川中島の戦いを戦術的視点で語る

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30日本@名無史さん
軍鑑記述の一番の弱点はともかく妻女山自体が1万人も収容できるほど大きく無い点だな。
状況的には妻女山城に籠もる敵を攻撃するという一種の城攻めなんだが、それなら包囲するのにわざわざ軍を
分ける必要があるのか?普通に山裾沿いに展開すればいいんでないの?そもそも強襲されたからと言って防御地形に籠もる敵が
わざわざ出てくる保証がどこにある?というような疑問点がある。
で、前に何かで読んだ説で興味深いのは妻女山に陣取ってたのは上杉方主力ではなかったという説だな。
上杉主力は篠ノ井にとどまっていて妻女山を占拠したのは海津城監視の為に進出した前衛部隊にすぎなかったと。
そうなると武田方の構想は一手で妻女山の駐留部隊を強襲、後詰めに駆けつけた上杉方主力が妻女山攻城部隊に
食らいついて拘束されたところを八幡原方面に待機していた信玄直率部隊で横撃するという形で解釈できる。
これなら戦国期に一般的戦術だった後詰吊り出しの範囲内で無理が無い。
しかし、上杉方主力のルートが想定通りで無かったことと濃霧のせいで上杉方が攻城部隊に辿り着く前に
信玄直率の横撃部隊に遭遇してしまったと。
そして、本来挟撃するはずが単独で上杉方主力を引き受ける形になったせいで大量の主将級戦死者を出す羽目になったと。