1933〜36年、天保の大飢饉が起こり、天下の台所・大坂も米不足に陥り、米価が高騰、多数の餓死者をだす事態に至った。 ___
××│| /__ ヽ
××│| / |⌒ヽ\| ヽ 「父上、大変です〜。」
──┘|/ |+ |─l- 、 |
 ̄ ̄ ̄| cーU # ノ / っ
| / ⊂_/ ⌒ヽ\ヘ/ っ
|/ ⊂j ゙ .へ
 ̄ ̄ ̄| (ヽ∩ヽ二二 // ヽ ←大塩格乃助
| / 三 j ̄ ̄ ̄ ) l
___|/  ̄  ̄ ̄ ̄| | ───
| / ,−┼ー──|  ̄ ̄ ̄
| / /´ヽ/ヽ_|.___ノ、_,− 、 ⌒ ヽ
___|/ ! //ヽ/ \ | |__ l ── )
/. \ __ノ  ̄ ̄|ー !  ̄ ̄( ノ
/ `ー′
↓大塩平八郎
____ /
/ / ⌒ヽ⌒ヽ\ / 「大坂中に餓死者が溢れております!」
/ , -| (((|))) |-、ヽ _
/ / ` ー ●ー′ ヽ , -──- 、
/ / 二 | 二 ⌒ヽ /___ \
| | /⌒\─ | ─ __.ノ | ⌒ヽ\| ヽ
| ! /  ̄ ̄ ̄ ̄ / / |+ |─| ヽ
. | | | (⌒ヽ⌒) / / _c 、_ ノつiヽ |
ヽ ヽ、______/ / )) (_U U_ ゙ | |) /
(( >━━━━O━━ く  ̄ ̄ ヽー´\ ヘ /
/ / ____ ヽ ヽ ⊂| # l
◯ | ヽ ノ | |◯ ヽ二二_ / ̄ ̄ヽ
| ` ー /⌒ヽ─′ヽ /^rヽ //  ̄ ̄`ヽ
ヽ、 | |___ ノ ( ( l ノ、 /⌒ヽ \
 ̄ ̄ ` ー ′ ヽ、/ \/ l l
「なにっ!」
この事態に心を痛めた前の大坂東町奉行与力で陽明学者の大塩平八郎は、
現与力の養子格之助とともに大坂町奉行の跡部山城守に庶民救済を進言した。
「大坂からの米の積出しを禁じて、対策をとっておろう。
, -─- 、 与力風情が出過ぎたマネをするでない。」
ゝ/ ___ヽ _\ _____
/ | //⌒| > _____ |
. | (||─| ・|  ̄ |⌒ w⌒ヽ | |
ヽへ/ #ー b _| ミ|・ / |_ |
ノ─、 〜⌒\_つ \ ーo ー´ )
/ ̄ ̄ヽ── ´ _∩ `TTT⌒l) ノ
l | | ` ┐) ヽ─ ̄▽▽ ヽ
| | | ー└─| | \
| ̄ ̄|─| |───|.⌒)
|─┬.uuj |___|  ̄
|__|__| |_| |_| ←跡部山城守
|__|_ |_ __|_| |_|__
(_( __) (__)(__)
「貧民に米を配ってください。」
しかし、跡部のこの政策は、結局のところ大坂の外での米の闇取引を増加させることになり、
結果、大坂市中に米は入らず、さらなる米不足を引き起こす事態になる。
「お奉行の言う通りではますます米が不足します。」
, -──- 、 ______
ゝ/ ______\ / ─ 、 ─ 、 `\
/ | / \| / // | 0\ヽ ヽ
l | / ⌒ヽ/⌒ヽ|_ // | v | l`ヽ ヽ
! |─| ・|・ | )/) / `ー ● ー─ ′ \. ヽ
/⌒ ヽ_ ノ ヘ__ ノヽ /) | ── | ── ヽ i 「ううむ、知行合一こそが陽明学の教え
ヽ_ __っ ノ ( _) | --─ | ── | | このまま見過ごすわけにもいくまい。
\ (__/ />ー ´ ! ── | ── l ! なんとかせねば。」
/` ー_─┬ ´/ ヽ / ̄\ / /
/ \/\| / ヽ / \ / /
| 、 \ | ヽ /⌒ヽ/⌒ヽ/ /
ノ、 \ ヽ/ )_ |━━━ヽ_ノヽ_ノ━く
|  ̄ ̄\/ 、-′ |  ̄ ̄ ノ、 l
ヽ__ヘ._\ ヽ).′ | ___ / `.ーィ
「致し方ない、ワシの蔵書を売って金を作ろう。」
___ ___
/ - 、- 、\ /___ \
/ , -|/ ・|∠ !-ヽ |− 、ヽ | i
i / `- ●-′ i. |・ |─|__ !
| i 三 | 三 ) d ー ′ 6) /
. ! | / ̄ ̄ ̄/ ̄ ヽ、 ヽ/
ヽ ヽ ヽ(二二)_ ☆ /二二ヽ
l━━━o━−○/″ | |⌒| |
|  ̄○| ̄ ̄ ̄ ̄i. | | | | 「ち、父上…」
 ̄  ̄ ̄ ̄ ̄
大塩は蔵書を売って作った金で米を買い、貧民に分け与えた。
___ 「ほらほらお助け米じゃ。」
ゝ/_____ヽ
| ̄ ̄| / | / /⌒ヽ⌒ヽl
l__∩ | __|─| ・|・ |
ヽ_ノ、( ー oーヽ
\ \ ┌─ ノ , ──── 、 「こちらにもあるぞ、
(( \ ヽー─┬ ´ / \ 遠慮のう食べるがよい。」
\ \/\|ヽ / ヽ
| l | l l ⊆⊇
.______|_____|_|_ | l l. | ))
\____\___\__ヽ /⌒ヽ=
\|____|___l___ ヽ /ヽ_ ノ
\|____|___|___ 〉━━━━━━´ /
\|____|___|____/ /
 ̄│お助け ||お助け| ( ) |
しかし、この行為に対し、3日後には奉行所は禁止命令を出す。
「ワシのやることへの当てつけのつもりか。」
, ──‐ 、
/____ \
┌‐───────, l⌒ヽヽ| ヽ
| _______ <. |. |─l、 |
. /⌒) | | / ⌒ W⌒ヽ! ̄ /、__ノ ||) ノ
ヽ、_ ノヽ /ヽl | ・|< ノ l ´\ /
( ( \ ヽ ` ー oー ´ フ ヽ、 `7
. \ 「| /⌒ ー─,─ ´  ̄∠二二l
/⌒ヽ / | ヽヽ二)_/ )⌒ヽ )) /^ヽ/^l ̄ ̄ ヽ
| | | 1⌒ヽ、 ヽ/ヽ/  ̄ ̄ヽ-イ / / |=| |
|─| |┴、ノ ヽ_ / | ̄ ̄ ̄ 「| / ヽ/ | | |
`ー‐′ \ ___/ | | | luuノ`ーl.___|____|
ヽ ヽ |______」_| / \ __/
/ー_/_ /、__/ /_/
(  ̄ ) _|__| _|__|
 ̄ ̄ ( )___ )
「今後一切  ̄ ̄
米を配ってはならぬっ。」
それでも、大塩は資金調達のため、豪商 鴻池善右衛門に対して資金提供を申し入れるが
__, −、
/ _____ノ
/ // ヽ
| | ┃ ┃ | 白米ウマウマ
|__| ⊂⊃ ヽ
ゝ/  ̄ ̄ ̄ \ ( __つ !
/ _ヽ ヽ / / ノ
| | |、 / ヽ/⌒,=!j!i 、´ ←鴻池善右衛門
| |─|| / \/\ノ !ii! \
ヽ (|| ! i / ヽ ̄ ̄ノ ヽ
\ , へ/ ノ | \_ / =m)_ノ
|__┌ ´____|_______|____
/───ヽ、 ⊂⊃ __ \
| i\ ヽ二ヽ ヽ__ノ ( ( ) ) \
. | ̄ ̄ ̄ ̄| |\\ `─┘  ̄ ̄
「貧民を救うために、禄米を担保に1万両貸してくれぬか。」
, - 、___
(_____ \
/− − ヽ ヽ
i | i
| ‘ ‘ |__| 「大塩様に金は貸すなと
ゝ/  ̄ ̄ ̄ \ / ( . .) ) お奉行様に言われておりますので。」
/ _ヽ ! ノ
| | |、 \ )=( /
| |─|| >─── <
ヽ (|| ! / /⌒,= \
\ , へ/ ノ i \/\ノヽ ̄ ̄ノ、
j__┌ ´____|___/__=m)_ノ___
/───ヽ、 ⊂⊃ __ \
| i\ ヽ二ヽ ヽ__ノ ( ( ) ) \
. | ̄ ̄ ̄ ̄| |\\ `─┘  ̄ ̄
「・・・・・・・・・・・・・・」
既に跡部の手が回っており、金を借りることはできなかった。
____
>  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
> ________ |
 ̄ |/ −、 ─ 、 ヽ| | 「家慶様が新将軍になられるのか
|| ・l ・ l | | 祝賀の儀式に米が必要となるな。
|| | ノ ⌒ヽ なんとしても調達せねば。
<_`ーo ー´_ _ノ (兄のためにもここで点数を稼がねば)」
_  ̄) ̄ ̄/ /
=/ ┬'=(二)/- イ_
l ノ、 /|/\/ ヽ
ヽ \/⌒ヽ_/_/
さらに跡部は実兄の老中水野忠邦の求めに応じ、大坂城内に備蓄していた蔵米を江戸へと送る他、
大坂の外の闇市場でも米を調達し、大坂へ入るはずだった米も江戸に送り米不足にいっそうの拍車をかける。
大塩は武装蜂起によって町奉行を討ち、根本的な社会変革を目指すことを決意する。
, ─- 、 ____
. ゝ/_____ヽ /−、 −、 `\ 「もはや武力で山城守を
/ | ノ ⌒ヽ ⌒l / | ・|・ |- 、 ヽ 討つ以外にないと思うのじゃ。」
| __|─| ・| ・ | // `ー●ー ′ \ ヽ
( `ー oーヽ l 三 | 三 ヽ l
ヽ _ ノ (___|___ | l
>─── ´ ) ヽ l __ `ヽ ! /
/ \/\| / _ ヽ ヽ__(___)ノ / /
| | | ( __)ー━━O━━━━━く
|_| | \ |/ ____ ヽ /⌒i )___
/ ヽー──| /⌒ゝ─- 、 ノ ノ`ーィ´┬───
uuj`___l l | `ー ´ ノ、 |___
l l l `ー`┬- 、____ / l |
| | | 〉ー(____.l/ |───
ヽ_ ノ | |
「それ以外にはないでしょう。」
1937年、大塩は蔵書を売り払って大砲をはじめとした武器を調達し、一気制圧を名目に塾の師弟に軍事訓練を施す。
また大坂市内や近隣の農村に檄文を回し、蜂起の準備を進める。
しかし、決起直前になって内通者が出て、蜂起の計画が奉行所の知るところになった。
, ───── 、
. / / ⌒ヽ ⌒ヽ \ 「く、裏切り者がでるとは…
/ , ┤ /・|・\ ├ 、 ヽ このままでは奉行所に捕らえられてしまう。」
/ / ` ー ● ー ′ \ ヽ
/ / ── | ── ヽ l
l / ── | ── | l
l l ── | ── l l
______
. / /⌒\/⌒ヽ
/ , −| ・|・ |、\ 「よおし!!
/ / ` ー ●ー ′ヽヽ
/ / 二二 | 二  ̄ノ 準備不足だが仕方ない。
l / /⌒\ ── | ─ / 決起してやれるところまでやるのだ!」
| | /  ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄
l | | / /⌒ヽ
l | ヽ /⌒ヽ⌒ヽ |/ヽ__ ノ
ヽヽ `ー───┴─7 /
>━━━━━O━━ /
このため、2月19日に大塩は準備不足ながら天満橋の自邸に火を放ち決起。
与力朝岡助之丞宅を砲撃したのち、鴻池、三井などの豪商の邸をつぎつぎと襲撃、金銀や米を略奪していった。
/ | /____ ヽ
/ | // l−、 − 、ヽ| ヽ
/ |/ / | ・|・ |- |__ ノ ____
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┃┃┗┛┗┛ \\\ ̄ヽヽ / ヽ <__ / | ・|・ |- 、 ヽ
┃┗━┓ \\\ \ヽ. l l \./ `,ー─ // -● ー ′ \ ヽ
┃┏━┛ \ | l\\\ ヽ ノ ノ. ヽ、 _ / l/ヽl 二 | 二 ヽ l
┗┛ / ヽ ヽ、 ____ // | `\ | | | ─ | ─ | |
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┏┓ l l ヽ | l l/ | |ヽ l | ヽヽ、`ー‐─ ´ .ノ l
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┗━━━┛  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
↑大塩平八砲
そして略奪した米や金銀を、貧民にばらまいたため、大塩の軍勢は徐々に増え、総勢300人ほどの勢力になった。
しかし、事件を知った奉行所や大坂城代は、直ちに出兵する。
もともと寄せ集めであった大塩らはこれに敵わず、反乱は半日のうちに鎮圧されてしまうのである。
, ─ 、
「所詮烏合の衆だ!」 (_(_(_, ヽ
, ─── 、 (⊃_ ノヽ
┃ ┃┃ /WWW \ \ l l
┣━ | | l \ll/ ヽ/^ヽノ |
┃ | | (| (。) ∠ ノ !
┃┃ | | / (二) / ⌒ヽ | | / ←大坂城代 土井大炊頭
━╋┓ /| l _ /\ \| l l く
\\ ┃┃ |\/ |/| (__/ \ ヽ ノ // \
\\ _| _└ ヽー`ー`─ ´ /´
☆ \ (ヽ \ |  ̄ ̄ ̄ / ⌒ヽ
/⌒ヽ ∠ \\/ヽ l  ̄ ̄| 二|
/ /\ |/ヽ/\ ヽ_ノ ヽ、_ ヽ_,_ノ
l_/\/\ /\/  ̄ \  ̄ ̄ ̄
| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| | __ _ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ / \
\| / ヽ \
| / l /^ヽ ヽ | ̄
| l ! /// i | ̄ ̄|
|.| |/ヽ(/
| l ! 「父上
| ヽl しばらく身を隠しましょう」 「無念じゃ…」
| lヽ、 / ___ ___
| |  ̄  ̄ / ヽ=@ / \
| | |^ヽ | / ヽ
| | |、_ノ ノ | |
| | ヽ、__  ̄`ヽ ! ノ
| | ,-、_ノ \ノ ヽ_ ⌒⌒ヽ
| | (___ノ\ l (⌒_ ヽ^ー′
| | / , ┐ `ー⌒ヽ  ̄ ヽ ⌒ヽ
| | (^ヽ/ / `ー─、_ノ l⌒ ___ |
| | ヽ __ / \ __ノ ̄ `ー ′
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
反乱鎮圧後も大塩は40日あまり潜伏したが、ついに大坂城代の知るところとなり、格乃助と共に爆死して果てるのである。享年45歳。
「父上、もはやこれまでにございますな。」
>-――― - 、 ___
>_____/  ̄\
|, ―、, ―、/(/o(ヽ)―-、 ヽ
|| @| + ||ニ(( | ( ( 二二ヽ |
|` -c −´|- ) )| ) )―― | |
( ー――,(__| ( ( _, | |
> 二 ´_ ヽ  ̄ ̄ / ノ
/ | { ̄ ̄ ̄ ̄ ̄二二)
/ | `− ´―――― |
/_./ | |――┐ | |
(っ ) | | ノ | |-O
「うむ、かくなる上は爆死して果てよう。」
結局乱は半日で鎮圧されたものの、幕臣が反乱を起こしたことで、幕府の威信は大きく動揺した。
その後も各地で同様の反乱が起き、幕府は威信を回復できないまま、明治維新へとつながっていくのである。
ドラえもんのび太の大塩平八郎の乱 完