二月第一週
ミサネェは後期試験と就活で忙しいらしく、会う機会もなかった。ハルホからはあの日以来連絡もなかった。
変わった事といえばエリカが髪を切った事と普通科の生徒に告白された事ぐらいだった。
そんな時、中学の時の同級生からハルホが盲腸で入院したと連絡が入った。
「三日前に入院したらしいよ。昨日手術したって。シンジ君も良かったらお見舞いに行ってあげてよ
」
その日、僕はバスに揺られて芦屋市民病院へ向かった。
病室をノックし、部屋に入る。ハルホは漫画を読んでいた。
「大丈夫?」「お見舞いに来てくれたんだ。…まぁシンジに連絡してって私から頼んだんだけどね」
「元気そうでよかった。何を持ってきたらいいか分かんなかったから…とりあえず」花を渡した。
「ありがとう!でも、花瓶ないから…どうしよう?」花はとりあえずお母さんが来たら考えるって事になった。
すぐに看護婦さんが入ってきて傷の消毒を始めた。その間は僕は病室の外で待っていた。
看護婦さんと入れ違いで病室に入る。
ハルホに病状を聞くが、本当に大した事はなさそうだった。
「明日からは大部屋に移るし、ホント大丈夫。」
運動出来ないのと退屈なのが問題だけど、それ以外は問題ないとの事だった。
面会時間が終わりになる頃、ハルホの父親がハルホの様子を見に来た。
僕はハルホの父親に挨拶をして、病室を出た。
バスの時間を見たら…かなりの時間があったので、僕はタバコを吸いながら歩いて山を降りた…。
―このまま友達の関係になれたらいいのに―
次の日
晩ご飯の後にエリカが勉強しに来るので、それまでに約束していた漫画をハルホに届けに行く事にす
る。
ベスパにキックを入れ、僕は市民病院へ向かった。
受付でハルホの新しい病室を聞き、部屋に向かう。部屋を訪ねるとハルホのお母さんが彼女の世話をしてい
た。
挨拶をすると、昨日の花の礼を言われ
「ハルホ、お母さんご飯の仕度に戻るから…後でお父さんと来るね」
少し気を使ってくれたみたいだった。
鞄から頼まれていた漫画と林檎ジュースを取りだしハルホに渡す。
「ありがとう。でも、もうすぐ退院だけどね」
会話の糸口がみつからない…僕も…多分、ハルホも同じだった。
「傷口見る?」ハルホが明るく話しかける。
「いや…それはいいよ」
「シンジの知らない私になっちゃったね」傷口を指しているのか…僕達の距離を言ってるのか、わから
なかった。
ふっとした間があり、ハルホが布団の中からそっと手を出し…僕の手を握った。
「こっち来て」ハルホが小声で呼ぶ。僕がハルホの顔に耳を近付けると…そっと頬に唇が触れた。
「何もお返し出来ないから…」そう言うとハルホは僕に笑顔を見せた。
―その時は僕も…上手に笑えてたのだろうか―
ハルホの学校での話やクラブで大会メンバーになれそうだとかの話を聞く。
暫く話しをしていたら、ハルホの彼氏が見舞いにやってきた。
「盲腸だって?大丈夫か?」彼氏は僕を横目で牽制しながらハルホに聞いていた。
「それじゃ、失礼します。早くよくなって下さい」僕は彼氏に頭を下げ部屋をでた。
部屋を出る時に「なんでアイツが…」…続きは聞こえなかった。
僕がエレベーターホールでコートを着ながらエレベーターを待っていたらハルホの彼氏が追いかけて
きた。
「どういう事なんだ?」
僕には彼氏の質問の意図がわからなかった。
「アイツはお前とは会わないって言っていたんだ。どういう事なんだ?」
…意味がわかった。
「彼女の同級生からたまたま電話があったんですよ。手術をしたって。それで見舞いに来ただけです
。」
僕はそう答えながら―五日も知らなかったっておかしくないか?― …そう思った。
「そういう事なら仕方ないな。ハルホが言ってたのと同じだし」威厳を保とうとして、続けて
「アイツも迷惑そうだったし、すぐに退院だろうから…もう来なくていいよ」
「もう退院みたいだし、来る必要もないでしょ?」僕はカチンときていた。
「それに…」言いかけて、僕は続きを抑えた。
話は途中だったが、無視して僕はエレベーターに乗った。
ベスパにキックを入れる、なかなかエンジンが掛からなかった。
必死にキックを入れている内に…不思議な事にハルホの事も、彼氏の事も忘れていた。
部屋に戻り、顔を洗い食卓へ。
食事を済ませた頃に電話が鳴った。エリカからだった。
暫くしてエリカがやってきた。僕はハルホの入院の事を話すべきか迷ったが、言えなかった。
本当は話すつもりだったが、エリカの幸せそうな表情を見ていると…僕には言えなかった。
二月第二週
ハルホから電話があり、退院したとの事だった。ハルホは彼氏の非礼を気にしていたが、僕は気にならない
し心配いらない…と答えた。
―なんとなく、このまま薄れていくのだろう―…電話を切った後で僕はそう思った。
次の日、エリカと三宮へ買い物に出かける。
「シンジ君、寒いね。」エリカはそう言うと僕の手をキュっと握った。
「手袋があるから有効利用しよう!」僕はそういうとエリカの右手に手袋をつけた。僕は左手に手袋を
つける。
「あったか〜い。シンジ君。これはナイスだよ」
僕はエリカの左手を握ると自分のダッフルコートのポケットにつっこんだ。
「これで完璧」
【one way】で文房具やポストカードを物色する。僕はセルロイドのペンケース。エリカはバーバラクルーガーの
有名なイラストのトートバッグを買った。
その後は【スリーゲル】でアンティークの雑貨を見る。
「喉が乾いたね、ココアが飲みたいよ」僕はエリカに提案し、【JAVA】に入った。
「後で【ウェストエンド】もみたいね」その店は高いけど、カッコよかった。
「そうそう、シンジ君。バレンタインはチョコの他に何がいい?」エリカはメモを取る仕草をする。
「エリカと一緒にいられたらそれでいいよ」別に特別な事を言ったつもりはなかったが、エリカが顔を真っ赤にする。
「もしかしてエッチな事を想像した?」僕は小声でイタズラっぽく、エリカに聞いた。
「チアキがね…変な事を言うから…」エリカが手を振って釈明する。
「チアキがなんて?」僕はエリカを追詰める事にした。
「シンジ君が絶対に求めてくる…って。だから逆に…頭にリボンを乗せてシンジ君に…迫れっ…て」
僕は一瞬想像して吹き出してしまった。
「最近、チアキがエッチな話ばかりするから困るよ」僕は全然困らなかった。
【JAVA】の小さな椅子とテーブルはエッチな会話を小声でするには最適だった。
「じゃ、それをリクエストしようかな」僕はイヤラシイ顔をしていた。
「エッ…」エリカは悩んでいる。
「ウソ、嘘。僕はエッチなエリカよりもエッチな事をされてるエリカが好きかも」追い打ちをかけた。
「○△×▲☆…」エリカは簡単に壊れた。
自分で苛めているのに困った顔をするエリカを見て愛おしくなる。僕は変態だと思った。
「ごめんね。ホントはエリカの困った顔を見るのが好きなんだ」
「シンジ君、趣味悪いよ。それに変態」エリカは怒った素振りを少しみせたが、ホッとした様子だった。
その後、チアキとエリカのワイ談の内容を聞き出す。…そこには、ちょっと興奮してしまう僕がいた。
(;´Д`)ハァハァC
このスピードなら言える
エリカちゃん、はじめ、宍戸エリカを想像しちゃった_| ̄|○
エリカってアジャコングかよ!!
俺がずーと思い描いていたエリカちゃん・・もうダメぽ _ト ̄|○
シンジさんの文章って素敵。心の動きがわかりやすい。読むうちに引き込まれます。
お昼休みに投下してくださったのかな?今後もシンジさんのペースでゆっくりと書き続けて下さい。
情景が、ぶわぁーっと広がるからね。私もスキ。シンちゃんひどいと思うけど…でも憎めない男。引き続きC
あと、大事な事かいてないや。シンジさん、うるさい外野のなか読ませてくれてありがと。楽しんでますよ!
始めて酒を飲んだ厨房が、味なんかわかりもせずに「うまいうまい」と絶賛するのと同じだな。
わかってない癖に大人の仲間入りしたと勘違いして、自分に陶酔し、酒にも悪酔いし。
称え方がくどい信者の典型で、自分もうるさい外野と気付かずにベタ誉めするのがイタイ。
>220
確かに。
222 :
えっちな21禁さん:2006/01/27(金) 18:45:42 ID:OfbMadSMO
この話が普通の小説として売られていたら
みんな買うと思う?
>>222 とりあえず俺は買わない。
お金持ちのお坊ちゃまが高校時代に仲良くなった女とヤリまくる小説なんて
読まないな。
俺は金を出す気はない。
買う。
結末にもよるが、売れるだろうね。
少し編集して再構成したらかなり売れると思う。
>>223 自分の境遇を僻むなよ。お前が貧乏でも誰も興味ない、それに金に執着するならもう読むな。
>>220 俺もそうなるのかも知れないが、シンジ氏が書きにくくなるカキコは止めないか?
>>225 そう言うんじゃシンジ氏が書き易い環境のサイトにプログでも作ってやって
そこで書かせなさいよ。
この板で書き込むんなら覚悟きめてもらわないと駄目だわ。
批判、反論ありきで書くからこそこの掲示板なわけで
荒らしはもちろんスルーすればいいけれど、肯定的な言葉じゃなければ
書き込んではならない・困るというのは俺には理解できない。
というか書き込むのは自由なんだ、何を言われたって書きたければ書けるんだよ。
で否定的な書き込みに心が折れることがあるのはわかるけど、それを少しでも少なく
するためにまとめて書くとかさっと引っ込むとか工夫の方法はあるわけだ。
皆の前に何かを晒すということはある程度の覚悟が必要なんだ、腹すえていこうよ。
ちょっと論点がズレてるな。
金持ちにタダ飯食わせてもらって陰口叩いてどないするんや?って話なんよ。フリーのサイトだから読むけど、金持ちのボンの話に金は出さんってのは内容云々の話と違うだろ?
内容の批判や評論は構わんけど、シンジ氏の人格や環境を批判したり揶揄するんは筋違いや思う。
それを覚悟しろって言う奴には読む資格ないのと違うか?
少なくともシンジ君とシンジ氏は別人格として捉えるべきだと思う。
ハルホ〜っ!!。・゚・(ノД`)・゚・。
>>223 本当にやりまくった内容を書いてくれるなら買うんだが、散々期待させた挙句
本編があっさりした記述で終わったり、三文エロ小説並みの展開でなければ
>>230 既に三文小説の域は超えている。
僕は買います。エロスにも色々ある。モロのエロを読みたいならフランス書院でも買えばいい。
232 :
えっちな21禁さん:2006/01/27(金) 23:28:23 ID:PJX5/vNoO
あのさぁみんな本気で彼文章力あると思ってんの?
そりゃバカな漏れなんかよりよっぽど上手いけどさ
これくらいじゃ市場に出せるレベルじゃないでしょ?
長編出る度に映画化、書籍化ってもしかして釣り?(´∀`)
【編集、再構成すれば】売れる
と書いてあると思うが
とりあえずsageろ
234 :
えっちな21禁さん:2006/01/27(金) 23:35:46 ID:Numzn2WGO
つ『Deep Love』
>>232 駄文だと思うなら読むなよ。それともお前は不味い飯屋に何度も通うM男か?
お前のは批評でもなんでもない僻みなんだから、そんなのはチラシの裏に書けよ
>>232 お前より上手いって書いてるんなら、お前も書いたんだろ?
読んでやるから載せてみろよ。ただし他スレでな。
ちゃんと評論してやるよ。
>>222 同人エロゲだったらありうると思う話だからな・・・まぁ『絵』が良ければ買ってもいいかな。
しかしノンフィクション小説で売り出しやがったらケチョンケチョンに叩く。
>>237 どうやって叩くん?
得意ジャンルのキモスレか?
ここまで荒らしのレスを読んで気づいたが、こいつらはシンジに嫉妬して人格攻撃に終始してるな。
シンジの人格攻撃とシンジ信者の排除。本当は続きを読みたいくせにな。
批評ではなく非難でしかない。237や232は自分の作品を公表してから俎上に乗せたらどうだ?
モデムの電源切ってIDを変えての連続荒らしの繰り返しをするのは止めたらどうだ?
こいつら荒らしの特徴は全部IDを変えて自作自演をすること。しかし文体や論調が同じだからバレて
いるのだが、本人だけは気づかれていないって思っている。
だから、シンジが、まとめて書いて貼れよ!
>書込むスタイルや私の人間性に問題があるのですか…。
人間性とか関係ないし。
うざい奴わいてくる前に、終わらせてよ!
連投君が今夜も過剰な擁護で必死だな。
言いたい事を1レスでまとめられないほど頭に血がのぼってるようだが
このスレ住民を代表し「邪魔だから失せろ」と言っておく。
まあ、
>>220を見て「シンジ氏が書きにくくなるカキコ」と言い出す奴だから
何を言っても無駄だろうがなw
age
また、こんな感じでスレ終わりそう
シンジサン、頼むから早くおわらせてよ。
ここでシンジさんを叩きたい人は注目されたいだけでしょう?
シンジさんの作品に魅力がなければここまで支援されません。それだけです。
まだしばらくは終わりそうもないですね。
高2の冬に入った所だからスタートから半年弱しか過ぎてない。
まだ1年以上残ってるんだ、高校生活で一番楽しい最後の1年が
どんなドラマになるのか楽しみ。
246 :
えっちな21禁さん:2006/01/28(土) 02:00:20 ID:TZDFk4O6O
おまえら退屈だよぅ
シンジさん
早く続きが……的支援
>>240 243
簡単に終わらないと思うよ。それにこの先をサーって流されて皆が納得するかな?
今、議論の対象になってるのは早く終わるかどうかじゃないでしょ?
シンジさんはシンジさんで時間を都合しながら連続投稿をしてくれているんだから、
それ以上の要求はやめたらどうでしょうか?早く読みたいのは私も一緒ですが、クオリティーを
下げてまで投稿しては欲しくないです。
>>239 >>241 連続投稿レスとID変えてレスするのは同じレベル。これも言い合っても仕方ないですよ。
実際に話の感想を良かったと書くと支援廚扱い、批判すると荒らしって構図は短絡的過ぎます。
批判の中に嘘の時代考証があったりシンジさんがチョンだと決めつけたり、嘘を書いてると断定
している内容があるのも事実です。これらに論拠もないし根拠も証拠もありません。
翻って、シンジさんの作品が好きな人に理由は要りますか?
結局は混じり合わないのですから、双方ともに過剰反応するのを止めませんか?
それしかないと思います。
240でシンジと呼び捨てしていて243でシンジさんと呼んでいる件。
こんばんわ
私の雑文が論争の元凶になってしまっていて、申し訳ございません。
私自身の考え方として
「トリップ付けて書いた物は私自身の責任。ただし、読手がどう判断するか…そこに関与すべきではない」
…そう思っていました。同時に想い出の掘り返しですから、湾曲させずにマイペースで書こうとも思っていました。
ただ、せっかく読んでいただいているのに…非難合戦みたいな構図になる事は本意ではありません。
そこの所をご理解戴きたいと思います。
また、続きですが…時系列に沿ってダイジェストにして後書きのような補足説明だけをするのか、きちんと書くのかはまだ迷っています。
週末は荒れる傾向がある上、溜まった仕事を消化したいので、次は週明けにでも書込む事が出来たら…と思います。
それでは
数えてみ、信者とアンチの総レス数をさ。
数えながらよく読んでみ、信者のレスがアンチを呼び寄せているって事に気がつくからさ。
もうね、応援スレでも批判スレでもいいから、どっかに新スレたててそっちでやれや。
>シンジ氏
この病み上がり野郎め、さっさと寝(ry
つーかさ、野球ファンが試合と関係ない所で喧嘩するなんてよくある事だ。
> シンジさんの文章って素敵。心の動きがわかりやすい。読むうちに引き込まれます。
> 情景が、ぶわぁーっと広がるからね。私もスキ。シンちゃんひどいと思うけど…でも憎めない男。
きんもーっ☆