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ここ数日、プリントアウトした「大正版福沢全集社説一覧」と「演説一覧」
と、現行版福沢全集「時事新報論集」、それに安川寿之輔『福沢諭吉の
アジア認識』、平山洋『福沢諭吉の真実』を参照して、平山・古井戸論争
で、どちらの主張が妥当かについて考えてきた。
まず結論から。状況証拠からは、平山が圧倒的に優勢、である。
「大正版社説」には、朝鮮領有や中国分割に触れている社説が1編も含
まれていない。収録されている社説で朝鮮を扱ったものはすべて、独立
支援に関するものである。中国分割を提唱したものもない。台湾割譲を
テーマとしたものもない。まさか、これほどハッキリしているとは!
念のため、安川が『アジア認識』資料篇で、「蔑視」としていた、「時事新
報論集」分66例(『真実』170頁参照)にあたってみた。うち大正版所収社
説は、次の4例だけだ。
14番「東洋の政略果たして如何せん」(1882年12月)波多野執筆推定、
ただし福沢の草稿あり
51番「前途春如梅」(1885年1月)中上川執筆推定
191番「軍資の義捐を祈る」(1894年8月)石河執筆推定
202番「朝鮮問題」(1895年6月)石河執筆推定
まあ、原稿が残っているのに波多野執筆とされている14番がご愛嬌で、
これなぞが米原謙によって指摘されている平山による身びいきなのかも
しれない。とはいえ、平山の判定を無視しても、現行版66例の蔑視表現
中、大正版が4例、昭和版が62例というのは、収録全編数大正版224編
昭和版1246編からみても、有意の差であると思う。
試みに出現率を出すと、大正版は4/224で、1.8%、昭和版は62/1246で
5.0%である。出現率は2.8倍昭和版が多い。(平山の起筆者推定を信じ
るなら大正版では皆無となる。)
2 :
後悔の人:
本スレは「大物近代史家総合スレ」の誤爆です(あーみっともない!)