石仏発見 仏教弾圧期に破壊か
カンボジアのアンコール遺跡で、13世紀、仏教が弾圧されていた時代に破壊されたとみられる、複数の石の仏像
が見つかり、手厚く葬られるように埋められていたことから、当時の人々が弾圧の中でも深く仏教を信仰していた
ことを裏付ける資料として、注目されています。
石仏が見つかったのは、世界遺産に登録されているアンコールワットの東にある、寺院遺跡、バンテアイ・クデイ
の敷地内で、遺跡の保全などを進めている上智大学の調査団が21日までに発見しました。土の中から見つかった
石仏は6体分で、いずれも破壊されて頭部や腕などに分かれた状態でしたが、元の大きさは80センチほどだった
とみられています。調査団によりますと、仏像は、その様式などから、アンコール王朝が最盛期を迎えた
13世紀初頭ごろに作られ、その後王位に就いたヒンズー教の王の下で、大量に破壊された石仏の一部とみられて
います。調査団は、9年前にも同じ遺跡で、同様に破壊された大量の石仏を発見していますが、
今回見つかった石仏は、すべて、遺跡の本殿に正対した状態で、ていねいに埋められていたということです。
調査にあたった、上智大学アンコール調査団の田畑幸嗣さんは、「仏教が弾圧されていた時代でも人々が仏教
を陰ながら信仰していたことを示す、きわめて貴重な資料だ」などと話しています。
ttp://www.nhk.or.jp/news/html/20100822/t10013491821000.html