青銅器のリサイクル工房か 銅鐸破片や鋳型出土
2007年12月6日 18時18分
奈良県桜井市の脇本遺跡で、古墳時代初頭(3世紀初め)に捨てられた銅鐸の破片や銅くず、鋳型などが見つかり、県立橿原考古学研究所が6日、発表した。
銅鐸は弥生時代の祭祀で使われたが、古墳時代には使われなくなったことから、同遺跡は不要になった銅鐸をリサイクルして、別の青銅器を鋳造した小規模な生産工房とみられるという。
北西約4キロで大和王権につながるとされる巨大集落跡・纒向遺跡が同じ時期に出現しており、同研究所の寺沢薫調査研究部長は「纒向の都市建設と関係があり、王権の意向により、ここで青銅器を生産していたのかもしれない」と話している。
銅鐸の破片は3点で、最大で長さ約4センチ、幅3・5センチ。発掘した計9棟の竪穴住居跡のうち、1棟を埋めた土から見つかった。周囲には土製鋳型の外枠や鋳造の際に出る銅くずなどが散乱。集落内の別の場所で生産し、捨てられた可能性が高いという。
(共同)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007120601000453.html