体罰論
私が在学していた都内の
区立中学では、
教師の体罰が激しかった。
教師はささいなことで生徒を
殴りつけ、
黒板消しで頭を叩いた。
体罰は女性教師の方が激しく、
目をつり上げて無抵抗な生徒を
何度も何度も
びんたをし続けた異様な光景を
私は十年以上たった今でも忘れない。
男子生徒間では教師を真似して
殴り殴られるのが当たり前だった。
教師が率先して暴力を振るっている
のだから
生徒に暴力はいけないと指導は出来ない。
腕力が劣る者はそれだけで
情け容赦なく同級生に休み時間や放課後に殴られた。
私は中2頃までは身体が弱く
殴られる側だったが
中3に入ってからは
いささか腕力がつき、
殴りかかってくる同級生を
手加減せずに殴り返した。
それゆえ中学卒業の頃には
いじめられなくなった。
高校に進学するとその高校では
暴力に対して厳しく、
教師が生徒を殴ることは全くなく、
生徒間で暴力を振るった者は
停学3日という校則があった。
この校則のおかげで抑止力が働き、
私は高校では殴り殴られの中学時代とはうってかわって
殴られることも、殴りかかってくる
相手に対して自衛のためやむなく
殴り返すこともない
平和な学校生活を送れた。
この経験から私はいじめ、
少なくとも暴力を伴ういじめは
教師の生徒への体罰の影響が大きいと思う。
教師が立場の弱い生徒に一方的に
暴力を振るうこと自体、
ある種の弱い者いじめに他ならないと思う。
学校教育法第11条で
体罰が禁じられているにもかかわらず
なぜ体罰がなくならないのだろうか。
また公立校でも生徒の悪質な暴力行為
に対しては停学処分を行うべきでは
なかろうか。
私は人間の本質上ことばによるいじめまで
根絶する事は困難だと思うが
少なくとも暴力によるいじめは
教師が体罰をやめ、
停学制度による抑止力を導入すれば
ある程度防げるのではないかと思われる。