>>7 《続き》
なにしろ、そんなムードに尻を叩かれ、92年1月、宮沢喜一首相(当時)はソウルで開かれた
日韓首脳会談で盧泰愚大統領になんと6回も謝罪の言葉を述べているし、翌93年8月には、
河野官房長官(当時)が公式に「官房長官談話」の形で「官憲による強制連行」を認め、
あらためて謝罪した。そして、ついには、今年4月から使われる中学校の歴史教科書すべてに
慰安婦の記述が登場するところまで事態は進んでしまったのだ。
しかし、官房長官が認めようが、教科書に載ろうが、ウソはウソだ――。 (中略)
植村記者の意図的「誤報」
それは、大阪朝日新聞の91年8月11日付朝刊に載った「思い出すと今も涙 元朝鮮人
慰安婦を韓国の団体聞き取り」という記事である。
植村隆記者は大阪の社会部に所属していたが、将来のソウル特派員含みでソウルに留学
したこともある韓国通。留学先で知り合ったソウルの「太平洋戦争犠牲者遺族会」の幹部
(梁順任・常務理事)=当時=の娘と結婚。そのルートで、韓国人の元従軍慰安婦が近く補償
を求めて日本政府を提訴することをいち早く知り、韓国紙も知らないうちにスクープしたものだ。
問題は、書き出しの部分である。
<日中戦争や第二次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に
売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることが
わかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」が聞き取り作業を始めた・・・・>
と始まるのだが、<女子挺身隊の名で戦場に連行され>ウンヌンが全くのウソなのだ。
しかも、それは根本的なウソである。その元慰安婦とは、その4日後にソウルで記者会見し、
間もなく来日して日本のテレビ、新聞にも登場して有名になった金学順という老女だが、彼女
は自分の生い立ちを記者会見でも訴状でも、そんな風に語ったことはない。 《続く》