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第一章
『聞いてよー!昨日もさー、お兄ちゃんってば最低なの!!』
ガヤガヤと騒がしい教室には、透き通るような光が斜めに差し込んでいる。
大望の夏休みに向けてカウントダウンに入った7月、いつもの朝の風景の中、
クラスで一番仲良しの友達ゆかりちゃんが私に話しかけてきた。
『まゆ〜聞いてよー!!私のお兄ちゃん、昨日もまた、私のプリン黙って食べちゃったんだよ〜!!
しかも、空になったプリンの容器だけ冷蔵庫に残してて、ばれないようにしてるつもりなの。
ホント最低って思わなーい!?』
『そうだよねー!!ほんと最低だよねー!!アハハ〜!!・・・』