木内晶子はテレビ番組の収録後、マネージャーと一緒にテレビ局の外を歩いていた。
「木内さん、そろそろ事務所に戻りますか?」マネージャーが晶子に声をかける。
「あっ、いけない!楽屋にリップクリーム忘れてきちゃった!取りに行くから待ってて」
晶子はそう言うと走ってテレビ局に戻り、楽屋に向かった。
楽屋のドアが閉まっているのに気が付いた晶子はドアを軽くノックすると、ドアを開けて楽屋に入った。
すると、晶子は信じられない光景を目にした。ひそかに憧れていた先輩俳優である柴田兵庫と風間俊一が抱き合い、唇を重ねていたのだ。
二人は晶子が入ってきたことにも気付いていなかったようだ。
舌を入れて絡ませているのか、二人の口元からは濡れた音が聞こえ、柴田の手は風間の腰に回され、風間の手はシャツの上から柴田の胸をまさぐっている。
(きゃ〜、どうしよう、すごいもの見ちゃった・・・)
風間が両刀使いらしいという噂を耳にしていた晶子だったが、実際に男同士のラブシーンを目の当たりにすると、体が固まってしまう。
リップクリームのことなど忘れて逃げ出そうと思ったが、足が動かない。
晶子が当惑している間に柴田と風間の接吻は終わり、二人はようやく晶子の存在に気付いた。
「晶子ちゃん、何してるの?」
「あ、あの、その、忘れ物を取りに・・・」晶子はどぎまぎしながら風間の問いに答える。
「晶子ちゃん、失礼しますぐらい言わなきゃダメだろ」柴田は晶子に近づいて言った。
ちゃんとノックしたのに・・・と思いながら晶子は少し頬を膨らませる。
「礼儀のなっていない悪い娘にはお仕置きだ。風間、ドアを閉めろ」
そう言って柴田が晶子を押し倒す。
「あっ!」晶子の小さな悲鳴は、風間がドアを閉める音にかき消された。
「柴田さん!」晶子は赤面し、これから起こることに不安を感じた。
しかし不思議と嫌悪感はない。晶子の柴田に対する憧れには、彼に抱かれたいという感情も混じっていたからだ。
柴田は晶子のスカートを捲り上げて下着をずり下げ、両脚を広げさせる。
「こんな格好、恥ずかしい・・・それに風間さんに見られちゃう」
晶子の声に構わず、柴田は晶子の脚の間に顔をうずめ、晶子の秘所を舐めはじめた。
「うっ、うっ・・何だか変な感じ・・・!」
柴田の薄く形の良い唇が、止めど無く溢れる晶子の愛液をすする。
秘所にキスされるという初めての経験に、晶子の体は快楽を感じて震える。
柴田は晶子の秘所から唇を離すと、ズボンのベルトを外し、ズボンとトランクスを下げて、晶子の体をうつ伏せに回転させた。
四つんばいの姿勢になった晶子の秘所に熱い感覚が走る。柴田の逸物が入ってきたのだ。
「体の奥が・・熱くて、痛い・・・でも、いいっ!」
晶子は柴田に後ろから何度も突かれ、中を掻き回されて激しくよがる。
柴田は背後から晶子のふくよかな乳房をつかみ、自身の律動に合わせる様に何度も揉みしだく。
「たまらんなあ」二人を見張っていた風間はそう言うとうつむき、片手で股間を握り締める。
柴田の晶子への「お仕置き」の見張り役としてずっと楽屋にいた風間が、二人の激しい行為に興奮しないはずはなかった。
「晶子ちゃん、俺のも口でして欲しいんだけど・・・」
風間が喘ぐ晶子の前に立って少し恥ずかしそうな口調で言う。
「は、い・・・」
風間がズボンのジッパーを下ろす音が晶子の耳に入る。
返事はしたものの、風間のいきり立ったものを見ると晶子は少し怖くなった。
風間のような美貌の男にも、こんなグロテスクなものがついている・・・
「怖くないから、口開けて」
男のものに対する恐怖を感じながらも、風間の優しい声に誘われ、晶子は彼の逸物をそっと口に含む。
アイスキャンディーをしゃぶるように舌を動かし、時に吸い上げる。
口を塞がれたことで出せなくなった甘い喘ぎを口での愛撫に変えるかように、晶子は風間を刺激する。
ずっと晶子に快楽を与えていた柴田はそろそろ余裕がなくなってきたのか、いっそう腰の動きを激しくした。
「!!」晶子の体に電流にも似た激しい快楽が走った。
それとほぼ同時に風間は絶頂に達した晶子の口腔に熱い精液を放出し、柴田も晶子から逸物を引き抜き、彼女の背に精液をぶちまけた。
「はあ、はあ・・どうだった?俺のお仕置きは」行為の後、息を切らせながら柴田が聞く。
「怖かったけど、すごく気持ちよかったです。お仕置きなんかにしておくのもったいない」晶子が答える。
「でも、今度礼儀知らずなマネしたら、次は本当に痛いお仕置きだからな」柴田がそう言うと晶子は小さく頷いた。
(そう言えば、何か忘れていたような)
「晶子ちゃん、忘れものってのはこれかい?」
風間がテーブルの上にあったリップクリームを晶子に差し出す。
「はい、それです!風間さん有り難うございます」晶子は風間に一礼した。
「ちぇっ、風間ばっかりいいかっこしやがって・・・風間、行くぞ」
そう言うと柴田と風間は楽屋を後にした。
「さようなら」晶子はそう言って頭を下げると、乱れた衣服を直し、自分も楽屋を出ていった。(終わり)