>>35 (つづき)
決議案には、「慰安婦の悲劇は20世紀で最大の人身売買」など、歴史認識へのバランス
感覚を欠いた表現も目立つ。
第2次大戦中、ドイツは占領地域で組織的な“女性狩り”をしていた。にもかかわらず、
米議会がこれを一度も問題にしていないのは、なぜか。
占領下の日本には、占領軍将兵専用の慰安婦施設があった。もとは占領軍将兵の性暴力
を恐れた日本側の主導でできたものだが、占領軍の命令で設置された施設もあった。決議案
に賛成した議員たちは、こうした事例も精査したのか。
慰安婦問題が混乱する原因は、93年の河野洋平官房長官談話にある。
河野談話は、確かな1次資料もないまま、官憲による慰安婦の「強制連行」を認めたかの
ような叙述を含む内容になっている。以後、「日本が強制連行を認めた」と喧伝(けんでん)
される材料に利用された。
河野談話について、安倍首相は国会答弁で、継承する意向を表明した。同時に、「狭義の
意味での強制性は事実を裏付けるものはない」とも指摘した。
狭義の強制性、つまり、官憲による「強制連行」がなかったことは確かではないか。首相は
こう言いたいのだろう。
事実誤認や歴史の“捏造”まで、「継承」する必要がないのは当然である。
ttp://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061015ig91.htm