特に今までご指摘が無いようなので、今回の掲載も投下順という形で
よろしいでしょうか?
サプライズは(21禁・L×ニア/和姦)、Lの時計(21禁・LMM×N
)は指定が多いようなので、またメールでご指示下さい。
>ニアのメイド大作戦、放課後の補習神
二つの神作品は、サーセンwwの下カテゴリの方が良いですか?
ニア〜は(21禁・メロ×ニア)で、*嫌悪感を感じた方はスルー推奨
という一文を入れる、
。
477 :
二代目倉庫番:2007/03/04(日) 12:12:17 ID:/xuddOTB0
放課後の補習は「放課後」カテゴリの1をクリックしたら
「放課後の補習」に飛ぶ形で、(21禁・メロ×ニア/陵辱・
多少暴力表現あり・ニア体操着姿)という指定で構わないでしょうか。
>CONVINCED CRIMINAR、Fear神
CO〜カテゴリの下にFearカテゴリを作りました(CO〜は
どの作品の下に付けますか?)。
Fearに付く「続き物です」といった注意書きをご指定下さい。
CO〜は(21禁・メロ×ニア)、Fearは(21禁・オリキャラ×ニア)
となっております。
大変申し訳無いのですが、私はオリキャラによる虐待設定が
どうしてもダメでして、その他カテゴリを読んでいただき、
全文を下さいますようお願い申し上げます。
478 :
二代目倉庫番:2007/03/04(日) 12:12:52 ID:/xuddOTB0
また、その際には、行間は一行か二行開けでお願いします。
携帯読者様が多いようなので………。
へたれですみません………よろしくお願いします。
次回更新は「Lの後継者」神からとなります。
SS作者様全員にご連絡申し上げます
著作人格権に配慮し一切手を加えないと表明しましたが、やはり
あからさまな誤字脱字は「校正」という形で手を入れようと思います。
たとえば
「ニアを何だとは思ってるとは言ったんだ」という文章があったとして
「ニアを何だと思ってると言ったんだ」という表現の方が良いと思っても
触りません。
ですが、「ニアを何だと重ってると言ったんだ」とか
479 :
二代目倉庫番:2007/03/04(日) 12:13:37 ID:/xuddOTB0
「ニアを何だと思ってるとと言ったんだ」とかは、僭越ながら私が
手を入れさせて頂きます。
クライマックスとかに誤字脱字があると、せっかくの素敵な作品が
もったいないと思うので………。
それでは、長々と失礼致しました。
こんにちは。
以前、『放課後の補習』を投下したものです。
放課後シリーズ第2弾を投下します。
タイトルは『放課後の一時』
L×ニアで21禁。
一週間を目安に投下したいと思います。
暫しお付き合い下さいませ。
では、どうぞ。
481 :
プロローグ:2007/03/04(日) 15:36:12 ID:OhGRRLFB0
今日もいつも通り時間は流れ、やがて全てがオレンジ色に染まる。
美しさは刹那、終わりに見せる世界の煌き。
儚く魅了するその一瞬の刻が闇に染まる前の出来事。
終わるはずのそれは、今、ここから始まる。
―――――放課後。
482 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 15:39:54 ID:OhGRRLFB0
それは、優しい時間だった。
空気も、色も、自分たちでさえも。
何もかもが無垢な光に覆われて清められていく様だった。
二人は案外似たもの同士だったのかもしれない。
まだ見ぬ自身の将来に怯えている。
いつか解けない謎に行き詰まるかもしれない。
そんな不安にかられながら生きている。
でも不器用でうまく伝えられなくて。
本当は全身で求めているのに。
聞いて欲しい、言葉が欲しい。見つけて欲しい。
――――『誰か』
・・・その叫びは誰にも届くことがなかった。
悲しくなる程に。
483 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 15:41:08 ID:OhGRRLFB0
オレンジに染まりゆく教室。
そこにただ一つ揺れる影があった。
ゆっくりとゆっくりと伸びる影。
差し込む夕日を遮っているのは少女の小さな体だった。
少女の名は、ニア。
ニアはまるで人目を避けるかのように教室の隅に座り込み、パズルを解く。
丁寧に丁寧にピースを埋めていく。
一つ埋まる度に心が満たされていく気がした。
そこで、待っていた。
『彼』を。
ニアはパズルを解く手を止め光の差す方を見た。
『彼』と初めて会った日の事が鮮明に思い出される。
この時間、この場所。オレンジの刻。
484 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 15:46:45 ID:OhGRRLFB0
放課後の教室はとても静かで。
縋(すが)るように求めていたあの日。
オレンジに包まれるニアはパズルと一緒だった。
埋まらないパズルに苛つきを感じ手を止める。
数個のピースを掴み、手の平から零すと雪の様に散らばった。
ばら、ばらと。
解けるのに解けないパズル。
いつまでたっても完成しないパズル。
――――胸がざわざわする。
無表情の裏に隠された気持ち。それは誰にも気付かれなくて。
全てを優しく染めるオレンジに求めていたのかもしれない。
「私は一人でも大丈夫―――――」
485 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:32:02 ID:OhGRRLFB0
ガラッ!!!
誰も居ないはずの時間帯、突然教室のドアが開いた。
驚く事はない。ワイミーズハウスは寮と繋がっているのだ。
大方誰かが忘れ物を取りに・・・・
「!?」
しかし、そこに現れたのは見慣れたクラスメートではなかった。
大人の男。
いや、もう少し若いか??
見慣れぬ青年は、はっと目に付く漆黒の髪が印象的で、
前髪の隙間からはその髪と同じ色の瞳が覗いている。
それは、ニアと“同じ”黒い瞳。
黒と黒の視線がぶつかり合うと、まるで共鳴したかのように離せなくなった。
「はっ・・・・・」
オレンジが一層教室を染め、ニアはようやく我に返った。
486 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:33:31 ID:OhGRRLFB0
「あの・・・・・新任の先生でしょうか・・・・・?」
どう見てもその風貌から教師は想像できないが、思いつく可能性を言ってみる。
「・・・・・いえ、違います。」
ニアと同じ敬語だった。だから、一見低姿勢。
「・・・・・では、どなたでしょうか。もし外部の方でしたらもうお戻りになられた方が・・・・」
「いえ、それも違います。」
男は飄々とニアの質問に答え、自分からは名乗ろうとしない。
また“同じ”を見つけてしまった。
その態度、ニアも大得意である。
質問の答えのみを発し、目の前の相手を探っている。
・・・・・では今、自分は探られているのか?
この時間、一人でいる私は怪しまれてる??
「・・・・・安心して下さい。私はここの学生でニアと申します。
忘れ物を取りに来ただけで今帰るところです。
・・・・・あなたは外部の方ではなく、院の関係者ですね?」
「お見事。」
487 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:35:14 ID:OhGRRLFB0
ようやく男は「いえ、違います」以外を口にした。
そしてニアは微かに口角を上げた男の表情を見逃さなかった。
ともあれ、たった今“嘘”をついた。
“嘘”をついてしまった以上、ここから退散しなければならない。
目の前の男が何者なのか気になるところではあるが、この会話かも怪しい
やり取りの中から男の“したたかさ”“ふてぶてしさ”を読み取った。
自分と共通部分を持っている者が必ずしも好意的とは限らない。
直感が呼びかけている。早く居なくなれと。
丁度パズルを解いていた。忘れ物はこれでいい。
「では、失礼します。」
パズルを抱え、ゆっくりと立ち上がる。
男が邪魔をしていないもう一方のドアから出てもよかったのだが。
ニアの好奇心がそれをさせなかった。
だからわざと男の横を抜ける事にした。
ニアもまた“同じ”で相手を探っていたから。
488 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:38:01 ID:OhGRRLFB0
近づくと実は男が長身だということに気が付く。
ジーパンのポケットに手を突っ込んでかがんでいるが
そんな体勢でも小さなニアから見れば長身に違いなかった。
「そのパズル・・・・・」
男はニアが抱えるパズルを見ると珍しい物を見たかのように言葉を発した。
「え?」
「ああ、いや・・・・ニア・・・・そうか・・・・・」
ぶつぶつと何かを言い終えると男は親指を銜え何か考える素ぶりを見せた。
片手をドアに掛け、今度は本当にニアを通すのを邪魔している。
この男は一体何者???
さっき私は院の関係者だと言い、彼もそれを認めていたが本当にそうなのだろうか?
好奇心は次第に疑心へと変わっていく。
「ニア、と言いましたね。」
「え・・・・・は、はい。」
「はじめまして。私はLです。」
489 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:39:02 ID:OhGRRLFB0
L――――――
世界屈指の名探偵。このワイミーズハウスを支援している者。
そして。
院の子供達全員の、ニアの目標である者。
それがLだった。
目標にしているのは確かであるが、その存在は漠然としたもので
はっきりと形を成していなかった。
なぜならば、彼の顔や素性を知る者は居ない。
だから想像したくても出来ない。
ただ漠然と存在している『L』
それが・・・・・
490 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:40:01 ID:OhGRRLFB0
「はい?」
ニアは怪訝そうに男の顔を覗いた。
冗談を言うにも程がある。
こんな、さもその辺でふらふらしてそうな男がLのはずがない。
「本当です。私はLです。嘘ではありません。」
いいや、その目は嘘つきの目だ。
だってニアと“同じ”なのだから。しかも、かなり重症の類である。
ニアははっきりと確信した。こいつ、怪しい。怪しすぎる。
「証拠は?」
「・・・・・そうきましたか・・・・・」
ニアはまっすぐ男を見つめる。男はボリッと頭を?いた。
男は先程とうって変わって歯切れの悪いセリフを吐いた。
「難しいんですよ。自分がLだと証明するのって。」
「・・・・・答えになっていません。あなたがLだと証明出来ないのであれば
あなたはLではありません。」
491 :
放課後の一時:2007/03/04(日) 16:42:25 ID:OhGRRLFB0
オレンジの光は次第に闇の蒼へと変わる。
いつしか教室は薄暗くなり、そろそろ本当に部屋に戻らなければいけない時間だ。
「では、こうしましょう。次にあなたに会う時は少なからず証拠を持参するという事で。」
「は・・・・・次?」
『次』
そんな時があるとでもいうのだろうか。
ニアはもう完全に男を疑っているし、出来れば二度と会いたくない。
「あの・・・・・」
「ああ、部屋に戻るんでしたね、『ニア』」
「・・・・・・・」
名乗るのではなかった。すでに覚えられている。
ニアはドアを解放した男の脇を抜けると早足で部屋に向かった。
オレンジはとうに消え、辺りは一面闇に染まっていた。
今日はここまでです。長くてすみません。
始めに一週間を目安に投下、と書きましたがPCの調子が優れないので
もしかしたら途切れ途切れになるかもしれません・・・・
>>二代目倉庫番様
お疲れ様です。
業務連絡読みました。
細かい配慮、どうも有難うございます。
『ニアのメイド大作戦』『放課後の補習』も、その様な形で構いません。
『サーセンww』の下カテゴリだと嬉しいです。
誤字脱字に関しては、校正して下さるのならばお願いしたいです。
(もしかしたら自分が一番多いのではないかと・・・・orz)
PCのメール機能が復活しましたら、UPして下さったSSの訂正文章も
お送りしたいと思います。
色々とご迷惑お掛けしますが、宜しくお願いします。
すみません、訂正です。
>>487の7行目
自分と共通部分を持っている者
↓
自分と同じ部分を持っている者
>>490の11行目
男はボリッと頭を?いた。
↓
男はボリッと頭を掻いた。
すでに誤字が発生してる・・・orz
すみません、次は気を付けます。
神乙です!
放課後シリーズ待ってました〜
これからニアとLがどうなっていくのか楽しみです!
美しい文章にうっとり…
Fear神乙でした。最後はメメにやさしくしてもらえるといい
放課後神も続き楽しみにしてます
しかし住人の数がどうみても
神>>読者な件
496 :
二代目倉庫番:2007/03/04(日) 19:20:26 ID:/xuddOTB0
>>放課後神
ご連絡ありがとうございます。了解しました
L、次ってなんだ! 続き楽しみにしています!
>>495 大丈夫ですよ
アニメ二部でまた増えますから>読者様
その時は荒れもするでしょうが………
メディアの力ってそういうもんです
SS書こうって人は該当作品やキャラが盛り上がって無い時にも書きますから、
一時的に神ばかりいるように見えるだけです
ロムだけって人も絶対いるから
神>>読者
ではないと思う。いくらなんでも。
今のss盛況ぶりをおおげさに言っただけなんじゃないの?w
たくさんss読めて幸せです
女ニアたん万歳!!
今までずーっとロムってた私もいますよ!いつも楽しみにしてます。
自分もROMってばっかだ。
どれも読みごたえあって面白っ!
女ニア万歳!
>>fear神乙でした!
ニア…助かって良かった…メロ早くニアたんを元気にしてやってくれ
>>放課後神
見るからに怪しいLっていい!!これからすごく楽しみです!
月下美人を投下中の者です。おそらく今日で終わると思います。
第三章とエピローグいきます。
ただネットカフェから投下しているため、もし他に投下される方がおられましたら
自分に構わずお願いします。その時は一旦休みます。
この作品は漫画「デスノート」の二次創作です
カップリングは月ニア
21禁
その部屋のドアの前に立ち、月はノックをした。
「…僕だ」
ドアが開いた。
部屋に入るとチョコレートの匂いがした。机の上にチョコがあった。ニアはチョコを齧っていたのだ。メロのように。
ニアの月の胸は痛みにかき回された。真っ黒な想いが再び月を押しつぶそうとしていた。
だが。
月は右手でそっと左手の指輪に、手をかけた。
これで終わる。
苦しい想いも、嫉妬も、悲しみも、ニアとの関係も、それから愛も。
『私は月くんがニアを殺してしまうとさえ考えています』
Lの言葉が月に決意させていた。ニアとの………別離を。
あるいはLの言うとおり、月の想いはそれほど激しかったから。
ニアを解放する。自由にする。そしてニアを……メロのもとへ。
だが月は動けないでいた。どうしても外せなかった。たった今もこうして自分を苦しめる
真っ黒な感情すら、ニアへの愛そのものだった。と、そんな月にニアが言った。
「夜神月。あなたがキライです」
503 :
502:2007/03/05(月) 17:39:54 ID:TFHb3LiV0
>>502 いきなりですが五行目に誤りがあります
誤
ニアの月の胸は痛みにかき回された。
正
月の胸は痛みにかき回された。
すみません・・・・・・・・
「嘘だ!!」
とたんに月は叫んでいた。
確かに僕は婚約を破棄することを考え、そのために来た。
しかし今はっきりと気付いた。こんなこと全く意味がない!何故なら…
「キライならそもそも婚約なんてするはずないじゃないか!!」
何故なら、僕はニアを愛している。そして…………ニアも、僕を愛している。
それだけは、はっきりしている。
「今のあなたはLと同じ。私に触れようともしない。そんなのあなたじゃない」
ニアはまっすぐに月を見ていた。
「私はメロとの事を後悔していません。もし、今同じことが起こったとしても
必ず同じ事をする。私の理性はそう断言しています」
はっきりした声でニアは言った。そこまでは。だがそこからは違った。
「でも、私の身体はそれを許さない。あなたを裏切るような真似をしたことを……」
だんだんニアの声が震え出す。絞り出すようにニアは続けた。
「…どうして…私から離れるんです…どうして抱いてくれないんですか…力ずくでも…無理やりでも…」
「ニア…」
月はニアのそばに近付いた。小さな肩をそっと抱いた。ニアは震えていた。今にも泣き出しそうに。
「…あなたも私の身体同様、私を許してくれないんですか…?…だったら……」
ニアは言った。
「究極、あなたが私を絞め殺せばいいという事です…」
「馬鹿を言うな!!」
月は、ニアの唇を自分の唇で塞いでいた。そんなこと聞きたくなかった。絶対に。
「!」
苦かった。苦い苦い、苦い味。
ニアが口にしていたのはカカオ成分のみの砂糖抜きのビターチョコだった。
怪訝な顔をする月にニアが言った。
「あなたが言ったんじゃないですか、簡単に人から食べ物をもらうなと。
だから、自分用のチョコを用意したまでです」
再び月はニアに口づけていた。ディープキス。
「ん!……んんっ…………ん………ライ、ト…」
月はそっと離れて、ニアを見た。
「遅いです、キスするのが…。…おかげであんな苦いもの、四枚も食べてしまった…」
「ニア…」
月はまたニアに口付けていた。ニアも月の身体に両腕を回した。
苦いはずのチョコはもう甘かった。
『会いたかった』
ニアは確かにそう言ったのに、どうしてニアを信じられなかったのだろう。
やがて月はニアから身体を離し、静かに言った。
「覚悟はいいか。ニア」
ニアは月を見た。大きな瞳が濡れていた。
「ニアの身体に教えてやるよ。どんなことがあっても、僕が欲しいのはニアなんだってことを」
「あっ!ああっ!!あああっ!!」
四つん這いでニアが声を上げる。
そんなニアの腰をしっかり掴んで離さず、月は後ろから激しく攻めていた。
「ああ!っ、あ、ああ!!」
身体を支える両腕に力が入れられなくなり、ベッドの上でニアは両肘を付いた。
月はそんなニアに覆いかぶさり、耳元にキスをしながら囁いた。
「ニア…耐えられるか…?」
「やめないで!!あ、っく、ああ!!あああ…」
ニアはオーガズムには行き着けないでいた。快楽を伴わないセックスは苦痛以外のなにものでもない。
それでもニアは優しい愛撫よりも、激しい情交を望んだ。
「……ああっ!……ああ………して………私を……」
月に攻められながら、ニアはうわごとのように何かを繰り返していた。先ほどのニアの言葉を思い出し、月は言った。
「死なせない」
月の両手はニアの腰を離さず、揺らし、なおも突き続ける。
「あっ!あ、あああ!」
繋がったまま、ニアは起き上がり、何かを掴むように手を空(くう)に伸ばしていた。
「ああ…あ…」
起き上がって前の壁に寄りかかろうとするニアを、月はそのまま突き上げた。
だん!!
ニアの身体が壁にたたきつけられ、ニアの丸い胸が壁と攻め立てる月との間で、
ゴム毬のようにひしゃげた形になって押し付けられていた。
「ううっ!うっ!うっ、あ、はあっ!」
膝立ちで壁に付いたニアの左手に月は、自分の左手を重ねた。二人のエンゲージリングが重なった。
月はニアの頬と顎を持って後ろを向かせると、ニアに口付けし舌を舐め、唇を強く吸った。
「んっ!んんんん!んーーーーーん!」
唇を離して再び突き上げるとニアはまたなにごとかを繰り返す。
「うう、うううっ!……して。……を…」
ニアの閉じた瞳から涙がこぼれていた。
「…………して。……私を………………許して」
ニアの言葉が月の耳に届いた。そして、月はようやく気がついた。
誰よりもニア自身が、何よりもニアの心が、ニアを許してはいない事に。
月はニアと繋がった自分自身を一旦離すと、ニアの身体を後ろから抱きしめていた。
「いや!やめないで!!」
「ニア。大丈夫だ」
怯えるニアの、身体を自分の方に向かせ、
月とニアは向かい合う格好でぺたんと座ってた。
ニアが濡れた瞳で月を見る。そんなニアに、月は静かに言った。
「ニアは間違ってない。悪かったのは、僕の方だ」
「‥‥‥っ」
ニアは、違う、と小さく首を横に振った。
月は両手でニアの頬を挟むと、ニアのおでこに自分の額をくっつけてもう一度言った。
「ニアは間違っていない」
「僕もきみと同じだ。自分が正しいと思う事を信じ、正義とする」
月がそう言ったときのニアの表情を、こののち月は忘れることはなかった。
「‥‥だから、私とあなたなんです」
「……もし神がいて、神の教示(ことば)があったとしても、私は一考し、それが正しいか正しくないかは自分で決めます」
ニアの言葉には、誓いのような、或いは何かに背くような、重い響きがあった。
『神』。ニアはそう言った。しかし、ニアが何か宗教を信じているとは思えない。
ニアの言う『神』とはLの事だろうか。あるいは何か、別の‥‥‥‥‥?
「…ニア。僕を見て」
ニアが月を見る。大きな、くるくるした瞳で。
「僕が恐いか?」
「いいえ。少しも」
「じゃあ、僕を見ているといい。僕だけを」
そう言って月はニアの唇にそ…っと、キスをするとニアを見た。
ニアが笑った。半年ぶりに見るニアの笑顔だった。
「…やっと笑ったね…ニア」
「…ライト…」
二人はどちらからともなく抱き合うと、ベッドに倒れこんでいた。
愛が罪だというのなら。罪人(つみびと)でいい───────。
その部屋でリンダは真剣な顔のLをモデルに絵を描いていた。指人形の感想を月に告げるというLの指示の報酬として。
「先輩も、一度でもこんな顔見せれば良かったのに。ニアがヤガミに会う前に」
「…私とニアでは罪になる」
Lはボソッと呟いた。誰にも聞こえない声で。一層激しくなった雨がLの声を完全に消した。
リンダが言った。
「南極の氷も、恋の熱が融かしているのかも…」
「……リンダ。南極の氷が融けてしまったら地球の大半は沈んでしまいます。
ノアの箱舟のような大洪水の再来が、恋愛のせいですか?」
「バタフライ・エフェクト。小さな蝶の羽ばたきというデータすら竜巻を起こしうる
一端となる。だったら、今言った因果関係も不思議ではないでしょう?」
「それでは今の地球現象は、神が、道ならぬ恋をする者に怒り与える罰のようです」
「愛が罪だなんていう神様はいません。そんなことをいうのは人間です」
「‥‥‥。そうですね。リンダは正しい。何より、そんな者の存在などあり得ない…」
Lがそう言ったとき、雨音は静かになりやがて止んだ。リンダが言った。
「どうやら雨、上がったみたいですね」
ぎしぎしぎしぎしとベッドがきしむ。
「あぁ、あん、あっ、あぁん」
月の身体の下、ニアは月の腰を両足で抱き、月の動きに合わせて
リズミカルに腰を動かしていた。ニアの身体にオーガズムの感覚が戻りつつあった。
「はっ、あぁん、あん…ライト…」
ニアの表情が快楽に歪んでいた。腰を動かしながら、月はそんなニアに口付けた。
「ん…。んっ…ん、んっ、んんんっ」
舌が絡まって唾液が糸を引く。ニアの唇は、舌は、もっともっとと月にキスをねだる。月が言う。
「ニア…すごく、素敵だ…いやらしくて」
「あっ、あん、そんな、はぁん、そんなこと…言う人、あん、…キライ、あっ、あぁん」
と、月がニアの頬に手のひらを当てニアを見つめて言った。
「仕方がないな…。……それでも僕は、ネイトが好きだ」
「…ライト…!あ‥‥!ああ、ぁあ!あぁあん!!」
再び月に激しく突き上げられながら、ニアは鳴いた。
「ら、ライト!私、私も…す、好き!あ、あぁあ!あぁあぁん!!」
月に抱かれ、快楽に打ち震えてニアは鳴いていた。
連投支援
月はニアの身体に両腕を回して抱きしめた。ニアも月を強く抱きしめた。
身体の奥深くを突き上げてくる月を、ニアのそこが締め付けていた。
ぴったりくっついたまま、二人は昂って腰を突き上げ、上りつめていた。
「はっ、ぁあぁあああん!あん!ライト!ライ、ト!」
「っ、ニア、すごい」
ぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎしぎしとベッドのきしむ音がいよいよ早まっていく。
ニアの白い身体がピンクに染まり、部屋にはニアの匂いがたちのぼっていた。
「あ、ぁあぁあああぁぁぁんライト」
ニアの、悦びにうち震えてライトを呼ぶ甘い声が、月の耳に響いていた。
快楽に歪む美しい表情が、なめらかな肌に浮かぶ汗が、月の目に映っていた。
「あっ!あぁあん!あぁん!い、イくぅ、っ…あ、あぁあライトぉ!来てぇ!!」
「ネイト……っ!」
月は夢中でニアの唇を吸っていた。二人の快感は頂点に達し、二人は同時に達した。
「はぁ、はぁ、はぁ……。あ………」
ニアは息をついて月を見た。光る汗。茶色の髪。整った顔立ち。
月もニアを見た。大きな瞳。ピンク色の唇。そしてプラチナブロンド。
ニアが言った。
「…ただいま」
月が答えた。
「おかえり…」
月がニアに口付けたのと、ニアが月の首に両腕を回して抱きついたのと同時だった。
二人は離れないよう、きつくきつく抱き合った。
月のもとで、ニアは咲く。
それから月の帰国の日まで、二人はいっ時も離れることなく過ごした。
ある時。ベッドに横たわるニアはじいっと向いの月の顔を見ていた。くるくるした瞳で。
「‥‥なに?」
「いえ。カッコいいなと思ってみてました」
「!」
月は急いで背を向けた。
不意打ちだ。いきなりそんな事を。しかもそんな真面目な顔で。
「あれ?照れてるんですか?」
「………………こいつ………」
月はくるりとニアに向き直るとニアの唇を封じて、罰としてキスの雨を降らせていた。
「あ…ん。ふふ……あ、ん……あ…」
ひとしきりキスが終わると、ニアが再び真面目な顔になって言った。
「夜神月。今から私が言うことを誓ってくれませんか」
月もまた真面目な顔になり、頷いた。どんなことでも誓えると思った。
病めるときも。健やかなるときも。いかなる時も変わらぬ、永遠の愛を。
ニアが言った。
「変なものは拾わないで下さい」
「え?」
月は面食らった。なんだ、その小さな子どもに対する注意みたいなのは…
「特に、拾った物に勝手に名前を書くなんてもってのほかです」
「いや…そんな事したら泥棒じゃないか…?」
「万が一手にしても、とっとと落とし主に返しちゃって下さい」
「いや、だから‥‥‥なんで?」
「でなければ、本当に私、あなたを嫌いになります」
「誓う。拾わない。もし拾っても速攻、落とし主に返す」
慌ててそう言うと月は、ニアを抱きしめていた。
「良かった…」
ニアはほっとしたのか、月の腕の中で寝息を立て始めた。
月は、ニアのプラチナブロンドの巻き毛をそっと自分の指に巻き付けた。
この上もなく、ニアが愛おしかった。
もしもニアを失う事があるとしたらそれは、月にとってはこの上もない罰だった。
だが、どれほどの罪を犯せばニアを失う事になるのか、月には想像もつかなかった。
私も見てますよ〜ノシワクテカ
夜。月の腕枕で眠っていたニアが目を覚ました。月は起きていた。じっとニアを見ていた。
「夢を見た」
静かに月は言った。
「夢の中で、僕は…とても重い罪を犯していて」
ニアは黙って聞いていた。
「僕たちは、敵同士で」
月の顔は青ざめていた。
「ニアは、そこでは男の子のフリをしていて」
ニアは黙って聞いていた。
「そして…ニアが好きなのは」
ニアが動いた。ニアは月の唇にそっとキスをした。月の言葉を遮る為ではなく、それこそがニアの答えだというように。
「私と夢と、どっちを信じるんです?」
ニアはやさしく笑った。月も笑った。涙がひとすじ、流れていた。
「おやすみなさい、夜神月」
月は目を閉じた。ニアも目を閉じた。そして言った。
「目が覚めても私はいます。だから。おやすみなさい。」
ここまでが三章です。
これよりエピローグに入ります
帰国する前の夜、月はニアの指人形を持ってきていた事を思い出し、ニアに渡した。
「ニア、この指人形は何に使ってるんだ?メロのとLのもあったが」
「『L』の捜査のシュミレートです。メロは移動する事が多いので」
面白くなかった。指人形にすら嫉妬する自分が情けないとはわかっている。
だが、そんな形でもニアの傍にあるってことは、離れていてもいつもニアの心に存在している証のようで…。
月は思いきってある事を聞いてみることにした。
自分でも格好いいとはとても思えないが、そんなくだらないプライドは捨てる!
「その…僕の指人形はないのかな…?」
「ありません。欲しかったら自分で買ってください」
あっさりとニアは言い、がっくりと月はうなだれた。
と、ニアが月の手を取り、自分を模した指人形を渡した。
「可哀想だから、こっちはあげます」
「…ありがとう…」
月は、改めてニアの指人形を見た。
なんだ…よく見ると可愛いといえなくもないじゃないか。
支援です。
微笑む月を見て、ニアは言った。
「あなたの指人形なんて必要ない。あなたは特別ですから」
「どういう意味だ?」
問いかける月に、ニアは何ごとか考えるような顔つきで答えた。
「そうですね。…今なら、ここから見えるかもしれない」
ニアは、裸の自分と月の身体にシーツを巻きつけると、月の手を引いて窓の処へ導いた。
そして、シャアアアッとカーテンを全開にした。
「ほら」
ニアが指差したのは、月と同じ名の、夜空に懸かる天体の月だった。
「あなたに会いたいときは、夜を待ってあれを見ています」
月は自分と同じ名の、夜空の天体をニアと一緒に見ながらニアの肩をそっと抱いた。
どう言えばいいんだろう?今の気持ちを。ニアへの、溢れるような想いをどう伝えたらいい?
月の光を浴びたニアは白い妖精のようだった。
そんなニアの姿に、月下美人の花を思い出して、月は言った。
「僕が高校の時、家族で月下美人を見ていてね。粧裕と…あ、妹と母と見ながら、
一緒に何かを見たい相手がいるって幸せな事なんだって、その時は気付いてなかった。でも今は違う」
と、ニアはふいっと向こうを向いた。
「私、妹じゃありません」
え?
わけがわからない月に、向こうを向いたまま口を尖らせた口調でニアが続ける。
「そんなに粧裕さんと見たかったら、さっさと帰ったらいいじゃないですか」
えええええ?
「……もしかして…妬いてるのか?いや、粧裕は妹だぞ…?」
「だから、妹さんのところでも、何なら弥海砂のところでも帰って構わないと言っているじゃないですか」
明らかに妬いてる……しかも弥のことまでチェックしてる………
月はため息をついた。そしてレイの言葉を思い出していた。
そうだ。これからもきっと僕たちは、こんな風に二人で時間を紡いでいく。
ニアは向こうをむいたままだった。
だが。こういう時にやることは決まっている。
「ニア」
月はニアの顎をすくうと、そっとこちらを向かせた。
案の定ほっぺがふくれている。可愛くてたまらなかった。
月は、ニアの唇に自分の唇を重ねた。
「…ん。……んん……ライト。……ん……」
舌を、そして指を絡める二人の、約束の指輪が月明かりに輝いていた。
「ネイト…」
息をうわずらせて、ニアが腕を伸ばしてカーテンを握る。月もまたカーテンに手を伸ばす。
シャアアアアアアアアッ!!
幕が引かれると、恋人たちの部屋は外からはもう見えなくなった。
空に懸かった月が、そんな夜の世界を静かに優しく照らしていた。
以上です
読んで下さった方、レス下さった方、支援して下さった方
ありがとうございました!
では名無しに戻ります
乙です!
良かった、月とニアがハッピーエンドで!
私は最近来たんでバラ神投下時のことはリアルタイムで知りませんが
倉庫で読んでいて、今回リアルタイムで読めてうっとりです!
良ければまたいらしてください!
神、乙でした!
月ニアいいなぁ…
やきもちを焼くニアたんが最高に可愛かったです!
ロムってる人も結構いるみたいですが、どうせならSSの感想を書いてあげると
いいと思いますよ!
では勇気を出して発書き込みです
ネ申!素晴らしい作品をありがとうございました!
ずっとROMしてましたが
神のみなさん大好きです!
月ニアが両想いで良かったぁぁぁ!!文体が神秘的な感じがして大好きです。ぜひまた投下して下さいね。
薔薇のネ申、乙です!
セツナ&甘アマな月ニア、素敵です〜!!
初期の頃から住み着いてますが、新しい神々や住人がどんどん増えてきて
色んなニアたん見れて・・・ほんとうれしいですw
さすが女の子ニアたん、みんなに愛されててウレシイ
薔薇神乙!
>>519やニアの嫉妬が可愛いですハァハァ…
>>薔薇神乙です!
ラストまでぐいぐい引き込まれました。
自分がここに来た時初めて目にしたのが薔薇神の作品でしたので
とても嬉しいです。
月とニアのやり取りが二人らしくて、ニアに恋する月ややきもちを焼いて
ほっぺを脹らますニアが可愛かったです。
また素敵なSSお待ちしてます!
おはようございます。
先日の続き、L×ニアを投下します。
21禁。
タイトルは『放課後の一時』
感情部分多めです。
カップリングや読んでいて合わない方はスルーして下さい。
では、どうぞ。
534 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:47:29 ID:voeuUoUj0
――――――放課後。
「また会いましたね。」
オレンジの教室で、ニアは再度男に会った。
「・・・・・・・!!!」
目をぱちくりさせ昨日と同じ格好の男を見つめる。
まさに今この男の事を考えていたとこだった。
Lを語る不徳な輩。
しかし、院に立ち入る事が出来る人物・・・・関係者であるのはたぶん、確か。
もしかして本当にL?
いや、有り得ない。LがLだと自ら名乗るはずがない。
何か事が起こってからでは遅い。
今日、ロジャーに聞いてみよう――――――
今、その結論に辿り着いたばかりであった。
まさか本当にもう一度会うとは思わなかった。
「ニア、もしかしてこの時間がお気に入りなんですか?」
男はニアが張り巡らす緊張をよそに教室に足を踏み入れる。一歩、また一歩。
535 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:48:44 ID:voeuUoUj0
「あなたは一体誰なんです??」
「昨日も言ったでしょう。私はLです。」
・・・・・・駄目だ、こいつ。
大きな目を半分にして疑いの眼を向けるとLと名乗る男が言った。
「自分が支援している院なのですから立ち入りは自由なんです。」
そして男はニアが座り込んでいる教室の隅まで来て窓の外を見た。
「相変わらずここから見る景色は美しいですね・・・・・・」
それは何度もこの窓から外を眺めているような口ぶりだった。
ニアははっとした。ああそうか、彼は。
「卒業生・・・・・・?」
「・・・・・まあ、似たようなものです。」
男は窓の外を見つめている。ニアはそっと男の顔を覗いた。
黒い髪がオレンジに透け茶色に光る。
まっすぐ前を見つめる眼差しは鋭く、そしてどことなく悲しそうであった。
「私もあなたと同じでした。この時間、この場所。この夕日がお気に入りでした。」
536 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:49:40 ID:voeuUoUj0
「・・・・・同じ?」
どうしてそう思うのだろう?
たまたまこの時間、この場所。
偶然昨日と同じ時間にニアが居ただけかもしれない。
男は不思議そうな表情を浮かべるニアを見ると微笑んだ。
「それもよっぽど気に入っているのですね。」
言葉はパズルを指していた。ニアの周りには白いピースが散らばっている。
「これは・・・・・私の大切な・・・・」
慌ててパズルを解くその手で口を塞いだ。
「どうしました?」
「い、いえ・・・・」
卒業生といえども目の前の男はLの名を語る不徳な輩。
それなのに。
537 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:50:31 ID:voeuUoUj0
どうしてだろう。
夕日を見つめる彼はどこか自分と同じ匂いがした。
警戒しているはずなのに。
何故か優しい空気が漂う。ゆったりしたオレンジの時間。
光は二人を包む。まるで何かから解き放つかのような、清い光・・・・・
気が付くとニアは自らの意思で男に話し掛けていた。
「どうして此処が気に入ってたんですか?」
「・・・・たぶん、あなたと同じ理由です。」
「・・・・私と同じ・・・・」
「そう、ニア。あなたと同じ。」
ニアは改めてこの時間、この場所、この夕日が好きな訳を考えた。
「私は・・・・・・」
538 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:51:49 ID:voeuUoUj0
ワイミーズハウスに来てから暫くしてナンバー1という称号を与えられた。
でもそれは、私にとってそれだけで、何の変わりもないはずだった。
いつからだろう?それが重荷に感じ始めたのは。
私は一人でも大丈夫。そう言い聞かせ始めたのは。
私は私であり、ニアはニアである。
でも・・・・・いつしか周りは自分をナンバーでしか見なくなってた。
『ナンバー1』のニア
539 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:52:37 ID:voeuUoUj0
ナンバー2にメロという少年が居る。
彼は事あるごとに私をライバル視する。恨みでもあるのかと聞きたくなる程に。
彼こそ私をナンバーでしか見ていないだろう。
もしも、ナンバー1でなくなったら彼は私をどう位置づけるだろうか?
ニアとして?それともまたナンバーで?
・・・・・きっと後者であろう。
ナンバーでもいい。一番前にいる事で確かに『私』は存在するのだ。
メロの中にも。ハウスの皆の中にも。
そして――――――最大の目標でもある『L』にも。
540 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:53:34 ID:voeuUoUj0
ある日、ロジャーから受け取ったミルクパズル。
それはLからの贈り物であった。
―――――Dear Near――――――
嬉しい。すごく嬉しい。・・・・・嬉しかったはずなのに。
「これは・・・・あなたもご存じの『L』から貰ったパズルなんです。」
ニアはゆっくりと話し始めた。
「とても・・・・大切なものなんです。」
「・・・・・そうですか。」
「でも。」
「・・・・・でも?」
それはナンバー1のニアだけに用意されたプレゼント。
・・・・最初は喜んだ。
あのLが自分を見てくれている。
このパズルはLがニアを見つけてくれた証なのだと。
541 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:56:19 ID:voeuUoUj0
「でも気付きました。大切であってそうでないものだと。」
ニアは男が見ていた窓の先へと目をやると、オレンジの光に眉をひそめた。
「期待していて・・・・期待していなかったんです。
いえ・・・本当は期待していたのかもしれません。」
無垢に信じられたらどんなにいいか。
でも、Lも皆と同じだ。
・・・・・私をナンバーとして見ている。
Lこそ私を知らない。きっと情報でしか。
それは上辺だけの私。
Lが見ているのは所詮はデータなのだ。
Lが本当の自分を見つけてくれるなんて夢物語。
それでも可能性を求め期待するなんて、何ておこがましい事か。
542 :
放課後の一時:2007/03/06(火) 06:59:20 ID:voeuUoUj0
今日はここまでです。
続きはまた今度。
>>二代目倉庫番様
何度もすみません。
SSメニューのカテゴリの中に『824』というタイトルのもの
がありますが、恥ずかしながら以前自分が投下したSSでした。
初めての投下とはいえ、タイトルも無いとは・・・情けないです・・・
出来ればきちんと3つ、タイトルをつけてあげたいと思います。
決まりましたらご連絡致しますのでよろしくお願いします。
放課後神乙です!
仕事行く前に読めて嬉しい…
ニアの心がこれからどう変化していくのか楽しみです
読んでて放課後の夕日をニアと一緒に見てる様な気分になりました
最近女の子ニアがいっぱい見れて幸せです!!
神乙です!
頭の中が夕焼け色でいっぱいです!
優しい雰囲気がすごくイイ!
続きワクテカしながら待ってます
Lの時計を書いた者です
ミルクパズル投下します
Milk Pazuru〜怖い!〜
15禁
カップリング・子メロニア
メロの過去にオリジナル要素あり
メロニア恋人設定。微エロ。ほのぼの。
546 :
怖い!:2007/03/06(火) 14:20:39 ID:BYF/mIqF0
その廃校舎には、3年前に自殺した生徒の霊が出る。
春の日差しが差し込むワイミーズハウス。給食を面倒くさそうに
口に運ぶニアに、マットは最近仕入れた「面白い話」を聞かせていた。
「………という噂で持ちきりなのよ。どう、ニアちゃん。見に行かない?」
マットは机の前にしゃがみこんでニアの顔を覗き込む。
顔色一つ変えないかと思ったのだが、思わしげに目を逸らした。
「それは怖いですね………」
「あっニアちゃんも怖いんだ? お化け。カワイイ」
ニンジンをフォークに刺し、くるくると回す。
「自殺云々は作り話ですね。そんな事件は聞いたことがありません。
私は霊が「いない」ことは証明出来ませんし、無意味だと考えます。
547 :
怖い!:2007/03/06(火) 14:21:42 ID:BYF/mIqF0
心霊スポットと呼ばれる場所は磁場が大きく狂っているのだそうですよ。
これが脳の信号になんらかの影響を及ぼしているのだと私は考えます。
あとは人体にどの程度の影響を与えるか、というのが問題になってくる
わけですね」
「………別の意味で怖い訳ね」
「そうですね。未知の物に対する恐怖心というのはあります」
「………ほんとに?」
無表情のニアをじっとりと見上げる。
「何ですか」
「いやさ怖がって無いし」
「怖いですよ。現実には存在しない映像を見せるんでしょう?
その電磁波」
「お化けだって! いいかいニアちゃん、女の子がそれじゃいけない。
よし、オレが「可愛い女の子のありかた」について享受しよう
そうしよう!」
548 :
怖い!:2007/03/06(火) 14:22:44 ID:BYF/mIqF0
1人でエキサイトする。それが言いたかっただけではなかろうか、
とニアはうろんげにマットを見下ろす。
「メロが「マットの言うことは聞くな」って」
「何ですと!? 友情のありがたみが分からん奴だ。いいかニアちゃん、
「可愛い女の子」について詳しいのはオレとメロどっちよ?」
詰め寄る。ニアはさくらんぼのような唇をつきだして
「本当にあなたがた、仲良いんですか………男の友情は理解不能です」
「で、どっち」
「………マットですね」
勝った。立ち上がりガッツポーズを決める。
「本当に怖いんだね?」
「マット、あまり顔を近づけないで下さい」
ニアは眉をひそめる。互いの息がかかるくらいに近い。長いまつげだなぁと
マットは見ほれた。役得役得。よく見るとまつげには少し金色も入っている。
「じゃあ言ってみて。「怖い」」
549 :
怖い!:2007/03/06(火) 14:23:19 ID:BYF/mIqF0
フォークをかちゃりと置く。
「怖い?」
「もっと不安そうに。緩急をつけて」
「こあい」
「違う。手を交差させて。口に手をやってもいい。そう、その表情」
ニアは顎に手をそっと添えると、困惑しきった表情でマットを見上げる。
ゆがめられた眉が妙に艶っぽい。何だか興奮してきた。
「………怖い」
「そうそう、その調子」
「………怖い、です」
ぴっと後ろを指さした。
「後ろ」
550 :
怖い!:2007/03/06(火) 14:23:56 ID:BYF/mIqF0
マットは振り返る。メロが右手に左の拳をぶつけて、般若の顔でマットを
見下ろしている。
確かに、怖い。現実的な意味で怖い。
「………お前は何をやってるんだぁっ!」
「うわわわ、メロ誤解! 誤解だって!!」
ニアは殴り合いの喧嘩を始めたふたりからそそくさと離れると、
唇に手を当てた。
小首を傾げる。
「………こぁい。こ・わ・い。イントネーションが上手くいきません………」
今日はここまでです。あまり長くないです。
タイトルはあれですが内容は怖くないです(笑)
>>二代目倉庫番様
乙です!
Lの時計、サプライズ共に全文を送信させていただきました。ご確認下さい。