【デスノート】女の子メロたん専用スレpage.13
寄せて上げるメロ…(*´Д`)
★13
ニアは、まるで別の生き物を観察しているかのような目で、メロの胸を観ている。
悦んでくれているのだろうか。
しっかりと脚を閉じて座っているので、メロの視界からニアがどうなっているかということは
わからない。
痛みが心地よい刺激に変わり始めた頃、ようやく、その先をねだるように、ニアがメロの脚を
さすり始めた。メロの準備はできている。それどころか、今すぐ押し込んで乱して欲しいぐらい
なのに、ニアはなかなか進もうとしない。
「ニア」
呼ぶと、ニアの表情は和らいで、少しだけ口をあけて腕の汗を舐めた。
「ニア」
「なんですか」
「なんですか、じゃないだろ」
恨めしそうなメロの視線を、ニアは一度は無視した。だが、避けようもないことは知っている。
「また、傷つけるかもしれない」
そう言い切るところだった。けれど、それより先に、メロの唇が彼を塞いだ。
★14
「・・・もう、言うなよ」
ニアは気づいていないだろう。
自分がどれだけの才能に恵まれていているかを。それ故に、人が当たり前に持つ
嫉妬や羨望などが存在しない彼の心は、まるで沸騰したあとの水のように、一点の濁りもなく
静かに澄んでいるということを。
度々、滅茶苦茶にされながら、それでも心の底では、ニアを恨みきれない自分がいた。
それよりも、
Lのようになりたい。ニアのようになりたい。何ものにも汚されない自分になりたい、と。
メロは彼の脚と腹の間に、ゆっくりと腰を下ろした。身体が跳ねそうになるのをこらえながら、
触れ合い重なっていく部分に意識を集中させる。
「あっ、あ、ああ」
貫こうとするものを、身体は容赦なく締め上げる。
メロの腰に触れていたニアの手が、添えるものから、しっかりと掴んで支えるものになった。
「メロ、メロ・・」
ニアは今にも泣き出しそうな顔になって、息を短く吐きながら、こらえている。
(*´Д`)ハァハァ
萌える・・・(*´Д`)'`ァ'`ァ
(*´Д`)ハァハァ素敵…
保守させていただくであります
職人さんがんがって(*´ェ`*)
張りつめた先が、奥へ届いた。
甘い痺れは、身体の中心から、一気に頭のてっぺんにまで達して、弾ける。
欲望の求めるまま、心持ち重くなった身体を、メロは懸命に動かした。
ニアの息が熱い。
「あ、あ、もっと、・・・」
やがてどちらともなく倒れこんで、互いに身体を引き寄せ、押し返し始めた。
濡れた肌と肌が吸い付いて、ぶつかるたびに音が部屋に響く。
彼は一本の若木のようだ。力強くしなった身体には無駄な贅肉などなく、滑らかな皮膚には
傷ひとつない。メロを悦ばせる上下する先端が、特に固く瑞々しい。
快楽の螺旋が渦巻き、うねりながら膨らんで、ニア以外、感じるものは何もなくなっていく。
「メロ」
彼の動きが速くなって、メロはつむっていた目を、あいまいに開いた。
銀色の睫毛が、切なげに震えている。
「ニア・・・っ」
懐かしい、残ってたんだなこのスレ。
久しぶりにまとめ見て恥ずかしくなった。
今言えば消してくれるだろうか……。
>>510 消すな。
むしろ書け。書いてくださいお願いします
やったー
★16
彼の腰に巻きついていた脚は、急速に力を失って離れた。
二人の間に溢れたどちらのものともつかぬ温い体液が次第に冷えていくと、メロは身体をずらして、
彼の腕の中に潜り込んだ。興奮の去った気だるい身体に、丁寧に、キスの後をつけていく。そうしていると、
身体の中のニアが、ゆっくりと回復していくのが感じ取れる。
メロは息を潜めた。
「・・・動かないのか」
「はい」
「あ」
反らした顎から首のラインを、彼の唇が辿っていく。身体のパーツひとつひとつがニアに馴染んでいって、
やがて区別がつかなくなるような錯覚に酔う。一方で、泡になって音もなく割れて消える、そんな
不安がよぎった。
「ニア・・・」
「・・・ル・・」
「?」
「ミハエル」
★17
安ホテルの窓の外はすぐ、隣の建物の壁で、カーテンを開いたままでも、夜なのか朝なのかわからない。
手探りでコップを掴むと、乾いた喉に、一気に水を流し込む。ベッドで眠ったのは、久しぶりのことだった。
夢の中の、ニアの甘く掠れた声を思い返す。身体中をほとばしった甘くしびれる快感、彼が触れてきた時の
手つきと息遣い、気配の近さ。握り返す指の強さ。
「親愛なる、メロ」
そう言ってみて、ロザリオを握り締めた。
>甘くしびれる快感
(*´Д`)ハァハァ
(*´Д`)ハァハァ
マットとの絡みも見たい自分がいる
誰か書いてください
>>518 ノシ
少し時間かかるかも知れないけど今書いてるので出来たら投下します
期待してまってます
521 :
518:2006/06/25(日) 11:53:49 ID:kzNXtvWw0
保守
まとめ読んで猫メロに萌えた・・・
なんだあの可愛いの!!!
なんだあの可愛いの!!!
(*´Д`)ハァハァ
保守
リンダとニアの仲よさそうなところにギリギリ嫉妬するメロ、というのを
書いてみたい
是非書いて
ま さ か ま だ あ っ た と は
傷が出来てからメロを女の子として見れんくなってスレ離れてましたが、
12巻表紙を見て、
この体のラインは女やろおおおおおおおおおおと再萌えして戻ってまいった。
保守
>527
大急ぎで12巻見た
ムッチリ太ももに萌えた
俺も無我夢中で12巻表紙を見た
全てに萌えた
き…
キッ
キッ…
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
うpキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
ネ申キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
>>532 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
も、もっと描いてくれ!
セーラーメロたん!
ブレザーメロたん!
体操服メロたん!
スク水メロたん!
536 :
532:2006/07/16(日) 22:11:26 ID:Yh5tVFOs0
何か描けたらまたうpしたいと思います。
文章も書けそうなら書いてみたいけどそっちの方の才能は無いんでorz
>535
セーラーは絶対に描きます!w
クル━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
アニメ化によって暗黒時代を乗り越え、このスレが再び日の目を見ることを
切に願う今日この頃
たどり着くのが遅すぎた
蛙御大に惚れ惚れしたので、ヘルシング片手にシリアスエロなニアメロでも書こう
539 :
532:2006/07/20(木) 01:24:14 ID:+ewWhQ5j0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
光の速さで保存した
乙です
キタ━━━━━!!
カワユス!!!
セーラー恥じらってるよ!かわいいな!
13歳メイドってシャー○ー?
543 :
532:2006/07/23(日) 05:21:54 ID:UGU1GZ/90
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおスク水えろいハァ━━━(;´Д`)━━━ン!!
背徳的なエロスがまたこうね!そそるわけですよね!
股部分のやらすぃ描き方に釘付けになりました。
12巻表紙メロの曲線美にまたこのスレに舞い戻ってきてしまいましたよ
このマターリ感大好きだぁー
自分も何か投下する能力があればよかったのですが…
一年ぶりに賑わってきたな…
ずっと張り付き時には保守し続けたかいがあったってもんだ…
チラ裏でつが
メロが苦しがっても止めず、大人の玩具でいじめ抜く鬼畜ニアメロ。
メロが苦しがれば一旦止めて、メロの涙を拭いて優しくキスを落とすマトメロ。
を妄想して萌えている
>547
心得た
>>547 いいねそれ
ニアとマットの違いが出ていて面白い
ちょっと文投下。
少し続く予定。
彼女が死ぬ夢を見た。二十一回目。
夢はいつも同じだ。自分は冷たい床の上でいつものように玩具を手にしている。
手遊びは好きだ、肉体が別の一点に集中するお陰で思考がクリアになる。
何もしていないよりもそっちの方が思考能率が良いからと、玩具を手にするのは
もう十年来のクセだ。十年前。彼女と一緒にいた孤児院。彼女。彼女の死を告げるのは
部下で、それは無機質な機械越しの音声だからか、現実感がない。だから私はいつも
動じない。瞬きの一つも一切乱れることがない、いつものリズムを刻む身体。
死体は確認できていないが絶望的だ。その言葉から暫く経って、死体を確認したと
連絡が入る。処理はどうするか。持ち運べ。ここに。私の傍に。
単純に隠蔽するのが目的だった。賢しい彼女ならば、自分が死んだ後でも残る
メモリーを隠しているかもしれない。または、身体になんらかの遺留品があるかもしれない。
それは、『彼女の死体』ではなく、『証拠品A』でしかない。合理的に論理的に導き出される
いつもの言葉。そして目の前に置かれた彼女。
とても綺麗な、白い顔。
目が開いて呟く、ほんの短い言葉。
『 』。
そこで目が覚める、二十一回目。
「…………」
目を覚ますと目の前には、シンプルなデザインのロボットがいる。黒い鉄の
パンツを履いたようなデザインがファンキーで、最近のお気に入りの一品。
金属特有のニオイが少し強いそれを引き寄せると、どこか押してしまったのか、
ロケットパンチが飛んでいく。
「いてッ」
声。
「あにすんだ、ニア」
彼女は綺麗なストレートの金髪を揺らせて、振り向く。
「過失です。すみません。引き寄せたら腕が飛びました、メロ」
「十九にもなってそんなんで遊んでんじゃねぇよ、ったく。ちょっと静かになったと
油断してたら……ほら、マザーボードの設置終わったぞ」
「ありがとうございます」
彼女――メロが帰ってきたのは、時計からすると、二時間ほど前だ。
モニターとサーバーが林立した私の部屋に、簡単な食事の差し入れと一緒に
やって来てくれた。様々な用事を頼むことから一緒に過ごす時間はあまりないのだが、
一応自分達は人並み以上に親密な関係と言うものを保っている。だから、
そういう相手である彼女が訪ねて来てくれるのは、単純に嬉しい。
すぐに出て行こうとするのを引き止めるためにマザーボードの調整を頼んだのは、
一時間前。忙しいとぶつぶつ言いながらも拒否はしない彼女の背中を見ながら
うとうとしてしまったのは、だから、三十分ほどのことだろう。首の後ろに浮いた汗が
クセ毛に絡んでベタベタと気持ち悪い。パジャマの袖で軽く拭い、
私はデスクに向かうメロの後ろに立った。
「またメモリー足りなくなってたから、増設もしておいた。サーバーあんまり増やすと
部屋が暑くなるだけだから、外部にバンクでも作った方が良いぞ。今だってこの部屋、
外より大分暑い」
「その辺りの面倒なことは出来ませんから、メロに任せます。貴方は性格や見た目に反して
細々としたことが得意ですし、適材適所です」
「お前は見た目や性格どおり大雑把で唯我独尊だよ」
け、っと小さく呟くメロの髪を見下ろすと、ふわりと薄く香りが立っているのに気付く。
四六時中マシンが稼動しているこの部屋は確かに少し蒸し暑いから、汗に混じって
シャンプーのニオイが浮かんでいるのだろう。すんっとつむじの辺りに顔を寄せて
鼻を鳴らすと、メロの肩が跳ねる。
「な、なにやってんだ」
「シャンプーのにおいがしたので」
会話が繋がってねぇよ、とメロはディスプレイを睨む。白い横顔には薄化粧。
そういえば、リドナーに弄繰り回されていたっけ――女の子なんだから、とか、言われながら。
つむじにそっと歯を立てたら、顎に拳を入れられた。
思わず吹っ飛んでしりもちを付くと、床に立っていたトランプタワーが崩れた。
「なッにしてんだお前は!! 喧嘩売ってるなら帰るぞ!?」
「メロ」
「なんだ変態!」
「あなたが死ぬ夢を見ました」
髪に絡まったトランプを落とす。
ジョーカー。
事件は終わったはずなのに。
「SPKの仮設本部で私は貴方の訃報を受ける。ジェバンニが遺体を持ってきた。
綺麗な遺体でした。心臓麻痺と言う割りに顔にも苦悶の表情はなくて、穏やかと
言うわけではありませんでしたが、眠っているようでした。実感が沸かない私は、
検死のために貴方に触れる。貴方の口唇が動く」
「ニア、」
「『お前は死ね』、と」
パソコンラックに備え付けの回転椅子の上で、彼女はなんとも言えないような表情をしている。
キラ事件解決と共にSPKは解散しているのだから、あれは、その捜査中の出来事と言う設定なのだろう。
もう、事件は終わっているのに。
私は胸に手を当てる。いつもどおりの鼓動、変わらないリズム。
叫びだしたら、きっと変わるのだろうけど。
「あー……お前、まだ根に持ってるのなー……」
「そういうわけではありません。でもこうやって無意識の夢に出てくるのだから、
そうと言えるのかもしれません。意識の表層しか認識は出来ないのですから、なんとも言えませんね」
「くそ、四年も前のことだろーが」
「もう五年前です」
あの孤児院を出る日、彼女の背中に向けた言葉。
『死なないで下さい』。
あの孤児院を出る日、彼女の背中から向けられた言葉。
『お前は死ね』。
立ち上がって彼女の傍に戻る。五年分伸びた髪は、もう肩についていた。
白い項が見えないのが気に入らなくて、掻き上げるように軽く引っ張る。
メロは抵抗しない。ただそっと、私の手に触れた。
ほんの少しだけ、鼓動が跳ねた。
「死なないで下さいね、メロ」
「二十二回目だ」
「ええ。夢で貴方が死ぬたびに言ってます」
「どうすれば死ななくなるわけ?」
「さあ」
彼女は笑う。
どうしろってんだ、なんて。
屈託なく笑う。
十年前のように。
まだ私達が、『少年』と『少年』であった時のように。
「死なないよ。生きてる。一緒に」
ぽすん、と。
座っている彼女は、立っている私の腰を抱き締めて顔を寄せる。
「死んでないさ」
「そうですね」
「死んでない」
「はい」
「確認する? もーちょっと涼しい部屋で」
悪戯気に上目遣いな彼女の視線に、私は少し表情を緩める。
「そうしましょう」
撫でた頬は、冷たい。
なんか暫く来ないうちに、改行とか文字数が窮屈になった気がする
気のせいかな
妙にレス増えてると思ったらキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
正座して続き待ってます!
自分も何か書いてみようかな。文章苦手だけど。
板が変わったせい>改行
前はPINKのなんでも
今はえっちねた
キテタ━━(゚∀゚)━━!!!
女の子メロたん(*´Д`)ハァハァ
ワイミーズハウスは孤児院として不自然なことに、0歳児がいなかった。
一番幼くても五歳程度と、ある程度の年齢に限られていた気がする。
それもそのはずで、あそこに引き取られるのは、学力や体力等何か
突出した能力のある子供達だけだった。それに気付いたのは十歳の頃。
メロと二人で、話し合っていた時だった。
「調べてみたんだけど、普通の孤児院ならもっと小さい子とかいても
良いはずなんだってさ、やっぱり。ここって資金繰りに困ってる様子も無いし、
人員に欠けてるわけでもないし、やっぱ変なんだよ。外の学校とか行かないで
全部ハウスの中だけで済ませちゃうしさ、養子縁組なんて全然聞いた事無い」
むぅっとピローを抱きながらベッドの上でごろごろ転がるメロを見上げながら、
床の上でホワイトパズルに向かう私は小さく相槌を打ってやる。指に覚えさせた
ピースをボードに並べると、疎らな白が生まれていった。縁から作っていくのが
楽だとロジャーは言っていたけれど、私にとってはどこから始めても同じ事だった。
どうしてかはよく判らない。どうして、縁から作ると楽なのか。ピースを探す手間が
増えるだけなのに。
「なぁニア、僕の話聞いてる?」
「聞いてますよ。考えているところです。確かに不自然なことだと思いますから
――テレビやネットで調べても、ここまで閉鎖的な孤児院と言うのは少ないです。
しかもここはこれだけの規模がありながらメディアにまったく露出していない。
調べられない場所になっています。と言うことは、何かしら後ろ暗いところがあると見える」
「後ろ暗いって、例えば? 政府の実験施設とか、細菌兵器のモルモットとか?」
「それは昨日見た映画です。大体実験ならばそれを観測する研究員が必要ですし、
モルモットにするならここまで大事に育ててはくれませんよ。三食食事が出て運動と
学習が出来る。予防接種等も徹底してしますし、閉鎖されていること以外、
異常は特にありません」
「ママ先生達が研究員だ、とか」
「そんな素振りは見えませんよ。私も観察はしていますし」
うー、と唸ってメロはごろごろとシーツの上に転がる。
ハウスに来た時からずっと部屋が同じだった私達は、よくこうして
お互いが疑問に思ったことを話し合ったりしていた。それは虫の生態に関わる
奇妙な行動だったり、片方だけ消えたレストルームのスリッパのことだったり、
おやつは普段どこに隠されているのかだったり。
今日の議題はハウスそのものにまつわることだが、ハウスの存在は大きすぎて
中々想像力を掻き立てるところまで燃料が続かない。大きいと言うよりも、
ここから出たことがない私達にとって、ここは世界そのものだ。何を考えたら
良いのか判らないと言うのが正直なところだろう――私はピースを嵌める。
まだ半分も埋まらない。
「視点を変えてみましょう。このハウスで充実しているところはどこなのか」
「ん。ああ、なるほど、それが目的に繋がるところかもしれないってことだね。
でも比較対象がなきゃ難しいことなんじゃないのかな、それ」
「いえ、簡単ですよ。メロだって言ってたじゃありませんか、『外の学校にも行かない』って」
「そうか――ドクターは外から来る、つまりハウスにはいないけど、
教師はママ先生達だもんね。ハウスの中にいるってことは、それだけ重要な
存在なのかもしれない。つまり、僕達に教育することが重要?」
「そうです」
メロと話すのは楽で好きだ。取っ掛かりになる言葉を提示すれば
そこから意思を汲み取って簡単に理解してくれる。この感覚に慣れすぎて
他の子供との会話がしにくくなるのは難点だったけど。
ふん、と鼻を鳴らしてメロは天井を見上げる。ごろごろ転がっていた所為で
服が乱れ、白いお腹がちらりと見えていた。本人は気にする素振りも無く
思考をしているから邪魔はしないが、あまり冷やさない方が良いとは思う。
自分は案外世話焼きなのかもしれない。
「駄目だよニア、ロジックを立てるには材料が足りない。僕達を教育して、
それからどうするつもりなのか。子供に勉強を教えるという行動は当たり前すぎて、
そこから先の可能性がありすぎる」
「殺し屋の養成でもしてたら判りやすかったんですけどね」
「それじゃ昨日見たアニメだよ。でもそんな感じかもね、マフィアの幹部養成施設
……でもなー、ロジャーってそんな大した人に見えない」
「同感です」
けらけらとメロが笑うのに、私も少しだけ頬を緩める。メロはよく笑うから、
私もつられることが多かった。好奇心が旺盛で感情の起伏が激しいから、
私もそれが興味深くて、少し楽しい気分になる。昔からそうだった。昔から。
「なに考えてんだ?」
むぅっとした声に引き寄せられるように、私は彼女の顔を見下ろす。
執務室とでも言えば良いのか――サーバーマシンや端末だらけの部屋の隣には、
一応きちんと空調の働いているベッドルームもあった。ただ私一人だとここまで来て
わざわざ眠るという行動をとくに取らないので、もっぱら彼女と二人で過ごすための
部屋であるとも言える。
ベッドの上に押し倒したメロの腹部に手を這わせると、ぬるいような冷たいような
肌の感触がある。相変わらず丈の短いジャケットで腹を露出しているのは、
少し気に入らない。だから、噛み付いてみた。
「いっだ! ニア痛いって、噛むな! 歯型が付くだろ!?」
「付けてるんです」
「はあ!?」
「お腹を冷やすのは感心しません。昔から言ってるはずなのに、
どうしてメロは覚えてくれないのでしょう」
薄い皮膚をやわやわと噛むと、くすぐったいのかメロは少し身を捩らせる。
ちろりとヘソを舐めてから顔を上げると、少し上気した顔を隠すように額に
手をかざしている彼女が見えた。白い手首を軽く舐めると、犬かお前は、
と軽口を叩かれる。従順にならない彼女は嫌いじゃない、口先だけの様子が
愛しいから。軽く頬にキスをすると、視線をこちらを向く。
「お前昔っから変わらない。腹を冷やすなとか、噛むとか」
「そうでしたっけ?」
「夜中に俺の寝相が悪いと、隣のベッドからわざわざ直しに来てたろ。
あと、喧嘩で取っ組み合いになると、お前絶対噛んで来た」
「それしか武器がありませんでしたし、いつもメロが一方的に私を押し倒して
いたんですから、取っ組み合いと言うのも正しくありません」
「押し倒してない、んッ」
首筋を軽く舐めると、汗の味がする。シャンプーのニオイも近くなって、少し心地良い。
こういった香料は本人の体臭と混じって独特のニオイになるというのだから、
これはやっぱりメロの香りなのだろう。ふんわりと花のようなそれは、優しくて柔らかい。
「十歳の頃からでしたね、メロが私を避けるようになったのは。夜中まで
議論したりすることもなくなって、一方的に毛嫌いするようになって――押し倒しが始まったのも」
「マウントポジションって言え! ん、だってあの頃だろ、ロジャーに教えられたの
――あそこが、Lの後継者を育てるための施設だって」
判らないことなら聞けば良い。私達がロジャーの部屋に向かったのは十歳の夏、
消灯時間を少し過ぎた頃だった。その当時の私達は一緒に行動する時いつも
手を繋いでいた。汗ばんでいたのは緊張からか、単純に熱帯夜だったからなのかもしれない。
単刀直入に施設の存在意義を尋ねた私達に、ロジャーは優しく笑いかけた。
よく辿り付けたね、なんて言って。
「まずこの施設に抱いた疑問を逃さずに心に留めたこと、
そして不足した情報を補うために奔走したこと、
そして堂々とこうして訪ねて来たこと。計算ではもう2、3年先になると
踏んでいたんだが、流石だったね、二人とも。総合成績一番と二番、伊達ではなかった」
「ロジャー、質問に答えてください。この施設は私達に何を求めている場所なんですか」
「僕達何か変なことされたりするの? それともさせられたりするの?」
「心配しなくても良い。ここは――」
L。世界的名探偵。ニュースや新聞を見ていれば、その名前は知っていた。
そしてその輝かしい名前を継ぐ資格が私達にはあるのだと、ロジャーは告げた。
この世界自体に疑問を持つことが出来たのなら、その観察眼は充分だと。
「御伽噺みたいでしたね」
「うん」
「嘘みたいです」
「うん」
「私達にそんな資格があるなんて、冗談みたいだ」
「……うん」
冷めない興奮のままベッドに入った私達は、そんな風に言葉を交わした。
続き待ってます。
「俺がLになりたかったってのもあったけど、
お前にももっとベストを尽くさせたかったんだよ」
むっすりとメロが呟くのに、私は上着のファスナーを下ろしていた手を止める。
額に翳された手が視線を隠して、その表情はよく判らない。幼ささえ感じさせる
なだらかな胸の曲線をそっと撫で、私は彼女の鎖骨の辺りに口唇を落とした。
唾液を垂らすと肌が震えて、淡い吐息が零れだす。
「お前ってばあの状況でも全然浮つかなくて、クールでさ
……一人でどきどきしてた俺が、馬鹿みたいで」
「これでもどきどきしてましたよ。どこから疑うのが正しいのか探すのに」
「そういうところがすっげー可愛くない……んっ」
軽く胸を揉んでやると、甘い声が零れる。宥めるように舐めながら
上目遣いにメロを見上げると、視線が僅かにかち合った。
すぐに逸らされるのも、あの頃から。やんわりと歯を押し付けてやりながら、
私は彼女の髪を遊ぶ。
「嘘ですね」
「ん、ぁ?」
「貴方がそんな殊勝なこと考えるはずなんてありません。メロ、推測ですが、
あの頃から貴方は『女性』になったんでしょう?」
メロの頬が、朱を引いたように一気に染まった。
「お、おっま、なにッ」
「あの頃から少し体力が落ちましたよね。二次性徴による
筋力や瞬発力の男女差が出てしまったんでしょう。そのジレンマを私に
ぶつけていた――違いますか? 私だけじゃなく、すべてにですね。
年下の子や女の子に意地悪を始めたのもそう。貴方は以前以上に
男子とつるんでいましたが、それは劣等感の裏返しだった。
唯一ぶつけられる『男』は、私だけだった」
「っん、やめッ言うな!」
「本当でしょう?」
軽く乳首を噛んでやるとメロの身体が竦む。殴られないように
両手を絡め取ったが、脚は自由だったので、腰の辺りを強かに蹴られた。
使い物にならなくなったら困るのは自分のくせに、変わっていないのは
私だけじゃない。こういうところこそ、メロだって変わっていない。
「私は心地よかったですよ。貴方がぶつける相手が、私だけでしたから」
「マゾ野郎」
「そうかもしれません」
ロジャーがこっそり私にだけ教えてくれた、メロの本当の性別。
だから私は、受け止められた。
それに耐えられなかったのは、メロ自身だった。
「でもあのセリフは、痛かったみたいです」
『お前は死ね』。
私はそっと、メロの首筋に歯を立てる。
一瞬だけ加減を忘れて、血が滲むほどに強く。
「ッい……た、ぁ!!」
四年間、二十一回、彼女が死ぬ夢を見た。
腕の中にいるはずなのに、今も夢を見る。
彼女が死んでしまう夢を見る。
胸に手を当てても鼓動はいつものリズム。崩れたりしない、動揺なんてしない。
どうしてだろう。
愛しいはずなのに。
冷たい、体温。
「メロ、もっと厚着してください」
「わけわかんないことゆーなッつーか痛い! 絶対血ぃ出てるだろ、くそッ離せ!」
「体温をもっと上げて下さい。貴方は冷たすぎて不安です。もっと熱い方が良い」
「ニア? 何言って」
「もっと、生きて」
背中に腕が回される。胸に顔を押し付けさせられて、鼓動を聞かせられる。
呆れたような溜息、冷たい体温。きっと響いているはずのリズム。
私も、そうだと良い。
おわり。ナチュラルにべたべたな新婚。
一応習作なので、次はメロ視点でもちょっとえろいの書こうと思う
チャイナとかチャイナとかチャイナとかで。
乙華麗。良かったです。又お願いします。待ってます。
>>578 グゥレイトォ!
乙です!今から読むぞ(;´Д`)ハァハァ
このスレが久々に活気付いてうれしすぎる
誰かいるー?長いの投下するんで支援キボン
ニアがおたくだってことは、重々承知していたつもりだった。
あいつが集中のためだと嘯いて集めている玩具の殆どは、ロボットものだ。
超合金からマグネット、ガンプラに戦闘機、果てはラジコンにミニ四駆。
単純に細々とした構造をもっているものを理解したり分解したり再構築したり
と言う作業が気に入ってるだけなのは、ハウスにいたころから気付いていた。
共有の玩具を勝手に分解してはママ先生に怒られてたし、
直すにしてもそのままの形にはしない。
そういうことに集中して楽しむ『おたく』だと言うのは知っていたつもりだったけれど
――どうやら俺の知らない四年間の間に、その性癖がパワーアップしていたらしいと
気付いたのは、今の今だった。
「…………」
人間感情の高ぶりがどうにもならなくなると、笑えて来るらしい。
いつも通り目を覚ましたキングサイズのベッドの上にニアの姿は無い。
あいつはいつも俺より早く目を覚まして隣の執務室に向かい、仕事に戻る。
俺が寝ている間に粗方のことを片付け、俺が起きたら少しゆっくり時間を過ごす。
そのために削られるのが睡眠や食事の時間だと言うのは不摂生だと思っている
けれど、言って聞くような相手じゃないから、俺が勝手に世話を焼いている。
そう、時間の使い方がニアは独特だ。一分も一秒も殆どを捜査に当てる。
単純に、探るのが楽しいから。
なのに、なんでこんなことをする時間はあるのか。
俺は見下ろした自分の身体に、ヒクリと乾いた笑いを零す。
着せられているのは、黒のチャイナドレス。
当たり前のことだが、俺には寝巻きにチャイナドレスを着用するなんて
そんなデスノ外伝小説担当作家の作品に出てくるおねいさんみたいな趣味はない。
膝上のミニで腰までスリットの入ったスカートなんて履くこと自体、ありえない。
こういうひらひらと心許無い布地よりは丈夫で光沢があって格好の良い
革製品の方が好きだし、ハルやジェバンニに散々勧められはするものの、
女性用の衣服自体持っていないのだ。
つまりこれの持ち主はニアしかいなくて、俺が眠っている隙に着替えさせたのも
ニアとかいないわけで。
サイドボードに置かれている鏡を見れば、ご丁寧に髪まで纏められていた。
左右に二つ作られたシニョンが、よく寝ている間に崩れなかったものだと思う。
いや、それ以前にここまでされて俺が起きないということがまずおかしい。
――床の絨毯に、催眠スプレーが転がってやがった。ぶち殺すあの野郎。
「ニア、てめぇこら何しやがってんだ!?」
怒りのままに足を踏み鳴らしながら、俺は執務室のドアを乱暴に開ける。
と。
「ああメロ、おはようございます」
白いカンフーの道着を来たニアが、いつもの椅子にちょこんと納まっていた。
思わずこけた。
強かにでこっぱちを床にぶつける。
「どうしたんですか、朝から騒々しいですよ」
『ニア、何かあったのか?』
「いえなんでもありませんレスター指揮官、それよりも相手はまだ自白しませんか?
まあアジトの場所なんて保険程度のものですから、突入の計画に関して
特に問題も変更もないのですが、念のためにと言う言葉がありますから――」
『自白剤の使用許可が下りないからな、根競べになる様相だ。何かあったら連絡しよう、
……あまりメロをいじめてやるなよ。通信を終了する』
「ありがとうございます」
「のんきに普通に仕事してんじゃねぇ!! むしろ気付いてるなら止めろレスター!!
それ以前にニア、こいつはなんのプレイだ!? ――ッて!!」
ぜえぜえと息をつきながら怒涛の三連続突っ込みをした俺はそのまま
ニアに詰め寄ろうとして、脚の裏に走る痛みに飛びのく。起き抜けの裸足に、
散らかった床の玩具部品が刺さったらしい。その割にぐにゃりとなんだか
柔らかかったような――俺はそれをつまみあげる。ああ、とニアが頷いた。
「先日日本から取り寄せたものなんですよ、子供用なので頑丈な玩具では
ありますが気をつけて扱ってくださいね。くれぐれも飲み込まないように」
「俺は子供か!? っつーかこれって」
「メロも聞いたことぐらいあるでしょう? およそ二十年ほど前に日本で一世を風靡した
玩具なんですよ、先日オークションで手に入れたんです。
二百体以上のコレクションでしたから、中々のものでした」
「お前また変な散財を」
「変とは失礼な」
むう、とニアは顔を顰めてから、珍しくにっこりと笑う。
「キンケシは文化です」
……誰かこいつを埋めてくれ。
「私のお気に入りはラーメンマンなんですが、なかなかこれを含んだコレクションを
見つけられなかったんです。単品で競り落とすよりはセットの方が良いと思ったので、
随分涙を呑んできたんですよ。やっと届いたので少し私は興奮しているんです。
やはりこの辮髪と、スマートな道着が良い。あまり筋肉を露出していたり、
妙な甲冑を着込んでいるよりは、こういうシンプルな方がそそられます。
純粋にロボットならそれはまた別ですが、やはり人間を基本にしているもの
ですからね。その点でロボット的な好みならばVガンダム、
クリーチャー的な好みならば、やはり衣谷デザインのデビルマンなどが――」
「もう良い脳が死ぬからそれ以上ほざくな!!」
1レス消費する勢いで語られたところで俺はそういうものに執着出来る性格じゃない、
拾ったキンケシの一つを投げつけてやってから、盛大に溜息を吐く。
殆ど聞き流し状態ではあったが言いたいことはなんとなくわかった、
つまり、ラーメンマンが好きなのだと。そしてその格好をしてみているのだと。
そしてそれに合わせて、俺にもこの格好をさせてみているのだと。
…………。
やっぱりぶち殺す?
演説を遮られたニアは少しむくれて見せてから、にぃやりと笑った。
単行本で訂正され世から葬られたはずのその気持ち悪い笑みに、
俺は思わず身体を一歩引く。すると奴の視線が嘗め回すように俺に纏わり付き、
下から上へと動いた。気持ち悪い、素で気持ち悪い。俺は果たしてなぜこいつの
傍にいるのだろうかと、根本的な部分に疑問を持ってしまう。
「着せた時も思いましたが、やはりメロにはよく似合っていますね。
全体的にスマートなデザインのドレスに肌とのコントラストを出す黒、
やはり私の目に狂いはありませんでした」
「頭が良い感じに狂ってるよお前は」
「髪だってたまにはそうやっていじってあげたほうが良いです。
勿論、ストレートのブロンドが掛かる項に萌えるのは確かなのですが」
「一遍死んで来い」
「腹上死ですか? 中々大胆ですね、まだ朝の時間帯ですよ。
もっともこの部屋には窓がありませんから、あまり時間感覚と言うものが
無いのかもしれませんが。体内リズムが狂うのはよくありません、
少し外で日光などを浴びるのも大切です。私には不要ですが」
「吸血鬼かお前は……」
突っ込み疲れした俺はぐったりと肩を落として腕を押さえる。
風通しの良い衣服はマシンの廃熱で暑い執務室に丁度良いけれど、
心情的にこんなものを着ているのがイヤだ。脚の辺りから腹までがすぅっと冷えて
気持ちが悪い。下半身に纏うものが何も無い状態がこんなに気持ち悪いなんて、――ん?
俺はニアに背を向け、ドレスのスリットをずらす。
ついでに胸元も覗く。
「ああ、下着なら線が出るといけないので外させていただきました」
「死ねこの変態馬鹿野郎!!」
手近なスピンドルをぶん投げるが、途中でそれは空中分解して辺りに
CD−ROMをばら撒くだけに終わる。落ちたそれを見てニアは『自分で片付けてくださいね』
なんて澄ましたセリフを言い放った。一人で熱くなってる自分に気付いて、
俺はまず呼吸を整え、脚を揃える。自覚した途端に、ドレスの頼りなさが一層増した。
腕もあまり上げられない、脇の辺りから胸が覗いたりしたら、軽く死ねる。
「可愛いですよ、メロ」
「嬉しくねぇよこのバカニア」
「でも可愛いです。中々倒錯的で」
倒錯してるのはお前だ、突っ込もうとして、無駄だと気付く。
駄目な方向でハイになってる奴に何を言っても無駄だ、
まず最優先事項は着替えることだ。もっと言うと、下着を探す。
着替えは鍵の掛かるバスルームでするのが安全だろう、
それが終わったら、飯を作って暫く外に逃げた方が良い。まずは着替え――と。
俺はニアの机の下に、妙な黒っぽい山が出来ているのに気付く。
…………俺の衣服の山だった。
俺の視線に気付いたらしいニアは、ああ、なんて声を漏らす。
「今日一日ぐらいはその格好を堪能したかったので、勝手ながら没収させて頂きました。
靴は隠していませんから外に出ることは出来ますので、安心して下さい」
安心できる要素は何処ですか。
「差し当たっては、朝食を作って貰えると嬉しいです。メロ」
毒でも盛ってやろうかと、本気で思った。
キッチンに向かうとご丁寧に中華料理のレシピがプリントアウトされていた。
食材も揃い、炊飯器や中華ナベまで装備されている。使ったことの無い
機材は少し不安だから、あまり手間の掛からないものとして、チャーハンと
ラーメンを作る。味はあいつの好みに合わせて少し薄く。手の上に皿を載せて
ダイニングに向かうと、いつもは呼ばなきゃ来ないニアが席について待っていた。