NHK大河ドラマ「利家とまつ」第参章

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92日本@名無史さん
利家は越前国中で討ち洩らした一向一揆を残らず退治するため、住民に訴人を
させた。
「一揆どもの隠れ住まうを訴えいでし者には褒美を与え、知りて訴えざりし者
は一揆と同様、磔、釜煎りにいたしてやるだわ」
利家は府中城外で見せしめのために捕らえた一揆の男女数十人を、残酷な刑に
処した。
磔は串刺しにする。磔柱にかけた者の肛門から竹槍を差しこみ、腸から胃を突き
やぶり、肺、食道を貫いて口中へ尖端をあらわすのである。
処刑されるものは苦痛のあまりすさまじい悲鳴を発し、身をもだえ眼球を飛び
ださんばかりに見ひらく。
刑吏たちも殺人に慣れているとはいえ、罪人の血と糞便を頭からかぶり、吐瀉
物をも浴びて、幾度となく竹槍を突きなおさねばならないので、あおざめていた。
利家は地獄のような眺めを前に顔色も変えず、床几に腰かけたまま家来たちと
言葉を交わしつつ処刑を検分した。
                (津本陽「前田利家」) (w
93日本@名無史さん:02/02/03 11:36
百姓たちは恐怖に駆られて竹矢来のそとから惨たらしい一揆男女の死を
見つめる。
釜煎りは、朝倉義景の一乗谷にあった大釜を用いておこなう。処刑する
者をいれた釜の水は、肉親に沸かさせた。
親きょうだいを煮殺すために釜の下に薪を燃やす男女は、沸きあがる涙
で顔を濡らし経文をとなえていた。
                津本陽「前田利家」) (www