>>486 人はいずれ死にます。どんなに頑張っても死に打ち勝つことはできず、
必ず死が訪れます。しかし、人間は何千年も存在し続けています。何故
なら、人はただ死ぬのではなく子孫を残すからです。その本人が死ぬ代
わりに、新しい人間の命が生まれるからです。
HIVも同じです。人間の体に宿り、その体内で生きるのです。しかし人間
の寿命は限られています。ただ人の体内で生き、人の死とともに消え去る
のであれば、HIVの生命はそれまでです。せいぜい、80年が限度です。
しかし、HIVはただ死にはしません。人の体を借りて、生殖行為とともに
繁殖するのです。そうして新しい人体の中、新しいHIVウィルスが生き始
めるのです。こうして人から人へ、HIVの生命は受け継がれていくのです。
HIVの死と人間の死は共にあります。感染者が死ねば、もちろんその体内
のHIVも滅びることでしょう。HIVウィルスの存在理由は、それ固体の生存
ではなく、ただひたすら“繁殖すること”なのかも知れません。繁殖によ
り別の体内に感染し、繁殖によりその体内で増え続け、人の抵抗力を奪い、
人と共に死にます。HIVは繁殖により生まれ、繁殖により死ぬのです。
人もHIVも、いずれ死にます。しかし子孫を残したり、繁殖することによ
って、その存在はそれ固体の命よりも遥かに長く存在し続けます。そうし
て繁殖することに何の意味があるのか?・・・そんなことは、誰も答えられ
ないでしょう。すべての生命を人間が作り出した訳ではないのだから。
人の死とHIVの死は共にあります。
人の生殖と共に、HIVは繁殖し続けることでしょう。