>>24 植民地を統治するにあたって、自国と完全に分離して
王の私有地にするか、憲法からダイレクトに差別的
取り扱いをすることを明記すれば非立憲国とは言えない。
もっとも後者は、立憲国であるかどうか疑わしいと言えなくもないが。
日本の場合、台湾・朝鮮は法的に見て天皇の私領地ではない。
あきらかに日本国の一部。そこに住む住民も国民。であれば、
大日本帝国憲法の秩序におかれるなければおかしいことになる。
差別的取扱いをするにしても、その差別的取り扱いの法的根拠が
憲法に依拠するのでなければ、立憲主義とは言えない。
そのような視点から見れば、戦前の台湾・朝鮮統治は立憲主義的な
ものであったとは言えない。なぜなら、台湾・朝鮮はどう解釈しても
大日本帝国憲法から根拠づけられて、憲法適用除外されそのように
統治されたとは評価できないから。むしろ台湾・朝鮮統治にあたっては、
憲法に上位する権限によって直接根拠づけられ、行われたと解釈する
のが自然である。
欧米の植民地設定にあたっては、名目的であれ原則として憲法秩序
のもとで行われていたと解釈すべき。主権の一部を譲渡した保護領で
あれば現地の住民は本国の憲法外におけるわけだし、その場合の譲渡
された主権も本国の憲法秩序に組み込まれ運用される。日本の場合は、
保護領化ではなく内地化だし、本国に組み込まれた後も本国の憲法秩序外の
特殊領域として設定・運用されたのだから、欧州の一般的な植民地とはことなる。
日本の植民地はあきらかに憲法秩序外の存在だし、それを可能にしたのは
憲法に上位する天皇大権が存在したから。つまり、戦前の日本は真の意味の
立憲主義国ではなかったと考えざるをえないのだ。