そうあれは10年以上の前の話
かみさんは家のひと部屋を事務所がわりに仕事をしていた
そこに手伝いにきていた女子大をでたばかりの娘
締めきり間際になるといつも家に泊まりできていた
なんとなく俺とは親戚の従兄妹みたいに仲良くしていた
かみさんの仕事が一段落したある夏の日
知り合いが住むある島に遊びに行く事に
海岸で3人で遊んでいたのだが
かみさんは「私はちょっと休憩」と浜辺にひとり戻ってしまった
二人で泳いでいるうち入り江の反対側、かなり底は深い
かみさんのいる浜辺は見えなくなっていた
そこへスコールにも似た急な雨
ふたりあわてて岩の洞くつへ避難
雨はしのげたのだが気温はどんどん下がっていく
洞くつの砂地へ上がるがとてつもなく寒い
ガタガタと震えていた躯を互いに引き寄せる様に
「水着が冷たいから脱ぐ あっち向いて」
あっという間に裸の彼女が自分に抱き着いてくる
「○○君の水着が冷たい ○○君も脱いで」
夏なのに急な雨でこんなに気温が下がってしまうとは
確かに濡れている水着のままでは寒い
直に肌と肌をあわせたほうがはるかに温かい
互いの肌のぬくもりで震えがとまるかわりに
ふたりの心臓の鼓動が激しくなっていった
自分の下腹部と彼女の腹部の間に押さえきれなくなったモノが
気まずさに耐えられなくなり
「ごめん こんな時に」
かすかに聞こえる声で
「・・・いいの」
胡座で座る自分の腰に両足をからめ彼女が抱きつく格好で
「熱いね これ」
といいながら彼女腰をあげて俺を包みこむよう沈めていった
「えっ こっこら」
押さえのきかないからだとは反対の言葉
せめてもの理性 抵抗だった
「はじめて逢った時からこうしたかったかも」
からだを密着させながら温めあい
さらに熱い芯を彼女へ
このまま時が止まってほしかった
やがて彼女に熱い体液をそそぎこみ
荒い息だけがこだまする洞くつの中
いつしか雨はやみ眩しい光が二人を照らしていた
あっ!海だった