1 :
訴える名無しさん。 :
2006/03/26(日) 03:50:45 ID:XFLi/0HL
バトルロワイアルだろ
3 :
553 :2006/03/26(日) 03:54:00 ID:RrmMl+n3
編集のあいまに新スレはっけん!!!!!
4 :
893 :2006/03/26(日) 03:55:56 ID:DAbnq4UJ
よっしゃ立ててくれた
5 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 04:02:38 ID:6KOqTXMv
新スレだー期待してるよ!
7 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 06:07:27 ID:8xHQMnWb
↓主催者側 いとうせいこう:日本語ラップ、ヒップホップの先駆者的存在。MCとしてのカリスマ性が未だにあるかは微妙。 ECD:せいこうの側近として動く。 ↓参加者側 ★穏健派 K-DUB SHINE:スタート時点の主観キャラ。形式的には主人公。 般若:桃太郎の仇討ちを誓う。死んだかに見えてまだ生きているらしい。 宇多丸:仲間を大量に失い、一度挫けるが今はK-DUBと合体中。 ★武闘派 Mummy-D:殺し屋No1。他の参加者を殺すスタンス自体は変わらないがKOHEIとのエピソード後から心境変化か? KREVA:Mummy-D並にクールに殺していくが、GAKU-MC、BOSE殺害以降でほんの僅かに心境変化。 RUMI:武闘派の中でも殺人鬼の部類。脳内に爆弾を埋め込まれた(参加者ほぼ全員同じ)際におかしくなったらしい。 BOSS THE MC:上に同じく殺人鬼。ZEEBRAに右目を潰されて以降、以前にも輪をかけて理性のたがが外れた模様。 NIPPS:比較的後から登場。(詳しい描写がないが)TWIGYを騙し討ちにしたらしい。比較的軽いノリ。 ★中間派 ZEEBRA:一度自殺を図る。童子-Tと共にBOSSと戦い撃退、Kjとの絆は強かった。殺しを一応肯定する。 DABO:テンパりながらもポチョムキンを追い詰める。 ポチョムキン:軽快なフットワークでDABOを翻弄する。 死亡確認は前スレ参照
ZEEBRAの放った弾丸によって右足を貫通されたKAT-TUNの田中聖は今、まさに絶望の渕に立っている。 命辛々に病院から脱出した彼の最後の『武器』である専用レシーバーの電源が入っていないのだ! 彼はせいこうと自分を守らなかったジェシーを口汚く罵るも、その口調に当然普段の勢いはない。 必死で自分に都合の良い想像を張り巡らそうと葛藤するも、状況はさすがにそれさえも許さない。 『-殺される理由は無い。でも殺されない理由も、無い-』 ゲームの直接の参加者ではない田中だったが、だからと言って誰にも襲われないという保証にはならなかった。 激痛と迫り来る恐怖に襲われた田中が採れる対処方法は、再度の失禁とその直後の失神しかなかった。 …あれからどれ位時間が経過したのか?長かった気もすれば、あっという間だった気もする。 田中はビルの路地裏で下半身を露に曝け出しながらも、何故か手当を受けていた。 だが田中は、自分を介抱してくれている人間の正体に気付いた瞬間、御丁寧にも再度失神する。 しかしこればかりは田中を責める事は誰にも出来ない。 この2日間の概ねの経緯を知る人間にとって、『彼』と出会う事がどういう意味を持つか、を考えれば… 「しかしヒドイよなぁ、田中くん。何もいきなり気を失わなくても(苦笑)」 「… いや、まさかKREVAさんが助けてくれるなんて思ってないもの」 ポロシャツに下半身丸出しという珍妙な格好をした田中の素直な述懐に、KREVAは再度苦笑いを漏らす。 「そのワッペン付けてる人を放っておけないでしょう、日本国民として(笑) 」 「…KREVAさぁーん」 田中は只管感動している。 勿論、この男が損得勘定抜きに善人面する事などある訳がない。KREVAは田中の存在を利用価値アリと判断した。 それは大別して(1):政府側に恩を売っとく(…効果は0に等しいだろうが)(2):緊急時の囮や楯としての活用、 そして何よりも(3)の、『戦況の情報収集』がしたかった。KREVAは不釣合いの猫撫で声でネタ集めを開始する。
「…で、一体誰に?」 「ZEEBRAだよ、ZEEBRA!無抵抗の民間人、傷モノにしやがって!あんな卑怯な奴、見た事ないよ!」 「ウソォ?ZEEBRAさんにやられたの?ホントに?ねぇねぇ、詳細は?」 田中はKREVAの態度に面食らうもとりあえず大まかにZEEBRAがとった行動を説明する。 それを聞いて、これ以上愉快な話はない!とばかりにKREVAは喜色満面で歓声を上げる。 「やっぱり凄いわ、あの人は!俺の期待を遥かに上回ってくれる。さすがとしか言い様がないね、全く!」 『ヘェ、ZEEBRAさんもとうとう覚悟決めたんだ』 驚きを胸に、KREVAは誘導尋問を続ける。 「しっかし、それは酷いな、ZEEBRAさんも」 「でしょ!やっつけてよ、あんな奴!本気でやればKREVAさんの楽勝だよ!」 「でもさぁ」 調子に乗り出した田中に構わずKREVAは最も腑に落ちない点を問い質す。 「何でそんな危ない場所に出かけたの、田中くんは」 「いとうせいこうだよ!あのクソメガネのせいだよ!あのクソ野郎がKjにとどめを指せとかクダラナイ命令をさぁ…」 「へえKjに止めを?」 「そーなんだよ!BOSS THE MCってのにやられたらしいんだけどさぁ、もう体ピクピクさせて惨めなモンだったよ!」 田中はここぞとばかりに罵詈雑言に諂いのお世辞をブレンドさせ語りまくる、唾を撒き散らしながら。 「おいおい、BOSSにかよ?さすがKjだ。彼も思いも寄らない人にやられるなぁ」 KREVAは脇腹を抱えながら質問を連射する。「で、田中くんはどうしたの」「えっ?」「いや、倒れてるKjに対してさ」 …難しい質問だ。下手に答えられない…しかし目前で笑う最強の殺人鬼はすっかり舞い上がってる…様に見える。 『えぇい、ここは賭けだ!』 田中は従来以上に明るい声色で自分の戦歴を自慢する方法を採択した。 「もちろん!ボコボコにしてやったさ!あんな頭の足りないクソ野郎なんざ!」
すっかり立場に窮した田中はここで伝家の宝刀を抜く。 そう、『逆ギレ』だ。 「じゃぁどうしろって言うんだよ!殴れば怒るし、助けりゃ不機嫌になるし!どうすればいいか、教えてくれよ!」 「死ね」 「ヒェッ?」 言うが早いがKREVAはポケットから拳銃を取り出し、冷たい目で至近距離から発砲する。 田中の頭は夏の夜空に美しく輝く仕掛花火の様に大輪の花を咲かせた。 残念なのは、それが昼間に行われてしまった事だけ、だが。 『…やってしまいました。俺もまだまだ、精進が足りん…』 KREVAは返り血も拭わず殊勝に反省する。 結局、最重要課題であった情報収集に関しては、ZEEBRAがやる気になったらしい事とBOSSが別人と化した事だけであった。 しかしKREVAはどうしても許せなかった。KAT-TUNの田中聖如きが降谷建志に手出しをする事が。 『降谷建志はお前みたいなカスが弄っていい代物じゃないんだ』 それ以外にも彼はほんの少しだけ憂鬱になっている。先程の田中の報告内容が原因だ。 『まさか、BOSSが…ねぇ?今朝会ったNIPPSさんも、最初の時と別人だし… そういや宇多丸さん、K-DUBさんといったお人好し軍団や Mummy-Dさん辺りの名前も未だに聞こえてこないよなぁ…』 それは当初から奇襲戦法で勝ち慣れし過ぎたKREVAにとっては少々億劫な結論だった。 『…連中、人変りしてやがる。これからの戦いは、一筋縄じゃ行かない…』 だが彼は弱気になった自分に喝を入れるかの様に、新たなる目標を自らに課す。 『とにかくZEEBRAさんだけは僕がやっつけないといけないな!僕からKjを奪った罰として』 ……どこまでが本気でどこまでが冗談なのか、全くこの男だけはわからない。
般若は生きていた。確かに数時間前に般若は自分の喉元で銃の引き金を引いたが 彼の持つマイクロウージーにはご存知の通り最初から弾は入っていなかった。 だが銃の構造上、銃弾が入っていなくても引き金を引く際の衝撃と発砲音に似た音が鳴るようにできていたのである。 その瞬間般若もショックで気を失ったのだが、その場で目撃していた宇多丸も後から来たK-DUBも般若の死を確認することはなかった。 三十分か一時間か経った後に目を覚ました般若は自分が生きていることに驚いた。 そして今般若は焦っていた。夏の日差しが照りつけ蝉がひっきりなしに鳴いている。 そんな当たり前の物が今の般若を殊更苛立たせた。もうすぐタイムリミットだと言うのに般若は一人も殺していないからだ。 数時間前、瀕死の状態のTWIGYにトドメをさすように宇多丸から催促された般若だったがどうしても引き金をひけなかった。 だがタイムリミットが目前に迫った今では、あの時TWIGYにトドメをさしておけばよかったとさえ思えてくる。 結果的に宇多丸と別れてしまった後は自分を奮い立たせ積極的に行動した。だが不運にも誰にも遭遇することが出来なかった。 この数時間の収穫と言えば途中で拾った鉄パイプ、自分が死のうとした場所に戻った時見つけたデイパック一つだけだった。 とりあえず拾ったが中身には期待できそうも無い。 そう思いながら駐車場の中程で車と車の間に身を隠し中身を確かめていた時思わぬ事が起こった。 更に奥の車の陰から何者かが立ち上がるのを見つけたのだ。距離にして3〜4m。 様子からすると眠っていたらしい。立ち上がった男はMummy-Dのようだ。
(アイツは……Mummy-Dか?何でなんでこんな所で眠ってるんだ。ヘンなヤツが多いんだな。) 違和感に般若は一瞬自分の状況を忘れてしまった。 (っと、呑気に考えてる場合じゃねぇ。チャンスだ。アイツにゃ悪いが死んでもらう。 ここで余裕こいてるって事は少なくとも一人は殺してるって事だろ。なら遠慮はいらねぇ。) だが覚悟を決めようとした般若の脳裏にDJ JINの無残な死に様がよぎる。 ろくに抵抗の出来ない状態で矢を撃ち込まれたJINの腹部。それを思い出し般若は急激に 吐き気を催した。あの時流れていたJINの血は今も般若の瞼にべっとりと染み付いているのだ。 呻き声が出そうになる。だがなんとか堪えた。気付かれてはいけない。気付かれる前にケリをつけるんだ。 そう考え般若は車の陰からデリンジャーをMummy-Dに向けた。その時、 『コホッ』 般若は軽く、本当に軽く咳き込んでしまった。さっきの吐き気のせいだ。 Mummy-Dはそれを聞き逃さずこちらを振り向く。しかし焦りながらも意外と冷静に般若は引き金を引いた。 充分弾は当たる ……気持ちの上ではその筈だった。 しかし般若の期待に反しMummy-Dは無事だった。それもその筈、弾が出なかったのだから。 先程述べた通り般若の持つマイクロウージーは 「とっかえ弾システム」とやらで最初から弾が入ってなかったのである。 だが般若は銃器に詳しい事もなくこの重大な欠落を数時間の間忘れていた。般若は己の短絡さを悔いた。 そんな般若を嘲笑うようにMummy-Dはすぐに車に身を隠しながら般若の方に銃を撃ってきた。 あちらには充分弾があるようだ。 (クソッどうすりゃいいんだよ、クソッ!) 銃声と共に降って来る車の窓ガラスの雨を浴びながら般若の苛立ちは強まっていく。 その時、般若は拾った方のデイパックを踏みつけた。 その足はデイパックの中にまだ見つけていなかった『何か』があるのを般若に知らせた。
さっきまで晴れていた空がすっかり雲に覆われている。今にも一雨来そうな空模様だ。 (フゥ、般若がバカで助かったな。) 般若の方に威嚇射撃しながらやや目覚めきっていない頭の中でMummy-Dは安堵の息をつき、そして考えた。 全く打ち返してこない所を見ると少なくとも持ち弾はあまり無い。爆弾の類が来る気配も無い。 また、弾が無いのに気付かない程度のオツムで銃器の扱いにも慣れていないだろう。 という事はこちらが明らかに有利である。こちらが有利であることは向こうも承知だろう。 なら般若は今、必死でどうするか考えている筈だ。こちらから時間をやって相手に対策を 考えさせてやる必要は無い。まして何か思い付かれたら厄介だ。そして結論。―――― こちらから攻める。 目覚めに比例して冴えてくる頭で、Mummy-Dは瞬時に相手と自分の状態を分析し、結論を出した。 更に相手の思考を乱すために言葉を投げかける。般若に最も効果的な言葉を。 「おい、般若!お前の仲間が死んでたの見なかったか?あれをやったのはオレだ!」 実際にMummy-Dが宇多丸を殺ったという事実はないし、宇多丸もまだ生きている。 これはあくまでも般若を乱心させるための手段だった。 その言葉にまんまと乗せられ、冷静さを失った般若が車の陰から頭を出す。 待ち構えていたMummy-Dは般若の位置を確認すると、もう一発銃を撃ち、般若の頭が引っ込ませた。 その隙に車の陰を飛び出し、素早く般若の隠れている所へ駆け寄る。 そして般若の顔を確認するより先に般若めがけて二度引き金を引き、勝利を確信した。 だがそこでMummy-Dは意外なものを目にする。車と車に挟まれたそこには般若では無く銀色の壁があり、 その壁に先程放った銃弾はめり込んでいた。そして壁の上の方に開いた穴から般若らしき二つの目が Mummy-Dを覗き、無言のまま壁はMummy-Dめがけて突っ込んできた。 (ちっ、何だよこりゃ!盾なんか持ってんじゃねぇよ!) Mummy-Dは完全に虚を突かれ、苦し紛れに銃を放つ。だが迫り来るジュラルミンの盾の体当たりは、 全く止まることなくMummy-Dの身体を突き飛ばした。
突き飛ばされたMummy-Dはその先にある、空いた駐車スペースに倒れこみ、持っていた銃は数メートル 向こうの車の下に滑り込んだ。般若は更にそのまま盾でMummy-Dの身体を上から押さえつける。 左手と左膝で盾ごとMummy-Dに乗りかかりながら般若は目を血走らせていた。 「お前、宇多丸さんを殺ったのか。… お前ホントに殺りやがったのか!」 般若は怒りに任せ、盾に更に体重をかけた。盾の下でもがきながらもMummy-Dは冷静に答える。 「あぁ、オレが殺した。中途半端な情けなんてかけやがったんでな……あのハゲは。俺が相手だからって油断しやがって」 言葉の途中、Mummy-Dの声のトーンが少し変わる。だが般若はそんな事に気付かず怒りを充満させた。 「…この野郎、ブッ殺してやらぁ!!!」 そう叫び鉄パイプを握り潰さんばかりに右手に力がこもった直後、 般若の身体は弾かれるようにMummy-Dから離れ、地面に倒れ込んだ。 般若は右足から全身を走った衝撃に身体の自由を奪われながらも何とかMummy-Dの方に首を回すと、 そこには左手にスタンガンを持ったMummy-Dが立っていた。
パラパラと雨が降り出してきた。Mummy-Dは念のためデイパックを拾い上げスタンガンをしまった。 「フン、だいたい喋りすぎなんだよお前らは。殺したいんなら無駄口叩かずさっさと殺せ。それが出来ないからこうなる。」 そう言ってMummy-Dはデイパックから別に取り出した銃を般若に向け近付いた。 それを見ている般若は何とか左手を地面に立てて起きようとするが上手く行かないようだ。 右手に鉄パイプを握り締め何か言いたげに口を動かすが言葉は出ない。Mummy-Dはその様に笑みを漏らした。 Mummy-Dの向けた銃口を般若は強く睨みつけている。まるで勝負の最中に何かを狙うような目だ。 次第に強まる雨の中、その違和感にMummy-Dが気付いた時には、般若の右手の鉄パイプは力強く 振り抜かれていた。鈍い音を立てて銃が宙を舞う。般若は、Mummy-Dが鉄パイプを思い切り叩き付けられた 右手を押さえている間に、ふらつきながらもMummy-Dの胴にタックル、というよりももたれこんだ。 二人はもつれ合いながら地面に倒れこむ。Mummy-Dはすかさず般若を振り払おうとした。 だがスタンガンによってダメージを受けている筈の般若は、凄まじい力でMummy-Dの首を鉄パイプで 押さえつけそのまま馬乗りになった。更にMummy-Dの首に般若の体重がかかる。 (…演技かよ……このクソッタレがっ…普通動けねぇぞ……) Mummy-Dは左手で鉄パイプを何とかずらそうとするが、般若は文字通り鬼の形相で更に力を込めて来る。 身体を揺すってもマウントは外せない。次第にゆっくりと遠のく意識の中でMummy-Dは右手を腰にやった。 大きな音と共に般若は腹に灼けるような痛みを感じ、口から血の飛沫を吹き出した。 降りしきる雨も今般若の腹部から溢れ出す血を流しきることは無い。 Mummy-Dは完全に力の抜けた般若の下から抜け出し、うずくまりながら咳き込んでいた。 (隙だらけだ。) そう思っても般若の身体には力が入らない。 傷は時間と共に般若の血と命を奪っていく。まるでザルに水を注いでいるかのように。 呼吸を整えたMummy-Dは立ち上がり般若を見た。 その左手には今般若を撃ったSUIKENの銃、スミス&ウェスンM629Cが握られていた。
Mummy-Dは地面にへたり込んだまま動かない般若を見ている。 遠目には死んだようにも見えるがまだ呼吸はしているようだ。 いつものMummy-Dならこのまま般若を撃っておしまいだろう。 だがMummy-Dは止めを刺さず口を開いた。 「…まだ生きてやがる、しぶといヤローだな。そんなに仇討ちがしたいのか?」 その言葉を聞いた瞬間般若の身体が急に動き、Mummy-Dに向かって来た。 完全に油断していたMummy-Dは、それでも咄嗟に般若へ向けて銃を撃つ。辺りに銃声が響いた。 「ぐぅぁっ!…」 呻き声を出したのはMummy-Dの方だった。 痛みで感覚の無い右手を庇い、Mummy-Dは思わず片手で銃を撃ってしまったのだ。皮肉にもSUIKENの銃で。 そして銃弾は般若には当たらず、銃を地面に落としてしまう。 般若は銃声すら聞こえなかったのか何の躊躇も無く接近し、Mummy-Dの右腕ごと胴体に両腕を廻した。 「チッ、離れろこの死に損ないがっ!」 Mummy-Dは自分の身体に抱きつく形になった般若の肩に何度も左肘を落とし、顔面を殴り、膝で突く。 だがもう般若は虚ろな表情のまま方膝を地面につきながらも腕の戒めを弱める気配を見せない。 「…なぁDさぁ…………お前の方が喋り…すぎだ…ろ?」 何か嫌な予感を感じたMummy-Dは首を捻って自分の身体に廻された般若の腕の先を見た。 般若の左手は右の手首をがっちりと握り、右手にはボールのような物が握られている。手榴弾だ。 この手榴弾は般若が拾ったTWIGYのデイパックに残っていた物である。 そして般若は右手の手の平で手榴弾を包み、指先でピンを抜こうとしていた。 「!!…お前、自爆する気か!?離せ、クソッ!!」 Mummy-Dは火が付いた様に身体を振り回して般若から逃れようとするが離れる事は無い。 むしろ般若の力が徐々に強まってくる気さえする。 「………桃…仇…取れなかったなぁ……」 呟く般若の目はもう彼の身体の限界を告げていた。しかし般若の最後の力で手榴弾のピンに指をかけた。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 Mummy-Dは歯を食いしばり声も出せずに必死でもがく。 そして既に豪雨となった雨の中、辺り一帯に爆発音が木霊(こだま)した。
スレ立て(依頼)ありがとうございます!
前スレは僕が勝手に保守しとくんで放置でお願いします!
>まとめサイト役の前スレ
>>553 さん
前スレが生きてる以上、まとめサイトが
緊急にどうしても必要ってわけではないと思うんで気長にやってくださいな
20 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 13:54:49 ID:pKkxQwch
真美Dしんだ?超以外!!!!!
21 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 14:01:41 ID:X+yooEJG
クオリティヒクス
22 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 14:39:42 ID:XOAPvytK
おもしろいよ!頑張って
1よ さっさといっぺんに全部投稿してくれ 23を読んでこのスレの意味がなくなる前に
戦場で偶然の再会を果たし、今後の共闘を固く誓い合った宇多丸とK-DUB SHINEは 山場となるであろう、午後から夜半に掛けての激闘に備える為、人気の無い自動車整備工場にて 休息を兼ねた戦略会議を開いている。 悪趣味だとは思ったが、宇多丸はホワイトボードに参加者名簿を記入し、過去の放送で判明した 死亡者を消し、K-DUBとの情報交換により要注意人物のリストUPを行う。 今が殺人ゲームの最中でなければその様子はまるで『第三会議室』の撮影のようだが 宇多丸からもK-DUBからもいつものお気楽さは微塵も感じられない。 K-DUBが口を開く。 「…一番の要注意人物はやっぱりMUMMY-Dだな。アイツは強い。アイツは完全に割り切ってやがる…」 「…あのDがそんなに変わっちまうとはな…」 宇多丸は、同じRHYMESTERのメンバーであり大学時代からの親友であるMUMMY-Dが、 冷酷な殺人者へと変貌をとげてしまったことをまだ信じきれずにいた。 「…BOSS THE MCはもはや狂人だ。奴にはもう言葉も何も届かない。見掛けたら覚悟を決めて殺るしかない…」 「…あとNIPPSだな、怪しいのは。TWIGYの時に見たヤツの余裕は…野郎、ネコ被ってやがった…」 当然の様に極悪三人衆の名前が呼ばれた後、 宇多丸は溜息交じりに第二グループの評論を始める。 「KREVAも臭うな…アイツは善人面してても自分が一番!という性格だ。共闘は難しいな… RUMIとポチョムキンもよくわからん」 「曲者揃いだな」「まったくだ」 宇多丸は苦笑交じりに白板の二つの名前をマルで囲う。 「せめてコイツ等だけはマトモでいてくれればいいが…」 しかしそこに至るまでの経緯はともかく、ZEEBRAがKjの生命を剥奪した哀しき事実を二人は知る由もない。
K-DUBと宇多丸の休息を奪うかの様に、整備工場の近くで再び銃声が轟き出す。 「…何やってんだ、この時間まで」 宇多丸は癖で唇を若干突き出す、独特の不機嫌な表情に戻る。 「…御苦労なこった。せいこうじゃねぇがホントに酷い奴等も多いんだな…生き残ったら他人との付合い方を見直さんとな」 しかしK-DUBに宇多丸のジョークは聞こえていない。あの銃声には聞き覚えがある… 忘れもしない、あの忌わしい場面を… 「…DABO…」 K-DUBは騒音の方角を見やり哀しげに呟いた。 「DABO?あぁ、いたなアイツも」 宇多丸は興味なさげな風情で言葉を続ける。 「アイツもネコ被ってた類だな。まぁどっちでもいいって。大して影響ないだろう、ヤツの存在は…」 「いや」 K-DUBは強い口調で遮ると宇多丸に向って新案を申し述べる。 「行こう。アイツの所へ」「おいおい、勘弁してくれ。お前がKRUSHさんの仇を討ちたいのはわかるが…」 「違うよ。その逆だ。アイツを助けに行くんだ」「助けるぅ?」「あぁ、そうだ。アイツが一番苦しんでると思うんだ」 K-DUBは朝方の情景を回想する。あの犯行直後の引き裂くような咆哮が今も彼の耳にこびり付いて離れない。 「…家に、自分の生まれたヒップホップって家に捨てられた 俺の気持ちの何がわかるってんだよ…甘い考えしかしてない、あんたに!!」 DABOは自慢げなキャラ作っていても無類の寂しがり屋だ…俺にはよくわかる… 暖かい愛情に包まれて育ったDABOにとって、 『レーベルから出された。業界から出された』という事実は想像以上に心を蝕んだのだろう。 …だからこそアイツは今、逃げちゃいけない。現実に不貞腐れている時間はない。K-DUBは強くそう思う。
「根は好い奴なんだ、DABOは。 混乱してるだけなんだよ、今。 本気で俺を殺す気なら、あの時果たせていた… アイツはKRUSHさんの分まで生きなくちゃいけない。KRUSHさんの死を無駄にさせちゃいけないんだ」 「わかった、わかったって。一肌脱ぐよ。」 宇多丸はこれ以上K-DUBの長演説に付き合うのが億劫らしい。
誰も突っ込んでないけどBOSS THE MCからILL-BOSSTINOに変わったんじゃ?
>>28 ブルハのときはBOSS THE MCでそれ以外の客演とかハーベストムーンではILL-BOSSTINOなんじゃねっけ?
般若かっけーな
31 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 23:27:21 ID:YfpcIh45
続きまだーーーーーーーー?????
32 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 23:31:34 ID:OPDLPjZk
がんがれ
33 :
訴える名無しさん。 :2006/03/26(日) 23:57:19 ID:jYi5lQ7z
早くー!
いよいよ終盤戦ダ・ナ!
太陽が最も強く輝き出し、風はその存在を完全に消す。 スコールが近いのか辺り一面に独特の匂いが充満している。 DABOは最早限界だった。流血・疲労・心労にこの暑さが加わった。 彼は何かに導かれるかの如く、公園に佇む小池に近寄る。 倒れ込む様に水面に顔を突き出し、今までの全てを消し去ろうとすべく、顔面を洗い落とす。 ふと視線を上にやる、そこには木陰で呑気に転寝する二人の人間がいた。DJ KRUSHとOSUMIだ。 DABOは思わず大きく仰け反る。しかしその後、彼の採択した行動は意外なものであった。 彼はKRUSHの遺体に向い土下座した。 「…スイマセン、許して下さい!… 撃つ気なんてなかった…ましてや殺すなんて…」 彼の述懐に嘘は無い。山中を駆けずり回っていたDABOは、偶然KRUSHとK-DUBの会話に遭遇する。 この二人が自分に危害を与える存在ではない事は一発で理解できた。 でも彼は二度と裏切られたくなかった、自分の心に。 KRUSHがK-DUBに対し『託す!』という言葉を出した事も不都合だった。 K-DUBに対して嫉妬、寂しさ、疎外感が派生する。 心を決めかねていたDABOにKRUSHの大喝が降り注ぐ、 彼は条件反射で飛び出した、そして発砲した、それだけの話だ。 だが『それだけの話』が確実にひとりの人命を奪った。あの時のK-DUBの悲痛な叫びが今も耳から離れない… DABOは我慢しきれぬかの様に顔を上げる。 今度は頭部から出血した見た事が無い程穏やかなOSUMIの顔が見えた。 「!… あんた、何寝てんだ!あんたはシャカゾンビのOSUMIだろうが! こんな所で終る様な安い存在じゃないだろ!」 顔をクシャクシャにしながら怒鳴り上げる。暫く嗚咽が止らない。 動悸を静めるとDABOは優しげにOSUMIに決意表明をした。 「…俺、頑張るから。頑張るから!頑張って生き残るから……」 「無理だろう、お前じゃ」 背後から冷たい野次が聞こえた。 DABOは咄嗟に前方へ大きくジャンプする。結果的にこの選択は大正解であった。 背後を振り向いたら最後、ポチョムキンの放った手裏剣は確実にDABOの前頭部を捉えていただろう。 それが背中への裂傷で済んだ…
「…またオメーか!いい加減、しつこいぞ!」「しょうがないだろ、俺だって死にたくないし」 ポチョムキンはあくまでも冷静を装う。「とにかくだ、5時間も追っかけっこしてるんだ。そろそろケリ付けようぜ」 「……」 ベンチの陰の叢からは応答が無い。また逃げられたら、今度こそピンチだ。 ポチョムキンはDABO専用の特効薬を再度取り出す。 「お前、大体何で参加してんだ、DABOだかダサ坊だかが?」 「うるせえ!黙れ!俺は何処にいようがDABOなんだよ!」 「そう言う割には逃げ回ってばっかだけどな」 (おやおや、まーた引っ掛かったよ。随分、小さな事に囚われる奴だ。 こんな安い挑発にも乗ってくれるだなんて。自分の命の瀬戸際だっていうのに…) 「……」「来いよ。軽く揉んでやるよ。不肖ポチョムキン、ダサ坊にだけは負けねえよ!」 「… 貴様ぁ---!!」 とうとうDABOがブチ切れる。ポチョムキンの声の方角へショットガンを連射する。 が、またしても、何の反応も無い。 さすがにDABOは悔いた、自らの思慮の浅さを。 だが今更後悔しても始まらない、アイツを倒さねば前に進めない… 『…落ち着け。落ち着くんだ…武器の差を考えてみろ…俺の方がどう見ても有利だろうが!』 そう心中で呟く程、反比例して吐息が荒くなる。 それでいながら今まで仕留められなかった事実はDABO自身が最も理解していた。 彼は何かに脅えるかの如く、ジリジリと後退りする。 次の瞬間、左足に硬性物の感触が伝わる。DABOは後ろを振り向いた。 『…KRUSHさん?』 視線を上部へ移行する。 そこには音を立てずに手裏剣を握り自分に襲い掛かるポチョムキンの姿があった。 DABOは発砲した。眼を瞑りながら。まるで自分に降り注いだ全ての悲惨な事実から眼を逸らすかの様に… 「宇多丸?」「あっちだ!」K-DUBと宇多丸は銃声の轟く方角へ駆 け出していた。
剣道の試合で言えば、ポチョムキンの一本勝ちであった。 彼の持つ鋭利な鉄はDABOの右の肩甲骨と首の付根の間に完璧に入り込んだ。 しかし最後の最後で、兵器性能の差が如実に現れる。 突き刺さる前に引鉄を引いた銃弾はポチョムキンの腹部を捉えた。 DABOは肩を押え、後方へ倒れ込む。ポチョムキンは前方へくの字の形で崩れ落ちた。 腹部を押えながらポチョムキンは嘗ての先輩にクレームを付ける。 「…KRUSHさん、どうして俺の味方、してくれないんすか…」 苦しげにポチョムキンは体を仰向けに反転する。見上げると天空からはポツポツと雨が降り出してきている。 冷たい雨に撃たれて、彼は悲しげに呟く。「…今度ばっかしは、上手く立ち回れなかったなぁ…」 ポチョムキン、絶命。 せいこうの思い付きだけで参戦させられた後発軍団は完全にこの時点で全滅した。 DABOは重たそうに体を起す。ポチョムキンの絶命を確認すると肩を押えながら、大声で勝ち誇った。 「…このDABOを舐めるからだ… 思い知ったか!」 そして彼は再び池の水面を見付ける。ポチョムキンの返り血で溢れた自分の顔面を見る。 その瞬間、DABOは号泣した。 『…この手は!この手は何の為にある!人殺しの為か!違うだろ!マイクを持つ為にあるんだろうが!』 『…奇麗事をぬかすな!生き残らなきゃハナシになんないんだよ!俺は、勝って他を見返すんだろうが!』 またも相反する二つの気持ちがDABOの心を蝕む。その直後、貧血を覚える。流血は一向に止らない… 『…チキショー…結局、無駄死にかよ…』 「DABOォ!!」 諦めかけたDABOを現実に呼び戻す声がした。 DABOは自分を呼ぶ声の方角に鬱陶し気に眼を向ける。K-DUBと宇多丸の姿があった。 「DABO!大丈夫か!」「…うるさいっ!」気力を振り絞り、ショットガンを杖に身を起す。 左手は右肩の止血の為、当然使用不可である。銃は構えられない。 しかしDABOは野良犬の様な視線で二人を威圧する。 「…DABO…」K-DUBは狼狽する事しかできない。
通り雨だったのか先程までより雨脚はかなり弱まってきた。 コンクリートの壁を背に、地面に座り込んでいる男の身体には所々血が滲んでいる。 彼はデイパックからタオルを取り出し、顔と短い髪を拭いた。そして下を向いていた男は視線を上げる。 彼の3m程向こうには別の男の死体が転がっていた。 その死体を眺めながら、しばらく言葉を忘れていた男はようやく感傷を込めず呟く。 「…運が無かったな、般若……」 男はMummy-Dだった。 ―――10分程前、Mummy-Dにしがみついた般若がようやく手榴弾のピンを抜いた瞬間、 般若の頭は破裂した。丁度12時が来てしまったのだ。 それまで一人も殺していなかった般若はルール違反の罰則に倒れた。 突然般若を襲った悲劇に状況を飲み込めないまま、Mummy-Dは般若の手から手榴弾を奪い、 放り投げて爆発を逃れた。直後、Mummy-Dの疑問は定期放送によって解かれる。 相変わらずふざけた放送だったが。 疲れきった身体を起こし、Mummy-Dは立ち上がる。 そして水と汗と血と塵に塗れた姿のまま、般若だった死体にもう一度目を向けた。 「宇多丸は殺してないから勘違いすんなよ。これから先はわからねえけど。 あと、さっきも言ったがLITTLEにもよろしくな。」 そしてジュラルミンの盾と落とした武器を拾い、Mummy-Dは駐車場を離れた。 残された般若の横にはLITTLEの日本刀が置かれていた。
雨は益々勢いを増す。最早、雷雨と言ってよい。スピーカーから声が流れるも、今のDABOの耳には入らない。 「…DABO、聞いてくれ」 「…DJ KRUSHの仇を討ちに来たんだな?残念だったね。今、餓鬼レンジャーの奴も退治してやった所だ」 「餓鬼レン、だと?」宇多丸が聞き返す。 「DABO!テメッコノヤロッ!また一人殺ったのか!」 「うるさいっ!外様が語るなっ!」 DABOは必死で似つかわしくない悪役を気取る。 「俺があのフザけたヤローをいい加減終わらせてやった!ヒップホップシーンを守った!」 「…言いたい事は、それだけか…」 宇多丸は激昂のあまり拳銃を抜き、発砲体勢をとる。 しかし宇多丸の手を固く押し留めた人間がいる、K-DUBだ。 「オイッ!」「…ここは俺に任せてくれ」 そう言うとK-DUBは雨の中、DABOに歩み寄る。 宇多丸はその断固とした決意に唖然とするしかない。 「DABO、傷の手当が先決だ」 「カッコつけんな!何を偉そうに… あんただって人殺しだろうが!」 「…残念ながら、そうだ」 K-DUBは更にDABOに近付き説得を行う。 「…でも終りにしなきゃいけないんだよ、こんな事」 「テメーのやった事、棚上げしてんじゃねぇ!」 「DABO、さっき言ったよな。『俺が業界守った』って」 「…それがどうした」 「…人を殺す事が、お前の守り方か?」 「…何だと」 「お前の音楽の世界は、そんなに汚いものなのかよ!」
K-DUBは大喝する。後輩に必死で自分の思いを届けようとする。 「…いい加減、目を覚ませ。俺もお前も殺人者だ、その事実は消えない。消しちゃいけない…」 「……」 「そこで俺達が殺し合う事が彼等の望みか?違うだろ!俺達が死んでいった仲間の為にしなくちゃ…」 「アンタの説教は聞き飽きてんだ!」 DABOはK-DUBの言葉を遮り、叫ぶ。 「…DABO!」 「…アンタ、KRUSHさんに言ってたよな。俺がヒップホップを守るとか… じゃぁ何でこんな事になったんだよ、教えろよ!」 「…もうしゃべるな、傷の…」 「…何だ、その眼は」 K-DUBの全ての感情をDABOは拒否し続ける。 「… 何だよ…何なんだよ、その眼は!同情なんかすんじゃねぇ!どいつもコイツも馬鹿にしやがって!」 DABOは右肩から左手を外す。渾身の力でショットガンの銃口をK-DUBに向けた。 「……」 K-DUBは観念したかの様に眼を瞑る。 「DABOォ!」 状況を見守っていた宇多丸はK-DUBの背後から姿を現し、覚悟を決め引鉄を絞った。 DABOの体はそれとほぼ同時に地面に崩れ落ちていた。 「DABO!」 K-DUBが駆け寄る。宇多丸も駆け寄るが、彼は万一に備え素早くDABOから銃を強奪する。 「…無駄ですよ、宇多丸さん…」 DABOは寂しげに呟く。 「…だって、タマ、入ってなぃすもん、もう…」 宇多丸は慌てて銃創を確認する。 KRUSHとポチョムキンの生命と引換に、忌わしい銃弾は粗方も無く姿を消していた。 「…馬鹿野郎!どうしてそんな無駄な意地を!」 「…同情されたくなかったんですよ、誰にも…」 DABOは弱々しげに最後まで虚勢を張り続ける。雨は一向に降り止む気配を見せない。
DABOは雨に打たれながら疑問に思う。 さっきから雨より大粒で生暖かい水滴が自分に降り注いでいる。 …K-DUBだ。K-DUBの涙だ。DABOは愕然としながらか細い声で質問する。 「…K-DUBさん…何で?」 「……」 「…俺、アンタを二度も殺そうとしたんですよ…酷い事も言ったし…何で…?」 「…馬鹿だ…お前は本当に大馬鹿野郎だよ…」 K-DUBは既に涙声になり、聞き取りにくい事この上ない。 しかしDABOは必死にこのお人好しの先輩の言葉を聞き取ろうと努力する。 「…いつ、馬鹿にしたよ…お前の事を。誰か一度でも…お前を馬鹿にしたか…? もしそうだとしても、それが一体どれほどの問題なんだ…?お前はお前だろ?」 「……」 「…同情されたっていいだろ!泣きたきゃ泣けよ!…そんな時の為に俺達が…いるん…。 DABO、教えてくれよ、逆に…俺はお前にとって何なんだ?…俺は…助け…合えると…思っ…て…」 もうK-DUBの声は判別不可能だ。 しかしDABOの頑なな心はようやく溶けた。彼もまた細い一筋の涙を流す。 DABOは再び後悔していた。自分の取ってきた行動や言動について。 俺は勝手に僻んでいた。自分の心に囚われていた。自分で自分の世界を小さくしていた。 ほんの一言だけで、永久に仲間外れなんだと思い込んでいた。 でもこんな俺の為に泣いてくれる人もいるんだ…。 そうだよ、今いる場所は関係ない。俺達自身が音楽だろ?ヒップホップだろ? 何でこんな事、今までわからなかったんだ…
…ごめんなさい、ごめんなさい…K-DUBさん、貴方の優しさを拒んでしまって。貴方に嫉妬してました… …ごめんなさい、ごめんなさい…S-WORD、SUIKEN、あの時声を掛ければよかった。君達の力になれたのに… …ごめんなさい、ごめんなさい…KRUSHさん、ポチョムキン、貴方達の命を無駄にしました。許して下さい… …ごめんなさい、ごめんなさい…父さん、母さん、俺は強くなれませんでした。一目でいいから会いたかった… DABO特有の荒い吐息が見る見るか細くなっていく。雨は一向に降り止む気配を見せない。 「…DABO…しっかりしてくれぇ…」 「DABO!フザけるなって!未だお前は何にも成し遂げてねぇだろ!」 K-DUBと宇多丸の激励が遠ざかる。…やり直したい、もう一度、ステージの上に立ちたい… …歌いたい…ファンの前で歌いたい…でももう遅いんですね…遅いんですね、何もかも… DABOは泣き顔のまま、K-DUBにしがみ付く。 「…けい…だぶ…さ…」「もう、しゃべるなって!」「何だ…DABO?…言ってくれ…何だ?」 「……死…にた…く…」 最後の二言を言い残せずに、DABOの首は力なく崩れ落ちた。 「…クッ…」 K-DUBはDABOの顔に自分の額を押し当 てる。 宇多丸は暫く天を仰いだ後、用無しとなったショットガンを無言のまま大地に叩きつけた。 DABOの安らかな寝顔を見ながら、K-DUBは手の掛る後輩に労いの言葉を投げる。 「…DABO…お疲れ様…もう、いいから…もう…いいから…な…」 DABOの迷走を弔うかの様に雨脚は 一段と強くなる。雨は、一向に降り止む気配を見せない。
43 :
訴える名無しさん。 :2006/03/27(月) 01:51:08 ID:0KbN0twP
真美いきてたー(はぁと)
戦場となっている地域中に雨が降っている。まるで散っていった者達の無念を慰撫するかのようだ。 脱いだシャツを手に持ったMummy-Dは、肉体的にも精神的にも疲弊した身体を車のボンネットに預けて 大の字になり空を仰いでいる。雨粒が身体に当たる度に微かに疲労が和らぐ気がした。 だが突然、そんな雨をも止ませるかのような大きな音が街中に設置されたスピーカーから鳴り響く。 いきなり騒音にMummy-Dは舌打ちした。騒音の正体が定時報告の音楽だったからだ。 「おっと、もうそんな時間か。じゃあそろそろ動くかな。」 放送に合わせてRUMIはベッドから身を起こした。 『幸せ気分でコモエスタ!元気ですか!?』 「…もういいっての。」 せいこうの第一声にKREVAは辟易した表情を浮かべる。 『えーしかし今の挨拶とは裏腹に、私は非常に気分が悪い。 何故ならこの時間までに一人も殺せず、爆死したバカが本当にいたからだ。』 「馬鹿はあんただろ…」 ZEEBRAは手にした銃を悲しげに眺めながらそれだけ呟いた。 『あんまり言いたくないんだが、そのバカとは般若だ!』 「んだとぉ?…ふざけんな!!アイツを縊(くび)り殺すのは俺だろうが!!!」 路地裏で、残り少なくなったボウガンの矢をYAMATOの亡骸から回収していたBOSSは、 怒りのあまり既に土色になっているYAMATOの顔面を久しぶりに蹴り飛ばした。今回は何の反応も無かったが。 『…まぁあの程度の小心者じゃあ仕方ないかもな。』 せいこうは自分の意にそぐわない者には本当に容赦が無い。自分以外の者に執着が無いだけかも知れないが。
『おっと話が脱線したな。ではこの6時間の脱落者を発表する。今回も多いぞ〜、ンッフッフ〜。 もう残りは10人を切った、とだけ言っておいてやろう。… じゃECD、お前が読め。』 『こんにちは、ECDです。では脱落者を発表しましょう。まず先程挙がった般若、ポチョムキン、 OSUMI、Kj、TWIGY.。…とせいこうさん、あの二人はどうしますか?』 『ん〜?…… あぁ、ジェフと田内だったか。別にいいだろ、死んだし。』 ジェシーと田中だ、とかECDが言っている。 「あぁそんな野郎もいたんだ。にしても相変わらずやたらと死んでんなぁ。 やっぱ悪いヤツ多かったんだねぇ。そういやTWIGYはともかく般若も死んでんじゃん。 宇多丸の仕業だったらもっと面白かったのになぁ♪」 この放送を一番楽しそうに聞いていたのはこのNIPPSだろう。 NIPPSは放送を聞きながら、鼻歌まじりに自分に支給されていた『各種銃弾詰め合わせセット』から、 TWIGYから奪った銃に合う弾を込めていた。 スピーカーからは、再びせいこうの声が聞こえている。 『えーとにかくこれで半分が終わりました。めでたくみんな人殺しになったワケだ! 実は、俺はお前らが羨ましいんだぞ。俺なんて何回…を殺そうかと…っとまた脱線したな。 まぁ「何があるかわからん」がこの調子でガンバレ!! では最後にまた諸君に詩を送ろうと思う。今回は相田みつを氏の詩だ。』 ありがたい詩の朗読が終わるまで放送は続いた。
正午の放送で般若の名前が呼ばれ、憤怒の鉾先を失った彼の昂った心は、眼前に転がる男の死体を蹂躙することで 何とか落ち着きを取り戻した。とは言え狂気から解放された訳ではなく、本能が保身を要求したのである。 右眼が酷く疼き、右腕の銃創から熱を帯びた痺れが肩口にまで侵蝕していたことに今更ながら気付かされる。 普段、怪我や病気に無縁な身体も、流石に限界に近付いていたのだろう。疲労と激痛が彼を苛む。 安全な隠れ家を求め、揺らぐ身体と心を引き摺りながら雨の中辿り着いたのは…病院であった。 プログラム進行上、人が心の拠り所にしそうな場所はわざと開放されている。 病院はその最たる場所であった。 Kjを監禁した最初の病院は規模も大きく、立地条件からも人が集まるには格好の場所で 恐らくその後も誰かが立ち入った可能性が高い。それに体力を消耗した身体で戻るには遠過ぎた。 狂気の縁に立つ彼がそこまで計算していた筈はないのだが、本能的な行動の末にBOSSが身を隠したのは 住宅街の一角にある小さく古い個人医院だった。 自宅と併設されたその医院は施錠されていた。注意しながら建物を一周し、中に人の気配がないことを確認し 裏手から窓を破り侵入する。内部は薄暗く、歩く度に床が軋む。衣服や髪から滴る水粒が床を打つ微かな音が響く。 どうやらプログラム以前に閉鎖されていたらしい。積もった埃が年月の経過を物語っている。 それでも診療室に入ると、病院特有の薬品臭が微かに鼻孔を擽った。 雑然とした室内----床には未整理のカルテやレントゲンが散らばり、段ボールに無造作に詰め込まれた器具や 薬品が置き放しになっている。 「……」 室内をぐるりと見渡し、BOSSは無言のまま必要な物を探し始めた。
精製水・生理食塩水・消毒用アルコール・メス・抗生物質・鎮痛剤・包帯…等々。 住居部から運び込んだガスコンロで湯を沸かす間、支給のミネラルウォーターで高カロリー携帯食と薬を流し込む。 ついでに失敬してきた酒を呷ると一心地ついた。 急激に睡魔に襲われるが、まだ仕事が残っている−−−−右腕に残った弾を取り除かなくてはならない。 煮沸したメスをピンセットで摘まみ上げ、消毒したトレイの上に置き、熱を冷ます。 傷口より少し上をゴム管で縛り、生食で周辺を洗い流す。雨に濡れた所為で再出血していたが、 傷自体は既に赤黒く変色し、周辺組織が細胞レベルの「死」に侵蝕されつつあった。 ―――「死」 改めてその実感が身に沁みる。 自分が死に追いやった男達の表情を反芻しながら、BOSSは… 笑う。笑うしかなかった。 何故、こんな状況になったのか? 始まりの記憶は朧げで、正気と共に遠く彼方にある。 童子-Tに撃ち込んだ銃弾。 YAMATOに加えた暴行と矢の雨。 Kjに与えた加虐と致死量の薬物。 DJ JINに突き刺した二本の矢。 残り少なくなった矢を回収する為にYAMATOの死体だけは確認したが、後は放送で名を聴いただけだった。 だから止めを刺したのが誰なのか、本当の所は判らない…けれど。 確かに「死」が、様々な形で自分の周りに充満している。 タオルを口に喰わえ、メスで傷口を探る。グウゥッと咽喉から獣が威嚇するような唸り声が漏れるが 構わず弾丸を探り当て抉り出す。コンッと堅い音を起て、血塗れの弾丸が落ちた。 暫くの間は身動きもままならず、壁に凭れ掛かり息さえも殺すしかなかった。 漸く呼吸が出来るようになり、拙いながらも後処置を終えた頃には眠気がピークに達していた。 唾液に塗れたタオルを投げ捨て、堅いベットに傾れ込むと…意識を失うように眠りに堕ちた。
――それから2時間ほどは経っただろうか。 暗い海の底を思わせる眠りが覚めようとしていた。意識が浮上する感覚と共に、周囲の闇が解けていく。 投げ出していた四肢がピクピクと痙攣し、足元近くにあったタオルハンガーを蹴飛ばした。 倒れ込んだ先にあった器具を道連れに、ハンガーは大きな音を起てて床に転がる。 その振動を感じ取り、BOSSは肩を跳ね上げ、飛び起きた。 一瞬、意識が混濁する。 ワァァアンと観客の声が聞こえた気がして、BLUE HERBの仲間やスタッフの姿を探し周囲を見渡した。 だが静まり返った室内には自分以外誰も居ない。 自分が居る場所がステージの上でないことに気付き例えようのない違和感に襲われる。 既に現実と夢の境目も危うい上に、嫌になる程、リアルな夢が連続している。 現在はまだ、悪夢の中で足掻いている。自分にそう言い聞かせる。「死」から逃れる言い訳をする。 意識を明瞭させる為、2、3度頭を振り、ベットから降りる。 ―――夢の中なのに、と苦笑しながら。 足元はまだ振らついたが休息が効を成し、疲労は幾分和らいでいた。 鎮痛剤も効いているのか痛みも我慢出来る程度である。 ―――夢なのに。 仕上げとばかりにBOSSはポケットを探る。 煙草は殆どが湿っていたが、比較的大丈夫そうな一本を取り出し火を付けてみる。 一度目は直ぐに消えたが、二度目はスウッと火が入った。 深々と吸込んだ煙がゆっくりと肺に染込む。充分に味わい、ゆっくりと吐き出す。 煙と一緒に痛みも吐き出すように。大気に溶ける煙を見ている内に、身体が心持ち軽くなった気がした。 ―――夢。 ブラインドの隙間から外を覗くと、まだ雨が降っている。 暗い天空から正確な時間を推し量ることは出来ないが、少なくともまだ日中であることは間違いなかった。 「半分…か…」 煙と共に吐き出された言葉は、この時点で生き残っていた全員が一度は思い、また一度は口にした言葉だった。 ある者は懐古と共に。ある者は焦躁と共に…。 そしてもう一つ。誰もが考えることがあった。 「誰が残ってるんだ…?」 ―――悪夢は着実に進行している。
この時、BOSSは少しだけ正気を取り戻していた。 しかしその正気は、残念ながら宇多丸やK-DUBのようにプログラムへの反発へ向けられることはなく 主旨通りにプログラムを終了させる…即ち「最期の一人」を決めることに 向けられた。 ―――夢とは言え、そっちの方が容易そうに思える。 「残り十人を切った」という現状と自分の記憶を比べ、生き残りの当りをつけようと試みるが 夜中の放送だけがどうにも曖昧で…結局は諦めた。 とにかく出逢った相手を消していけば、終わりは必ずやって来るのだから。 ―――とにかく…悪夢は終わる筈だ。 デイパックの中身をテーブルに並べ、持ち物を再点検する。 支給されミネラルウォーターと携帯食。 道場から半径10キロ圏内を赤く囲った地図とコンパス、黒マジック一本が入ったビニールケース。 そのケースに抗生物質と鎮痛剤を入れる。 武器が入っていたスペースには、自分のスポーツバックから移した私物を突っ込んでおいた。 煙草、新聞、財布。着替え用に入れておいたジャージとシューズ。御丁寧に換えの下着まであった。 一瞬、脳裏に家族の姿が浮かぶ。 財布には「恥ずかしいから」と何度出しても何時の間にか戻されている家族の写真が入っている筈だ。 「……」手を伸ばしかけ…思い直して止まった。 感傷に浸る暇があったら、生き残る算段をする方が余程、前向きだろう。 強制的とは言え、殺人者になった自分を家族が暖かく迎えてくれるか…という疑問には至らない。 ―――夢だから。 防水仕様の為、中身は濡れていなかった。激しい行動と雨に型崩れしたスーツを脱ぎ、着替えようと 畳んで丸めたジャージ――― こうやると、スペースが無駄にならないでしょう?と言う妻の声が聞こえる――― を手に取る。 ビクリと身体が反応したが…声は幻聴だった。 正気の欠片は沸き上がった戦闘意欲の波に呑まれ、再び狂気だけがBOSSを突き動かす。 手早く荷物を纏めると、豪雨降りしきる中に標的を求め、BOSSは駆け出す。
>>50 ありがとうございます、神様!!
ってそんなことできたのかー知らなんだ。。
よーし、パパも張り切って貼りまくるぞ〜
DABOの非業の死は、戦場に束の間の休息をもたらしていた。 昼の放送終了の約30分後にDABOが死亡した事により、ようやくベスト8が確定した。 しかしあれだけ活発であった参加者達の活動がパッタリと止っている。誰もが武器を携えたまま動こうとしない。 原因は色々と考察出来る。第一に参加者達の心身の疲労、降りしきる雨、何よりも大きな原因は『この時点』を迎え 残っているメンバーというのは、ここに至るまでの経緯は各人違ったとしていても、ひとつの共通項目があるという事だ。 そう、今生き残っている連中は自分も含め全員が『人殺し』であるという悲しむべき事実。 鳴り止まない雷雨が億劫さを増してはいるのだろうが、彼等は動かない。戦場は完全に膠着状態を迎えていた。 「…動きませんねぇ…」「……」 作戦本部でいとうせいこうとECDは退屈そうにモニターを見やる。 「…ブレイク、かけます…?」「……」 「立ち入り禁止区域を増やすとか、新ルールを急遽設ける、とか…」 珍しくECDが弱々しい口調で語り続ける。彼は非常に気懸りだった、せいこうの虚ろな表情が。 自分が太鼓持ちになったかの様で気分は優れないが、この気まずい沈黙をどうにか打ち破りたかった。 「…どうか、しました…?」「……」 必死で語り掛けるも、悪魔は無反応を貫き通す。ECDの脳裏に嫌な考えが走る。 『乗り気薄な顔して…また変な謎掛け言い出すのかな…』 「…なぁ、ECDよぉ…」 悪魔はようやく口を開く。何を思ったのかこの男は、その場全員の思考を停止させる発言を行う。 「…もうやめるか?このゲーム」 ECDの悪い予感は又しても的中してし まった。 作戦本部内の空気が一瞬にして固まる。冷たい沈黙が続く。当然の話だ、何を今更… 「アハハハ。やだなぁ、せいこうさんったら。まーたツマンナイ冗談を」 周りを気にしてECDは敢えて明るい声を出す。 が、当の御本人は相変わらず腑抜けた顔を維持している。 『ふざけるなよ、このキチガイが』 キレかかる自分を押えECDが続ける。
「どうしたって言うんですか、急に?」「……」 「あっ、わかった!善人のフリして評判上げようとか思ってるんでしょ〜。勘弁して下さいよ〜」 かなり際どい言い草だが、官僚や自衛隊員の手前、これ位は言わざるを得ない。ECDは笑みを絶やさぬまま、相手の出方を待つ。 「…いや、別にそういう訳じゃねぇんだけどな…」 せいこうが面倒くさそうに唇を開く。 「じゃぁ、何です?」 「まぁ、大したこっちゃねぇが」 彼は顎に手を添えたまま、その理由を発表する。それは呆れ返る程、シンプルなものだった。 「飽きた♪」 その一言でECDは席を蹴飛ばす様に立ち上がる。行政側の人間も皆一様に顔色を変えた。 「何言ってんだ、アンタ、一体」 「だから飽きたって言ってるじゃねぇか」 「これからだろう、面白いのは!それをアンタ、一体…」 ECDは既に逆上している。元来これ以上キレ易い男もいない。 既に眼は細まり、敬語すら用いなくなっている。 キレた理由の大半は『誰が生き残るか』を見たい事に尽きるが、 参加者達の先輩(同僚)として死闘を繰り広げてきた漢達の思いを 『飽きた』の一言で片付けられちゃタマンネェ、という気持もあった。 今更この男に先輩面をする権利があるとも思えないが… 「そうですとも!これは政府が主催するプロジェクトです!それを貴方の感情ひとつで…」 「ウルセェッ!権力の犬が!」 クレームを付けた官僚に対し、せいこうは一喝する。 「俺に指図するな!百年はえぇっ!バカヤローッ!!」 ECDを始め関係者一同が不服そうに口を噤む。 「…見えねぇんだよ…」 せいこうは不機嫌極まりない表情で言葉を繋ぐ。 「誰が残ろうと、見えねぇんだ、先が!!」
『…見えない?…先が?』 またお得意の謎掛けが始まったよ、と思いつつECDは次の言葉を待つ。 せいこうは歌舞伎役者の如く周りを嘗め回す様に一瞥すると、御自慢の葉巻に点火し、煙を燻らせながら解説を始める。 「…このプログラムの趣旨は何だ?」 「……?」 「真の強者を育てるんだったよなぁ、確か」 「…その通りですが」 「なぁ、ECD」 せいこうは急に微笑を湛える。 「アイツ等から育つと思うか?真の強者が。育つ訳、ねぇだろうが!」 必死で戦っている後輩達にこれ以上の冒涜はないだろう。この男は誰が残っても俺は認めん!と言っているのだ。 しかしECDは反感を覚える反面、せいこうの意見に共感もしていた。 『誰が残ろうが、この人は越えられない・・・』 いとうせいこうと言う男は全てを持っている。彼には天使と悪魔が常に同居している。 Mummy-Dの持つ『冷酷』、BOSS THE MCの持つ『狂気』、NIPPSの持つ『詐欺』、 KREVAの持つ『センス』、RUMIの持つ『探究心』、ZEEBRAが持つ『プライド』、 そしてK-DUBと宇多丸が持っている『正義』、これらの矛盾した性格がこの男の中には全て含まれている。 それも中途半端な量ではない、場面場面で万華鏡の様に性格が変る。ある意味で人間の傑作と言えるであろう。 「…な?やってて無駄だろ、こんなもん」 「……」 ECDは妙に熱っぽい目でせいこうを見つめている。 「アイツ等じゃ期待感が持てねぇんだよ。気合が足りねぇっうか。奴等じゃ俺は殺せねぇよ…」 するとせいこうはECDに対し謎掛けを投げた。悪戯小僧の様な笑みを浮かべながら… 「…お前くらいだと思ってたがな、俺を殺してくれるのは。ンムフフフフ」
ECDの背筋に強い電流が走る。忘れ掛けていた、いや、忘れようとしていた感情が蘇る。 「 − いとう せいこうを 殺す − 」 思えばヒップホップに足を踏み入れてからの自分の人生はその為だけにあった。富も名声も捨てて、俺は彼の否定に走った筈だ。 なのに何故、俺はここにいる…傍らで笑っている場合じゃないだろう!彼を倒す事が俺の人生の集大成じゃないのか! ECDの脳裏を幾つもの妄想が駆け抜ける。元々、想像力は普通人より数段逞しい性格だ。 『…この男を殺したい。無様に泣きながら俺に命乞いをするこの男が見たい…』 『…この男に殺されたい。虫けらを見るが如き冷たい視線で俺を見下す、この男が見たい…』 世界一のせいこうファンは様々なイメージプレイにより、脳内勃起を続けている。そのどれもがタマラないシチュエーションだ… ECDの感情に大きな波紋を投げかけた事を知ってか知らずか、せいこうは愉快そうに言葉を繋げる。 「という事で終りにしませんか!俺も家、帰りてぇしな」 「……」 今のECDにはその悪質な冗談は届いていない。 「面倒くせぇから、全員爆破しちまえ!解散、解散!」 「いい加減にして下さい!」 はしゃぐ悪魔を諌めたのは自衛隊幹部である。 「これは国家の威信を掛けたプログラムです!貴方の主催興行ではありません!いくら全権委任とは言え…」 「オーケー、オーケー。わかった、悪かった。撤回します!」 せいこうは快活に白旗を上げる。周囲はその豹変振りにただ唖然とする。 但し、先刻の中断指令は冗談で言った訳ではない。本気だった。この男の気分は何時しもカメレオンの如く変化する。 「まっ、それでもだ」 せいこうは椅子から立ち上がりECDの肩を軽く叩く。ECDは今だ熱っぽい視線を失っていない。 「疲れてる事も事実だ。しばらく寝る。6時の放送に間に合わなかったら代役としてやっといてくれ」 益々呆然とする行政関係者を尻目に、全権司令官は退出した。
暫くは唖然とするばかりだった官僚達は、ECDに聞こえぬ様、口々に指揮官の不真面目さを批判し出す。 しかし彼を知り尽くしたECDにとっては、その中傷は全てお門違いの内容であった。 『…お前等みたいな杓子定規野郎には、あの人は千年経ってもわかりゃしねぇよ…』ECDは愉快そうに忍び笑う。 ECDを愉快にしている原因はもう一つある。先程、自分の肩を叩いた時の力強さとその燐とした背筋だ。 いくらやる気のないブラフをかまそうが、せいこうの本気はいつも背中に現れる。ECDは誰よりもそれを熟知している。 『…まったく。不機嫌そうにしてたのは、要は自分も参加したくなっただけじゃないか。懲りない男だ…』 その懲りないっぷりがECDの心を一層沸きたてる。これで自分にもチャンスが巡ってきた、我が人生の清算の機会が! 『…これからの残り一日半、色んな意味で楽しくなりそうだなぁ。皆さん、よろしくお願いしまーす』 せいこう同様、すっかり上機嫌になったECDに対し更にモニターから嬉しいプレゼントが届けられる。 「おっ!ようやく動きがあったみたいだね。今動いたの、誰?」 「RUMIです。病院の方角へ動き出しました」 「病院って言うと…ZEEBRAがいる方向じゃないか!凄いなぁ。こんな豪華なカード、準々決勝で見ちゃっていいのかなぁ(笑)」 骨肉の争いは再び幕を開けようとしている。 いとうせいこうの持つ『探究心』を偶然継承してしまった、悲運の女の手によって。
ZEEBRAはトイレの洗面所で顔を洗っている。 Kjから「生きる権利」を貰ったZEEBRAはそのままずっと病室に潜み、 Kjの実質の仇であるBOSSが戻るのを待っていた。 あの男はどうしても自分の手で葬らなければならない、そう思ったからだ。 しかしいくら待ってもBOSSは現れず、今に至っている。 この極限状況下において神経を張り詰めさせたまま時を過ごすのは並大抵のことではない。 それが9時間近くも続きZEEBRAの精神は極度に消耗していた。 ZEEBRAも流石に耐え切れなくなり、一度息を抜く為にトイレへ向かったのだ。 特に催していなかったが無理矢理用を足し、 洗面所で手を洗ったあと両手に溜めた水を顔に押し付けた。 気温に比べれば幾らかは冷たい水が顔に触れると、少し楽になる気がした。 濡れた顔をタオルで拭い大きく一つ溜息をつく。 そして慎重に辺りの気配を探りながらKjの眠る病室へと戻っていった。 しかしその間全く人の気配は感じられなかった。 (どこに行きやがった、BOSSの野郎…) ZEEBRAは毒突きながら病室の扉を静かに開ける。だが病室には思いもかけない先客がいた。 「アッ!ZEEBRAさんだったのかぁ、元気そうですねZEEBRAさん。」 突然自分に向けられたあまりに場違いな声にZEEBRAは懐の銃を抜くのも忘れたまま声の主を見た。 視線の先のRUMIはいつものように笑顔を湛えていた。 (は、RUMI?) 思えばこのゲームが始まってから、ZEEBRAは自分に敵意を向けない健康な人間に会ったのは童子-T以来だ。 その嬉しさに、思わずRUMIに駆け寄りそうになる。 しかしZEEBRAは踏み止まった。不自然だ。どうしてRUMIはこんなに平然としているのか? ベッドで眠るKjの遺体は見た筈だ。しかし顔色一つ変わっていない。 更にZEEBRAが部屋に入って来た時も少しも慌てなかった。そして手には武器も持っていない。 まるで入って来るのを知っていたかのようだ。それ以外にも妙な違和感を感じる。 ZEEBRAには目の前の女が自分の知るRUMIとは違う気がしてならなかった。
「RUMI……お前これまでに誰を殺した?」 目の前の女を試す意味で問い掛けてみた。答えによっては…ZEEBRAは懐の銃を確認する。 その問い掛けにRUMIは片眉を少しだけ吊り上げたが、それ以外表情に何の変化も見せぬまま まるで数字でも数えるかのように何でもない顔で、今までの『戦績』を挙げ出した。 「んー?…え〜とラッパ我リヤの片方の人でしょ、それから安室さんとDJ KAORIさんに童子-Tさん。 KOHEIさんも私が殺ったことになるか。あと、MICRO(笑)」 もう童子-Tと聞いてからZEEBRAの耳にRUMIの声は殆ど届いてはいなかった。 そして次の瞬間、ZEEBRAはただ黙って懐からベレッタM93Rを引き抜き、RUMIに向ける。 それでもRUMIは身じろぎ一つ見せない。既にZEEBRAの悪い予感は確信に変わっていた。 「ねえねえ待ってよ、ホントに真面目な人だね。私は話があって来たんですって。」 無言のまま自分にべレッタを向けるZEEBRAを無視してRUMIは続ける。 「ねぇ、私と組みません?」 「は!?……何言ってんだよ?」 ZEEBRAには完全に理解できなかった。一体この女が何を考えているのか。 「いや何人か殺したら飽きちゃってさぁ、でやっぱ私だって生き残りたいワケよ。 その為には仲間ってのもいたほうがいいっしょ?その方があなただって…」 「フザケンナ、コラァ!!テメェなんかと組めるかよ、RUMIィ!!」 ZEEBRAの怒声が病室中に響く。そんなZEEBRAの剣幕にもRUMIは軽く溜息をつくだけだった。 「…お前一体どうしちまったんだよ……」 一転してZEEBRAは悲しげな顔を見せる。むしろこれが本当のZEEBRAの顔ではあるが。 「どうしたって言われてもなぁ。確かに前とは違うけど、私もよく分かんないし。 ただすごく気分いいんだよね。このゲーム始まってから。」
「?……」 ZEEBRAにはRUMIの言葉は理解出来なかった。 当然RUMIの身体に起きた異常は誰も、せいこうやRUMI自身ですら知らないのだから無理もない。 「…さっさと消えてくれ。オレはお前とは組む気は無い。」 「なんだやっぱダメ?しょうがないな、他探すか。ま、ZEEBRAさんも殺されないように頑張ってくださいな♪」 RUMIはそう言うと、自分に銃を向けるZEEBRAの横を通りすぎて出口のドアノブに手をかけた。 「…おい待てよ。」 ZEEBRAがRUMIを呼び止める。ベレッタは向けたままだ。 「俺の言った『消えろ』ってのは出て行けって事じゃない、死ねって事だ。 童子-Tを殺したお前を生かしとく訳にはいかないんだよ。」 言い終えたZEEBRAは、引き金にかけた指に力を込めながら自分に背を向けたままのRUMIを見た。 ――――笑っている。 向こうを向いたままで顔は見えないが、背中に銃を向けられた状態で確かにRUMIは笑っていた。 「今の」RUMIの持つ空気、態度の異常さがZEEBRAの背筋に言い様の無い悪寒を走らせる。 だがそれを意地でねじ伏せZEEBRAは引き金を引いた。 しかしもうそこに誰もいなかった。すでにRUMIは素早くドアを開け、廊下へと出ていたのだ。 ZEEBRAも部屋を出て、廊下を走るRUMIの背中を捉え再び銃を放つ。 だが弾は虚しく床を削り、それに気付いたRUMIは窓を突き破り外へと飛び出した。
ZEEBRAもRUMIの後を追い、窓から外へと出る。 3m程の高さの外壁と病棟に囲まれたそこには植物が生い茂り、RUMIの姿を認めることも出来ない。 それでもZEEBRAは葉の擦れる音を頼りに数発銃弾を放つ。すると辺りは静寂に包まれた。 耳を澄ませ物音を探るが何も聞こえてこない。2分程待った所でZEEBRAは着弾の確認に動いた。 その直後、乾いた音の後にZEEBRAの首の左側を衝撃が掠める。 「!…つぁっ」 RUMIの反撃だと気付くのには数秒を要した。今まで『実戦』経験の少なかったZEEBRAはRUMIの反撃が無いのを 離れた距離での攻撃手段を持たないからだ、と安易に考えてしまっていた。 その間違いに気づいた時には、既に茂みから現れたRUMIに間合いを詰められてしまっていた。 ZEEBRAは銃を向ける前に押し倒されはずみで銃を落としてしまう。 「動きが硬いなシマウマさん〜、慣れてないでしょ、んん?」 RUMIは馬乗りになったZEEBRAの額にトカレフを押し付けながら勝ち誇るように薄笑いを浮かべた。 苦渋に満ちた顔のまま、ZEEBRAはRUMIを見上げている。 「そんな顔しないで〜♪しょうがないって、あなたは殺しには向かないんだから。」 「じゃあお前は向いてるのか?」 「あれ?…宇多丸さん、なんでここにいんの?」 突然の言葉に反応してRUMIが見上げた先で、ブローニングを構える宇多丸が喋っていた。 「あれだけドンパチやってりゃ気付くだろ。それよりZEEBRAから離れろ。」 それでもRUMIは宇多丸の呼吸のほんの一瞬の隙を突いて胸元からSIGザウエルP226を抜き宇多丸に向けた。 「ちっ!…」 この銃はMICROから奪い、拾った般若のデイパックの弾を込めたものだ。 つまり『とっかえだまシステム』で般若が達磨様のベレッタの弾、 達磨様がMICROのザウエルの弾、そしてMICROが般若の銃の弾を持っていたのである。 ただ宇多丸も舌打ちで悔しがりこそしたが怯みはしなかった。 「RUMI、腕が一本足りないんじゃないか?」 宇多丸が言い終えた頃にはRUMIの背後からK-DUBが銃を向けていた。 「このまま消えるなら見逃してやる。でも戦うなら少なくともお前は死ぬぞ。」
「大丈夫か、ZEEBRA。」 三人から離れていくRUMIを見張りながら宇多丸はZEEBRAに話し掛ける。 だがZEEBRAは答えるよりも先に落とした銃を拾い上げRUMIに向かって発砲を始めた。 「おい!何してんだよ、やめなって!」 「アイツはここで殺しとかないといけないんだよ!」 ZEEBRAは止めに入る宇多丸と揉み合う。その時横からK-DUBの声が聞こえた。 「危ない!!」 二人がその声に反応した時には乾いた連続音が聞こえ、宇多丸の左ふくらはぎに銃弾が当たっていた。 宇多丸はバランスを崩して倒れる。 ZEEBRAは反撃したがすでにRUMIは弾が当たらない程遠くに逃げた後だった。
「SHIRO、本当にすまなかった。」 事情を説明しながらZEEBRAは何度となく宇多丸に謝っていた。 「何度も言わなくていいよ、そういう事ならしょうがないだろ。」 宇多丸は治療を終えた足を眺めながら言った。 「足も肉持っていかれただけだったしね。それよりさっきも言ったけど俺達と組まないか?」 「……その話なんだけど…断らせてくれ。」 「どうしてだよ、ZEEBRA。俺らが信用できないっていうのか?」 K-DUBが詰め寄る。 「そういう事じゃない。現にオレは助けてもらってるだろう。 ただどうしても会いたい奴と殺さなきゃいけない奴がいるんだ。 …これがあればそれも出来そうだしな。」 ZEEBRAはさっき拾ったRUMIのレーダーを見た。ZEEBRAと戦った時に落としたのだろう。 「でも…」 「行かせてあげよう、K-DUB。ZEEBRA、今日の夜12時に俺らがいる場所を教えとく。 用事が終わって合流する気になったら来てほしい。」 「…不満そうだな。」 宇多丸は釈然としない表情でZEEBRAを見送ったK-DUBに話しかけた。 「不満だよ。折角まともな奴に会えたと思ったのに。」 「あいつにはあいつの考えがある。こんな状況なんだ、 やりたいことのある人にはガタガタ言わずにやらせてあげよう。」 「でも俺らと一緒に行動する方が安全なんじゃないか。」 「俺達を戦いに巻き込みたくないんだろうな。そしてそれ以上に自分でカタをつけたいんだ。 BOSSやRUMIだけじゃなく他の奴らとも戦うかも知れないんだからな。 どういう事になろうと自分を納得させたいってことだろ。」 「……そういうことなのか…」 「プライドが高いのに他人に気を遣う奴ってのは大変だよなぁ。」 「…だな…12時にまた会えると良いよな。」 「そうだな…って俺達も他人の心配してる場合じゃないけど。」 「あははは。」 ZEEBRAともこうやって話が出来れば良いのに。 K-DUBはZEEBRAの張り詰めた顔を思い出しながらそう思い彼の無事を祈った。
とりあえず大量投下しました
ってか明日もこんくらいの勢いで貼ります!
>>25-27 お手伝いサンクスです
でも役割分担が曖昧になると混乱を招く可能性もあるんで、一応僕にやらせてもらえますか?
貼り付けが遅いと思われないように頑張るので!
64 :
訴える名無しさん。 :2006/03/27(月) 03:20:09 ID:WPrn1Cdr
お疲れ様! 明日もよろしく
65 :
訴える名無しさん。 :2006/03/27(月) 03:33:33 ID:AAO552pC
お疲れ!おもしろいよ。
>>11 と
>>12 の間に以下の文章を挿入してください。歯抜けでした
って恐ろしい時間まで起きちゃってるよ漏れ(´;ω;)
その他、明らかに文脈的につながりがおかしい所はご指摘願います
「………何?…」
殺人鬼は急に冷酷な雰囲気を取り戻す。田中の背筋にイヤーな電気が走る。
「……Kjに…手を出した…?」
「……い、いや、ウソ!ウソ…です。ジョーク…の…つまんない…ですか…」
田中は水不足に悩むアフリカの人達が見たら羨ましがる程の大量の冷や汗を流しながら、必死で弁解し始める。
「…そ、そんな…倒れてる人、殴るわけないじゃん!…看病したんだよ…それをZEEBRAの馬鹿が勘違いしてさぁ…」
「……アッ?…」
KREVAの機嫌の急降下ぶりは留まる事を知らない。
「……Kjを…かんびょうしたぁ?…」
お疲れ!!夢にまで出てきた…
↑いいなぁ・・
これからは僕がこの小説の代役を務めさせて頂きます
>68 微妙に話違ったけど会話とかリアルで怖かった…
73 :
olbest :2006/03/27(月) 15:38:45 ID:???
最近自宅で活動し始めた麒麟児ラッパーの俺が出れば余裕じゃないだろうか? 多分キモイラッパーとかだけ殺してキモクないやつは生かしておいて政府の連中全員殺すよ んで、政府対ラッパーになる
こんなことしてshowさんが許すかな〜 ここらでやめとけば??こっちも怖いんだけど
大きな店内に鈍い銃声が響き店の扉が開かれる。銃声は扉の鍵を壊すための物だったらしい。 扉の開かれたそこには、右手にデザートイーグルを携えたKREVAが立っていた。 KREVAは懐かしげに店内を眺めながら店の奥へと歩を進める。 更にそのKREVAの後に続く影があった。NIPPSだ。 KREVAは無言のまま店内に幾つもある大きな円形のテーブルの一つ近付き、 机の上に逆さまに置かれた椅子をいくつか放り投げた。 そしてできたスペースにNIPPSの方を向いて座り、やっと口を開く。 「ここならいいでしょ?話すにしても殺し合うにしても。」 それを聞いたNIPPSは、立ったまま何とも言えないような表情を見せた。 ここで時は少しだけ遡る。 この店の前でNIPPSは以前立ち寄った時を思い出していた。 この中華料理店はよく取り上げられるような有名な店なのである。 「そういやこの店の料理って…」 「高いクセにえらい不味いんすよね。」 「!!?」 誰かの声が背後で自分に合わせた。 全く予期しなかった声にNIPPSは懐からグロック34を抜きながら弾かれるように振り向く。 だが無防備なまま立っているKREVAを視界に捉え、グロックは途中で止まった。 自分が生き残るためにKREVAも殺さなければならないし、当然そのつもりだったのだが 色々思い出していたせいで思わず手を止めてしまったのかも知れない。 そんな戸惑うNIPPSを横目にKREVAは扉に向かうと手に銃を持ち店の扉に向ける。 二度の銃声の後、扉が開くことを確認したKREVAはNIPPSの方を向き直った。 「NIPPSさん、中入りなよ。」 それだけ言うとKREVAは店へ入っていく。 NIPPSは複雑な感情を抱きながらもなんとなくKREVAの雰囲気に押されその後に続いた。 一応手持ちの二丁の銃の存在を確かめて。
「で、NIPPSさんは何人くらい殺したの?」 KREVAは昨日の夕飯の献立でも聞くかのような調子でNIPPSに問い掛けた。 「い、いや、何人ってオレそんなに殺してないよ!」 NIPPSは慌てて否定して見せた。そんなNIPPSの態度にKREVAは笑みを漏らす。 「ハハッ、そうやって何人騙したかって聞いてんすよ、役者さん。」 「………やっぱバレてるんだ?KREVAには敵わねぇなぁ。」 NIPPSはイタズラのばれた子供のような顔を見せた。これも半分演技かもしれないが。 「…知ってる人の嘘ってのは結構分かるみたいだな……」 不意にKREVAは伏し目がちになり呟く。 「何かあったのか?」 「……何でもないよ。それでNIPPSさんは誰殺したの?」 「MASTERKEYさん?あの人もつくづく運が無い人だよなぁ…」 NIPPSの報告を一通り聞いて、しみじみとKREVAは首を左右に振る。色々思う所があるようだ。 「運って言うか何て言うか(苦笑)ま、あのマヌケな死に方、仮にもMASTERKEYとは思えなかったけどな。それよりKREVAはどんな感じだ?」 MASTERKEYへの一応のリスペクトのせいかNIPPSの言葉をKREVAは少しきつい表情で咎める。 「ねえ『それより』って言い方はなくないすか。」 「あ、ごめん。いや正直スマンかった(笑)」 KREVAは仕方なさそうに小さく溜息をついた。 「…しかしこのゲームで一番元気なんじゃないですか?NIPPSさん。」 「かも知れないな。でKREVAはどうなんだ?」 NIPPSはどんどん調子が上がってきているらしい。 「俺は…」 『ギィィ』 「!!」 KREVAが言いかけたところで店の扉が軋みながら開いた。 二人が反射的に銃を向けたそこには、こちらに銃を向けるZEEBRAがいた。
「あれえ?ZEEBRAさんじゃ〜ん!ホントに生きてたんですね!入って来てくださいよ〜。」 KREVAは銃を下ろし、場に似つかわしくない程の笑顔を浮かべてZEEBRAを招いた。 覚悟を決めて店に踏み込んだZEEBRAは勿論、一緒にいたNIPPSも驚いている。 「ほら、NIPPSさんもZEEBRAさんも銃下ろしましょうよ。たまにはゆっくり話しません?最後になるかも知れないんですし。」 ZEEBRAはKREVAのマイペースぶりに勧められるまま席に着き2人にKjやRUMIとの事を話した。 宇多丸達のことは2人に迷惑が掛かる可能性を考え伏せておいた。 「…へぇ〜BOSSにRUMIかぁ。」 「やっぱりみんな頑張ってんだな。Mummy-Dも動いてるみたいだし。」 「他人事みたいに言ってるけど、NIPPSさんも大概だろ?」 「いやそうだけどさ。あ、俺まだKREVAの話聞いてねえよ。」 「わかってますよ、次話しますって。」 ZEEBRAの話に反応した二人のやりとり。まるで下積み時代の音楽談義のようだ。 ふとZEEBRAの脳裏にそんな懐かしさが去来する。口には出さないがKREVAも人恋しかったのだろう。 「こんな状況」なら無理も無い………こんな状況? ZEEBRAはやっと現実を思い出す。いま自分たちが巻き込まれているふざけたデスゲーム。 目の前で楽しそうにしている二人はその話をしているのだ。 今生き残っている者は皆人殺しだ。だがそれぞれのスタンスから大別して3種類の人間に分けられる。 K-DUBの様にこのゲームを真っ向から否定し殺人を拒否しながらもある種の偶然で生き残っている者、 宇多丸やZEEBRAの様に否定はするがある部分を受け入れている者、 そして基本的にこのゲームを肯定する者。RUMI、Mummy-D、BOSS、そして目の前の二人のように。 既に懐かしさは影を潜めた。それと同時に懐に挿した二丁の銃が質量を増していく。 「…… さん!ねえZEEBRAさん、聞いてんすか?」 「えっ?…あぁKREVA、どうしたんだ。」 「どうしたじゃねぇっすよ。ボーッとして話聞いてないじゃないすか。やっぱKjの事思い出した?」 「あぁちょっと、な…」 (違うんだ、KREVA…オレはこれからお前とNIPPSを…) 「………殺すんだ。」 ZEEBRAは銃を抜いた。様々な想いと共に。
場を静寂が支配している。 ZEEBRAの両手に握られた黒い鉄の塊がそれを強要していた。 塊の先端が捉えた先で二人の男はそれぞれの表情を見せる。 KREVAはいくらか驚いた顔をしていた。だがNIPPSの表情には妙な含みがあった。 「随分余裕だな、NIPPS。」 ZEEBRAが口を開く。 「まぁ、な。昔取った杵柄ってヤツかな?人の表情見るのは得意だし。」 返すNIPPSの顔には笑みが浮かんでいる。銃口を向けられた事に対する緊張も多少はあるようだが。 「…でもZEEBRA、それ安全装置外れてねえよ?」 「!」 その言葉にZEEBRAは視線を下ろしNIPPSに向けている銃、マカロフPMを見た。 考えればPRIMALの遺体から入手してから一度も使っていない事を思い出したからだ。 しかし安全装置などどうすればいいのか全く知らない。 そこで一つの疑問、NIPPSは本当に銃について知っているのか?答えはすぐに出た。 「ZEEBRAってほんっとに素直なんだから(笑)」 視線を戻したときにはNIPPSもZEEBRAとKREVAの両方に銃を向けていた。はめられたのだ。 NIPPSはたっぷりの余裕を顔に出しながら続ける。 「これでZEEBRAとは五分だな。不利なのはKREVA… アレ?」 いつの間にかKREVAとNIPPSの間に大きな銃があった。デザートイーグルだ。 「…バレてた?」 「今のはちょっとね。そんな三文芝居じゃZEEBRAさんしか騙せねぇな。」 それまでのくだけた表情はKREVAには既に無かった。 KREVAは右手のデザートイーグルをNIPPS、左手にFNファイブセブンという銃をZEEBRAに向けている。 そのことで三人の間にはそれぞれの伸ばされた腕と銃によりいびつな三角形が出来ていた。
店内の空気が張り詰めていく。 今まで無かった、というより全員が隠していた緊張感が一気に噴き出し、 場の空気を目視できそうな勢いで塗り替えていった。 そして耳に痛いほどの沈黙。三人ともが残りの二人に、二人の向ける銃口に目を走らせる。 その状況でNIPPSが口を開いた。 「でもいいのかな?KREVA。その銃片手で撃てるのか?反動スゴイだろ。」 「……確かにえらい反動だったね、さっき撃ったけど。じゃあ撃てるかどうかアンタの身体で試そうか?」 「…………」 そしてまた沈黙が訪れ、誰も動けずにただ時間だけが過ぎる。 店内には時計も無く時間の経過がわからない。 まだ5分も経っていないような、30分以上続いているかのような心地悪い沈黙は続いた。 全員が額から汗を流す。蒸し暑い店内と緊張が余計に発汗を促した。 そんな時に不意に物音が聞こえた。一度だけなら全員が幻聴だと思ったかも知れない。 だが物音は店の奥から確実に三人のいる所へと近付いていた。足音だ。 一番最初にZEEBRAの顔色が変わった。足音の主を見たのだ。 続いてNIPPS。完全にKREVAの背後から足音は聞こえていた。 振り向くに振り向けない状態にKREVAは苛立つ。 そんなKREVAの心中を察したわけではないのだろうがZEEBRAはその人物に話しかけた。 「なんであんたが…ここにいるんだ……ECD……。」
すぐ続きいきまする
苦しくなればすぐ俺に言え!!いつでも替わってやる
>>81 「無理だろう、お前じゃ」と背後から冷たい野次。
KREVAは驚きのあまり今の状態も忘れ振り向いた。とはいえ他の二人ももう忘れていたが。 そこには確かにECDが立っていた。迷彩のアーミールックに身を包み粘り気のある笑顔で。 ECDの存在を確認したKREVAは一瞬間を空けた後言った。 「ECDさん何でそんなカッコイイ服着てるの?なんかゲリラ兵っていうかテロリストっていうか、 ECDさんのブサイクっぷりがうまい具合マッチしててすごいイケてると思うよ。」 NIPPSは笑いを堪えきれずに軽く吹き出した。 だがそれでも笑みを崩さないECDに気味悪さを感じKREVA達の表情はやや固まる。 そんな場の雰囲気にも冷静なままZEEBRAはECDに聞いた。 「なんであんたがここに居るんだ?」 「君らに餌になってもらおうと思ってね。」 「餌?…どういう意味だ。」 「分かりやすく言うと、お前らに死んでもらうって事だ。」 今この場に居ること自体が不思議な男から聞かれた意外な台詞に全員が身構える。 そのままKREVAはデザートイーグルをECDに向けた。もちろん両手で。しかし、 「KREVA!銃はヤバいって。足元足元!」 NIPPSの声に止められ視線を落とした。そしてECDの足元の2つの物体に気付く。 業務用の5キロLPガスボンベ。ECDに気を取られ気付いていなかったのだ。 「そうそう、銃はやめといた方がいい。とっくに厨房はガスが充満してるしこっちにも来てる。そろそろ匂って来てるだろう。」
KREVAは鼻に意識を集中して空気を吸い込んだ。微かに、だが確かにガスの匂いが混じっている。 「チッ、大分前に裏口からでも入ってきてたな。」 舌打ちしながら仕方なくKREVAは銃を懐に仕舞った。その様子にECDの笑みが更に粘り気を増す。 「正解。ずっと様子は見てたよ。ガス臭くてちょっとキツかったがね。」 「それよりさっきの死ねってのはどういう事だ。殺し合いをさせてるのはテメェらだろうが。」 ZEEBRAが口を挟んだ。ECDはそんなZEEBRAを鼻で笑ってから答えた。 「…あのなぁ、お前らの生き死になんざどうでも良くなったんだよ。そんな事より100倍大事な用事ができてな。」 「ハァ?何言ってんのアンタ。つーかアタマ大丈夫?」 NIPPSは呆れ顔でECDを馬鹿にした。だがまるでECDの耳には届いていないようだ。 「『あの男』を殺す為には俺の手にしっかり血をつけとかなきゃダメなんだよ。 狂気が足りないんだ今の俺には。お前らはそれを補う餌なんだよ、分かるだろ。」 さっきまでは常人の物に見えていたECDの目がみるみる狂気を帯びていくのが分かる。 そしてそれに併せて口元の笑みが亀裂のように広がっていく。 「んなもん分からねぇよ。」 KREVAは腰からサバイバルナイフを抜いた。それを見てECDは笑う。 「あぁ、それでYOU THE ROCKを殺したんだっけな。あとGAKU-MCやBOSEも殺ったし、恩を仇で返しすぎだろ、全く。」 KREVA以外の二人の顔が強張る。特にZEEBRAは驚きを隠せずにいた。 よりにもよって先輩と言えるYOU THE ROCKをKREVAが、しかも3人も殺していたことに。更にECDは続けた。 「でもその後がダメだ。ぱったり殺せなくなりやがった、このヘタレが! ちょっと優しい言葉かけられたくらいでせっかく貰ったチャンスをドブに捨てやがって。 お前らがそんなだからせいこうさんがゆっくり隠居も出来ない。」
「何言ってんだか。アイツはただのでしゃばりだっつーの。」 不機嫌な顔でNIPPSが言った。そのNIPPSをECDは鬼のような形相で睨む。 「お前らは何も分かってない。長年『いとうせいこう』を見ながら少しも、だ。 『いとうせいこう』を超える男が居ればせいこうさんははあっさりその座を譲ったんだ。 だが一向に現れやしない。この先もまるでその気配が無い。どれだけあの人が無理をしているか…。」 ECDの眼から涙が溢れた。だがNIPPSはさっぱり理解出来ずに困惑している。 「せいこうさんは誰かを、『いとうせいこう』を殺せる誰かを待っている。 俺は随分遠回りしたがやっとそれに気付いた。しかし全てが足りない。及ばない。 神と悪魔の棲む『いとうせいこう』には。だからこそあの男を超える物が要る。」 「その為に俺たちを殺す事が必要だってことか。くだらねぇ。」 言い終わると同時にKREVAはECDとの間合いを一気に詰め、ECDの胸を目掛けナイフを突き出す。 「少しは理解出来たらしいな… 一応天才と言われただけはある。」 だがECDは喋りながら、KREVAの突き出した右手を左手の甲で払い 右手の人差し指と中指をKREVAの二つの眼球にめり込ませた。 「〜〜〜〜っ!!!!!」 両目を突かれ、KREVAは痛みに声すら出せずに地面を転がる。 「狙いはいい。銃もそうだが的の小さい頭部にそうそう素人が当てられるもんじゃないから、なっ!」 続けてECDは、言い終わりに併せKREVAの横っ腹を蹴り上げた。KREVAは更に悶絶する。 「ただやはりネックはその膝だな。踏み込みにスピードも勢いもまるで無い。問題外だ。」 ECDの表情はいつの間にかこの上なく冷徹に変貌していた。 さっきまで笑い、怒り、泣いていたとは思えない程に。
ECDはうずくまるKREVAに一瞥もくれずサバイバルナイフを拾い上げた。 そしてポケットから別のナイフを出しその刃の先をKREVAに駆け寄ろうとするZEEBRAに向ける。 次の瞬間にはその刃はZEEBRAの腹部に突き立っていた。 スペツナズナイフ――刃の部分を飛ばすことの出来る殺傷能力の高いナイフ――だ。 何が起こったか分からないままZEEBRAが倒れこむ。 「!!?」 NIPPSもKREVAも驚きに固まった。だがECDはさも当然と言わんばかりに吐き捨てる。 「そんなに驚くなよ。そいつに支給された武器は青酸カリの毒薬と釣り糸なんだ。 それでどうやって戦う?必殺仕事人か(笑)それに俺の相手にそんなポンコツは要らないから仕方ないだろう。」 NIPPSはZEEBRAを見た。ZEEBRAはなんとか起き上がり壁にもたれかかっている。 そのナイフの突き刺さった腹部は絶え間なく血を流し、素人目にはとても大丈夫とは思えない状態だった。 「なぁNIPPS、般若の死体から持ってきたポン刀があるだろう。そんな奴はいいから早くかかって来い。」 「…ケッ何でも知ってんだな。でも別にここでやり合う必要はねーんだよ。」 NIPPSは背後にある店の出入り口に目を向けた。そう、外に出ればいい。そうすればガスは関係無くなる。 しかしその考えも見透かしたようなECDの笑い声に遮られた。 「ハハハ、そこの扉なら開かないぞ。外から閉めさせといたから。」
「折角高い税金払ってるんだ、使えるものは自衛隊でも使わないと。」 そう言ってECDはトランシーバーを手に持って見せる。自分が命令して閉めさせた、と言いたいらしい。 「これで自分の置かれた状況が分かったか?。この店には窓も無い。変に高級ぶった店の造りが災いしたなぁ、アハハハ。」 心底楽しそうに笑うECDを尻目に、NIPPSは鬱陶しそうに顔をしかめ舌打ちしながら デイパックの中の日本刀を一息で鞘から抜いた。 ここまで思い付く限りの策で生き延びてきたNIPPSの考えは全てECDに見抜かれている。 それでもNIPPSの顔はまだ余裕を漂わせていた。 「良かったねぇ、自衛隊をアゴで使えてさ。でもECDさぁ、俺の特技が『剣術』って知ってた?」 NIPPSは刀を構える。その佇まいから先程の言葉が虚勢でないことは容易に見て取れた。 だがそのNIPPSを見てECDはサバイバルナイフを地面に放り捨てた。 そしてECDは丸腰のまま、NIPPSに向かって無言の上に薄笑いで手招きをした。 ECDの挑発にNIPPSの顔が不快感に歪む。いや正確には『そう見えるように』演技をした。 普通ならNIPPSは挑発する側の人間である。だからこそ冷静に考えることが出来た。 ECDという人間は自分と同じく計算高い。それはあの男が今の状況を作り出したことからも実証されている。 つまり何の打算も無く丸腰になるような男ではない。さっきはKREVAを素手であしらった。 しかし何か、恐らくスペツナズナイフ以上に性質(たち)の悪いものがあるとほぼ確信していた。 だから敢えて挑発に乗り手の内を探る、その為の演技なのだ。
刀を持つ手に力を込め、冷静さを欠いたフリでECDに走り寄る。 勿論ECDに妙な動きがあった時には反応できるよう気配りは忘れずに。 しかしあと2mのところまで迫ってもECDは身構え以外の動きを見せない。 NIPPSはそのままECDに切りかかった。横薙ぎに振られた切っ先がECDのがら空きの脇腹に達しかける。 だがNIPPSはそこで刀の軌道を止め攻撃を突きに切り替えた。 ECDが防御すらしないことからNIPPSは恐らく防弾チョッキでも着込んでいると予想した。 そして防弾チョッキの類は刃物で突き刺される場合には殆ど役には立たない。 だからこそこれでECDを殺せる…筈だった。 刀の先端はNIPPSの読みも虚しくECDの大きな腹で止まっている。予測は見事に当たっていた。 ただ惜しむらくは、ECDの身に付けた防具は渾身の突きすら通さないほど強力な物だったことだった。 次の動作を起こす前に右手で服の首元を掴まれ思い切りECDの方に引き付けられる。 その次の瞬間にはECDの左肘がNIPPSの側頭部を捉えていた。 瞬時に打点をずらした為こめかみには当てられずに済んだが衝撃が側頭部を突き抜ける。 一瞬思考が停止し足が制御を失い倒れそうになる。しかしECDの手は首元を持ったままそれを許さない。 更に膝を地面についたNIPPSの鳩尾にECDは右膝を叩き込んだ。 鳩尾に受けた衝撃でNIPPSの思考が戻る。だがその代わりに訪れた息も出来ない痛みに襲われた。 「…ぅぁぁっ…ぇふ……ぁぐぅ…」 呼吸どころか咳も出来ずに地べたに這いつくばるNIPPSを見下ろしながらECDは満面の笑みを浮かべた。 「…ぐほっ……ゴホッ、ゴホ…てめ……汚ね…ぞ……ぐぁっ!」 ようやく呼吸が戻りだしたNIPPSの背中を踏みつけ、ECDは再び怒りに満ちた顔になり胸元を親指で指した。 「本当にバカだなお前は。汚い?銃弾も刃物も通さねぇこのスーツがか?騙しなんざやって当然だろうが! 俺が殺すのは『いとうせいこう』だぞ?あの男には何でもありなんだ!こんなもんで足りるかよ!」 ECDはNIPPSを一喝するとKREVAにしたのと同じように横っ腹を蹴り上げた。NIPPSが痛みに転がる。 そしてECDはNIPPSに近づき拾い上げた日本刀の先端をNIPPSの肩口にゆっくり押し込んでいった。
「ぐぁあぁっぁぁ!」 NIPPSの肉の感触を刀伝いに右手に味わい、ECDの快感は沸点に達する。 「アッハッハッハッ これだよ。俺が欲しかったのはこの感触なんだよ。もっとだ、もっと味わわせてくれ。」 ECDはNIPPSの肩から刀を引き抜くと最高の快楽を得るために刀を振り上げた。 「いい加減にしとけこのサド野郎!」 残念ながらお楽しみは突然背後から飛んできた椅子によって阻まれた。ECDは前のめりに膝をつく。 怒りの表情で振り返った先で今椅子を投げたKREVAが店の出入り口の前に立っている。 そしてその背後の、ECDが命令して封鎖させた筈の扉は何故か開いていた。 数分前――――KREVAは痛む両目を庇いながら椅子を支えに立ち上がる。 ECDと対峙するNIPPSを手伝わねばと思ったがその前にZEEBRAの様子を窺うために振り返った。 だがZEEBRAはさっきまでの場所にはいない。驚いたKREVAがさらに見回すと、 血を流しながらも壁にもたれて立ち上がり、ECDに閉ざされた筈の出入り口へと向かうZEEBRAが見えた。 [ さっきのECDの言葉が聞こえなかったのか?腹刺されちゃ仕方ないか… ] KREVAは仕方なく方向転換して右足を引き摺りながらZEEBRAを追いかける。 この時にはさっきまで銃を向け合っていたことなどすっかり忘れていた。 「ねえZEEBRAさん、ドアは開かないんですよ。じっとしててください。」 ドアの前でZEEBRAに追いついたKREVAは声をかける。だがZEEBRAはそれを無視して扉の取っ手に手を掛けた。 「おい!ZEEBRAさん…」 「ゴホ…聞こえてるよ…でも口で言ってただけだろう…」 「そうは言ってもZEEBRAさん……!」 KREVAの口が止まる。ZEEBRAが少し押しただけ両開きの扉の間に隙間が出来たからだ。 僅かに出来た隙間から外の光が差し込む。 その縦に真っ直ぐに伸びた線は一ヶ所、真ん中のあたりが欠けていた。丁度表側の取っ手のあたりだ。 この様子からKREVAは予想した。この扉の取っ手は太い棒状の物なのだが、 どうやらこの扉は今左右の扉の取っ手に何か棒のような物を渡してあるだけではないかと。 もしそうなら杜撰な仕事だ。まずECDの指示通りではないだろうがおかげでここを出られる。
KREVAはZEEBRAを扉の横の壁にもたれさせると、痛みを堪えて距離をとり助走をつけて扉の中央に体当たりした。 何かが弾けるような音が鳴って扉は拍子抜けするほど簡単に開く。 見れば3cm程の太さの細い棒が二つに折れて地面に落ちていた。 棒の残骸を眺め、すっかりECDの口車を信じきっていた自分にKREVAは軽く苦笑いした。 「NIPPSさん、早く来てくれ!ここを出るぞ!」 KREVAの声が響く。NIPPSは身体を起こして状況を把握し立ち上がろうとしたが、 既にECDは立ち上がり今にもKREVA達の方へ向かおうとしていた。 「ふざけやがってあの(自衛隊員の)ボケが!後でブッ殺してやる。」 だが走り出そうとしたECDの右足の甲に痛みが走る。 足元を見るとNIPPSが、さっきECDの捨てたサバイバルナイフを靴の上から突き刺していた。 「ぐぅ……NIPPSぅぅ…」 「へっ、足の先までは着込めなかったみたいだな。とりあえずさっきのお返しさせてもらうぜ。」 NIPPSはナイフを抜こうとしゃがんだECDの顔面に蹴りを入れ、素早く立ち上がって出口へと走った。 「おいZEEBRAさん、出ますよ。立てますか?」 KREVAはZEEBRAを立ち上がらせようとしていた。 ZEEBRAの顔色は土色になっており、額には大粒の汗が浮んでいる。 ZEEBRAの肩に手を回した所でZEEBRAはかなりはっきりした口調でKREVAに呟きだした。 「…なぁ、KREVA…」 「なんですか?大丈夫ですか?」 「SDPやEAST ENDの先輩達を殺したとき…どんな気分だった?」 KREVAは言葉に詰まった。あの時の、GAKU-MCとBOSEを撃ったときの光景が甦る。 自分たちに銃を向けるKREVAに笑いかける二人。身体を気遣ってくれる二人。 あの後からKREVAの銃を握る手は明らかに鈍っていた。ECDに対してもどこか本気になれない部分があった。 後ろめたさがZEEBRAの言葉でくっきりと浮かんでくる。なんと言えばいいのか答えに窮する。
「二人とも早く、ECDが来るって!俺先に出るぜ。」 出入口まで来たNIPPSの声にKREVAは我に返った。そしてとりあえずZEEBRAを連れて出ようとする。 だがKREVAを真っ直ぐ見るZEEBRAの目は答えを待っていた。それを聞くまで動く気は無いらしい。 KREVAは仕方無く溜息をつき呟くように答えた。 「…ユウさんの時は正直何とも思いませんでした。BOSEさんらの時は……最悪でした。」 その言葉を聞くと、ZEEBRAは釣り糸と紙切れをKREVAに手渡して言った。 「外からこの糸でドアを開かないようにしてくれ。もう裏口は閉めてある。」 言葉の通り、ZEEBRAは店に踏み込む前に中の人間を裏口から出られなくするために 釣り糸で裏口のドアノブを近くの電柱と何重にも固く結び付けておいたのだ。 まさか中にECDも居るなどとは知らなかったが。 「ちょっ、あんた何言って…」 立ち上がったZEEBRAは言葉を待たずにKREVAを外へと突き飛ばした。 「おい!ZEEBRAさ…」 「ガタガタうるせぇぞKREVA!オレはZEEBRAだ。オレの死に場所はオレが決めんだ。 テメェは黙って言う事聞いときゃいいんだよ!分かったか、アァ!?」 ZEEBRAはKREVAの言葉をかき消すように叫んだ。 腹に刺さったナイフを抜き、胸元から出したサングラスをかけて、KREVAに背を向ける。 「ZEEBRAぁどけぇ!」 更に走ってくるECDの顔面を拾った椅子で殴り飛ばした。 だがそれと同時にZEEBRAの腹部から勢い良く血が吹き出し、流れ出る血が勢いを増す。 それでもZEEBRAは両足を踏ん張らせて地面に立ち尽くし叫んだ。 「KREVA、早く閉めやがれ!ガスが無くなっちまうだろうが!」 ZEEBRAの最後の強がりがKREVAには余計に悲しく映った。 「………このお人好しのバカ野郎が…」 KREVAは苦悶の表情で扉を閉め、震える手で取っ手の間に釣り糸を何度も通し固く縛りつける。 もう眼の痛みなど忘れていた。空はまた雨を降らせていた。
「…これで終わりだな、ECD。…ゴホッ」 咳を受けた手の平に血が飛び散る。その手を固く握りもう片方の手で拳銃を天井に向けた。 「ZEEBRAぁ、やってくれるじゃねえかこの死に損ないが!それでも俺は死なねぇよ。お前如きに殺られてたまるかよぉ!」 今にも怒り狂わんばかりの形相で吐き捨て、ECDは店の奥、厨房の方へと走っていった。 裏口が閉ざされているのも知らずに。 「今度はテメェが焦る番だ。オレが…グブッ…引き金を引くまで精々逃げ惑いやがれ。」 ZEEBRAの身体の限界を知らせるかのように銃を持つ手が震え口から血が溢れる。 「…畜生!なんで開かねぇんだ、くそったれがぁ!…」 ECDの叫び声が響いてくる。しかしもうZEEBRAの耳には届いていなかった。ガスの匂いももうしない。 明らかに全身の体温が下がっているのが分かる。天井に向けていた腕もいつの間にか下りていた。 目を開けているのも億劫だった。 ぼんやりした意識の中、目を閉じると家族の顔が浮かぶ。 もうせいこうのこともECDのこともRUMIのこともBOSSのことも、KREVAやNIPPSのことですらどうでもいい。 ただ家族を置いて逝くことだけが心残りだった。 せめて子供達が成人するまでは生きていてやりたい。 でも物心つくまで育ててやれただけよかったのではないか? でも最初からこんな事に巻き込まれなければよかったんじゃないか? でも…でも…… もう考えがまとまらない。妻子の顔にも薄い靄(もや)がかかってきた。 家族の顔が消える前にせめて一言言いたい。最も伝わる言葉で。 「…Viel Glueck(幸運を).」 家族が笑ってくれた気がした。そしてふと右腕に感覚が戻る。ちゃんと別れを告げろと言うことなのか。 最期の言葉の代わりにZEEBRAは引き金を引いた。
あとからまた貼りんす
ガスのにおいがしないならダメじゃん
95 :
訴える名無しさん。 :2006/03/27(月) 18:55:02 ID:QVyxtI4P
↑お前読解力なさすぎ
プロフィール書いてよ 一応
100 :
訴える名無しさん。 :2006/03/27(月) 19:51:16 ID:ocvVr09c
101 :
キリバンマンコ :2006/03/27(月) 20:16:16 ID:M1NYVsXH
それいまだ100
ゆとり世代は残酷だなぁ
円周率は3で台形の面積求められないもんなぁ
104 :
キリコ :2006/03/27(月) 21:48:11 ID:M1NYVsXH
え!そうなの?
105 :
訴える名無しさん。 :2006/03/27(月) 21:58:18 ID:raMiZx2Q
ジブラ最高
これ終わったら海外ばんやってほしいですね海外は誰とかでてほしいすかみなさん
ところでスチャダラとFGって関係あるっけ?
前にライムスのラジオにスチャダラ出てた気がするけど。 仲いいんじゃない?
昼過ぎから降り出した雨は強弱を繰返しながら続いている。 プログラム開始後、殆どの者が大会本部から離れる一方だったが、人数が少なくなった現在、 危険だと判っていても大会本部の近くに戻ろうという心理が働き始める。 Mummy-Dも例外ではなかった。 立入禁止区域を避け、雨脚の弱くなった隙を縫って少しずつ本部近辺へと移動していた。 普段なら行き交う車の騒音や排気、隣接する鉄橋を忙しく通過する電車の音で騒々しい場所だが 現在は厚い雲に覆われた天空から堕ちる雨滴だけが、寂しく路上で跳ねている。 当然、普段なら行楽客で賑わう河川敷やサイクリングロードにも人陰はない。 遠くなった雷鳴―――自然の奏でる音だけが、この世界に残されていた。 対岸まで見通せる橋の上を、Mummy-Dはゆっくりと歩き始める。 小糠雨に煙る色褪せた景色を眺め、何かに想いを馳せるかのように。 それは春に見た満開の桜並木だったかもしれない。或いはこの地域の夏の風物詩である花火大会…。 どちらも目紛しく過ぎて行く月日に、季節の移り変わりを告げる役目を果たしていた筈である。 しかし本当の処、Mummy-Dの眼に何が映っていたのかは…判らない。 ―――只、ゆっくりと歩いている。
プログラム開始以来、先制攻撃を常とした事がBOSSをここまで生き残らせていた。 その代償として満身創痍ではあったが、精神的な疲労は感じていない。 打たれ強い体質であることに加え、皮肉にも『狂気』が原動力となってBOSSを戦へと駆り立てる。 隠れ場所の医院を後にし、豪雨の中を闇雲に徘徊したBOSSに天運は味方した。 弱まった雨脚に誘われるように姿を現したMummy-Dを発見したのは一時間も前になる。 その後、隙を伺いながら尾行を続け…漸く機会を得ようとしていた。 本部の方角に向かって移動するMummy-Dの進路から橋を渡ることを推測し、 見失う危険も承知で尾行を解いた。 ある駅からある鉄道の線路を伝い、隣接する橋をじっと凝視める。 雨に打たれるままにした身体の大部分は冷えていたが、 傷口からジワリと拡がる熱と内から滾る心がそれを補う。 普段、滅多に使わない鎮痛剤の効果はまだ持続していたが、念の為、追加した。 武器の確認を済ませ、標的の動向を再確認する。 ―――眼下にMummy-Dの姿が見える。 ゆっくりと持ち上げたボウガンの照準が、確実に標的を捉え…狂気の矢は放たれた。 ヒュン――― 背後から一陣の風が耳元を掠めたのと同時に、右頬にカッと熱が拡がる。 Mummy-Dは左に飛び退りながら振り返ったが、路上には相変わらず人陰はなかった。 ヒュン――― 二度目の飛来物の気配に、反射的にジュラルミンの盾を構える。 ガッと金属を弾く音と衝撃、 その方向に襲撃者を視認すると盾とジュラルミンケースを放り投げ ベルトに挟んでいたグロッグを抜き2、3発連射する。 弾かれるように倒れた襲撃者の姿は、鉄橋の影に隠れた。 視線を固定したままグロッグを構え、用心深く襲撃者が倒れた辺りまで移動するMummy-Dの顔の皮膚は、 右頬をジンと痺れるような痛みと共に雨とは違う暖かな感触が伝う。
神経を研澄まし気配を探るが、強くなり始めた雨と増水した多摩川の流れる音 そして再び近付いてきた雷鳴が視聴覚を鈍化させていた。 時間の流れが渦を巻くように、緩急の感覚が喪失する。 実際には僅か二、三分の間が、永遠にも思われ… ヒュン――― 三度Mummy-Dを襲ったボウガンの矢が、手元からグロッグを弾き飛ばす。 「―――!」 予想外の方向から襲撃に、常人なら降り返って相手を確認してしまう所だが 一瞬が命取りになる世界に身を投じていたMummy-Dは、サッと前回転して追撃の矢を避け、 腰から抜いたS&W M629Cを構える。 鉄橋の上を匍匐前進しながら雷鳴の間隔を計り、BOSSは光速と音速の時間差を読んだ。 絶好の機会を逃したものの、依然、勝機は自分にあるのだと信じる心が、怯む事のない行動を可能にする。 最接近した部分から橋に飛び移るという危険な行為も、その産物である。 雷鳴に合わせて気配を隠蔽し、着地点で転がるように受け身を取って衝撃を最小限に抑えつつ「ある物」に近付いた。 睨むようにMummy-Dを見遣り、悟られなかった事を確認した。 Mummy-Dは足元に転がったジュラルミンケースを手探りで開いて、『戦利品』の中から手触りだけで目的の物を選び取る。 BOSSは無表情のまま、ボウガンを構え、無防備なMummy-Dの側面を突いて攻撃を再開した。 片目という遠近感の狂いを勘で修正し、三本目、続けて四本目の矢を放ちMummy-Dに向かって全速力で駆け出す。 グロッグを弾かれたものの、追撃から逃れたMummy-DがS&W M629Cを構え、迎撃体勢にあるのを視認すると、 BOSSはボウガン本体を投げ付けて銃口を逸らし、一気に間合いを詰めた。 隙を突いて首を捕ろうとしたBOSSの動きを察し、Mummy-Dは寸前に首を抜く。 バランスを崩したBOSSの後頭部に銃のグリップを叩き込み、 間髪入れず衝撃に沈んだ身体に膝を突き上げた。 まともに顎に入った蹴りの勢いで仰向けに倒れたBOSSを跨ぎ、 Mummy-Dは容赦なく引金を引く。しかし寸前に足首を捕られ、体勢を崩した。
路上で跳躍した銃弾―――そこにBOSSの姿はない。 揉み合いながら路上を転がる二人は、既にどちらも武器を手放していた。 己の肉体のみで相手に挑む。お互いが忘れかけていた「何か」を思い出しているかのように。 しかし現実は容赦ない。二人を支配しているのは「私闘」。 「ここまで何人殺ったんだ?!」 Mummy-Dが叫ぶように問う。 「ホビーショップ前の狩りは楽しんだか?」 BOSSも叫ぶように問う。 その問いは応えを求めたものではなかった。各々が心に蟠った激情を吐き出したに過ぎない。 そうして死者への手向けのように、再び無言の格闘が始まる。 時間無制限の「死」でしか終わらない闘い。 文字通りの「死闘」はどちらが制してもおかしくなかった。 しかしこのプログラムの本当の終焉を理解していた分、Mummy-Dが有利であった。 生き残る―――それが最優先事項。 Mummy-Dは隙を突いてジュラルミンケースに駆け寄り武器を取る。 それは皮肉にもILMARIから奪われた武器、ブッシュナイフであった。素早く死角に入ると、Mummy-Dはナイフを降り下ろす。 潰れた右眼の死角を狙ったMummy-Dの攻撃は右肩を直撃した。 骨まで喰い込んだナイフの感触は、始めヒヤリと冷たく次の瞬間には燃え上がるような熱に変わる。 吹き出した大量の血は、既に余す所無く濡れていたシャツを染め上げ血塗れにした。 BOSSの脳裏に様々な記憶が渦を巻き、膨れ上がった感情が胸を圧迫し…遂に「死」が自分を捉えた事を知る。 BOSSは最期に自らを鼓舞させる為、獣の様な咆哮を上げた。
咆哮したBOSSが血の吹き出す肩でタックルをかけ、Mummy-Dは欄干に押し付けられた。 圧迫と、激しい雨でさえ流し切れない濃厚な血の匂いに一瞬息を詰まらせながら 横に払い退けると、BOSSは無抵抗のまま、勢いで欄干を越えた。 「―――っ!」 反射的に伸ばしたMummy-Dの腕を掠め、BOSSの身体は墜落する。 その瞬間の表情がどんなものであったのかは判らないが 僅かに口元が微笑していたように見えたのは…気の所為ではない。 その笑みが何を意味していたのかは、最早知る由もないのだが―――。 増水した川の濁流に、BOSSの姿は呑まれた。 虚しく宙を掻いた手を…Mummy-Dはゆっくりと握り締める。 ―――何時の間にか遠離った雷鳴が、弔鐘のように響いていた。
西の空に浮かぶ雲がほんのりと赤らんでゆく…。 日中に降っていた雨はいつの間にかあがり、雲の切れ間から青空が垣間見える。 Mummy-Dの疲れは、心身共にピークに達していた。 それでもMummy-Dにはやらなくてはいけない事があった。 ――――倒さなくては。まず、ヤツを倒さなくては。 その一心が、疲れ果てたMummy-Dを突き動かしていた。 約束をしたんだ。広平と…生き延びる、と。そして音楽をするんだ、と。 「兄貴はヒップホップシーンに必要な存在だ」と言ってくれた、弟の為に。 そして何よりも…音楽を愛する、自分自身の為に。 今はただ、この無益なゲームを終わらせなければならない。 最初で最後。本気で殺りに行く。ヤツらを殺りに。 まずはRUMI…そして、諸悪の根源。いとうせいこう。 「…誰も殺らないなら、俺が殺ってやる!」 とはいえ、RUMIがどこにいるのか全く見当がつかない。 たった一人の人間を探し出すには、このゲームのフィールドはあまりにも広過ぎた。 それに、RUMIを探してる最中に他の誰かに遭遇して戦う羽目になる可能性がある。 そう、今のBOSSのように。 無駄な戦いをしてこれ以上体力を消耗するのは避けたいが、相手がその気なら付き合わねばなるまい。 「今生き残ってるんのは…DABO、RUMI、KREVA、K-DUB、ZEEBRA…宇多丸…それとNIPPSか」 (夕方6時の放送前なので誰が正午以降死んでいるか把握していない) 自分を入れて、あと8人。DABO、ZEEBRA、宇多丸、NIPPSには、まだ一度も遭遇していない。 やる気になっているのは、RUMIとKREVA。 ZEEBRAとK-DUBは、スタート地点での様子から察すれば穏健派であろう事がわかる。 宇多丸も…たぶん穏健派だろう。DABOはよくわからないが器用に仕事はこなせていないのは確かだろう。
「問題はNIPPSか…」 穏健派の連中には全面降伏すればいいが、やる気なヤツにはそれなりに動かねばならない。 人の事を言えた義理ではないが、NIPPSというヤツは考えている事がサッパリつかめない。 くわえてあの身体能力――――身軽な身のこなしに翻弄される可能性は高い。 …そう考えると、NIPPSにだけは遭遇しない事を祈りたくなる。 そしてK-DUB…降伏しても、はたして信じてくれるかどうか? 目の前でOASISを殺ったのは自分なだけに… どうなるか。 「どうせ信じちゃくれないだろうな…」 今までの自分の言動のせいだと思うと、Mummy-Dは苦笑いするしかなかった。 「ま、最後は自分を信じるしかないよな…」 己の肉体と頭脳、そして今まで負けなかった運を信じて。 Mummy-Dは荷物を確認し、銃をベルトに差し直した。 土手に上がってジッと辺りを見まわし、様子を探る。 「――――こっちだな」 Mummy-Dは自分の勘を信じ、西に向かって土手を駆け下りていった。
>>97 まとめありがとうございます!
それで十分イケてると思いますよ〜(^^)
マンション建設予定地 今KREVAとNIPPSは[マンション建設予定地]の看板が立てられた空き地の片隅にある このプレハブ小屋で雨を避けていた。窓からは爆発した中華料理店から立ち昇る煙がまだ見える。 休憩所として使われていたのだろうそこにはボロボロのソファーとテレビ、 あとは塗料などの入った缶などが散らばっているだけだった。 中に入ったNIPPSは空の一斗缶に手ごろな太さの材木を数本挿して小屋の真ん中に置く。 それに少量シンナーをかけ、落ちていたライターで火を着けて焚き火にした。 「シンナーが燃え尽きたら匂い無くなるからそれまで我慢してて。」 シンナーの燃焼する匂いが篭らないように窓を開けながらNIPPSは話し掛ける。 KREVAは無言でソファーに腰掛けた。中華料理店の爆発を見てからここまでKREVAは口を開いていない。 気力を失った訳ではない。だが口を開く気にはなれなかった。 「じゃあKREVA、俺もうちょっと燃やす木探してくるから。」 焚き火の前にしゃがみ込み、タオルで顔と頭を拭きながらNIPPSは言った。 それでもKREVAは俯き加減のまま黙りこくっている。 NIPPSは、そんなKREVAの目を盗んでさっきデイパックから取り出したものをタオルに包んだ。 それを火の中へ放り込み、小屋を出て行った。 KREVAはNIPPSの行動に気付かずソファーに背中を預けて天井を仰ぎ目を瞑る。 YOU THE ROCK・Diggy-MO'・GAKU-MC・BOSE・達磨様・漢・PRIMAL・田中聖。 自分が死を見届けた者達の顔が浮かぶ。そしてZEEBRA。 「何の為に殺すのか」そんな今更な問いが頭を掠めた。 [YOU THE ROCKさんを殺すときに腹は括った筈だろう…] KREVAは頭を振って忘れることに努めた。 ふと辺りを見回してNIPPSのいないことに気付き、薪を探しに行ったことを思い出した。 [戻ってきたら話でもしよう。そうすりゃ気が紛れるか。] そう思った直後、焚き火から大きな破裂音が聞こえ火の中から何かが飛び出した。 「それ」は真上に跳ね天井に穴を開ける。とても薪が弾けたような物ではない。 更に爆竹を大きくしたような連続音とともに火中から入れ物の缶や小屋の壁に次々と穴が開く。 ―――銃弾か! 「それ」の正体はNIPPSが火にくべた余った銃弾だった。
絶え間なく銃弾が飛び交う中をKREVAはソファーから身を起こし窓から飛び出した。 それでも小屋の壁を破り銃弾が飛び出してくる。KREVAは地面に伏せて銃弾の雨が止むのを待つしかなかった。 程無くして音が止み、KREVAは身体を起こした。痛みが走る。流石に無事では済まなかった。 左腕上腕部の肉は抉れ右太腿を銃弾は貫通している。下腹部にも痛みが走る。 ECDに目を突かれた時すら比べ物にならない痛みは逆に笑いが漏れるほどだった。 「ハッ…ハハッ……あ、NIPPSの野郎…やってくれるじゃねぇか…」 NIPPSを非難するつもりなど無い。むしろあいつの方が正しい。 KREVAは勝手にNIPPSを仲間のように思っていた自分の甘さを非難した。 そんなKREVAに追い討ちをかけるように何かのエンジン音が聞こえてくる。道路の方からだ。 道路に視線を移す。するとそこに車が現れKREVAの方を向いて止まった。 運転席に座るNIPPSは笑顔を見せていた。 腑抜けたKREVAに置き土産を施した後、NIPPSは近くの道路脇に止められていた車の前に来ていた。 車はホンダのシビックだった。 「ちぇ、FF車かよ。FRの方が好きなんだけど贅沢言ってもしょうがないしな。」 FF車とはフロントエンジン・フロントドライブ車の略で、エンジンも駆動輪も前に付いている車である。 ぼやきながら銃の柄で助手席のガラスを割り、ドアロックを解除して中に入った。 「非常事態には色々知識がある方が強いよな。知識があって良かったよほんと♪」 NIPPSは鼻歌まじりに己の知識を披露し車のエンジンを起動させる。 KREVAとの距離は約10m。だがシビックはKREVAの方を向いたままなかなか動かない。 まるで肉食獣が獲物の品定めを行うかのように。 その様子に苛立ったKREVAが懐の銃に手を伸ばそうとする。 それを待っていたかのようにシビックは飛び出した。
NIPPSはアクセルを踏み込む。とは言ってもまだ殺す気はないが。あくまで様子見だ。 雨のせいで傷口を確認することは出来ないが、KREVAの緩慢な動きから置き土産の効果が見てとれた。 それでもKREVAはその場を飛び退き紙一重でかわした。 その様子にNIPPSは満足げに笑みを浮かべる。この程度で死なれては困るから。 そして少し走って方向転換し再びKREVAを視界に捉えた。 立ち上がるのも困難であろう状態で、KREVAは足を引き摺りながら必死に距離を開けようとしている。 敷地から道路に出ようとしているのか。 その姿に不意にNIPPSの目頭が少し熱くなる。 あのKREVAが今、自分の前で無様に必死に逃げている。 その変わり果てた姿がNIPPSに ‘らしくない’感情を抱かせた。 しかし涙など流す気は無い。無駄な感傷が死を招くことは熟知している。NIPPSは自分を切り換えた。 もう手を抜く気は無くなった。無様に逃げ回るKREVAなど本人にとっては当然、NIPPSもこれ以上見たくなかった。 しばらく様子を見ていた為KREVAとの距離は30m程になっている。 「じゃあな、KREVA。」 KREVAに最後の言葉を告げ、NIPPSはアクセルを踏んだ。 シビックのエンジン音が一際大きくなる。背中越しに受ける音はまるで獣の唸り声のようだ。 今度は仕留めにくるつもりだろう。 「クソッ」 KREVAは、今の自分の状態からして加速してくる車の回避は余りに困難だと考えた。 懐からFNファイブセブンを取り出し一度眺めた後、向き直ってそれを構え る。 そして急発進するシビックに向け、傷に響く衝撃に耐えながら何度 も引き金を引いた。
KREVAの足掻きに気付きNIPPSは座席に身を屈め る。 しかし一発は助手席の方のフロントガラスに穴を開けたが、他は何発かが車体に当たっただけだった。 NIPPSは更にアクセルを踏む足に力を込める。同時にシビックの速度が上がる。 あと20m・15・10…まだ無駄な抵抗を続ける過去の男はもう目の前だった。 しかし――ボゥンッ――とくぐもった爆発音と共にボンネットは火と煙を噴き出した。 更にハンドルがNIPPSの意思を無視して左に回り、KREVAを目前にして進路は大きく横に逸れていく。 ボンネットの中がどんな状態かは分からないが、この車が制御不能になったことだけは 勝手に回り切って固定されたハンドルが雄弁に物語っていた。 「んだよ!?何発か当たっただけじゃねぇか、これだからFFはっ…」 八つ当たり気味に毒づくNIPPSの横目にKREVAの顔が見え、それが離れて行く。その顔を見てNIPPSは呟いた。 「へっ結局期待通りのシナリオかよ…」 そしてシビックは轟音と金切り音とタイヤの擦れる音を同時に奏でてコンクリートの壁に激突した。 「ふぅ…」 KREVAは大きく溜息をつき銃に視線を落とす。 YOU THE ROCKから奪ったこの銃の妙な文体の説明書の中の一文を思い出していた。 ――この銃、FNファイブセブンは200m先のケプラーヘルメットを貫通し、 50mの距離ではなんとレベルVAクラスの防弾チョッキを貫通する。 VAクラスだぞ。わかるか?わかんねーか。 まぁつまり現在存在するほとんどの防弾ベストが役に立たない、というとっても過剰防衛な銃な訳だ。 で、なにが言いたいかっていうとお前はラッキーってことだ。―― 説明書は不快なものだったがこの銃は役に立った。普通の銃ではこうはいかなかったかも知れない。 KREVAはこの銃に恋人の頬にでもするかのように口づけた。
「…痛ってぇな……」 NIPPSは目を覚ました。衝突のせいで身体のあちこちに痛みはあるがどうやら生きているらしい。まだ殆ど動けないが。 壁にぶつかる直前にサイドブレーキを必死で引いたおかげかも知れない、などとまだはっきりしない頭で考えた。 そこでふと疑問が頭を掠める。天井が見えるということは寝転んでいるようだ。 それも天井に見覚えがある。さっきのプレハブ小屋だ。 NIPPSは部屋中に視線を走らせた。そして見覚えのある顔を頭上に見つける。 壁にもたれたKREVAが見下ろしていた。 「…助けてくれたのか。」 NIPPSは寝転んだまま憮然とした表情で話し掛ける。 KREVAは立ち上がらずに身体を引き摺るようにNIPPSの横に移動し顔を覗き込んだ。 「不満そうですね。」 「不満だよ。お前はそんな人間じゃないだろう、ZEEBRAじゃあるまいし。」 NIPPSは助けてもらった恩も忘れて捲し立てる。 「おいおい、助けなきゃ今頃黒焦げになってたってのにアンタって人は…ったく。 …そういやまだ言ってなかったな…」 KREVAはBOSE達を殺した時のことを、ゆっくりと思い出しながらNIPPSに話しだした。 「…それが俺を助けた事と関係あるのか?」 KREVAの話を聞き終えたNIPPSは身体を起こしながら聞いた。KREVAは伏し目がちに答える。 「ちょっとBOSEさんらの気持ちが分かった気がして。あんたにはまだ先があるだろ。 思ったんだよ。別に生き残るのは俺じゃなくてもいいんだってさ… あの人らやZEEBRAさんも多分そんな気持ちだったんだろうな…。」 「……KREVA…」 NIPPSは俯き、拳を固め微かに身体を震わせる。そして静かに、抑揚を押さえた声で呟いた。
「お前もそんなもんか…ヘタレのKREVAなんざいらねーよ。」 感動などする訳がない。それどころかKREVAの言葉はNIPPSにとって失望に他ならないものだった。 陳腐な感傷に囚われたKREVAなど見たくはなかった。その想いが瞬時に殺意に変わる。 NIPPSはワルサーPPKをKREVAに向けていた。 「!……NIPPSさん…」 「知ってるかい?親切の押し売りはお節介って言うんだぜ。」 何の感傷も抱かずにNIPPSは引き金を引いた。 小屋の中に届く雨音は小さくなっていた。今日は降ったり止んだりの天気らしい。 その雨音を縫うようにカチンという音が数回響く。 NIPPSは理解出来ずに更に繰り返し引き金を引いた。だがワルサーが銃弾を吐き出す事は無かった。 「無駄だね。弾入ってねえすもん。」 KREVAは半ば勝ち誇ったような笑みを浮かべながら呟いた。 そしてNIPPSの視線はKREVAが持つデザートイーグルの銃口に注がれる。 「運試しだよ運試し。あんたが撃ってくるのは分かってたからさ。あんたの持ってた二丁の銃、 ワルサーとグロックだっけ?その片方の銃だけ弾抜いといたって訳だ。 さっきも言ったろ?俺が生き残らなくてもいいって。…ただ、そいつが俺より強けりゃ、の話なんだよな。」 デザートイーグルを向けるKREVAの左腕と右足は付け根が布切れで縛ってある。 「俺の勝ち…だな。」 KREVAの呼吸は微かに荒れていた。だがそんなことが気にならないほどNIPPSの視線は銃口に向けられている。 頭をフル回転させて助かる手段を考えた。 だがNIPPSの頭脳は求める結果を導き出す答えを割り出してはくれない。 体中を鳥肌が覆うような錯覚を覚えるほどNIPPSは自身の死を恐怖した。 何人もの死体を見たがまさか自分にその順番が巡ってくるとは。まさかここまで自分が死を恐れるとは。 自分と敵しかいない。この敵には簡単な騙しなど通じない。この場面を切り抜ける手段が無い。 死という名の蛇が鎌首をもたげ喉元に食らいつこうとしている。 ――死ぬ?ふざけるな!何の為にここまでやってきたんだよ!KREVAの噛ませ犬で終わるのかよ!? 必死で最悪のイメージを振り切ろうと努力し足掻く。 だが目の前のKREVAという名の死神はその鎌を人差し指で振り下ろすところだった。
「あははははははははは。あっひゃはははははは・・・」 半ば狂気じみた笑い声がプレハブ小屋を包む。 KREVAのこめかみにグロック34を押し付けながら天を仰ぎ、NIPPSは笑いを堪えきれなかった。 傍にはさっきKREVAを殴った血のついた特殊警棒とデザートイーグルが落ちている。 NIPPSはさっきまでの恐怖心の反動で笑いが後から後から噴き出した。 ――まさか不発だったとは。 KREVAのデザートイーグルからも弾は出なかったのだ。 雨に打たれ続けたせいなのか元々不発弾が混じっていたのかは分からないがとんでもなく幸運だった。 弾が出なかった時のKREVAの間抜けな表情もビビりまくっていた自分も遠い昔のようだ。 そのKREVAの顔面に特殊警棒をめり込ませ、すかさず銃を突きつけるともう馬鹿笑いが止まらなかった。 そして一頻り笑った所でさぞや悔しがっているであろうKREVAに話しかける。 「しっかし神様ってヤツぁ素晴らしいシナリオ書きやがる。そう思わねえか?」 しかし頬の肉が少し裂けたKREVAはいたって冷静だった。 「別に思わねぇな。映画なんかじゃわりと良くあるんじゃねぇか? それよりこのシナリオにゃまだ続きがあるんだぜ。」 そして続けて出たKREVAの言葉にNIPPSは耳を疑った。
「さっき言った片方だけの弾抜いたってのは嘘さ。その銃にも弾は入ってねぇよ。」 「!!?」 NIPPSの思考は混乱した。嘘だろ?ハッタリだ。そう思いながらも思い込むことは出来なかった。 「そう言っといた方がお前も楽に死ねると思ったんだけどな。ま、嘘だと思うんなら引いてみな。」 KREVAの表情は何の作意も匂わせない。対称的にNIPPSの顔は引き攣っていた。 [そんな嘘をつく筈が無い。でも最初から死ぬつもりが無いなら両方弾を抜くのが普通だ。 いや殺すつもりなら気絶している間に出来ただろう。そうだハッタリだ。] 「やっぱり俺の勝ちだろ?」 やっと結論は出たが、出すのが遅すぎた。 NIPPSが思考を彷徨わせている間の一瞬の隙にKREVAは怪我人とは思えぬ動作で グロックを掴んで方向を逸らし、会心の速度で銃をNIPPSの鼻先に押し付けていた。 「………やっぱり嘘かよ。」 今のNIPPSにはこれだけ言うのが精一杯だった。 「悪いね。ホラ、俺って何やらせても天才だから。いい演技だったろ?」 「… どこが。最悪の演技だったぜ……ふっ…ハハハ」 それまで強張りきっていたNIPPSの顔は何故か次第に口元から緩み出し、笑いを漏らす。 「あ〜あ、KREVAにゃ敵わねーか。そう思ったら気抜けちゃったよ。」 嘘ではなかった。 KREVAとの差をはっきりと認識した時、 あれほど高まっていた恐怖心はNIPPSの中からすっかり霧散していた。 「さっさと殺ってくれよ。焦らされんのは好きじゃねーしさ、女でも何でも。」 「… 駄目だな、あんたに…まだやってもらうことがある…」 「え?」 途端にKREVAの身体は地震でも来たかのように震え出し、銃を床に落として崩れ落ちていった。
KREVAキザだな〜ww
「おい……何してんだよ…?」 NIPPSは自分の足元に、そしてそれ以外にも床のあちこちに血痕が散っているのに気付く。 今動いた事によって、先ほどの銃弾による傷から再び大量に出血させてしまったのだ。 その夥しい血の量は今のKREVAの状態を語るのに十分だった。 無言で床に仰向けで大の字になっているKREVAを見下ろす。アゴには髭がうっすら生えていた。 その視線に気付いたのか地面を背にしながらKREVAも足元のNIPPSを見上げる。 そして右腕を動かし人差し指でしっかりとNIPPSの顔を指差し白い歯を見せる。 「あんたは絶対に生き残れ。そうすりゃあんたより強かった俺が一番になるからな。」 KREVAが悪ガキのような笑顔でそう言い放つと、その右腕はゆっくり下りていった。 NIPPSはしばらくKREVAを見下ろしていた。KREVAの胸の浮き沈みが次第に小さくなっていく。 「…いい加減な事言ってんじゃねーよ。死んだヤツが一番の訳ないだろ。 生き残ったもの勝ちなんだよ。つまり俺の勝ちだ。残念だったな。」 NIPPSは語気は荒げず蔑むような視線を送りながら吐き捨てた。 もうKREVAに聞こえているとは思えないが。 しばらく眺めた後、ずっと握っていたグロックをKREVAに向け引き金を引く。 KREVAの身体は着弾の衝撃で動いたがそれ以上の反応は見られなかった。 「言われなくても生き残るに決まってじゃん。KREVAに勝ったのに他のヤツに負ける訳ねーからな。」 NIPPSはKREVAに背を向け出発の準備を始めた。
とりあえず
NIPPSかっけーw
「なるほど、だから今日はSUIKENとS-WORD、DABOの3人や他の連中が見当たらないのか」 NITROのメンバーの、XBSが呟いた。昨日から数人のMCやDJが突然姿を眩ましたのだ。 その原因を探るべく、show thug lifeとそのHEADZに協力を仰いでXBSとGERE-TEX、MACKAにAKTIONの四人はただただshowのHEADZの情報網の凄さに感心した。 数時間で、これが政府の仕業で、MCやDJを殺し合わせていること、指導者がいとうせいこうであること、途中強制的にゲームに参加させられた者もいるということ、そして殺し合いが行われている場所まで特定したのだ。 だが、殺し合いを強要されすでに幾人ものアーティストが死んでいるとなるとじっくりと作戦を練っている猶予は無かった。 すぐにこの殺し合いを中断させるべきだ。 「何かいい対策は無いか?」 報せを聞いたXBSの落ち着きはなくなっていた。無理もない。なぜなら、仲間が仲間によって今、全く別の場所で殺されているかも知れないのだから。 MACKAが一番に口を開いた。 「まず殺し合いに参加してないMCやDJを集め、都内のリスナー、showさんのHEADZにも協力してもらおう」 「都内だけか?」 AKTIONが右目だけを細めて訊いた。 「あぁ、残念ながら時間が無い。呼びかけてすぐに集めないと間に合わない。地方のリスナーを会場近くまで連れて来るには時間が掛かりすぎる」 「そうだな。なら、俺はケムマキやOJ,STを呼び寄せる。確か近くにいたはずだからな」 そう言うとAKTIONは、ガタンと椅子鳴らし部屋を出た。その背中を見送りながらGOREが 「なら、俺はshowさんにその計画を話してみるよ。HEADZを集めてもらう」 と、名乗り出た。続いてXBS 「なら俺も、都内で活動している連中を集めてみるよ。MACKAはshowさんのHEADZの協力も得て、都内のリスナーを集めてくれ」 それだけ言うと、XBSは一目散に部屋を飛び出した。皆、仲間のために頑張っているのだ。 こんなに、普段から団結力があったかな、とMACKAは少し苦笑した。 自分も、リスナーを集めるため動かなくてはならない。この殺し合いゲームを潰すために・・・。
イルリメ、カモーン。
うぉぉ クレバとニップス名勝負だな
132 :
会場外 :2006/03/28(火) 01:08:05 ID:???
show thug lifeの協力もあり、リスナーはすぐに集まった。今、事務所で参加者救出案を練っていた四人以外にも、HIPHOP関係者の突然の連続失踪に疑問を感じているアーティストが多かったこともありAKTIONとXBSの呼びかけにも数多くのMCやDJが応えてくれた。 「皆、順調に進んでいるんだな」 MACKAが空を見上げた。いつもとなんら変わりない空。人間界で何が起こっていようともどうやら空には全く無関係らしい。 「これは本当なのか?」 まだ、信じられないというような顔をしたケムマキがMACKAの肩を揺すった。 「あぁ、間違いない。showさんのHEADZが調べあげたんだ」 「そんな・・・」 殺し合いが始まって、すでに相当な時間が経っていることは告げられていた。ZEEBRAもKDUBもOASISも生きているという保障は無かった。 いや、むしろすでに多くの参加者が殺されているのだ。すでに死んでいても全然不思議じゃない。あるいは、今、仲間を殺しまわっている可能性だってあるのだ。 死んだ人間がいるということは、殺した人間がいるということだ。自殺でない限りは―― 「おい、おい!諦めるな。まだ生きているやつだっているんだ。悲しんでいる暇はないぞ」 AKTIONが呆然としているケムマキの肩を力強く揺らした。ケムマキははっとした。 そうか―生きている奴らの為に―参加させられなかった俺らは思えば幸せだったのだ。 なら、俺は不幸にも殺し合いなんかに参加させられた仲間を助けてやるべきなんじゃないか。 こんなところで迷っている暇は無かった。命を捨てる覚悟で潰しにかかろう―あの糞ふざけた殺し合いを―
あ、もしかして番外編書いてくれたんすか? 本編に影響無いなら別に大丈夫だと思いますけど ちょっと読んでみよう
135 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 01:12:07 ID:hKB0QyId
宇多○と外で動いてるメンバーが連携しそうな予感
136 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 01:13:02 ID:hKB0QyId
え??1が書いたんmじゃねぇの?? 絶対、影響出そうなんだが...
showさんキターーーーーーーーーーーーー!!!
show thug lifeワロタww 1どうすんの?w AKTIONとかケム的にはジブ死んじゃったの知ったらぶっ飛びそうだなw
139 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 01:43:21 ID:HvA6q7Ws
かってに話書いてうぜぇ
好きなラッパー出したいのはわかるが迷惑。 影響のでない形で終了させなさい。
クレバの猫被りな台詞が江戸川コナンの「あれれ〜?」に相当するうざさ
show thug lifeが出てきたらバトルロワイアルも中止じゃないか?? 政府はshowさんに敵対したということだろ?
別に影響出てきても無視したらいいんでない?
showさんwwwww
どうせならいくぞうさんも出してくれ
まぁ確かにひじりは出てきてshowさんが出てこないのはな けどshowさんがゲムに参加したら一瞬で優勝だし、こういう出方が一番よかったのかもwww
149 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 12:56:08 ID:7uDQaW2+
ジャニヲタきめーよ
ふつうにシカトしよ
桜井なんでジェシーより下だろ タコ
>>1 スルーして
150 :
553 :2006/03/28(火) 13:19:27 ID:???
あ、まとめできちゃったんですかー あたしいらないですかね汗
showさんって・・・誰?
まとめ何個あってもいいしあれはどっちかっていうと過去レス倉庫みたいなやつじゃん 登場人物の紹介とかかねて作ってよ
154 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 14:55:57 ID:UUuChEeQ
いいよいいよ!番外編書いてよ!そのほうが面白い!
1が書くならともかく、他のやつが書くなら別にいらない。 邪魔。
156 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 15:10:14 ID:7uDQaW2+
ジャニヲタが自作自演しすぎ 書いてーとか SHOWさんとか すべて自演だろ
showって嵐の桜井のことか!やっとわかったww
158 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 15:20:45 ID:7uDQaW2+
ちょっと前までは逆だったんだがな。 田中がデビューしつ予想以上に笑わせてくれたからな。
嵐のはネタすぎてつまんない 田中は事実が笑える
しかも最近ネタ尽きてるし。 よっぽどじゃなきゃDOOPなRHYMEは越えらんねぇなwww。 つーことで、黙って>1がうpすんのを待とう。
DL出たか?
番外編は別の機会にやってほしい 今書かれてもややこしくなるだけだから てかゲームぶっ潰すんだろ??もはや番外編じゃなくね?
ゲーム潰し失敗するに一票。
あぁ、その手もあったか。1と別の奴が書いてるんだろ 絶対にどっかで矛盾が出てくるよ
>1が終わったらパラレルワールドみたいな感じで書けば?
書いた奴どこ行ったんだよwwwwwww
まじシラケたな
桜井好きなジャニヲタのせいで
>>1 よ
あれは存在しなかったこととして無視して話つづけて
showとか言ってた奴全部自演くせーな
大会本部に程近い地下鉄の駅から南へ1キロ。 辺りには軍のジープや消防車が散乱している。 更に銃火器で武装した自衛隊員がゲーム参加者の襲撃に備え近辺を見張っていた。 つい先刻までここでは火災の消火活動が行われていた。 消化ホースを片付け終えて3人ほどの隊員が会話している。 「何で俺らが消防士の真似事させられるんだよ。これで二軒目だぞ?」 「しゃーないやろ。『マグロ拾い』隊よりマシやで。」 「そうですよ、山本さん。死体の回収の方がよっぽど嫌じゃないですか。僕だったら頭おかしくなりますよ。 今回のは建物が吹っ飛んでたから鎮火も早かったし、消防士の真似の方がマシですよ。」 後輩であろう人物に山本と呼ばれた男はそれなりに納得した面持ちで続ける。 「まぁ確かにマグロ拾いよりはいいか。 あのECDってのが一緒に吹っ飛んでくれたからちょっとは気が晴れたけど。 あんな訳わかんない奴に命令される筋合いなんか無ぇからな。」 「あ、そういやお前何かやらされてなかった?」 関西弁の男が思い付いたように尋ねる。 「ああ、ここにあった店のドアの…ん?」 会話は鎮火によって訪れたばかりの静寂を打ち消すエンジン音に遮られた。 騒音の正体は街辻から突如として姿を現した自衛隊の90式戦車。 120mm滑腔砲を携えた市街地にはあまりに不釣合いなそれは、 進路上にあった1台のジープを路傍のゴミのように踏み潰しながら瓦礫の山の前で動きを止めた。 そして呆気にとられる自衛隊員たちの視線の中、 昇降口の蓋が開き、そこから夕日を背に影が伸びる。 現れた影の正体は隊員たちの頭痛の種、いとうせいこうだった。
隊員たちのざわめきの中、一人の男が戦車の上に立つせいこうに食って掛かるように身を乗り出した。 「せいこうさん!あなたいい加減にしてもらえませんか!」 詰め寄った人物はこの小隊の隊長だった。男は更に捲し立てる。 「勝手に戦車を持ち出すなんて何を考えてるんだ! あなたの勝手な行動にはこっちは本当にうんざりしてるんですよ! 『管理側に対する直接的な反抗』以外で参加者を死なせた以上あなたの責任追及は免れ得ない。 上層部から通達があるまで本部でじっとして…」 男の言葉が途切れる。戦車の砲身が周波数の高い音を立てながらこちらを向こうとしていたからだ。 そして男に完全に砲門が向けられる。 他の隊員たちは散り散りにその場から離れ小隊長一人が残った。 [この場に居る者達の長として、そして己の行動の正しさを示す為に引く訳にはいかない。 なにより、自分に諫言を呈する者一人に――如何にこの男がまともではないとは言え―― まさか戦車砲など撃つ訳が無い。只の脅しの筈だ。 ] しかし戦車の上から光を反射させたメガネ越しに自分を見下ろすせいこうの笑顔に小隊長の顔は自然と引き攣っていた。 「男が細けぇ事をウダウダ言うんじゃねぇバカヤロウ。」 せいこうの抑揚の無い声に男の血の気は引いて行く。 そして戦車が徐々に下がり男との距離を10mほど空けた。 男は動かない。まだ冗談だとでも思っているのか。それとも恐怖で動けないのか。 「撃て。」 せいこうはそれだけ言った。 「小隊長!!」 隊員の一人が呼ぶ。 その声に振り向こうとしたまま小隊長の身体は轟音と共に消し飛んだ。
場の空気は凍りつき全ての者に沈黙を強いる。 その様子を見つめながらせいこうは微笑んだ。自身の行為の威嚇効果にご満悦のようだ。 だがそれ以上構うことは無く、戦車から取り出したスピーカーを傍らに置き、マイクを握り締めた。 「俺と戦うつもりでいながらZEEBRAなんぞに一杯食わされた大馬鹿者、ECD!いたら出て来いッ!!」 ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ 暫し沈黙が続く。せいこうはその間も勿論堂々と戦車の上に立ち尽くしている。 そんな中ふと誰からとも無く笑い声が漏れ、数瞬後にはせいこう以外の全員が笑っていた。 普通ならばとても笑える状況ではない。 しかしせいこうの余りに常軌を逸した行動は常人である彼らの理解を軽く飛び越え 笑うことしか出来なかったのかも知れない。 そんな狂った笑い声を全身に浴び夕日に照らされたせいこうは輝いていた。 笑い声が薄れ出した頃、隊員の一人の顔が硬直する。 それを口火にその周りの者達から連鎖するように表情が固まって行き、 その者達は一箇所を見つめていた。 異変に他の隊員たちも気付き出し、場に完全に笑いはなくなる。 そして静かになった時、多くの隊員たちに聞き取れる音が瓦礫の山から聞こえてきた。 …カツン……カツン…カツン… 金属を金属で叩くような音。瓦礫に包まれているせいか聞き取りづらいが確かに聞こえる。 せいこうの自信に溢れた笑みに変化は無かった。
隊員たちはジープのウインチなどを使って瓦礫を退かせていく。 全員がもう何が何だか分からないままその作業を行っていた。 そして大きなコンクリートの塊の下から黒い鉄の蓋が見つかる。下水道の蓋だ。 蓋を見つけた隊員たちがせいこうを振り返る。 「開けろ。」 せいこうがそう言うと隊員の一人が蓋に手をかけ持ち上げた。 隊員たちの視線が下水口に注がれる。そこからゆっくりと男が現れた。 その男は間違いなくECDだった。 周りのざわめきの中、せいこうは戦車の上からECDと視線を合わせる。 そしてニヤリと笑うとそこから降りることも言葉を交わすことも無く 戦車に乗り込みその場を去っていった。 「山本君はいますか?」 せいこうが去るのを確認したECDはまだ狐に抓まれたような顔の隊員たちに尋ねる。 その表情は気味が悪いくらい穏やかだ。 「は、はい…」 一人の男が名乗り出る。さっきECDの死を喜んでいた男だ。 「私が君に何て言ったか覚えてますか?」 ECDは優しい笑顔で問い掛ける。表情もだが口調もいやに優しかった。 「えっ…と、『店の扉が開かないようにしろ』だったと思いますが…。」 「その通り、確かにそう言いました。…で、誰が細〜い木の棒一本突っ込んどけっつった?」 突然ECDの表情も口調も一変したかと思うと、死角から来たECDの拳が山本の顎の先を掠めた。 山本の顔が横に振れ、振り子のように元の位置に戻った後腰が砕けたようにぺたんと座り込んだ。 脳が揺れて立っていられなくなったのだ。 更にECDは丁度いい位置に来た山本の顔面に膝を打ち込んだ。 顔面を血に染め倒れた同僚を心配して駆け寄る者たちを尻目に、 ECDは停めてあるジープの一台に乗り込みエンジンを掛けると空を睨む。 「見たかZEEBRA、言っただろ?『俺はお前如きにゃ殺られない』ってな。 お友達がそっちに逝くのを精々悔しがりながら待ってろ。」 ECDの言葉に反応したように、夕日に染まった空はその赤味を増した気がした。
今日もうp開始です
よくあの状態で生きてたなw
病院を出たK-DUBと宇多丸は、デパートに来ていた。 宇多丸が般若とJINに調達を頼んでいた「爆弾」を作る為の材料を再び手に入れる為に。 一度は完成した爆弾であったが、今までのゴタゴタと夕方まで降り続いた雨のせいで使い物にならなくなってしまったのだ。 「…最初っから自分で探しに来れば良かったのかも」 宇多丸はおもちゃ売り場の倉庫を漁りながらポツリと呟いた。 「そうすればJINも般若も…」 「やめようぜ、宇多丸。もう過ぎた事だ。今更何を言っても仕方ないじゃないか」 愚痴る宇多丸の言葉をK-DUBが遮った。 「…そうだな…今はとにかく、コレを完成させるのが先だな」 そう言うと宇多丸は、手に持った花火の袋に目を落とした。 「K-DUB、俺の頼んだ物は見つかったか?」 「おう、一通り持ってきたけど…でも、こんなので爆弾作れるのか?」 そう言うK-DUBが手に持っている物は、缶詰ほどの大きさの蓋付きのアルミ缶、ネジ、ガラスのコップ、それに厚紙とガムテープ。 K-DUBはそれを丁寧に床に並べた。 「まあ見てなって」 宇多丸は手にした花火の袋を開きながらニヤッと笑った。 材料を器用に組みたてる宇多丸。K-DUBはそれをキョトンとした顔で見つめていた。 「…宇多丸、何でそんな物の作り方知ってるんだ?」 「ああ…お前には話してなかったっけか。てか知らなかったんだな」 そう言うと宇多丸は、今朝方般若に話したのと同じ話をK-DUBにした。 「そうなのか…DJ Chocolate…。きっとTOKONA-X…MUROが殺られたのも…」 「かもしれないって事だ」 宇多丸は手を休めることなく淡々と答えた。
「俺達は…俺達は、こんな事の為にヒップホップをやってきたんじゃないのに」 K-DUBはぎゅっと唇を噛み締めて呟いた。 「仕方ないだろ、こうなっちまったんだから。お前もさっき言ったじゃないの。 『今更何を言っても仕方ない』って。だから今出来る事をやるしかないんだよ」 宇多丸は最後の爆弾を作り終えると顔を上げて、K-DUBにそう語りかけた。 そしていくつかの爆弾をビニール袋に詰め、K-DUBに手渡した。 「K-DUBも半分持っててくれ。使い方はわかる?」 「…おう」 「よーし、じゃあ腹ごしらえでもするか。食品売り場に何かあるだろう?『腹が減っては戦は出来ぬ』ってな」 そう言いながら残りの爆弾と数種類の打ち上げ花火をデイパックにしまい込み、宇多丸は立ち上がった。 その時、あの忌々しい音楽が流れ始めた。 「…もう6時か」 K-DUBがため息混じりに呟いた。 いつもの様に『声』がエリア中に響き渡る。 『生きてますかぁ!?』 これもいつもの挨拶。だが聞いていた者の多くは違和感を感じたかも知れない。 『え〜皆さん今晩は。私はいとうせいこうクンではなくて彼の友人である、みうらじゅんでございます。』 声の主は遠慮がちに自己紹介をした。 定時放送が近づいてもせいこうが現れそうもなかったため急遽呼び出されたのだ。 『えっと良く分からないのですがいとうクンが、 あの忙しいとかで僭越ながらそ、その代役で私が放送させて頂きます、ハイ。 それでここからはいとうクンの原稿を読み上げます。』
突然“それっぽい”口調で読み始める。 無理にだが呼びだされた以上、自らのプライドを賭けてこなしているといった感じだ。 『えー、では脱落者を発表する…ところなんだがもう人数も随分減ってしまった。 そこで盛り上げるために名前を挙げるのはやめようと思う。 面白そうだろ?フフフ〜。代わりに残りの人数を発表する。あと5人だ! ここまで来たら生き残らなきゃ嘘だぞ。皆馬鹿になって頑張れ! そうすれば楽しいことがあるかも知れんぞ。…とのことです。』 また素の声になった。 『何を競っているのか教えて貰えませんでしたが、もう少しです。 残った5人の方は是非頑張って…えっあっスミマセン。』 マイクの向こうで怒られているらしい。みうらじゅんが台本に無い事を言ったせいだろう。 いつも通りの終わり方の後、音楽が流れ、放送はゆっくりフェードアウトしていった。 「…何で代役が?」 「さぁ。大方いつもの気まぐれであの人がどっか行ったまま帰って来ないから 代わりに呼び出されて原稿読まされたんだろ…馬鹿馬鹿しい!」 本当に馬鹿馬鹿しくて苛ついているのだろう。宇多丸は吐き捨てるようにそう言った。 「でもそれならECDが放送をするはずじゃないか?ECDもいないって…変だよ」 K-DUBは冷静に、真顔でそう呟いた。 「…確かにおかしいな。ECD…どこにいったんだ?」 「何か仕掛けてきたりするとか…嫌な予感がしねえか」 「そだな。あいつらが何か動いてる事は確かだな。って事はもうちょっと武器を増やした方が…」 そう言うと宇多丸は黙り込み、考え事を始めた。 「…宇多丸?」 「………そうだ!K-DUB、紙とペン出してくれ!」 「あん?」 「いいから早く出してくれって!」 そう言われたK-DUBが紙とペンをデイパックから取り出すと、 宇多丸はそれを受け取り、何やら文を書き始めた。
「筆談か?突然どうしたんだよ?」 「万が一ECDが動いてるとしたら、俺達の会話は筒抜けだ。聞かれたら元も子もないからな」 そう言いながら宇多丸は紙にペンを走らせ続け、書き終えるとK-DUBに手渡した。 「新しい武器を思いついたんだ。でも俺達はマイクロチップで管理されている。 当然会話も…口に出したらバレちまうからな。だからそれを黙って読んでみな」 「は…そうか盗聴されてるのか…え、ああ!なるほど!」 K-DUBはメモを読み終えると感嘆の声をあげた。 「K-DUBが持ってたOASISのアレで思いついたんだ。ま、アレ自体は使えないけど」 宇多丸はそう言うと得意げな笑みを浮かべた。 「でも、ここならアレより使える物あるはずだもんな。他の道具もあるし」 「そうそう。で、K-DUB。悪いけど『中身』を調達してきてくれない?俺は外に出て走れる程の余裕がないからさ」 宇多丸は申し訳なさそうに足を擦りながらそう言った。 「わかった。じゃあお前はここで他の物を調達してきてくれ」 「おう。集合場所は…地下のエレベーターの前でどう?食料も調達したいし」 「宇多丸…さっきから食料、食料って…よっぽど腹減ってるんだな」 そう言って宇多丸は苦笑した。 「そっ…そうだよそうだよ!仕方ないだろ!この二日まともな飯食ってないんだよ! とにかくっ!道具の調達と食料の調達!とっととやっちゃおう!」 図星を突かれた宇多丸は照れ隠しの為か、まくし立てるように言葉を吐いた。 そんな宇多丸を見てK-DUBは笑いながら荷物を背負い 「オッケー、早いとこ準備して飯食おうぜ。じゃ、行って来る!」 そう言って外へと駆け出していった。
>>150 是非お願いしたいです!
ここの人達にその都度聞いたりして見やすく編集してもらったりだとか…
show thug lifeって僕が知らないようなアングラのハードコアなお方だと思ってたらww
まぁ書いた奴も出来心だろうwwww楽しそうだったから自分もやってみたくなりやってしまったという餓鬼だろうな チラシの裏にでもやってろ
川から走り続け、気付いたら駅前に辿り着いていた。 「喉…渇いた…」 Mummy-Dは駅の改札横にある売店のドアノブをジュラルミンケースで叩き壊した。 ドアを開け中に入り、冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出して一気に飲み干した。 そして二本目の缶を手にして、狭い床に座り込んだ。 己の勘を信じて走って来たものの、当てがあるわけではなかった。 「ここまで来たけど…どうするかな、これから」 昼と夕方の二度の格闘で体力をかなり消耗していた。 「とりあえずどこか休める場所を探すか…」 この売店でも休めなくはないが、万が一誰かに見つかった場合、狭すぎて逃げ道がない。 もっと安全な場所を探すのが得策に思えた。 「もう一息ついたら行くか」 そう思い、手にした缶のプルタブを開け口に付けた時、外から複数の人間の足音が聞こえてきた。 規則正しい足音に、ガシャッ、ガシャッと鈍い金属音が重なって響く。 「――――軍隊か!?」 Mummy-Dは息を殺して壊れたドアノブの隙間からそっと外の様子を覗った。 そこには数人の兵隊と…本部にいるはずのECDの姿があった。 「失礼します!」 後方から兵士の一人が敬礼をしてECDに声をかけた。 「…何だ」 「携帯レーダーでこの付近に3人の選手がいる事がわかりましたので報告にあがりました」 兵士はそういうとECDの前にA4サイズのパネルモニターを差し出した。 志人に支給されたレーダーとは比べ物にならない、高性能のレーダーだ。 音声や画像のモニタリングは出来ないが、感知した人物を特定できる優れものだ。 モニター上に4つの光が点滅している。赤い物はECD、黄色い物は参加選手を表していた。 「…この3人が誰か表示しろ」 「はっ」 兵士の指が黄色の光に順に触れていく。するとその横に選手の名前が表示された。 「宇多丸…K-DUB…おや?坂間君はこのすぐ側にいるじゃないですか」 そう言うとMummy-Dは振り返り、駅の売店に視線を向けた。
(――――思いっきりバレてるじゃねえか!何だよあのレーダー!反則だろ!) Mummy-Dは焦り、息を呑んだ。 (俺の運も…ここまでか…くっそー!) まだKOHEIの敵討ちも済んでいない。K-DUBに謝罪だってしたかった。 何よりせいこうをこの手で倒そうと誓ったのに――――!! どうにかならないものか…考えてみたものの、名案は浮かんでこなかった。 ECDはジッとこちらを見ている。 (やるしか…ないのか…!?) 飛び出していけばあっという間に兵士に撃たれ、身体は蜂の巣になってしまうだろう。 (やっぱここはカウンターを狙うしかないよな) Mummy-Dはポケットに忍ばせたグロックとスタンガンを確認し、身構えた。 ここで死んだならば、自分はそこまでの男だったと諦めるしかない。 「俺はヒップホップの世界に必要ない人間なんだ!」 と、一度は声に出して叫んだ自分だ。覚悟は出来ている。 ただ、KOHEIとの約束を守りたい。だから…無駄とわかっても最後まで抗いたい。 (さあ…いつでも来やがれ!) 汗ばむ手をシャツで拭い、Mummy-DはECDを睨みつけた。 ジッと売店を見つめていたECDは、踵を返し歩き出した。 「あの…そこに一人いますけど…手を下さなくてよろしいんですか?」 兵士の一人が驚いた声でECDに声をかけた。 「構わん。坂間君に今、手を出す気はない」 そう言うとECDはモニターが宇多丸の存在を示したデパートの方へと歩を進めた。
(…は?「今、手を出す気はない」だと?) Mummy-DはECDの言葉を聞いて緊張の糸が切れたのか、ガクッと崩れ落ちた。 そして安堵を感じると共に徐々に怒りが湧いてきた。 (俺を舐めてんのか!?それともビビって逃げたのか!?) 敵前逃亡とも取れる行動にムカついてキレそうになるのをグッと堪え、ECDの後ろ姿を見送った。 どういう事なのか…いずれ対峙する時、ECDは何をする気なのか? 「どうせロクな事考えちゃいないんだろうな」 ECD達が遠く離れた事を確認すると、Mummy-Dはポツリと呟いた。 「…だったら先手必勝だな。こっちから行ってやるよ」 狙われているのは宇多丸とK-DUB。まともに戦える装備など持っていないだろう。 「K-DUB達を助けるのも…罪滅ぼしの内だしな」 Mummy-Dはそう呟くと、荷物を抱えそっとドアを開けた。 そして周囲を確認し、ECDが向かった入り口とは逆の、通用口がある方へと走り出した。
Mummy-Dは走りながら、ECDの吐いた言葉の意味を考えていた。 「『今、手を出す気はない』…って事は、俺は後回しな訳で…」 宇多丸やK-DUB、もしかしたら生き残っている他の参加者よりも更に後、一番最後という意味かもしれない。 というか、何故参加者でもないのにわざわざフィールドに出て来て闘いに身を投じているのか? そこが一番わからない。狙いは一体何なのか? 「せいこうの横で大人しくしてればいいのに、まったく………あ!」 せいこう!?もしや…そうか、そうなのか!? 「なるほどねぇ…それで俺は後回しって訳か」 Mummy-Dは予想していた。 このゲームにおいて、とてつもなく優秀な自分がせいこうに気に入られている事を。 Mummy-Dにしてみれば別にどうでもいい事であったのだけれど、ECDにとってはそうではないらしい。 寵愛を受けるのは自分一人でいい。ECDの考えはそんなところだろう。 Mummy-D自身は“ひいき”されたいとは思わない。 たまたま自分の活躍がせいこうに好意を寄せられただけであって… しかしECDは、自分以外にせいこうの思い通りに動く人間がいるのが気に食わない。 自分よりも若く、精力的に活動できるMummy-Dが邪魔でならないのだろう。 だからあの時『坂間君』と言ったのだろう。 たとえ殺人者としての坂間大介の強さを認めても、ラッパーとしてのMummy-Dは認めたくないから。 そして、“一応の”敬遠の意を込めて、君付けしたに相違ない。 せいこうのお気に入りである『Mummy-D』を抹殺したいのだろう。 「…嫉妬深いんだよな、あの変態オヤジは」 そう呟きながらMummy-Dは軽い目眩を覚えた。いい迷惑だ。勝手に嫉妬されて…冗談じゃない!!
「ん?でも俺を狙う理由は見当ついたけど…他の参加者を狙ってるのはなんでだ?」 ECDが「変態オヤジ」である事はわかったMummy-Dにも、 さすがに他の参加者にまで手を下そうというECDの真意がわからなかった。 当然であろう。ECDの愛情表現は、ひねくれ者のMummy-Dの上を行くほど歪んだ物だったから…。 そんな風にグチャグチャと考え事をしながらもMummy-Dは走り続けた。 そしてふと左前方を見やると…自分と同じ方向に向かって走る人影がいる事に気付いた。 「…あ!あれは――――」 Mummy-Dは人影が誰であるかを確認すると、走るのを止めた。 そしてその人影の方に向かって真っ直ぐに歩いて行った。 K-DUBはポリタンクを両手で抱えて走っていた。 中にはガソリンが入っている。宇多丸が調達してきて欲しいと頼んだものだ。 別に走って戻る必要はないのだろうけど 「足に怪我を負っている宇多丸を一人にしておくのは危険だ」 と判断した為、急いで戻らなければと走っているのだった。 そしてその最中、K-DUBは自分と同じ方向を目指して右前方から走り込んで来る人影を視界に捕らえた。 (――――Mummy-D!!!) …あのスタート地点での争い以来、約二日ぶりの再会であった。 Mummy-DもK-DUBの存在に気付いたのか、走るのを止めてこちらに向かってゆっくりと歩いて来た。 (こんな時に…よりによって一番厄介なヤツに出くわしてしまった…) K-DUBは心の中で舌打ちをした。そして、走るのを止めてMummy-Dに視線を向けた。 不思議な事に、Mummy-Dからは闘いの意志を感じ取れなかった。 でもあの時もそうだった。何食わぬ顔で近づいてきて、いきなり攻撃されたのだ。 そのせいで、OASISが…今だって何を考えているかわかったもんじゃあない。 (人を撃つのは嫌だけど…ここで殺られる訳にはいかない!) K-DUBはポリタンクを地面に置き、ベレッタを取り出しMummy-Dに向けて構えた。 「D!それ以上近づくな!俺はお前を撃ちたくない!」 その言葉を聞いてMummy-Dは立ち止まった。2人の距離は5mほどまで詰まっていた。 K-DUBは少し驚いた。絶対立ち止まらないと思っていたから。 そしてMummy-Dは更にK-DUBを驚かせる行動に出た。
持っていた荷物を一つずつK-DUBの方に放り投げて来たのだ。 デイパック、ジュラルミンケース、盾、そしてシャツを脱ぎ、防弾チョッキを脱いでそれも放り投げて来た。 さらにカーゴパンツのポケットからスタンガン、グロッグを取り出して 地面を滑らせるようにK-DUBの方へよこし、ポケットを全てひっくり返して見せた。 最後に腰に巻いていたベルトを取り、ポーンと放り投げた。 そして両手を挙げて…全面降伏の構えを見せた。 「…どういう事だ」 K-DUBは困惑した声でMummy-Dにたずねた。 「見ての通りだよ。俺はK-DUBを殺る気なんてない」 その言葉に、K-DUBはどう答えていいのか困った。 そんなK-DUBの目をしっかりと見据えて、Mummy-Dは言葉を続けた。 「他のヤツにはどうするかわからないけど、K-DUBとその仲間にだけは手は出さない。約束する」 Mummy-Dの瞳は…いつになく真剣なものだった。 「なぜ…どうしてなんだ!?今更改心したとでも言いやがる気か!?」 K-DUBは声を震わせながら叫んだ。 「…俺はヒップホッパーだ。その音楽をする為にこの世界に入った。殺し合いをする為にやってるんじゃない」 Mummy-Dは静かに、きっぱりとK-DUBに向かってそう言葉を投げかけた。 「それは…俺だって同じだ。俺だって音楽を愛するが故にこの世界に入ったんだ。 でもオメーはこのゲームに乗りやがったじゃねえか!!OASISを…他の参加者にだって手をかけたんだろ!?」 「…その通り。それは動かしがたい事実だ。ヘタすりゃ俺が一番殺ってるはずだ」 「そんな…そんなヤツの言う事を信用できると思うのか!!?」 K-DUBの言う事はもっともだった。そう言われる事をMummy-Dは覚悟していた。 「信用出来ないなら、今ここで俺を…その銃で撃ってほしい。 それで気が済むのなら…罪滅ぼしになるのなら、構わないから」 その為に武器と防具を全てK-DUBの方に投げ渡したのだ。 どうしてもK-DUBに謝罪したかったから。断罪して欲しかったから。
(KOHEI、すまないな。でもK-DUBに殺られるなら…仕方ないよな?) Mummy-Dは心の中でそう呟いた。 志し半ばになったとしても、こればっかりは仕方がない。 KOHEIを殺めた時、あの時のK-DUBの気持ちがわかったような気がした。 でもそれを言い訳にする気はない。言い訳した所でK-DUBを傷つけた事実は変わらない。 そして多くの仲間を葬り去った事実は変わらないのだ。 (同じ立場になってやっと気付くなんて…俺も愚かだな) Mummy-Dはそんな事を考えながら、穏やかに微笑んだ。 K-DUBはベレッタをMummy-Dに向けたまま戸惑っていた。 Mummy-Dは信用出来ない。でも、あの瞳は嘘をついているようには見えない。 でもでも、ヤツはMummy-Dだ。頭から信じると痛い目を見る…。 (どっちだ?どっちなんだ?嘘か真か…) 判断を間違うと、己の命が危ない。 宇多丸との「せいこうを討つ」という約束も果たせなくなる。 (俺は死ねないんだ…自分の為にも、逝ってしまった仲間の為にも!) 頭の中でいろんな思いがぐるぐると回り続けている。答えは…出て来ない。 ふとMummy-Dの顔を見ると、今まで見た事もないほどの穏やかな表情で微笑んでいた。 (人に己の命の行方を委ねておいて…死ぬかもしれないのになぜそんな表情が…?何があったんだ!?) 何がMummy-Dにこんな行動を取らせているのか?K-DUBはそれが知りたかった。 「…何があったんだ」 K-DUBはMummy-Dに問い掛けた。 「別に…何もないよ」 Mummy-Dはそっけなく答えた。 「何もないはずないだろう?そんな表情…今までのお前ならしないはずだ」 「…言い訳になるだけだから。言いたくない」 「言い訳でもなんでもいい!何があったか答えろ!教えろ! 理由もないのに『撃ってくれ』なんて言葉、出て来ないだろう!?」 K-DUBはそう叫ぶと構えた腕を下ろし、Mummy-Dの目の前へと歩み寄った。 そしてポケットからメモ帳とペンを取り出し、Mummy-Dに突きつけた。
「…は?」 Mummy-Dは事態が飲み込めず、K-DUBの目を覗き込んだ。 K-DUBはああそうか、と呟き、メモ帳に文字を書き込んでMummy-Dに見せた。 『会話は全て本部に筒抜けだ。どうせ話すとまずい内容なんだろう? だったらここに掻い摘んでで構わないから書いて説明してくれ』 Mummy-Dはそれを読み終えると、首を横に振った。 「D!教えろ!何があった!そして何がしたいんだ!」 その言葉を聞いたMummy-Dは挙げていた両手を下ろし K-DUBの手からメモとペンを受け取って、何やら書き始めた。 「何があったかは言いたくないけど、何がしたいかっていうのは…」 そう言いながらMummy-Dは書き終えたメモをK-DUBに見せた。 『俺はこのゲームを終わらせる為にせいこうを殺る。 でもその前にあなたに謝罪がしたかった。 俺が殺ったみんなにも、本当ならば謝罪がしたい。 でももうみんないないから、せめてあなたに謝りたかった。 せいこうを殺った後、俺はもう一度自分の音楽がしたい。 でもK-DUBに俺のした事を許してもらえないのなら、意味がない。 許されるなら、俺はせいこうを殺りに行く。 駄目ならば、ここでK-DUBの手で俺を殺して欲しい。償いの為に』
「…お前、同じ事考えていたのか」 K-DUBはメモを見ながら呟いた。 「…え?」 「ここだよ」 そう言うとK-DUBはペンで『せいこうを殺る』という部分を丸く囲んだ。 「K-DUB…も?」 「正確には俺とSHIROだ」 「SHIRO?何で?」 「同じだよ…ヒップホップがしたいんだ。ただそれだけだよ」 K-DUBはそういって微笑んだ。そして足元に落ちていたベルトを拾い、Mummy-Dに手渡した。 「…K-DUB?」 「何があったかは、もういい。お前が同じ考えなのはわかったよ。 協力できるなら…その方がいいだろ。一人でやろうなんて無茶な事考えるなよ」 そういうとK-DUBはMummy-Dが放り投げた物を拾い集め、Mummy-Dに身に着けるように促した。 Mummy-Dはただ黙ってK-DUBの事を見ていた。 K-DUBはそんなMummy-Dに目もくれずに再びメモにペンを走らせていた。 そして書き終えると、Mummy-Dにそれを見せた。
『…許すとか許さないとか、もう済んでしまった事を今更言っても仕方がない。 今ここでお前を殺ったからって、みんなが生き返る訳じゃない。 せめて残った人間で、この馬鹿げたゲームを終わらせよう。そして…ヒップホップシーンを創り直そう』 「それがお前の償いだよ、D」 K-DUBはそう言ってMummy-Dに優しく微笑んだ。 「…K-DUB、ありがとう」 Mummy-Dはそう言うのが精一杯だった。 「さあ、行こう。宇多丸が待ってるんだ。急がなきゃ」 「…あ!そうだった!SHIROがヤバイ!」 Mummy-Dはハッと我に返り、声をあげた。 「え…どういう事なんだ?」 「ECDがSHIROを狙ってる」 「ECD!?何で?」 「俺にもわからない。ただ、あいつの最後のターゲットは…俺らしいんだ」 そう言うとMummy-Dは、先ほどの駅前での出来事をK-DUBに説明した。 「…そんなくだらない理由でわざわざ出て来たのか、あの人は!?」 …K-DUBは絶句した。 「ただ何で他の参加者まで狙っているのかはわからない。とりあえずSHIROが危ないから、急ごう!」 Mummy-Dは急いで装備を整えながら、K-DUBにそう促した。 「そうだな…あ、Dちょっと待って」 K-DUBは走り出そうとしたMummy-Dを呼びとめた。 「お前…ECDの息の根を止める自信、あるか?」 K-DUBはMummy-Dの目を見据えてそう言った。 「…え?まあ…元々そのつもりではいたんだけどな…。K-DUB、いいのか?俺がまた人を殺しちゃっても」 「身を守る為だし、あいつは仲間じゃない。この際仕方がない。お前には悪いけど、一番慣れてるのは…」 「まあ、そうだよな。俺が殺るのがベストだろう。でも、何でそんな事聞くんだ?」 Mummy-Dは訝しげにK-DUBにそうたずねた。 「ちょっと考えがあるんだ。お前には大変な思いをさせる事になるけど…」 そう言うとK-DUBは三度ペンを取りメモに文字を書き連ねた。 そしてMummy-Dにそれを読むように促した。
「…ああ、出来なくはないけどな。というか…やるよ、俺」 Mummy-Dはメモから目を上げると、K-DUBの目をじっと見据えてそう答えた。 「そうか。何かお前ばっかり頼っちゃって申し訳ないけど…」 「いや、これぐらいさせてくれ。この計画を成功させる事が…俺の償いなんだろ?」 そう言ってMummy-Dはニッと笑った。 「悪いな。でもこれがベストだと思う。宇多丸には事後承諾になっちゃうけど… あ、そうだ!早く宇多丸を助けに行かなきゃ!」 そう言い終えるや否やK-DUBはポリタンクを取りに戻り抱え上げた。 「さ、行こうか!」 K-DUBはそう言ってデパートへと走り出した。 「ECDのオッサンとド派手にカマして、次はせいこうとか…大仕事だな、俺」 そう呟いてMummy-Dは軽く息をつくと、K-DUBの後を追って駆け出していった。
できたらもうちょい貼ります
ここまでで投稿レス数265だ… 本にしたら何ページあるんだろう? 100ページは絶対いってるなw
大好きな3MCが活躍してくれているようでうれしいです^^
196 :
訴える名無しさん。 :2006/03/28(火) 23:29:26 ID:EFfIvSKf
──── 夢か、現か。 夢の目覚ましは激痛だった。 自分がどれだけの夢を見ていたのか?それが一体どんな話だったか…今はどうでもいい事だ。 現状の認識を無意識に、しかし確実に切り返しと受けに長けた彼の頭脳はそれを求めた。 最初に認識したのは自分の名前…BOSS THE MCである事だった。 最後にリアルな記憶として残っているのは渦巻く濁流…それ以前は思い出すまでもなかった。 …目を覚ましてみれば川岸に流れ着いていただけだった。 見れば左腕は既に土色に変色し力無く並んで横たわっている。 感覚を確かめてみたがまったく動かない。 奇跡的にもMummy-Dの一撃は首の動脈や腕の筋肉を直撃することなく「肩と腕の繋ぎ目」に命中。 故に出血こそ激しかったが腕の切断もなく、それ以上の生命的な危険は回避されていた。 もっともそれも「あくまで一時的」に過ぎない事もBOSSは認識した。 さすがに血を流しすぎたせいか…「死」に対する警鐘かそれとも自衛か、体は動く事を拒んだ。 一方で狂気に走っていた時のBOSSに比べれば遥かに冷静に考える事も出来た。 動かせる範囲で時計を見る、BOSSと戦い敗れてからまだ二時間も経っていない。 6時の放送は聞いていないがおそらくその間も何人かは戦い、敗れ死んでいったに違いない。 問題はBOSS自身の今後だったがすんなりと考えはまとまった。 「仕方がない」 武器は橋に置き去りにしてしまった、第一それを取りに戻るだけの体力もない。 ふと傍らを見ると偶然にもMummY-Dに叩き込まれたブッシュナイフが転がっていた。 だがこれ一本でどうしろと? 時間の経過を考えればおそらく残りの参加者全員か殆どが銃を所持していると考えてもいいだろう。 この体調と武器で誰かに戦いを挑んだところで呆気なく殺されるだけ…そう判断した結果だった。 当然、今この状況を誰かに見つかれば間違いなく止めを刺されるだろう。 幸いにも付近に人気はない、自分の倒れている場所も芦が生い茂っていて土手からは見えにくい。 夜の闇が周囲を染め、反対に土手脇町側の街灯によって土手の上は明るく照らされていた。
仰向けのまま横にナイフを置き夜空を眺める。 Mummy-Dと戦っていた時降っていた雨は止み、星が燦然と輝いている。 何かをやり遂げた満足感と充実感に包まれ、この戦いで初めてBOSSは気を緩めた…。 その時、BOSSは何者かの気配を感じ取った。その気配がする方…土手の上へと視線を飛ばす。 そこにはBOSSが思う限りMummy-Dと同等の狡猾な参加者…NIPPSの姿があった。 NIPPSからはこちらを視認する事は難しい、だがBOSSからは逆光にはなるが確認は容易い。 先程までならボウガンで狙い撃ちするところだがブッシュナイフ一本では手出しは出来ない。 様子を伺うに止める事にし、NIPPSを観察するようにじっと息を潜める。 やがてこちらを何度か見渡した後、NIPPSはあっという間に土手の向こう側へと走り去っていった。 NIPPSが視界から消えた途端、BOSSは猛烈な疲労と眠気に襲われた。 眠気に負ければおそらく二度と目を覚ます事は難しい…そう考えBOSSは睡魔に抵抗を試みた。 だが、それもすぐに止めた。先程と同じ「仕方がない」という理由で。 むしろ起きていた方が疲れる、この状態でやれる事は少ない…なら寝よう。 このゲームにおいて「安眠」という言葉は最も求めがたい物でもあるのだろう。 逆を言えば最悪とも言える今の自身の状況が求めがたい「安眠」を求めさせたのかもしれない。 抵抗を止めた途端、瞼が重くなり星のない暗闇が視界を制圧し始める。次に自分の目を覚ますのは死神か、それとも…。 そこまで考えたがどうでもよくなった、間違いなく自分の目を覚ましてくれる奴は死神に違いない。 だったらせめて少しでも長く寝かせてくれればいい、このままなら…勝手に死ぬのだから。 その暗闇に心地良さまで感じながらBOSSは再び闇の中に墜ちていった。 今度はこんな悪夢ではなく、もっと幸せな夢でも見ようと思いながら…。
199 :
優勝は誰だ??? :2006/03/28(火) 23:34:40 ID:Z86xrX4O
※緊急告知!!!
諸事情により、渋谷SIMOONより
六本木MAZEL(旧SPAIRAL)に開催場所を変更しました。
会場MAP→
http://www.groundchampion.com/map.html 4/7(Fri)@六本木MAZEL(旧SPAIRAL)
KRAFT×ON SPOTZ×FUZZY
優勝賞金20万円 !! MC バトルイベント
“GROUNDCHAMPION”本選
DJ: CELORY. MASAKI. FOOCH
HOST MC: DEN(妄走族) VJ:夜光戦車
審査員:???
本選出場MC: MASARU, カルデラビスタ,
丸, TOMOHI, TK, STOCK,ISSUGI,
バラガキ, KOBA, RHYME BOYA, スレッド,
にけ, Funi, Sir-VIBE, 灰色, FRANKEN
OPEN 22:00〜 DOOR: 3000yen/1D W/F: 2500/1D
企画制作:airplants.,CO.LTD 03-3405-0330
TOTAL INFO:
http://www.groundchampion.com/
>>196 >1が特定されますたWW
>ちなみに1は京都出身で
漏れも京都出身だから一瞬ビビったwww
【お願い】 元ネタが未完結で終わってて、さらに元ネタの元ネタ(これは完結済み)までさかのぼってるんですが その完結編がまとめサイトにうpされてなくて、さらにスレがdat落ち中なのであります。 なので2ちゃんねるビューアその他でdat落ちしたスレの内容を読むことができる方、 メール欄にメールを晒してますんでご連絡いただけませんでしょうか?? 「俺が助けてやんぜ」と一言いただければ返信時にそのdat落ち中のスレのURLを送ります。 これができれば無事に完結できるので、どなたかお助けを。
204 :
訴える名無しさん。 :2006/03/29(水) 08:53:39 ID:t+72b0fk
205 :
訴える名無しさん。 :2006/03/29(水) 08:57:31 ID:t+72b0fk
>>203 yahooメールに萌えたぜw
力になれないや。ゴメンネ。
207 :
訴える名無しさん。 :2006/03/29(水) 11:22:04 ID:MpjG7YCa
協力者でない限りここから話すすまないの?
>>203 悪いが力になれない。とゆうかホントはRockの方が好きなんじゃないのか?wメアドからそう思った。
>>208 ロック好きは正解ですw
Smashing PumpkinsとPearl Jamを足したメアドです
もうちょい貼れるんで貼りますけど、その後はどうしよ
まあ意地でも終わらせるんで
1さん、頑張ってよ。 ここ最近の楽しみなんだからw
>>209 すげぇ!!予想大当りw俺もスマパンは好き。このスレも好きw
1ーまだ協力者出てこない?
がんがれ21歳
214 :
訴える名無しさん。 :2006/03/29(水) 22:04:12 ID:5HLsj9sa
今日はまだぁ?
スマパン好きならDAって気がする
「この建物内にいる筈なんですが…見当たりませんね」 レーダーを持った兵士が、モニターと自分のいる位置を交互に確認しながら呟いた。 「…お前は馬鹿か。この階にいるとは限らないだろうが!」 ECDは兵士を睨みつけながらそう吐き捨てた。 今いるデパートの本館は地下1階から地上6階、さらには屋上もある。 さすがのレーダーも立体には対応していなかった。 ECDは兵士達に命じた。 「何階にいるのか…お前達、調べて来い。宇多丸を発見次第連絡しろ」 「はっ」 命を受けた兵士達は階段、エスカレーターへと散っていった。 「まずは宇多丸…それからこちらへ向かっているであろうK-DUB…順番に片付けさせてもらうとするか」 ECDはそう呟きニヤリと笑うと、靴売り場の椅子にドカッと腰を下ろした。 「せいこうさんの命を狙うなんて…図々しいにも程がある。 まったく…何を考えているんだかあの人を殺っていいのは… あの人を一番理解している人間だけだ。そしてそれは…この俺だ」 嫌らしい笑みを浮かべながらECDはブツブツと呟いた。 あの中華料理屋の瓦礫の下から自分を助け出してくれた、せいこう。 『俺と戦うつもり』と、己の命を狙っている事をわかっているのに助け出してくれた、せいこう。 「この恩返しは…必ず…貴方を殺す事によって返させていただきますよ、せいこうさん」 …もうこの男が狂気の世界から戻る事はないのだろう。 ただひたすら、せいこうを殺す為に…己にとっての邪魔者を排除していくつもりらしい。 「その為にはもっと狂わないとな。1人ずつ…嬲り殺しにすれば、もっと深く強く狂えるだろう。 クックックッ…そして最後に…せいこうさんのお気に入りのアイツを殺れば…完璧だ! そしてこの手でせいこうさんを…ああ、考えただけで身震いが…たまらないなあ…」 愛憎と嫉妬と狂気の狭間で、ECDはせいこうと対峙した時の事を想像し、快感に酔いしれていた。
「SHIROがいるのは何階なんだ?」 Mummy-Dは社員用の階段の前でK-DUBに聞いた。 「あの足で階段登った事を考えると…たぶんまだ5階にいると思う。おもちゃ売り場」 「もしそこにいなかったら?」 「地下のエレベーター前で待ち合わせてる。でも足を怪我してるから…」 「6時20分頃に別れたとして、5階まで行って物色して…20分経ってるからギリギリか」 Mummy-Dはそう呟くと軽く舌打ちをした。 「とにかく5階まで行ってみるか」 K-DUBは階段を見上げながらそう言った。 「一か八か…行ってみよう」 そう言うとMummy-Dはポケットからグロックを取り出し、右手に握り締め階段を駆け上がり始めた。 そしてK-DUBもその後に続いた。
空のジュースのボトル、タオル、密閉できる蓋のついた瓶、そして大型の水鉄砲。 宇多丸は必要なものを一通り床に並べて確認した。 「…これで足りるか」 それらを帆布で出来た巾着状のランドリーバッグにしまい込む。 口の紐をギュっと縛り、肩に担いで立ち上がろうとしたその時―――― カッカッカッカッ…… エスカレーターの方、階下から硬い足音が響いた。 (K-DUB?いや、アイツはスニーカーだったはず…一体誰だ!?) 宇多丸は警戒し、そっと立ち上がると物音を立てないように倉庫の方へと向かった。 (倉庫の奥に社員専用階段があったはずだ。そっちから降りれば…) 痛む足を引き摺り、階段のドアの前に辿り着いた。そしてドアノブに手をかけようとした瞬間… ガチャッ 目の前のドアノブが動き、ゆっくりとドアが開いた。 そして現れたのは…グロックを手にしたMummy-D! 「――――っ!!!!!」 予想だにしなかった奴の出現に、宇多丸はパニック状態になった。 それでも声を挙げなかったのは、まだ警戒を解いていなかったおかげかもしれない。 Mummy-Dはちょっと驚いた後、宇多丸を見てニヤッと笑った。 (Mummy-Dはニッコリしたつもりだが、慌ててる宇多丸には悪意のある笑みに見えたらしい) 宇多丸はデイバッグの中から何か武器を取り出そうとするが、慌てていてままならない。 (ああっ!こんな時にーっ!こんな所に来るなって!) そんな風にジタバタとする宇多丸を見て、Mummy-Dは堪えきれなくなりプッと吹き出した。 そしてその後ろからK-DUBがヒョイと顔を覗かせた。
「宇多丸、無事だったか?」 こみ上げる笑いを堪えながら、K-DUBはそう問い掛けた。 「――――K-DUB!?お前何でコイツと一緒にいるんだ???」 宇多丸はキョトンとして、二人の顔を交互に見た。 「外で会ったんだよ…大丈夫、Dは同じ目的を持った仲間だ」 K-DUBがそう言いニッコリ微笑むと、宇多丸は力が抜けたのかヘナヘナとへたり込んでしまった。 それを見たMummy-Dはとうとう堪えきれなくなってクックックッと声を殺して笑い出した。 「な…仲間?なんだって!?どういう事だ?…おいD、笑うなって!」 宇多丸は驚きつつも、笑われた事にムッとしてそう言葉を吐いた。 「話すと長いから…これをまず見てくれ」 そう言うとK-DUBは、先程Mummy-Dとやり取りしたメモをポケットから取り出し宇多丸に見せた。 そして宇多丸がそれを読んでいる間に、事のあらましを新たにメモに綴り 先に渡したメモを読み終えた宇多丸に再び手渡した。 「そうか、お前も…」 そう呟いて宇多丸はMummy-Dを見上げた。Mummy-Dは何も言わずに笑みをたたえ、頷いた。 「Dに負担がかかってしまうけど、これが最善の方法だと思う…」 K-DUBがそう語るのをさえぎるように、Mummy-Dが喋り出した。 「そう。ここであの変態オヤジを倒しちまえば、事は楽に進むはずだ。 悪いけど、宇多丸とK-DUBじゃあ頼りなさ過ぎるし。 俺は…自慢にもならないけど慣れてるから。任せてくれ、宇多丸」 「…まあ、K-DUBも信用してるんだし、当然俺も信用するよ。D…頼んだぞ…失敗は許されないからな!」 宇多丸はそう言うと、Mummy-Dに手を差し伸べた。Mummy-Dはその手をしっかりと握り返し、頷いた。
「じゃあ早速行こうか」 Mummy-Dはそう言うと宇多丸の手を離し、代りにグロックをその手に握り締めた。 「宇多丸、兵士の姿見なかったか?」 K-DUBが宇多丸に問い掛けた。 「いや…姿は見てないけど、エスカレーターの方から足音が聞こえた。この下の階にいるらしい」 「…早いな。人数は確か…3人だったな」 Mummy-Dはそう呟くと何やら思案し始めた。そして 「エスカレーターから来る奴は、任せるよ。 俺は階段から来る奴を仕留めるから。 爆弾使っても、ガソリンぶちまけてもいいから必ず仕留めてくれ」 と二人に向かって言った。 「わかった。D…気をつけてな」 K-DUBが心配げに呟いた。 「…百戦錬磨ですから。ご心配なく」 自嘲気味に笑みを浮かべ、Mummy-Dはそう答えた。 そしてスタスタと倉庫を出て階段へと向かって行った。 「…さて、武器の準備をしないとな。このままだと兵隊相手にまともに戦えないし」 そういうと宇多丸は担いでいたランドリーバッグを床に置き、中から水鉄砲を取り出した。 「K-DUB、例の物は?」 「おう、このポリタンクに…」 「よーし、じゃあそれをこの中に入れて…っと」 宇多丸はポリタンクの中身――――ガソリンを水鉄砲の中に流し込んだ。
それをK-DUBに手渡すと、もう一つの水鉄砲にも同じ事をした。 そして残ったガソリンを密閉容器に小分けして、K-DUBに半分手渡した。 「中身が空になったらこれを補充してくれ」 「わかった」 「本当は…OASISの水鉄砲が使えれば良かったんだけどな」 宇多丸は少し申し訳なさそうな顔をしてそう言った。 「仕方ないよ。アレじゃあ何も出来ないし。お守り代わりに…この作戦が成功するように、お守りにするから」 K-DUBはそう言うとニッコリ微笑んだ。 「そうか…じゃ、そろそろ行くか。K-DUBはその水鉄砲で兵士を狙ってくれ。そこに俺がこれで…」 宇多丸はそう言うと、デイパックの中から連射式の打ち上げ花火を取り出した。 「…わかった。でも、上手くいくといいんだが」 「何言ってんだ、上手くいかせるんだって!」 「…そうだな。成功させよう!」 「ああ。Dの足手まといにならないようにしなきゃ」 宇多丸とK-DUBは頷きあうと、それぞれの武器を手にエスカレーターへと向かっていった。 階下のエスカレーターの奥から、カッカッカッカッ……と渇いた足音が聞こえる。 どうやら兵士は下の階にいるようだ。 (狙うなら…まず顔。視界を潰して、胴体を狙おう) K-DUBは水鉄砲を構えた。そして宇多丸は花火とライターを手にした。 足音がだんだんとエスカレーターの方に近づいてくる。 カッカッカッカッ……カツンッ!
エスカレーターの踊り場につま先が乗った音が、攻撃の合図だった。 K-DUBは狙い通りに兵士の顔に水鉄砲でガソリンをぶちまけた。 「うあっ!目っ…目が…」 突然視界を奪われた兵士は、その場で身をよじった。 そこへ追い討ちをかけるようにK-DUBがガソリンを浴びせていく。 その隙に宇多丸は花火に火をつけた。導火線が音を立てて燃えていく。 「よし、K-DUBどいてくれっ」 宇多丸はK-DUBを押しのけると、花火の先を兵士に向けた。 ヒューン、ヒューン、ヒューン… 小さな火の玉は、次々に兵士の身体目掛けて飛んでいき、当たると同時に炎上した。 ガソリンをよく含んだ軍服を着た兵士は、あっという間に火だるまになった。 「うぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 (…断末魔の叫びというのは、こういうのを言うんだな) K-DUBは目を逸らし、燃え上がる兵士の叫び声を耳にしながら、ボンヤリと思った。 身を守る為、信念を貫く為とはいえ、関係のない人間に手をかけた事には代わりはない。 人殺し――――人として、最も避けたかった行為である。 K-DUBは耳を塞いだ。そして身をよじった。目の前の事実を避けるかのように。 宇多丸はそんなK-DUBを見てため息をついた。そして炎の塊の方を向き、頭を下げた。 (申し訳ない…本当に、すまない…) 彼にも家族がいるはずだ。自分と同じように、大事な人や物があるはずだ。 涙がこみ上げてくる。それが悲しみの涙なのか、無念の涙なのか、後悔の涙なのか…宇多丸にはわからなかった。
ガーンッッッッ! 「ウッ…」 ドサッ… 宇多丸達の背後で一瞬の内に音が聞こえてきた。 K-DUBが顔を上げ、宇多丸が振り向くと、床に倒れた兵士の姿が見えた。 宇多丸達が気付かぬ内に、最後の一人である兵士が背後に回っていたのだ。 「…泣いてる場合じゃないだろ」 倒れた兵士の右奥から冷めた声が宇多丸達に投げかけられた。 声の主は、Mummy-Dだった。 呆然と見つめる宇多丸達を尻目にMummy-Dは兵士の元に歩み寄ると、再び弾丸を撃ち込んだ。 まだ軽く息をしていた兵士の呼吸が、これで完全に止まった。 「こんな事ぐらいでいちいち泣いていたら何も出来やしない。…割り切った方がよくないか、いい加減。 今だって俺が来なかったら、お前達は殺られてた。…仲間以外は全部敵だ。 そう思わないと、いつまでたっても…このゲームを終わらせる事は出来ない。非情かもしれないけど、仕方がない」 Mummy-Dは宇多丸達の方を向き、そう言い放った。 「俺は、俺の邪魔をする奴は誰であろうと殺るつもりだから。民間人だろうが兵士だろうが関係ない。俺の知ったこっちゃない」 Mummy-Dは冷たいオーラを放ちつつ、そう言葉を続けた。 このゲーム最強にして最凶のプレーヤーを初めて目の当たりにした宇多丸は その全てに圧倒され、完全に言葉を失っていた。 …先程自分を見て笑っていた、真剣な眼差しで訴えてきたMummy-Dとは、全くの別人だ。 (…だからコイツは生き残れたんだ。運や実力だけじゃない。気構えからしてもう…俺達とは段違いなんだ、コイツは…) 宇多丸はそう思った。
Mummy-Dは銃をポケットにしまい、兵士の武器を取り上げると 「…K-DUB、大丈夫か?」 と、たった今までの冷たい声と打って変わった温かみのある声で、K-DUBに問い掛けた。 K-DUBはずっと呆然としたままだった。しかし 「大丈夫だ…。俺は…受け入れる。この現実を。運命として…受け入れる」 小さいながらも力のこもった声で、K-DUBはそう答えた。 「取り戻さなきゃいけない。自分の大事な物を取り戻さなきゃいけないから…」 仲間達の死を無駄には出来ないから。K-DUBは強く、深く意を新たに決した。 「SHIROは…平気か?」 Mummy-Dは宇多丸に目線を移し、問い掛けた。 「ああ…お前の言う通りかもしれない。割り切らないといけないんだ。 悪夢のようだけど…仕方ないんだな。これは現実なんだ。 自分の信念を貫く為には、何かを傷付け、壊しても仕方ないんだな…。 それが人を殺す事であっても…俺達はやらなきゃいけないんだ…。 わかっていた筈なのに、いざ目の前にすると…動揺しちまうな、やっぱり」 宇多丸は俯きながらそう言うと、顔を上げてMummy-Dを見つめた。 「お前がそういう…人を殺るの、初めて見た。俺には…出来ない、そこまで。 だから…仲間にして良かったって、ちょっと安心していたりするんだ。敵には回したくないよ、お前みたいな奴は」 そう言って宇多丸は苦笑した。 Mummy-Dは宇多丸のあまりに素直な言葉を聞いて、少し笑ってしまった。 「そりゃそうだ。俺だって俺みたいなのがいたら戦いたくないよ。 もう…大丈夫だよな?二人が及び腰じゃあ俺の命も危ないから」 Mummy-Dがそう問い掛けると、宇多丸達は静かに、深く頷いた。
「…さて。そろそろ次の行動に移ろうか。そろそろECDも気が付く筈だし。 先手打っていかないと、あのオッサンは一筋縄じゃいかないだろうから」 そう言うとMummy-Dはジュラルミンケースを開けた。そして中からパネルモニターを取り出し、それをK-DUBに手渡した。 「さっき階段で殺った兵士が持ってたんだ、高性能レーダー。俺には必要ないし…K-DUB、持っててくれ」 そう言うとMummy-Dはレーダーの電源を入れ、K-DUBに自分が知る範囲内での使い方を説明した。 「うわ…これって居場所どころか誰なのかも全部バレちゃうのか」 K-DUBは驚きの声を上げた。 「そうなんだよ。だから俺、目の前でコレ使われた時はもう終わったと思った。 なのにECDは…『坂間君に今、手を出す気はない』とかぬかしやがって…」 苛立ちを思い出したのか、Mummy-Dは怒りのこもった声でそう吐き捨てた。 「どうしてもMummy-Dを認めたくないらしい。だから『坂間君』なんだよ、きっと。 それに後回しって、どういう事だ!?その場で戦えよ!ああ、もう…頭にくる。 ホントに…俺を舐めてるのか!?今戦って、俺を後回しにした事を後悔させてやる!」 「…は?何があったんだ?」 K-DUBは訳がわからないといった風にMummy-Dに問い掛けた。 「あのオッサン、俺がいるの知ってて後回しにしたんだよ! 最後に取っておいて、俺をなぶり殺しにしたいんじゃないか? せいこうに気に入られてる奴は、全部気に食わないだよ、アイツは! あの変態オヤジ…見てろよ!俺がこの手で倒してやるから!」 と、Mummy-Dは一気にまくし立てた。 「は…はあ…」 K-DUBはその勢いに圧倒されて、返答に困っていた。 (何か…微妙に怒るポイントがズレてる気がするんだけど…) K-DUBはそう思った。 (この非常下で…なんとまあ呑気というか…度胸あるというか…… ま、それだけ平常心でいる証拠かもしれないって事だな) と、宇多丸もいつも通りのズレっぷりを見せるMummy-Dに呆れつつ、安堵を感じていた。 「まあ、お前の怒りはわかったから。早く行かないとマズイんだろう?その怒りは本人にぶつけろって。さあ行くぞ」 宇多丸は一人怒りに震えるMummy-Dの方をポンポンと叩き、そう促した。
…ガーンッ…… 遠く微かに聞こえる銃声。その音を聞き、ECDはチッと舌打ちをした。 「…俺は『探せ』とは言ったが『撃て』とは言ってないぞ。まったく…使えない奴らだ」 そう呟きながらECDは立ち上がり、音の聞こえた方…階段へと歩を進めた。 その途中、エスカレーターの横を過ぎようとした時に 「うぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 …今度は絶叫が、エスカレーターの上の方から聞こえてきた。 「…宇多丸の声じゃない…どういう事だ!?」 ECDはエスカレーターの乗り口に回り込み、上階の方を見た。 だが、何も見えなかった。 レーダーは兵士が持って行ってしまった為、状況が掴めない。 そしてまた銃声が―――今度は2発。少し間を置いて聞こえてきた。 ECDはジッと耳を澄ませた。しかし、それを最後に戦闘音が聞こえてくる事はなかった。 音がしなくなったという事は、戦いが終わった証… だが、ECDの持つトランシーバーに入るはずの兵士からの連絡はないままだ。 「宇多丸が1人で3人を倒したのか!?奴にそんな能力があるとは到底思えんが…」 焦りの色を隠せないECDはトランシーバーに向かって叫んだ。 「―――何があった!誰か応えろ!」
『―――何があった!誰か応えろ!』 微かに聞こえる誰かの声。 宇多丸達がそれを耳にしたのは、階下へ移動する為に階段へ向かおうとした時だった。 「…何だ?今の声は」 宇多丸はそう言うと、訝しげに振り向いた。 「トランシーバー…みたいだな。あの兵士の」 K-DUBは先程Mummy-Dが倒した兵士の方に目をやり、そう答えた。 『誰もいないのか!?おいっ!!』 床に臥す兵士の腰にあるトランシーバーが、再び叫び声をあげた。 「…ECDだ」 Mummy-Dはそう呟くと足早に兵士に歩み寄り、そのトランシーバーを手に取った。 「D、何をする気…」 K-DUBがそう問いかけるのを無視して、Mummy-Dはトランシーバーに向かって言葉を吐いた。 「…おい、ECD。悪いがアンタの子飼いは全部殺らせてもらった」 『…誰だっ!?お前は』 冷たく言い放つMummy-Dに、ECDが動揺した声を返す。 「誰だっていいだろ。今からそっちに行ってやるから大人しくそこで待ってろ、クソが!」 『お前…坂間か?坂間だな!?何でそこにいるんだ!!』 今、ここにいる筈のないもう1人の自分の名を連呼するECDの声に、Mummy-Dは口元を歪めた。 「ここにいちゃ悪いか?それとな…俺は坂間じゃない。MUMMY-Dだ!」 Mummy-Dは殺気立った、押し殺した声でそう言うと、トランシーバーを宇多丸に手渡し、階段に向かって歩き始めた。 「D…」 宇多丸はMummy-Dに声をかけようとしたが、再び殺気を宿したMummy-Dの姿にまた圧倒され、途中で言葉に詰まってしまった。 「…行くしかないみたいだな」 ため息混じりにK-DUBが呟いた。 そして2人は「これからどうなるのか?」という不安に駆られつつ、Mummy-Dの後を追って歩き出した。
苦渋の選択…モリタポとやらを購入してdat落ちスレ見れるようにします!
朝早くからご苦労さまです
今、現在で死んだの誰?
ログだけど にくちゃんねるとかにはなかったの?
なんてこった1さんそれはそれは乙です 1の各務(鑑)だね
購入しないでも俺がやったのに…。 この板の株買わなきゃな(・c_・`)
Dさんの「俺は坂間じゃない。MUMMY-Dだ!」っていうのカッコよすぎるww
(・c_・)<K-Bマダー?
朝一age
ユンソナって可愛いよね
ぶっちゃけ整形前のBoAが韓国一だった
「んー…どこかに獲物いないかなー?」 RUMIは駅前のファーストフード店の前でキョロキョロしながらそう呟いた。 ZEEBRA、K-DUB、宇多丸の3人を仕留めそこなってから、結局誰にも遭遇できないまま日没を迎えてしまった。 6時の定期放送によると、生存者は5人らしい。 自分を除くとあと4人…誰が生き残っているかは、大体想像がつく。 「K-DUBだろ、宇多丸と…あ、ZEEBRAはダメだろうなあ。結局優しいからアッサリ殺られてそうだ。 KREVAとNIPPSは…どっちだろうなあ。狐と狸の化かし合いみたいなモンだしなあ。 ま、どっちでもいいけど。獲物は獲物だし。誰でもいいや」 RUMIにとって他の参加者は快楽を得る為の道具でしかなかった。 だから、誰であろうと関係なかった。 そしてその快楽はECDのそれとはまた違う物だった(どちらも厄介なものである事には変わりはないのだが)。 そのECDが目と鼻の先にいる事――そして他の「獲物」が3人もいる事に、RUMIは気付かずにいた。 もっとも、ECDがフィールドにいる事もRUMIは知らないのだが…。 「レーダー落としたのは痛かったなあ…4人しか残ってないんじゃ探すのも一苦労だよ。 ヘタに動かないで、どこかに篭ってようかなあ…Mummy-D以外の奴に遭遇したくないしな」 Mummy-Dだけは絶対に生き残っている。そうRUMIは確信していた。 燃え盛る民家の前で対峙した時のあの瞳。そこに憎悪が宿っているのが見て取れた。 アイツは私を殺りに来る。必ず来る。 「早く来いよ、Mummy-D…」 自分に対して殺意を抱いた人間を殺める。 その時得られる快感は…どんな物なのか。 RUMIはそれを確かめたかった。 「ゼヒ、邪魔が入らない状態で闘いたいねえ…」 RUMIは笑みを浮かべそう呟きながら、デパートの前を素通りしていった。
Mummy-Dは早足で下りたいのを堪え、最大限にゆっくりとした足取りで階段を一歩ずつ下った。 怪我をした宇多丸を置いて行くわけにはいかないから…。 それに今後の事も決めなくてはいけない。 どうやってECDを倒すのか?ECDを倒した後、どうするのか?… 「D、お前あの人を倒す手立てはあるのか?」 宇多丸の脇を支えながら階段を下るK-DUBが口を開いた。 「…いや、まだ何も考えてないや」 「はぁっ!?そんなんで大丈夫なのかよ!」 宇多丸が驚きの声をあげた。 「まあ…何とかするよ」 「…怒り狂ってた割には呑気だな、お前」 今度は呆れた風な口調で、宇多丸がそう呟いた。 「実際に対峙してみないとわからないだろ。あのオッサンがどのくらいの気構えでいるのか。 まあ、なめてかかったら一たまりもないだろうけど。なんだかんだ言っても実力者だと思うから」 Mummy-Dはそう言うと、口を真一文字に引き締めた。 変態オヤジだと言ってはいるが、相手は「あの」ECDなのだ。 今までの相手とは違いすぎる。気を抜く事は出来ない――――。 「でも…負けは許されない。絶対に負けるなよ、D」 K-DUBの言葉にMummy-Dは振り返り、コクリと頷いた。 「このゲームでのMummy-D、最後の戦いですからね。負けませんよ」 Mummy-Dはそう呟き、ニヤリと笑った。 「キッチリフォローしてやるからな。思いっ切り行けよ!」 宇多丸は足の痛みに顔を歪めながらMummy-Dに言葉をかけた。 「…おう」 K-DUB、宇多丸…そして、フィールドに散っていった仲間達の思いを、 そして自分の信念を胸に抱き、Mummy-DはECDの待つ戦いの場へと歩を進めた。
「…ああっ!!」 階段の踊り場で宇多丸が突然叫び声をあげた。 「な…何だよ、宇多丸。脅かせんなよ」 ほぼ耳元で叫ばれたK-DUBが、そう言いながら顔を歪ませる。 そして先を歩いていたMummy-Dも驚いて振り向いた。 「そうだよ…アレを使えば…なあ、K-DUB。ちょっと耳貸してくれっ」 そう言うや否や宇多丸はK-DUBの耳を引っ張って耳打ちした。 「…ああ…ああ…それを持ってくればいいんだな」 「ああ、頼む。それとD!お前も耳貸してくれ」 そう言って手招きする宇多丸に、Mummy-Dは小首を傾げながら近づいた。 「D、確か階段で兵士を一人殺ってるよな?」 「…ああ」 「そいつ、コレ持ってるはずだよな?」 そう言って宇多丸はポケットからトランシーバーを取り出した。 「兵士は全員持ってるはずだからな…おそらく」 「すまんがそいつの所へ行って、コレ、取ってきてくれないか?」 「え?」 「コレがあればな、ECDの目を欺く事が出来るんだよ」 そう言うと宇多丸はニヤリと笑った。 「ま、詳しい事は後で説明する。2人とも、頼んだ物を取ってきてくれないか?」 そう言う宇多丸に2人は黙って頷いて、それぞれの場所に向かって走っていった。
「…遅い」 ECDはポツリと呟いた。 逃げようがどうしようが、Mummy-Dは自分を追ってくるだろう。 だから言われたとおりに待っていたのだが…。 「遅い!遅すぎる!何やってるんだ!?アイツらは!」 そう叫ぶと目の前にあるショーケースを蹴り上げた。 Mummy-Dにトランシーバーでケンカを売られてから過ぎた時間はたかだか5分程度なのだが 待っている側のECDには、途方もなく時間が経過したように思えた。 自分から向こうに突っ込んで行っても構わないのだが、1対3ではさすがのECDも分が悪い。 待っているだけではなく、自分に有利な場所へ移動しておくべきか。 「しかし上に向かって鉢合わせたら洒落にならんしな」 そうひとりごちりながら、ECDはウロウロとフロアを歩き回り始めた。 歩きながらフロアを見回す。1階は婦人服、雑貨、化粧品のコーナーが並ぶ。 この下の階は、デパートなだけにおそらく食品売り場だろう。 「…ちょっと様子を見てくるか」 様子を見て、自分が動き易い方のフロアで戦えばいい。 幸い、まだMummy-Dがやって来る気配はない。 ECDは階段を使って地下のフロアへと向かった。
宇多丸は踊り場に座り込み、カチャカチャと手際よくトランシーバーを弄っていた。 「ここを…こうして…これでどうだ?…うん、これでよし、と」 宇多丸はそうひとりごち、満足げな笑みを浮かべた。そこへ息せき切ってK-DUBが戻ってきた。 「お待たせ…これで良かったんだな?」 そう言いながらK-DUBは耳掛け式の片耳用イヤホンを差し出した。 「おう、これこれ!ありがとう!」 宇多丸はそれを受け取るとパッケージを開き、トランシーバに繋いだ。 「これをDに渡して…って、D遅いな」 「もう戻ってくるんじゃないか?で、これをどうするつもりだよ?」 「これ?これをな…」 宇多丸が説明を始めようとした、その時 タン、タン、タン、タン… 階上から駆け下りてくる音が聞こえ、程なくしてMummy-Dが姿を現した。 「すまん、遅くなった!」 「おう、待ちかねたぞ。で、あったか?」 「ああ」 Mummy-Dはそう答えると、手にしていたトランシーバーを宇多丸に手渡した。 「よし、これをだな…こうして…っと」
宇多丸は先程と同じように手際よくトランシーバーを弄ると イヤホンが付いている方のトランシーバーをMummy-Dに差し出した。 「D、このイヤホンを耳に着けてみろよ」 「…ん?」 「いいから着けなって」 Dは促されるままにイヤホンを耳に着けた。 宇多丸はそれを確認すると、もう一つのトランシーバーを自分の口元に寄せた。 『D、聞こえるか?』 イヤホンから宇多丸の声が聞こえた。 「聞こえるぞ…これって…」 「ああ、この2台でのみ通信出来るように、周波数を変えたんだ。」 そう言って宇多丸はニヤリと笑った。 「ちなみにそっちの方からの音声は常に拾えるようになってる。 ま、いちいち返事すると バレちまうから無視してくれ… そのままベレー帽でも被ればイヤホンしてるのわからないだろう?」 「わかった…でも、どうして?」 「どうしてこんなのを使うかって?DにECDの動きを伝える為だって!」 「そんな事できるのか?」 黙って2人のやり取りを聞いていたK-DUBが口を挟んだ。 「ああ。防犯カメラ、あるだろ?アレを使うんだ。 最上階にある警備室に行けば全てのフロアを見る事ができる」 「そうか!俺と宇多丸がECDの動きをカメラで確認して、これを使ってDに伝えればいいんだな!」 「そういう事だ。少しぐらいハンデ貰わないとな。さすがのDも連戦で大変だろうし、な?」 そう言って宇多丸はMummy-Dの方を見た。
「…助かるよ」 Mummy-Dはそう言って笑った。 「いいって。礼なんか要らないって!俺達は3人で1人みたいなもんだ。 それぞれがやれる事を…役割をこなすのは当然だろう?」 「そうだな…じゃ、俺は俺の役割をキッチリこなしてくるから」 「おう!…頼んだぞ。Dが頼りだからな」 そう語りかけた宇多丸の言葉に、Mummy-Dは力強く頷いてみせた。 「よーし、じゃあ行くか!…って、俺の足じゃ時間がかかるな。K-DUB、場所を教えるから先に行っててくれないか?」 「じゃあそうするよ」 「Dはここで待機しててくれ。ECDの居場所がわかり次第連絡する」 「わかった」 Mummy-Dは頷くとベレー帽を被った。 宇多丸はメモを取り出し、警備室の場所を書き、それとトランシーバーをK-DUBに手渡した。 「よし、今度こそ行こう……D、ここで暫しのお別れだな」 宇多丸はそう言うとMummy-Dに右手を差し出した。 「おう…SHIRO、どうか無事でな」 Mummy-Dはそう言いながら宇多丸の手を握った。 「K-DUBも…無事で、また会える事を祈ってるよ」 Mummy-Dは宇多丸の手を離し、その手をK-DUBに差し出した。 「ああ、Dも…負けるなよ。絶対に、死ぬなよ」 「…死なないよ。いや、死なないから、俺は」 「そうだったな」 K-DUBはMummy-Dの手を強く握り、頷いた。 「じゃあな、D。また会おう」 そう言ってK-DUBは手を離し、階段を駆け上がり始めた。 そして宇多丸がその後をゆっくりと付いていった。Mummy-Dは黙って2人の背中を見送った。 2つの足音がだんだんと小さくなっていく中、Mummy-Dはただひとり、静かに開戦のゴングを待った。
土手の上からの風景は夕闇に消え、川は普段よりも水嵩を増している。 先程の雨は上流でも降っていたのだろう、川の色が茶色く濁っているのも分かる。 空にかかっている雲もほぼ晴れ、月と土手沿いの街灯が半乾きのアスファルトを照らしていた。 その土手の上からNIPPSは川を見つめていた。 彼はKREVAにトドメを刺した後、真っ直ぐに市街地へと向かう…予定だった。 目的は3つ、2つは果たし最後の1つはこれから行うところである。 だがその目的の場所とは反対の川の方へNIPPSは来た、ただこの風景を見るだけの為に。
工事現場を出た後、NIPPSは一度中華料理屋の方へと戻った。 既に消火作業は終わり、消火作業に従事していたであろう自衛隊員達の姿もなかった。 まだ焼け跡からは煙が立ち上り、辺りは焦げた匂いが漂っていた。 おそらくZEEBRAもECDも…そう思った時、現場の不自然さにNIPPSは気が付いた。 やけに残骸が店から出ているのである、このゲームで死体回収をしているとは考えにくかった。 跡地へと入っていくと目立つように下水管の蓋が転がっており、すぐ近くに下水管そのものもあった。 何故こんな所が開いているのか?ガス爆発とはいえこんなモノまで吹っ飛ぶほどとは思えなかった。 なら考えられる事は一つ、「ECDかZEEBRAがこの中に逃げ込み爆発を逃れた」という事になるが…。 「あの時のZEEBRAじゃ無理があるよな…ってことはECDか…!」 それなら自衛隊員が救助の為に残骸を運び出した、とすれば合点がいく。 すぐさまNIPPSはその場を離れた。
「かーっ…こりゃまた派手にやったもんだな…」 NIPPSは倒壊したホビーショップの前で大袈裟に肩をすぼめる。 丁度一日前、ここでILMARIとS-WORD、SUIKENがMummy-Dに殺された現場でもある。 もっとも店は爆弾で吹っ飛んだのだが…。 NIPPSの目に入ったのはそんな店の残骸と、店の前で転がっていたILMARIの死体だった。 NIPPSの目的の一つがこのホビーショップだった。 ILMARIやSUIKENのように、趣味の範囲で銃器の知識を得る為に度々この店を訪れていた。 店の親父ともしばしばその話で盛り上がり、色々な知識をここでも仕込んだ。 それ故店の親父の好き者ぶりも知っていたし、 色々な物…防弾チョッキ以外の物を持っている事も知っていた。 要は「それ」目的にやってきたのだが…店は見事に瓦礫の山と化していたのであった。 周囲に気を配りながら瓦礫の山に潜り、目当ての物を探しだす。 ECDにやられた肩の傷が疼くが構っているほどの時間も余裕もなく、ただひたすら瓦礫を掘っていく。 先程までZEEBRAやKREVA、ECDと対峙していた時とは 全く異質な緊張感を持ちながらNIPPSは作業に没頭した。 幸運にも10分程で目的の「それ」…金庫は見つかった。ここの中にお目当ての物はある。 瓦礫の上に引きずり出し暫く長考した後、NIPPSはダイヤルを回し始めた。 「やっぱり記憶力って大事だよな、こういう時に役立つんだから」 カチッという開錠の音と共に若干顔がほころぶ。 店の親父が鍵を開けるところを見て、NIPPSは暗証番号を覚えていたのだった。 素早く中身を物色し、お目当ての物を見つけだす。 装着して性能に問題はないか確かめる、幸い金庫のおかげで爆発の影響は無かったようだ。 「まずは一つっと…コイツがあればこれからの時間はこっちのもんだしな」 流石に遊びの余裕がある訳ではなく、すぐに電源を落としてディパックにしまい込む。
そのまま残骸の穴の中で、NIPPSは現状と今後を考え始めた。 6時の放送では残り人数は5人と言っていた、 自分を除けば会っていないRUMIとK-DUB、Mummy-Dであると推測した。 だが残る一人…正午の時に名前が呼ばれていなかったのは宇多丸とBOSSを残すのみである。 そのどちらが残っていたとしてもタフな2人である、そう易々と殺れるとは思っていない。 つまりここからは「殺る気のある奴」と「そうでない奴」を見分けて戦う必要があるとNIPPSは考えた。 おそらく宇多丸はTWIGYをけしかけた一件がある以上、こちらから仕掛けなくても応戦してくるに違いない。 Mummy-Dはこの参加者中最も殺る気がある奴に間違いないだろうし、BOSSだって何を考えているか分からない。 BOSS以上に不明なのがRUMIであるが…どのみちこの状況なら普通誰だって仕掛けてくる筈だ。 一番殺り易そうな奴と考えたK-DUBもここまで生きている、つまり誰を狙っても安心は一切無い…。 こうなると銃で狙撃でもやるしかない。幸いにして銃は4丁、換え弾もまだまだ余裕がある。 そして今手に入れた「これ」があればかなり優位に立って狙える、狙撃策は十分可能な作戦である。 「デューク東郷ってガラでもないんけどなぁ…あんな無愛想な役俺に向いてないしね」 ガラであろうとなかろうとその役になりきるしかない、そうしなければ脳天を打ち抜かれる役になる。 手持ちの銃の残弾を確認し、足りない銃には詰め合わせから補っておくのを忘れない。 「まあ…ここまで来たんだ、俺が最後に残るのだってアリじゃねーかな?」 誰に言うでもなく呟くとNIPPSは次の目的を果たしに外へ這い出ていった。
「お!いいところにいいヤツあったよ…今日俺運勢最高かな?ECDのオッサンに会った事以外はさ♪」 NIPPSは民家の脇にあるマウンテンバイクの前でしゃがみ込みながら嬉しそうに指を鳴らした。 KREVAに止めを刺した工事現場から先程のホビーショップまでは大した距離ではなかった。 だが10キロ四方もあるとなると他の奴を捜すだけでも体力の消費が激しくなる。 ならその足を確保すればいい…。 最初はKREVAを轢き殺しかけたような自動車を物色したのだが、ことごとく細工がされていて動かせなかった。 なら自転車なら問題ないだろう…という事でホビーショップの近所を探していたのであった。 幸い工具箱もあり、マウンテンバイクを拘束していたチェーンはあっさりと油圧ペンチで切断出来た。 さらに工具箱から油を取り出しチェーンやペダルに入念に垂らす。ほどなくして整備は完了した。
標識に自転車を立てかけて川の流れを見つめる。 川がうねっている事以外は全く分からない、同時に対岸の明かりが眩しく映った。 何かがあればNIPPSはここまで足を運び、この眺めを見てこの先を考えていた。 全てがNIPPSの中で過ぎていき、今この現実にたどり着く。 その時その時の中で一番ベストのやり方をここで見つけてきた、だからここに来た。 『俺が主役になるなら今は明かりは必要ない、それにダークヒーローだって悪くないし…な』 そして今一番ベストなやり方…その答えを来た道を振り向く。ただそれだけ…否、それしかないのだ。 眼前にはわずかに街灯に照らされている『舞台』が広がっている。 ここでの主役が自分である事にNIPPSは疑いを持っていなかった。 見つけた奴は片っ端から狙撃する、失敗したら自転車の機動力に任せて逃走し再度チャンスを窺う。 その為のホビーショップでの探索であり自転車の調達である、まさに自分の為の舞台に思えた。 意外に明るく道は照らされているが民家の明かりが無い分暗く感じる。 スポットライトの中を歩くように自転車を立てかけた街灯の所まで戻る。 「さて、と…端役達を待たせちゃ悪いからそろそろ行くかな?」 自転車にまたがるNIPPSに気負いはない、ここからは自分の舞台なのだから…。
こっから先は週明けを待たねばならぬ
すんませんorz
あれか、焦らしプレイか。
たぶんこのまま待ったら来週の水曜とかになりそうorz
>>233 さん、ちょっと手伝ってもらえないでしょうか?
みんなのために(´・ω・`)
メールいただければURL送るので内容を返信してもらえれば
株にモリタポ移行したら普通のモリタポに戻せないんじゃなかったか? 戻せたらモリタポ使って株で稼いで普通のモリタポに還元したあとで鯖とか買えちゃうからなぁ
なんにしろ1さん乙 一読者である俺には応援することしかできないけど、がんばって。
1さん乙 がんばってください
>>255 乙です
内容ってどーいうこと?
まとめサイトってもうあるんじゃないの?
258 :訴える名無しさん。 :2006/03/32(土) 08:01:17 ID:???
で、週明けになったわけなんだが
水曜ぐらいになるって上に書いてあるよ。
266 :
訴える名無しさん。 :2006/04/04(火) 20:27:34 ID:NR91HpGv
あと3時間半か
まあ水曜「ぐらい」だからな。 気長に待とうぜ。
そして水曜日 今日UPされるないかな
>>1 待ってるよ
されるないかな… 舞い上がっちまった
272 :
訴える名無しさん。 :2006/04/05(水) 02:46:00 ID:9sjwV2Gr
番外編はどうなったの??
まちきれね〜
275 :
訴える名無しさん。 :2006/04/05(水) 17:40:26 ID:Zy01kQg6
1 諦めたか
1ガンガレ!!!!!
wktk
お待たせしました
>>1 です
続きうpといきたい所なんですがその前に…
あ と は ラ ス ト シ ー ン し か な い そ う で す o r z
元ネタの元ネタで文章を書いていた職人さん達曰く
「膨大な時間を掛けてここまで書いてきたが、
これ以上続きを書くこと自体が困難を極め
ラストに至る途中の構想までは練れたけど
その途中の文章を書く前に力尽きた。
せめてラストシーンだけ書いてうpします」
だそうですorz
ここら辺の事情の下調べもせず
スレを立ち上げてしまってすいませんorz
本当にすいません
で、これからどうすれば良いのかなんですが、あくまでも望みのある選択肢として @ここからラストまでの展開を簡単に説明して(ネタバレ)ラストシーンをうp a.(@を選んで)ラストシーンまでの部分は脳内補完orz b.(@の後に)このスレで神職人の出現を待ち補完させて完結 A今からこのスレで神職人の出現を待ちオリジナルの話を進める だと思います…「神職人の出現」だとか マジでなめてるとしか言いようがないと思われそうで本当に申し訳ないです。 とにかく今すぐうpるのが可能なのは@だと思います @のデメリットは途中のネタバレすることと、いきなりラスト見てもつまらないかも、でしょうか ラストシーン自体も約50レス分あるんでそれなりに長いんですが、これからどうしましょう? 文章を書く職人がどうとかは後から考えた方が良いかもしれないですね 今こんなこと書きながら自分の無責任さというか至らなさに嘆いてます
280 :
訴える名無しさん。 :2006/04/05(水) 22:25:03 ID:Zy01kQg6
そうですか!1さん乙です!じゃああの番外編書いたやつが途中から書けばいいんじゃない??
@に一票!!
283 :
訴える名無しさん。 :2006/04/05(水) 22:32:47 ID:vGN3WWqN
50レスもあるなら余は満足じゃ
@かな。とにかく続きが見たい!! もしそのあとでネ申が現れれば、補完してもらう、ってことでどぉ??
1がオリジナルの話を考えるという選択肢は無いのか
もともと終わりそうってかんじではあったし、 ラストがわかるならなんとか繋げれるんじゃ…?
>>287 俺もそう思う。 1さん、何とか出来ないっすか?
漏れもそう思う。 少々ネタバレしてもラストまで続けるに1票。
290 :
訴える名無しさん。 :2006/04/06(木) 00:21:23 ID:Ug3QhpWa
>>280 文章力は問題ないんだが、話逸らしそうで不安だなww
なんかshow tuhg lifeが出てきそうだし
てか奴、消えただろ
ラストまだー?
本当ラスト貼っていいんすね? 返事があり次第貼っていきますよー 話が飛んでる分、ちょっとわからん所があるかもしれないですけど 読んでたらそれらしい描写は出てくるんで、推測は可能だと思います
でもこれ途中見なきゃ面白くないかも… 話がいきなり飛んでる感が強いし…
294 :
訴える名無しさん。 :2006/04/06(木) 21:49:08 ID:jZxp01DK
いやその途中の話の構想を知ってる1が文章にすりゃいいだろ わざわざまとめサイト作ってくれた人だっているんだし
すんません 正直それはかなりムリがあります… 僕も昔こういうスレで小説に近いものを書こうと思ったことがあるんですけど 素人が一朝一夕では真似できないっすマジで 相当書くのがうまくないと、このレベルで話を進めていくのにはムリがありすぎなんす
>>294 の言うとおり、@のaでファイナルアンサーで。
>>294 さんは@のaじゃなくないすか??
一体どうすれば…(´;ω;)
試しに書いてみいや よっぽど不評なら無しにしたらいい 気長に待つよ
299 :
訴える名無しさん。 :2006/04/06(木) 22:55:13 ID:+rR7OT/R
300 :
キリ番マン :2006/04/06(木) 22:59:19 ID:???
301 :
訴える名無しさん。 :2006/04/06(木) 23:02:38 ID:svA//FRB
>298 大賛成。試しに書いてみなよ。流れがわかれば皆いちいちそんなトコに文句付けたりしないよ。ガンガレ!!
俺、今大分酔ってる。
でもこれだけは言える。
>>1 に続きを書いて欲しい。それだけだ。
1期待age
どんな文章でも全く問題ないでしょ! 1頑張れ〜
1さん頑張れ
309 :
訴える名無しさん。 :2006/04/08(土) 16:01:48 ID:BNYDUzTB
あげ
310 :
頭鬼中毒 ◆9mT3sHHt1Y :2006/04/08(土) 16:07:18 ID:XKc1ku/j
311 :
訴える名無しさん。 :2006/04/08(土) 22:30:50 ID:B+uAIRUg
がんがれ
312 :
訴える名無しさん。 :2006/04/08(土) 23:49:01 ID:6Zshvn/m
いいか、
>>1 !
こ こ は お ま え の ス レ だ ろ う ?
>>1 どこいった〜?(°Д°;≡;°д°)
ゆっくりで良いからがんがれ!
314 :
訴える名無しさん。 :2006/04/09(日) 10:27:05 ID:7o/9eAPS
315 :
市原隼人 :2006/04/09(日) 14:40:18 ID:ItlWNTSQ
俺も出してくれよ。
>>1 つたない文でもいいよ、何も無いより有るほうがいいから!
言う以外できないけど頼む!
>>1 にハードル上げさすのはカワイソス
>>1 逃げたくなったら逃げる前に最後だけ落としてってくれ
319 :
訴える名無しさん。 :2006/04/09(日) 23:54:20 ID:whFu1flJ
320 :
東海帝王 :2006/04/10(月) 13:48:23 ID:???
俺のことわすれちゃぁおらんかぁ?
ハードルなんか低くていいんだよ
今まで
>>1 に楽しませてもらったぶん、最後のシメをきっちりしてもらいてぇだけなんだ
お゙れ゙ばぁ゙?
だまれ。
>>1 このままさりげなく消滅するならネタバレでも良い。
とにかく逃げないで〆てくれ。
文句言う椰子は居ないんじゃないかな。
1さんおながいだから最後だけでいいから投下してって 途中すっ飛ばしてかまわないから
328 :
訴える名無しさん。 :2006/04/12(水) 12:18:44 ID:gNS2H4FV
終わったな
デヴラジを出せ
あーもう文章にせんでえぇ!箇条書きで展開を説明してフィニィッシュに行ってくれれば! ってか近況と心境だけでも書いてってくれ!
331 :
訴える名無しさん。 :2006/04/12(水) 15:50:45 ID:vdPe7UH6
お前が書かないなら書いちゃうぞ。
332 :
訴える名無しさん。 :2006/04/12(水) 16:29:28 ID:X83strQO
いや妥協せずちゃんと文章にしろよ ちゃんと文章にしないなら、おまえは困難からすぐ逃げる弱いダメ人間だ
ごめんなさい
332がいいこと言った
それはいい事でもない。 1のスレだし、たかがインターネット。放棄するのはとても簡単だが 続きを待っている人がいることを 忘れないで欲しい
336 :
訴える名無しさん。 :2006/04/13(木) 02:30:08 ID:Eq40SGN9
とにかく
>>1 でてこいや
いつまでも現実逃避して引きこもってんじゃねーよ
ちゃんと文章にしろ、まとめサイト作った人とかどうなるんだ
>1何してんの? 実はもうここ見てないんじゃないか?
339 :
BOSS :2006/04/13(木) 12:19:42 ID:???
まだ立ってるぞぉ……
355もいいこと言った
「あれ…」 そう気づいたときにはすでに私の脳が少しづつ機能しなくなっていた。 あの時安易に警戒を解かなければよかった。やさしい人すら変わってしまうんだね。このゲームは。 小さい子供にママと呼ばれた、背の高い男に奈美恵と呼ばれた、あの平和な日々。 あんな平和な日がもう永久に訪れないのもわかっていた。 警察からの突然の通知と母親の変わり果てた姿を魚のような目で見ていたあの日。 あんな日はもう二度と来ないでほしいと思った。 何よりも、自分の知り合いは死んでほしくない。そう思っていた。自分は寂しさのあまりSUITE CHICを立ち上げたのかもしれない。 悲しいことや寂しいこと。最近はこういうことばかりが起きていた。何かが起きて、悲しむのはもうゴメンだった。 パシリにされてもいい。ただ、安心できる場所がほしかった。誰かについていてもらいたかった。 彼女達を見たときは、きっとなにか助けてくれる。人の死ぬことなんてないような、悪魔のようなゲームからみんなで抜け出せると思った。 そう考えているうちに、彼女の視界は暗くなる。最期に目にしたものは一人の女性が奈美恵に微笑む姿だった。
343 :
訴える名無しさん。 :2006/04/13(木) 16:59:04 ID:UrT1OTi0
↑なんだそりゃ?
安室の死亡寸前のストーリーだろ。
>>1 が書かないと誰のでも待ちどうしくなる。
最後はECDを道連れに宇多丸爆死 マミーDは手足を撃たれ身動きできない状況にあったためK-DUBの目の前で自殺 いとうせいこうは兵士の一人に殺されゲーム終了。
ちなみにRUMIはNIPPSの罠にハマり首吹っ飛んで死亡 その後NIPPSは手負いのMummy-Dと対決したが銃の弾が詰まりその隙に撃たれ死亡 んでその後Mummy-Dも自殺し死亡
って適当に箇条書きしてみたけど、マジで続きどうなるんだ?!
348 :
訴える名無しさん。 :2006/04/14(金) 02:44:13 ID:QNY8uSHH
ちなみにダンテは見た目衣装しか変わってないんですか?
349 :
訴える名無しさん。 :2006/04/14(金) 02:45:40 ID:QNY8uSHH
板間違えましたm(_ _)m
もはやネタバレでもいい。 続きが読みたい!!!
俺ら壮大な釣りに釣られたようだな…
354 :
まとめサイトつくるっていったやつ :2006/04/14(金) 19:51:35 ID:r15ARJVq
まとめサイトどうしよ?(´・ω・`) ちょくちょく手つけてたんだけど…
356 :
訴える名無しさん。 :2006/04/14(金) 21:11:54 ID:T3nV5lfW
まとめサイト2つも作らせといてこれか…
>>1 は最低だな
357 :
1 :2006/04/14(金) 21:15:56 ID:???
すいません (;´Д`)ハァハァ 僕じゃ無理なんです(×0×) だってこないだの国語のテスト38点だったんですよ、、、、↓↓ この読解力なら文章書くの無理!! 誰かぁ〜助けてぇ〜!!
本物の1どこ?
オレは>1の安否が心配になってきた
360 :
訴える名無しさん。 :2006/04/15(土) 01:21:59 ID:i9CYHfZS
誰か続き書いて (´・ω・`)
361 :
訴える名無しさん。 :2006/04/15(土) 12:34:58 ID:HP9iOs9e
番外編書いた奴でいいから続き書け!!元ネタなしであれだけ書ければなんとかなるくらいの文章力はあるだろ
某N県の読書感想文だったら1回だけ表彰されたけどそこまで文うまくないw
名前消し忘れた(´・ω・`)ショボーン
364 :
市原隼人 :2006/04/15(土) 20:51:02 ID:pvDoejSf
俺も出せよ
365 :
訴える名無しさん。 :2006/04/15(土) 22:10:37 ID:1P2ef7GC
番外編で出してもらいなさいと言ったでしょう^^
366 :
1 :2006/04/15(土) 23:14:30 ID:???
うる星やつらだ 俺じゃ無理 以上
367 :
1 ◆dLdq0gw1PE :2006/04/16(日) 13:15:38 ID:vCnxb+iV
放置しててマジですんません
でもトンズラするつもりは毛頭ないですよ!
4月になってクソ忙しくなってネットどころじゃなくなってきたってのが一番の理由す
続きなんですけど、僕が書くのは本気でキツいっすorz
>>357 さんの言うように国語力に自信ないし、何より本当に時間がなくて…
368 :
解説 :2006/04/16(日) 13:24:14 ID:???
367:1◆dLdq0gw1PE :2006/04/16(日) 13:15:38 ID:vCnxb+iV
>放置しててマジですんません
→おまえら暇人の相手してやんねぇとな
>でもトンズラするつもりは毛頭ないですよ!
→こんな絶好の釣り堀放置するわけねぇだろ、ヴォケ
>4月になってクソ忙しくなってネットどころじゃなくなってきたってのが一番の理由す
→おまえらニートと違って俺は学校忙しいわけで
>続きなんですけど、僕が書くのは本気でキツいっすorz
>>357 さんの言うように国語力に自信ないし、何より本当に時間がなくて…
→書くのめんどいし、勝手に妄想でもしとけ
369 :
1 ◆dLdq0gw1PE :2006/04/16(日) 13:24:56 ID:vCnxb+iV
本当氏ねとか最低だとかって意見はごもっともすぎて返す言葉もございません
でもここまで楽しみにしてた読者の方々がいる以上
>>1 として〆る義務だけは放棄するつもりはないです
もし書いてくれるネ申様がいるのなら連絡して続きを
お教えしようかと思うんですけど、それは虫が良すぎるかもしれないですね
ラストを貼るのを渋る理由としては当然、
ネタバレを拒む読者の期待を裏切るからと
あと(個人的に)ラスト自体が大好きではないからです
あまりハッピーではないですから
順当に貼っていってラストまでいけるのならそれでもいいと思うんですけど
>>1 お帰りなさい、ご多忙のところ戻ってきてくれてサンクス!とにかく嬉しい。
このスレの一読者としての個人的意見だけど、ネタバレでも構わないからとにかくラストまで貼ってもらえれば…と。
"バトルロワイヤ(ア?)ル"ということなので、元々ハッピーエンドじゃないのはなんとなく納得できてるつもりだし…
1、お忙しいところ恐縮ですが何とかお願いします。
って勝手に己の意見だけ吐いてしまったが、このスレの他の読者様方のご意見はどうなんでしょーか。
ちゃんと文章にしろ 甘えるな
372 :
あの :2006/04/16(日) 17:49:41 ID:8a67Nldo
がんばってみるから、誰か生存者の現在地と装備品教えて。
生存者:ZEEBRA OASIS 持ち物:バイブ ローション コンドーム 荒縄 ワルサーP28
374 :
訴える名無しさん。 :2006/04/16(日) 21:13:03 ID:9IiFL73+
>>1 おつかれさま。
出来ればラストまで読みたいです。
375 :
訴える名無しさん。 :2006/04/16(日) 22:24:19 ID:r40hC29j
>>1 じゃあラストだけどっか別の場所に貼ってくれよ。見たい奴だけ見れるように。
例えいたずらで誰かがここにコピペしても、見たくないやつはスルーすればいい。
あっだったら最初からここに貼っても同じか・・・
ワルサーにP28ってあんの? P38=1938年製
>>376 バカお前「ワルサー」ってエロ本の28ページだけもってるってことだろ
>>1 俺はネタバレでも構わんが、ネタバレ反対派のことを考えれば
>>375 の意見に同意。
ネタバレ反対派がいるのと同時に早くラストが見たい椰子がいる
ってことも忘れないでくれ。
>>1 よかったら続き書いてみようか?どこまでやれるかはわからんけど。
とりあえず結末部分をメールで発射してくれれば、後はがんばってみるよ。
380 :
訴える名無しさん。 :2006/04/17(月) 17:35:37 ID:V/075Tjl
もうラストはshowさんがこのゲームぶっ潰して政府皆殺しにして糸冬でいいじゃん それが一番楽
>379 おぉ〜頑張ってくれよ。 別に変でも構わないしやれるだけやってくれ!
383 :
379 :2006/04/17(月) 22:04:04 ID:???
>>382 ありがとう。
とりあえず状況をまとめるところからはじめてみるw
384 :
379 :2006/04/18(火) 00:07:09 ID:???
生き残ってる人 いとうせいこう 所持品:戦車 負傷等:無し その他:悪いやつ。 ECD 所持品:不明 負傷等:不明 その他:悪いやつ。 K-DUB SHINE 所持品:高性能レーダー 鎖鎌 水鉄砲 短刀 OSUMIの銃 負傷等:不明 その他:(::´┏┓`:)だぶだぶ 宇多丸 所持品:トランシーバー 謎の爆弾 ニューナンブ(偽者) 般若の銃 負傷等:左?膝に軽傷(歩けるが走れない) その他:禿。 Mummy-D 所持品:トランシーバー グロック34 スタンガン 防弾チョッキ 負傷等:不明 その他:強い。
385 :
379 :2006/04/18(火) 00:11:05 ID:???
NIPPS 所持品:銃4丁 金庫の中身 自転車 負傷等:肩 その他:狙撃狙い。 BOSS 所持品:ブッシュナイフ 負傷等:左腕に重傷。右腕も負傷(治療済)。 その他:寝てる。 RUMI 所持品:金属バット デリンジャー トカレフ ドス 火炎瓶 負傷等:不明 その他:逝ってる。
387 :
訴える名無しさん。 :2006/04/18(火) 19:45:52 ID:IawbrPfb
BOSSって普通に寝てるの?やすらかな眠りについたってことだと思ってた
>>1 アレだろ?コピペし編集するネタがなくなったんだろw
折角、自身の生きてる価値を見出せたのに気の毒だなw
>388 こんなヤツもいれば>1もやりたくなくなるわ
>>389 〓
>>1 氏ね
途中で放棄するくらいならスレ立てるな
まとめサイト作った奴もいるんだろ
>>1 はなに言われてもしょうがないだろ
それを養護するのは
>>1 だと勘ぐりたくなる
392 :
訴える名無しさん。 :2006/04/19(水) 00:36:43 ID:f+dVuiH1
頭鬼も出そうぜ!!FAT DIAMONDとか出したら面白くなると思う 俺てきには聖出すならDJ OZMAも出すべき!! 市原がたまに出せ、としゃしゃってくるが市原は頭鬼らへんの噛ませ犬で十分だろ なんなら俺が続き書いてやろうか??もち、showさんも出てくるぜ★☆
393 :
市原隼人 :2006/04/19(水) 01:02:27 ID:hiRL8rM4
俺ならこの物語の主役を演じられるぜ
あるマンションの一室に彼は居た。 暗い部屋の中に、死体のように眠る人間、男がいた。 外は快晴にも関わらず、部屋の中は酷く暗く、そして異質だった。 ベッドは部屋の隅に置かれ、ベッドの周辺には数々のレコード・本・そして誰かからのプレゼントなのか、それとも自分で買ったのか、どちらにしろ趣味の悪い人形があちこちに転がっていた。 下半身と頭しか無い裸の男の人形。男の性器をギロチンにかけている人形。耳、舌、目、など人間の五感を司る部分が無い人型の人形。 どれも気味の悪い人形で部屋は足の踏み場も無い。 「ピンポン」 突然、部屋にチャイムが鳴り響く。しかし、この部屋の主人は起きない。 更にチャイムは絶え間無く鳴り続けた。 「ガチャガチャ!」「ガタガタン!」 ドアノブを回し、新聞受けから何者かが中を伺おうとしている。 「ダン!!ダン!!!」 余りの激しい音に、彼は目を醒ました。 「バダン!!!!」 ドアが倒れ、部屋の中に光が少し差し込んだ。 「うっ、なんだ?」 そう思うのと同時に何かが彼の周りを囲んだ。 そして彼は再び急な眠気に襲われ、深い眠りについた。 「K-BOMB確保だ。」 何かが、そう喋った。
>>392 DJ OZMAって氣志團の綾小路じゃないの?
396 :
379 :2006/04/19(水) 22:23:03 ID:ulMo5bug
397 :
訴える名無しさん。 :2006/04/20(木) 00:49:33 ID:0sB93NdB
終わったな
俺まだ待ってる。本当に忙しいのかもしんないし、 379が頑張るっていってるし…まだ待つ。
>>379 様
ありがとうございます!!&反応遅くてごめんなさい
スレはちゃんとチェックしなきゃダメですね
メール発射させてもらいます
何か希望の光が見えてきたぞ
404 :
訴える名無しさん。 :2006/04/20(木) 21:57:07 ID:0sB93NdB
期待するだけ無駄
405 :
379 :2006/04/21(金) 01:32:57 ID:gbe+uX4n
>>1 はーい、待ってます。
みんなより一足先に結末を読んでしまうわけか。どきどきするな。
>>403 ぼちぼちやります。
>>404 おれはただの素人だから過度の期待されても困るけど、途中で投げ出したり
する気はないよ〜。
406 :
訴える名無しさん。 :2006/04/21(金) 01:53:20 ID:bhD7+rmH
あんたも超ドープよw
>>405 が
>>1 をdis
>おれはただの素人だから過度の期待されても困るけど、途中で投げ出したりする気はないよ〜。
⇒誰かと違って、途中で投げ出すようなだらしない卑怯者じゃないよ〜
>>405 GJ
まぁまぁ、
>>1 も完全に途中放棄してるわけじゃないんだから
409 :
379 :2006/04/21(金) 12:45:32 ID:???
メールこねぇかと
>>1 を待つオレ
なんだお前もか?まあそこ座れ
モナカとかねーが茶でもすすれ
地道に保守る稀代の名スレ
∧_∧
( ´・ω・) みなさん、お茶が入りましたよ・・・・。
( つ旦O
と_)_) 旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦旦
>>402 >メール発射させてもらいます
とかリア厨くせぇーこと言いつつメール送らない無能
>>1 今となっちゃメール送ることしか価値ないんだからさっさと送れや
412 :
訴える名無しさん。 :2006/04/21(金) 19:13:05 ID:y270YxU1
ここでたびたび出てくる市原!!showさんのかませ犬ごときで主役??主役はもちshowさん★ なんなら俺も出してくれよ
>409の茶でも飲んで気長に待つか。 しっかし市原廚はウザいな。
414 :
379 :2006/04/22(土) 01:07:33 ID:KsZNbQmg
>>410 まあまあ、そう怒ると禿げちゃうぜ like宇多丸
>>411 え・・なんで?
>>409 でド下手なライム書いたから?ごめんね。
>>413 「グッ!!!」
ちょうど茶を半分飲みほしたと同時に強い吐き気に襲われた。
「……!!」
汚物だけではなく、遂には血まで吐き出し始め、のた打ち回る
>>413 を見下すように
>>379 はこう言った。
「状況が状況だから、あんま他人を信用し過ぎない方がいいんじゃないのか?」
そう、
>>413 の茶の中にすり潰して混ぜたと思われるタバコを口に咥えて…。
>>1 は能なし
>>379 は自分に酔ってる
>>1 は例えるならレンジスレの盲目リア厨まさる
>>379 例えるならhiphop板のゴミ般若中毒
そんな感じ 2006 Peace
>>416 それだ、自分に酔ってるって言いたかったんだ俺はw
419 :
379 :2006/04/22(土) 15:39:45 ID:???
>>1 からメールきたー
内容見たけどホントに間がぶっ飛んでるなこりゃ。
結末も、
>>1 と同じくあまり好きじゃないかも。
とりあえず今夜あたりから書き始めてみます。
>>416 般若・・っていうか妄想族系はあまり良く知らないんだ。ごめんね。
サンナナキューウ ビッグティンコー ヒプホプ板代表ー そんな感じー
>>418 メール読む限り
>>1 は礼儀正しい好青年だよ。
おれは自分に酔ってるただのウンコだよ。
420 :
訴える名無しさん。 :2006/04/22(土) 15:58:20 ID:JhduXwAo
とりあえず
>>1 や
>>379 を叩くのはやめにしないか?
無償で提供された物を読んでるだけの奴らが偉そうにしすぎだろ。全員じゃないけど
途中投げやり気味だった
>>1 はまだしも
>>379 は今から頑張るんだからさ、もうちょっと暖かい目で見た方が良くね?
あっこれも自演って言われるのかな?
>>420 オレは1のことも379のことも、なまあたたかく見守ってるよ
( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
422 :
訴える名無しさん。 :2006/04/22(土) 16:19:47 ID:DYY2NFMh
RUMIの濡れ場つくれよ
423 :
訴える名無しさん。 :2006/04/22(土) 16:38:57 ID:1C3udkBL
オアはいつ生き返るの?
俺もうこのスレ見ないことにするよ。 お気に入りに入れてたけど削除するね。 sayonara sayonara 俺の嫌いな所だけ。
425 :
市原隼人 :2006/04/23(日) 00:28:47 ID:iUexw328
俺を出せよ。
>>425 何が「チェケラッチョ!!」だこのヤローw
427 :
訴える名無しさん。 :2006/04/23(日) 01:52:42 ID:9y0DWCRl
市原ナイナイサイズ出てたけど ディッキー図のデカハーパンにハイソて…
429 :
訴える名無しさん。 :2006/04/23(日) 02:10:45 ID:TOOdy368
なんかこのスレ言葉にできない苛立ちがある。 まず1を叩くのはよせ。 頑張ってた椰子なのにかあいそうだろ?
431 :
市原隼人 :2006/04/23(日) 04:04:29 ID:iUexw328
俺って何でも似合うだろ。だってお前らがナイナイの時の俺の服着たらキモい変態にしか見えねぇもん。
どうも、矢沢です。 昔、キャロルで矢沢が日比谷でワオワオやってたころにさ、あの、なんていうのスライム?それが流行ってたわけ。 楽屋でさジョニーなんかとスライム欲しいよね、つってたらボーヤが気を利かせて「買ってきましょうか」っていうわけ。 「おおサンキュ」つって買いにいかせたら街中売り切れだったみたいでさ 「すいません、コンニャクで代わりで」ってそいつ、こんにゃく買ってきたわけよ。 しょうがないから代わりにこれで遊ぶかあ、と思ってさ、オレやジョニーでこんにゃく顔に乗っけたり、ぶつけ合ったりしてね遊んでたんだ。 そしたらさ。ムッシュっていうの?かまやつがバーンと楽屋入ってきてさ 「おまえら何してんの?」。オレ「いやあ、かまやつさんコレだよ噂のスライム!」。 オレ、まだ駆け出しだったし、向こうはもうビッグネームでしょ?「はあ?」みたいな感じ。 「おまえ、矢沢、これはこんにゃくだろ?」って。 ちぎって床に捨てた。オレはそれを黙ってみてたね。 しばくしてムッシュが帰ってさ。 そしたららジョニーがそのちぎられたこんにゃく持って震えてんのよ。 「エーちゃん、これ弁償モンだよ!」って。 「こんにゃく弁償してもらうべ!」ってさあ。 それ聞いてオレ、今度はこっちからムッシュの楽屋行ったわけ。 「あのさっきのこんにゃくだけど、絶対そのうち弁償してもらいますんで」。バッキリいってきた。 それから、1週間くらい後かな、モノホンのスライムが届いたよ。ムッシュから。 そのとき思ったね。「ああ、これがスーパースターのやることだな」って。 その日のステージはスライムでリーゼントにしたよ。 途中で汗すって粘液になってたーらたーらいと引いて落ちてくんのよ。 たまたま来日してたH.R.ギーガーがそれ見てエイリアン思いついたんだって。 これマジよ。 エイリアンのあの頭、矢沢のリーゼントの形なんだって。 へえ、と思ったね。
433 :
アフォ :2006/04/23(日) 05:43:47 ID:???
漬けらっきょうも島らっきょうも似ているYO!!チェケラッチョ!! 五月みどりとシャツ黄緑も似ているよYO!!チェケラッチョ!!
ぐだぐだしてきたから見るのやめる組みだな 今のVIPみたい、ここは。
435 :
訴える名無しさん。 :2006/04/23(日) 19:42:04 ID:0TvvA0y5
まだー?
438 :
訴える名無しさん。 :2006/04/25(火) 01:36:33 ID:VEBiK+PF
久しぶりに来たら何?この糞スレ
とりあえず
>>379 頑張ってね
439 :
訴える名無しさん。 :2006/04/25(火) 07:23:10 ID:+iFSDTqr
全世界が萌えた。
こんなのに入校するアホいんのかよw
戸塚ヨットスクール知らないんだ 少しだけショック
445 :
訴える名無しさん。 :2006/04/27(木) 01:15:38 ID:U9HKCyog
1も379も結局放置してる件について 暇人ニートはちょっとでもきつくなるとすぐ投げ出すな
なんでもいいから完結させてよ 結果や内用はどうあれ最後までやり通すことが大切なんだよ
皆379に対する感謝の気持ちは必要だケド、379も一応どのくらいになるかのメドをたてるくらいはしてくれてもいーんじゃないか?? とゆー訳で379の応答願います。
>>445 少しは外に出てみたり、新聞やニュースをみてみては?それが引きこもりの解決の糸口になるかもしれませんね
450 :
379 :2006/04/30(日) 21:25:07 ID:bQpNVCkK
>>446-447 まぁどいつもこいつも好き勝手言ってくれるぜ〜。
第三者は気楽でいいよな〜。
・・とネタは置いといて、少しずつ書いてるからもう少しだけお待ちを。
>>448 ども、379っす。
できた分をちょっとずつでもアップしていくか、ある程度まとまってからアップするか、
どっちがいいですかね?
>>1 が後者っぽかったから、おれもそうしようと思ってるんですけど。
また
>>440 ネタで悪いけど
ちょっと調べてみたら、大変なことになってるようですね。
あ、379さん乙です。
453 :
訴える名無しさん。 :2006/05/01(月) 01:25:44 ID:pARYNRPX
ってか見てて見苦しいんだけど。 立てたやつはもうここ見てないだろ。ニートなんだから完結させろよ
おぉ!久しぶりだなぁ。 わからんケド、量で決めるより、週一とかで(できたら三日毎くらいに)出来た分だけUPしてくのがいいんではないかと。 一発目はいつくらいになりそう??
455 :
451 :2006/05/01(月) 02:29:00 ID:???
>>379 俺も
>>454 と同じでちょっとずつUPしていくといいと思う。
なにも手伝ってやれないが、頑張ってください
457 :
訴える名無しさん。 :2006/05/01(月) 19:19:16 ID:ZtCrrlXF
市原やshow-thug-lifeは出てくるのか?
458 :
379 :2006/05/01(月) 22:45:52 ID:???
それじゃ、ちょっとずつアップさせてもらいます。 ホントは全部書き上げてからの方が矛盾がでなくていいんだけど・・・(((゚Д゚;) ))ガクガク お手柔らかにお願いします。
ガシャン、という大きな音にRUMIは振り返った。言葉にならない叫びをあげながら、炎に包まれた男が 上空から降ってくる。それと共に降り注ぐガラスのシャワー。 K-DUBと宇多丸のガソリン+花火にやられた兵士は、数度大きく痙攣すると、その動きを止めた。 「わぁ・・・キレー・・・」 すでに日の落ちた街を背にそれは流れ星のように見えた。少なくともRUMIの目には。 ガン・ガン・ガンッ!! 突然の銃声と痛みが、一瞬放心していたRUMIを現実へと引き戻す。左耳が焼けるように熱い。 思わず手で触れてみるが、あるはずの耳はそこにはなかった。 「クソッ!Mummy-Dか?」 振り返りつつ地面を転がり、立ち上がり、横っ飛びに飛びながらRUMIは状況を把握しようとしたが、 襲撃者の姿は見当たらない。さらに響く銃声。アスファルトが銃弾で砕け、ショーウインドーのガラスや 自動販売機の筐体が派手な金属音を撒き散らす。 着弾の場所から襲撃者の方向を見定め、素早くトカレフを抜いて3発、さらに横っ飛びしてから3発撃ち、 RUMIはデパートの従業員用裏口から建物内部へとすべりこんだ。たった今RUMIがいた場所がまた火花を上げた。 「ん〜結構難しいな・・・まぁこれで使い方は理解したし」 スコープから目を上げ、NIPPSはつぶやいた。 「さてどうすっか。やっぱ武器と地の利を活かすのが俺っぽいかな?」 ゆっくりとペダルを踏み込むと、NIPPSは闇へ溶け込んでいった。
「ここだな」 「ああ」 宇多丸とK-DUBは警備室のドアを慎重に開くと、素早く内部へとすべりこんだ。 埃っぽい四畳半ほどの部屋の四隅に目を配り、安全を確認する。 外部に光が漏れないようカーテンを閉め、手探りで7つのモニターの電源を次々にONにしていく。 「あ!これ!」 K-DUBが指差したモニターには、デパート入口から奥へと走り抜けていくRUMIの姿が映っていた。 「クソ、よりによってこんな時に・・・!」 宇多丸は毒づくと、トランシーバーに向かって押し殺した声で言った。 『D、1階にRUMIがいる!ヤツはやる気になってるぞ!気をつけろ!今、入口から奥へ走っていった!』 宇多丸が話している間も、K-DUBは7つのモニターを交互に見回していた。 「ECD、どこだ・・・どこにいる・・・絶対見つけ出してやるからな・・・」
463 :
454 :2006/05/02(火) 22:57:56 ID:???
おつ!信じてたぜ!!
464 :
訴える名無しさん。 :2006/05/03(水) 22:16:03 ID:oMpa7oWK
で続きはまた来月かい? ハァ〜…
465 :
訴える名無しさん。 :2006/05/04(木) 10:43:02 ID:nNmPzB1B
もう話の流れ忘れつつあるよ…
>>379 乙!全然文章上手じゃん!
がんがって!(`・ω・´)
>>379 氏おつ!いい感じ!
なんか冨樫の連載を待ってるような気分だなw
468 :
訴える名無しさん。 :2006/05/05(金) 21:30:18 ID:JZ/bShl1
まあ過剰に期待すると…
469 :
午後7時15分 デパート本館1F :2006/05/06(土) 01:16:59 ID:3wK5OwTP
左耳・・・いや、左耳のあった場所を押さえながら、RUMIはフロアを見渡した。何度も背後を振り返りながら ドラッグストアへ飛び込む。狙撃者は追ってはこないようだ。消毒液、生理用ナプキン、包帯を掴んでレジの 裏にしゃがみこみ、手当てを始める。 「イッテェー・・・だれだよムカツクなー・・・Mummy-Dか?」 「や、俺じゃないよ」 慌てて振り返ろうとするが、傷の手当てに両手を使ったのがまずかった。銃は足元だ。そしてMummy-Dの グロックはRUMIの額にピタリと照準を合わせている。 「あは。あいかわらずカッコイイね、Dさん」 「そうか?それよりな・・・」 「あたし、Dさんにだったら抱かれてもいいよ?」 上目遣いで唇をとがらせるRUMIを見据える、Dの瞳は冷たかった。 「そいつはあの世でお願いするよ。それよりな、お前、一言KOHEIに詫びろ。そうすりゃ1発で苦しませずに殺してやるから」 「キャー優しーぃ。マジで惚れそう」 薄笑いを浮かべたRUMIは、突然右に倒れこみながら懐からSIGザウエルP226を抜き、2発撃った。 てっきり足元のトカレフを拾うと思い込んでいたMummy-Dは不意をつかれ、一瞬反応が遅れる。 至近距離からの銃弾を胴体に受け、後方にふっ飛びながら撃った2発は、RUMIの左肩と左手に命中した。 「くはー・・・防弾チョッキ越しでも効くなあ。」 起き上がろうとしたMummy-Dは、背後に物凄い殺気を感じて逆に頭を伏せた。 その野生の勘が、結果的に彼の命を救ったと言える。全身が鳥肌に包まれるのを感じながら、Mummy-Dは 冷たい床を転がって逃げた。
これだけの文書くのどんだけかかってんだよ…
471 :
訴える名無しさん。 :2006/05/07(日) 10:38:10 ID:Kdgz4k+v
>470 暇なときに書いてくれてるだけでもありがたいじゃん。 これ以上手伝う人が増えてもめんどくさい事になるだけだろうし、379に頼ろう。
>>470 は別に煽ってるわけじゃないんじゃないか?w
こんだけ書くのにすげー時間かかるだろうし大変だよなみたいな
わかんないけど
もし煽ってるんだったら
>>470 はうんこ
475 :
訴える名無しさん。 :2006/05/07(日) 16:02:07 ID:DuK/bj8K
↑これはひどいw こんなあからさまな自演をはじめてみた
黙って待ちたいが、このペースじゃ何ヶ月かかるんだよ…
何ヶ月かかろうが、オチなしでハンパに終わられるわけじゃない。 続きが読めるだけありがたいんだからさ。 冨樫先生だと思ってればいいじゃないライカええじゃないかINジャマイカ
でも萩原一至みたいな漫画家もいるからなw
>>379 氏気負わずがんば
480 :
訴える名無しさん。 :2006/05/12(金) 00:47:45 ID:8dN/HKfG
ヘイヘイ。あげ
481 :
訴える名無しさん。 :2006/05/12(金) 16:43:20 ID:A7+3sNzq
逃げたな。。。
482 :
訴える名無しさん。 :2006/05/12(金) 21:15:02 ID:uVGWJ37Z
☆ チン ☆ チン 〃 ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ ___\(\・∀・)< ねぇねぇ、まだー? \_/⊂ ⊂_)_ \____________ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| | | 淡路たまねぎ .|/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
483 :
訴える名無しさん。 :2006/05/12(金) 22:14:41 ID:igDYT9Zp
保守
484 :
訴える名無しさん。 :2006/05/12(金) 23:34:05 ID:6/MxPZ8+
保守
最後のアップから一週間が経ったわけだが。
486 :
訴える名無しさん。 :2006/05/13(土) 17:45:56 ID:MeUxZ+02
チン ☆ チン ☆ チン マチクタビレタ〜 チン ♪ ♪ ♪ ☆チン .☆ ジャーン! マチクタビレタ〜! ☆ チン 〃 ∧_∧ ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ ___\(・∀・ #) /\_/ < まだー? チン \_/⊂ つ ‖ \__________ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| ‖ マチクタビレタ〜! |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :| /|\ | |/
488 :
訴える名無しさん。 :2006/05/14(日) 17:36:37 ID:QsGOUPiB
だから逃げたんだってw 期待するだけ無駄無駄
490 :
訴える名無しさん。 :2006/05/14(日) 22:11:30 ID:pfdhdgRW
_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_∧_ デケデケ | | ドコドコ < うpまだぁーーーーーーーー!!? > ☆ ドムドム |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _| ☆ ダダダダ! ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ドシャーン! ヽ オラオラッ!! ♪ =≡= ∧_∧ ☆ ♪ / 〃(・∀・ #) / シャンシャン ♪ 〆 ┌\と\と.ヾ∈≡∋ゞ || γ ⌒ヽヽコ ノ || || ΣΣ .|:::|∪〓 || ♪ ./|\人 _.ノノ _||_. /|\ ドチドチ!
491 :
訴える名無しさん。 :2006/05/16(火) 08:41:14 ID:69aDFg5A
スコココバシッスコバドドドンスコバンスコ _∧_∧_∧_∧_∧_∧_ 从 `ヾ/゛/' "\' /". | | ≡≪≡ゞシ彡 ∧_∧ 〃ミ≡从≡=< うpまだぁー?!! > . '=巛≡从ミ.(・∀・# )彡/ノ≡》〉≡.|_ _ _ _ _ _ ___| . ゛=!|l|》リnl⌒!I⌒I⌒I⌒Iツ从=≡|l≫,゙ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ 《 l|!|!l!'~'⌒^⌒(⌒)⌒^~~~ヾ!|l!|l;" . "l|l|(( (〇) ))(( (〇) ))|l|》; `へヾ―-― ―-― .へヾ ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
492 :
訴える名無しさん。 :2006/05/16(火) 09:33:53 ID:OevH8yPD
保守
これからここ雑談スレな
俺はまだ期待している 保守にはなるんだが、煽りやAA厨はそろそろ引っ込んで構わんぞ
495 :
379 :2006/05/17(水) 00:15:03 ID:???
おれ・・・書くよ。
>>494 のために書くよ。
逃げたとか言ってたやつらが明日うんこを踏みますように。ナモナモ。
「やばいよ!ECDが!」 K-DUBはモニターの1つを指差しながら叫んだ。いつの間にかMummy-Dの背後にECDが忍び寄っている。 宇多丸がトランシーバーに向かって指示を出すより一瞬早く、ECDはすべるように走り出した。 そして右手に持った抜き身の日本刀を、居合切りの要領で横なぎに振りぬく。 『D!』 宇多丸は声にならない声を上げた。 「オレ、Dを助けてくる!SHIROはここから指示を出してやって!」 「ああ、まかせといて!どうせこの足じゃ足手まといだし、なんとかフォローするから・・・そうだ!」 間一髪、ECDの初撃をかわしたMummy-Dの姿を見て、いてもたってもいられず警備室を飛び出そうした K-DUBを宇多丸は呼び止めた。 「ちょっといいこと思いついたんだって!」
「フッフーン、よくかわしたなあ坂間君」 ECDは上機嫌で右手の日本刀を扇風機のようにくるくると回している。Mummy-Dは野性的な勘のおかげで 頭頂部のちょんまげを切り飛ばされただけで済んでいたが、背後のRUMIと前方のECDに挟まれ身動きが できない状況に追い込まれていた。 「自分の頭が薄くなってきたからってさぁ、ちょんまげ切らなくてもいいじゃん」 Mummy-Dは横目でRUMIの動きを牽制しながら毒づいた。 「ハッハッハ、こりゃ坂間君に一本取られたな」 「坂間君じゃなくて・・・Mummy-Dだろ!?」 吠えながらMummy-Dは真後ろに跳んだ。そしてグロックの引き金を立て続けに引く。1発、2発、3発と 銃弾はECDの胴体を捉えるが、ECDは全く意に介さず真っ直ぐMummy-Dを追ってくる。 「チッ、やっぱ防弾チョッキぐらいは用意してるか」 後方に跳んだ事でRUMIと横並びになったMummy-Dは、銃弾でECDを仕留めると同時にサイドキックでRUMIを 蹴り飛ばす予定が狂い、ECDの猛襲を凌ぐのに精一杯になってしまった。当然その隙をRUMIが見逃すはずも なく、右手のSIGザウエルP226をECDに、左手で拾い上げたトカレフはMummy-Dに向けて狙いを定める。 その瞬間、ECDの左手が、きらり、と光を放ったように見えた。SIGザウエルP226は銃弾を発射することなく RUMIの右手からこぼれ落ち、トカレフから発射された銃弾は婦人服売り場のマネキンの頭を砕いただけに とどまった。 RUMIの右手から20cmほどの鉄剣が生えている。苦無だ。 全く勢いを殺すことなくECDは間合いを詰め、日本刀を突き出す。切っ先は正確にMummy-Dの右手を狙い、 グロックを弾き飛ばす。さらに返す刀で柄の部分をRUMIのこめかみに叩き付け、意識を奪う。 ECDがその場を制圧するのにかかった時間はわずか5秒であった。
おつ
499 :
訴える名無しさん。 :2006/05/17(水) 00:35:15 ID:fsGxUmDd
きた━━━━━━━!超楽しみ!ありがとうございます!純粋に感謝です。
乙!
ずっと信じて待ってたよ!続きも期待してます、がんがって
>>379 !!
レ£L丶レ£L丶わЗ£わЗ£
続きは来月だな。
503 :
訴える名無しさん。 :2006/05/17(水) 07:07:53 ID:qXt72KQt
わーお疲れ様です!私も信じてました…(´v`)応援してます!
504 :
訴える名無しさん。 :2006/05/17(水) 07:14:24 ID:6mkELrEy
ほっしゅ
507 :
訴える名無しさん。 :2006/05/18(木) 20:06:40 ID:1mQBTZYL
hoshu
誰にも言わず ケイダブは自殺した 完
509 :
午後7時30分家畜小屋 :2006/05/18(木) 23:34:18 ID:dEegl7jg
「剥奪するよ。」 般若は上機嫌で右手の日本刀を扇風機のようにくるくると回している。Mummy-Dは野性的な勘のおかげで 頭頂部のちょんまげを切り飛ばされただけで済んでいたが、背後のRUMIと前方のECDに挟まれ身動きが できない状況に追い込まれていた。 「自分の頭が薄くなってきたからってさぁ、ちょんまげ切らなくてもいいじゃん」 Mummy-Dは横目でRUMIの動きを牽制しながら毒づいた。 「ハッハッハ、こりゃ坂間君に一本取られたな」 「坂間君じゃなくて・・・Mummy-Dだろ!?」 吠えながらMummy-Dは真後ろに跳んだ。そしてグロックの引き金を立て続けに引く。1発、2発、3発と 銃弾はECDの胴体を捉えるが、ECDは全く意に介さず真っ直ぐMummy-Dを追ってくる。 「チッ、やっぱ防弾チョッキぐらいは用意してるか」 後方に跳んだ事でRUMIと横並びになったMummy-Dは、銃弾でECDを仕留めると同時にサイドキックでRUMIを 蹴り飛ばす予定が狂い、ECDの猛襲を凌ぐのに精一杯になってしまった。当然その隙をRUMIが見逃すはずも なく、右手のSIGザウエルP226をECDに、左手で拾い上げたトカレフはMummy-Dに向けて狙いを定める。 その瞬間、ECDの左手が、きらり、と光を放ったように見えた。SIGザウエルP226は銃弾を発射することなく RUMIの右手からこぼれ落ち、トカレフから発射された銃弾は婦人服売り場のマネキンの頭を砕いただけに とどまった。 RUMIの右手から20cmほどの鉄剣が生えている。苦無だ。 全く勢いを殺すことなくECDは間合いを詰め、日本刀を突き出す。切っ先は正確にMummy-Dの右手を狙い、 グロックを弾き飛ばす。さらに返す刀で柄の部分をRUMIのこめかみに叩き付け、意識を奪う。 ECDがその場を制圧するのにかかった時間はわずか5秒であった。
なにこれ↑ 般若信者か? 扇風機という表現もどうかと…
511 :
訴える名無しさん。 :2006/05/19(金) 17:56:38 ID:qMtnT4j0
ひとつだけ般若に変わってる。なんじゃそりゃ...
512 :
☆ :2006/05/19(金) 18:19:16 ID:EnvkXYpS
なんじゃこりゃ(笑)
なんか痛いの沸いてるな…とりあえず保守
514 :
379 :2006/05/19(金) 23:33:29 ID:???
>>510 扇風機ダメだったか・・・ごめんねw
>>496-497 は急いで書いたので、以前の話と微妙に矛盾してたりします。
しっかり練ってからまとめうpしたいので少し時間を下さい。
515 :
訴える名無しさん。 :2006/05/20(土) 22:28:35 ID:r2EZnvDZ
そうか、がんばれ。待ってるぞ。
516 :
訴える名無しさん。 :2006/05/21(日) 02:21:16 ID:GOFet+xd
ほしゅ
HO!
期待sage
520 :
訴える名無しさん。 :2006/05/28(日) 11:05:03 ID:15Tyllt+
あげ
まだ?時間かかりすぎ 待たせたわりにはこれだけ?って感じ。。。 せめていつ載せるとか前もって言ってくれないと
522 :
訴える名無しさん。 :2006/05/31(水) 01:08:13 ID:HVoAwm6i
>>521 まだ2週間しか経ってないぞ。
お前書く側の気持ち考えてないだろ。
523 :
訴える名無しさん。 :2006/05/31(水) 01:25:53 ID:IS620AUz
↑ おまいはSSを書いた事ありまつか?
まだ2週間?! じゃあ終わるまで何ヶ月待たせんだよ
だから作者さんはまとめて書いてから載せたいんでしょ? そのほうが矛盾も少なくなりそうだし、文章も練れるし。 それにいつもこの小説のことだけ考えてるわけにはいかないだろうし…。 無料で読んでるんだからわがまま言わないで待とうよ。 忘れた頃に投下してくれるさ。
うん、まあ、気長に待とうや
「さて坂間君・・・」 「Mummy-Dだって言ってんだろ」 「・・・人がしゃべってる時は黙って聞けッ!!」 ECDのブーツがMummy-Dの鼻先を正確に狙って飛んでくる。ヒットする直前に頭を反らし鼻への直撃は 避けたが、額が割れて血が噴き出す。ECDは蹴り足を引くと同時に、日本刀を再び喉元に突きつける。 「さて坂間・・・」 「Mummy-Dだ」 ECDの右手がわずかに動いた。Mummy-Dの左頬が一瞬で真っ赤に染まる。 「がっかりだよ。なぜせいこうさんがお前の事をあそこまで買っているのかわからん」 「なんだ嫉妬か?男の嫉妬はみっともないな」 ECDは日本刀を大きく振りかぶった。これまでとは違う、明確な殺意を持った一撃。 その時、「ちーん」という、間抜けで場違いな音が鳴り響いた。 そして開き出すエレベーターの扉。ECDが一瞬の躊躇の後、扉の方を振り返った。
ゆっくりと左右に開くエレベーターの扉。その中から当然あらわれるべき武装した人物を警戒し、 ECDは反時計回りにステップを踏んでMummy-Dの背後へと回った。 誰もいない。トラップ。日本刀の切っ先をMummy-Dに向けたまま周囲を見回す。 K-DUBはOSUMIから託された銃を両手で握り締めていた。ECDは背を向けている。今、撃てば間違いなく 1発は命中させることができるだろう。 だが。 ECDを殺すのか?この手で。 あの伝説のイベントを手掛け、今のシーンの源流を作った男を。この手で。 ECDを殺したところでこの糞ゲームは終わらない。 しかし殺さなければDが殺されてしまう。もちろんその後に自分も。 足を負傷している宇多丸もこの男からは逃げ切れないだろう。 やるしかない。撃て!引き金を引き絞れ! 2秒にも満たない逡巡だった。しかしそれは、並外れた力を持つECDにとって体勢を立て直すのに十分 な時間でもあった。 ゆっくりと、コマ送りのようにECDが振り返る。目が合う。その瞬間、K-DUBは悟った。 ECDの目には何の曇りもない。不甲斐ない後輩たちを皆殺しにし、その後偉大な先輩に挑む。 その一点にすべてをかけた目だ。 K-DUBは引き金を引いた。
1発、2発。ECDが身を沈める。3発。4発目を撃とうとしたところでK-DUBは必死にその指を止めた。 ECDが再びMummy-Dの背後に回っている。 (何発命中した!?) 時計回りに大きく回り込んでトドメを刺したい。次の瞬間、ECDは弾かれたように大きく身を反らし、 そしてゆっくりと床へ倒れこんだ。 「自慢の防弾スーツも電流は防げなかったみたいだな」 Mummy-Dは右手の甲で額の血を拭いながら、左手のスタンガンを掲げ、K-DUBに微笑んでみせた。 「D!大丈夫か!?」 駆け寄るK-DUBが、突如つんのめるように倒れた。左太ももから、どくどくと血があふれだす。 「ぐっ・・あぁっ・・・!!」 Mummy-Dは銃声のした方を振り返った。RUMIだ。さらに銃声が響く。誰にも当たらない。 RUMIの左肩、左手、そして右手からも血がどんどん流れ出して行く。胸の前で祈るように手を組み、 ままならない両手でさらに引き金を引く。カチリ、という音がトカレフの弾切れを告げた。 トカレフを捨て、SIGザウエルP226に持ち替えようとする。 「KOHEIのために祈れよ」 Mummy-Dはゆっくりと、噛み締めるように一度だけ、引き金を引いた。 銃弾はRUMIの額を割り、脳を破壊し、後頭部の頭蓋骨に当たって止まった。 最期までRUMIは笑っていた。
530 :
379 :2006/06/01(木) 00:37:18 ID:???
散々お待たせして申し訳ないのですが、今回のうpはここまでです。 しかし一応、ラストシーンまでの道のりの案はまとまりました。 あとはひたすら書くのみです。 気の長い方はもう少しだけお付き合いください(・∀・)
待つ!がんばれ〜
がんば
がんばー。
おつ!
535 :
訴える名無しさん。 :2006/06/01(木) 14:47:55 ID:XMnInDVJ
やた!なんか希望がわくな。がんばれ!
おつ!
537 :
訴える名無しさん。 :2006/06/01(木) 18:45:22 ID:2Z8/k7gT
おつかれさん!がんばって
538 :
訴える名無しさん。 :2006/06/01(木) 19:07:08 ID:rMzcAGud
おつかれ ありがとうな
だいぶ後ろの宇多丸とマミーDのトランシーバーのシーンが グレートアマチュアリズムのPVを思い出す。。
何このアメとムチ 大好きだ
期待age
542 :
訴える名無しさん。 :2006/06/05(月) 11:46:29 ID:JyEkULao
このスレヤバス!! 期待アゲ☆アゲってことで次回作にはDJ OZUMAもヘタレキャラで登場します
543 :
訴える名無しさん。 :2006/06/06(火) 00:06:11 ID:Vxt0zUVu
はいはいあげあげ
とりあえず、今のところ生き残ってんのは何人なの?
4人じゃないの? K-DUB、宇多丸、Mummy-D、NIPPS(主催者側除く) …で、合ってる?
>>542 このテンション
間違いなく最近発見して続きをwktkしながら待ってるタイプだな
>>546 俺らもうだいぶ冷めたよな
冷めてるけど一応期待age
俺なんて前スレを今スレと勘違いして すげーアップされてるとか思って読み返しちゃったくらいだ なんで般若いるんだ?とか思いつつ
549 :
訴える名無しさん。 :2006/06/08(木) 10:14:09 ID:bYQUhWL5
550 :
訴える名無しさん。 :2006/06/08(木) 20:19:19 ID:rJf4uhrd
で、結局番外編はないのかwwww
まとめサイトの奴も消えたな
保守age
ああ…age
(´・ω・)
ゴゴゴ
(´・ω・`)
だからおせぇーよ
ちょっともういい加減お気に入りがら消すよ?いいの?
↑お前のお気に入りなんてシラネーヨ でも遅いのは同意 時間が経ってるから錯覚してしまうが普通に読み返してみるとRUMIの死に方があっさりしすぎ
379の野郎・・。 何が「あとはひたすら書くのみです。」だよ。 そのひたすらの連続アップをいつ見せるんだよ
562 :
訴える名無しさん。 :2006/06/17(土) 02:35:40 ID:KtX2XQ6F
379の苦労も考えろ!お前ら低能じゃ書けないだろ?まあ決して379も文章能力高い訳ではないがな…
別に苦労してないだろ…
564 :
訴える名無しさん。 :2006/06/17(土) 12:27:39 ID:3wKnsrkt
わかんねぇぞ、ひょっとしたら超ハードワーキンかもしれねぇぞ。
565 :
訴える名無しさん。 :2006/06/17(土) 16:04:07 ID:e/PRrvLl
物語書くのは難しいんだね
俺は今年中に終わらせてくれたらいい! 文章のレベルもちゃんと保ってると思う!! 頑張って!
もう別にいいよこのスレ
今年中って…w
イササカ先生を待つノリスケの気持ちがわかるよ。
日本負けたらここ雑談スレな!
いいよ
引き分けの場合どうしましょw
まだブラジル戦あるから。
そんなに待つのかよw
578 :
訴える名無しさん。 :2006/06/19(月) 22:49:05 ID:YWMXX4j7
亜毛!!ラストまで期待してま〜す(-^〇^-)
アゲたとこでここの運命は全てブラジル戦にかかってるからな
ブラジル戦っていつだっけ?
あーげー
582 :
379 :2006/06/21(水) 23:52:51 ID:???
ふう、やっと2話分書けた(遅)
>>561 もう少しお待ちを〜お代官さま〜
>>565 565(笑)
たまには書き込みしてねw 逃げられたとか思われるのそっちも嫌でしょ?
3週間で二話… 内容は一日、二日で手掛けたもんだし、遊んでやがんな… まあ四時からのブラジル戦次第。
サッカーの結果とか関係ないから
いつ載せるかもわからないヘタレにまかせるのももうウンザリ。 さ、ブラジル戦♪
粋な男のおでまし ILLで1番いかす KEEPER THAT’S ME ME いかれている いっちゃってる 異ノーマル 普通じゃない ナミ外れてる 人とは違う独創性に富む 雲の上で CHILL 上にやあ上がいる つまりオレ YOSHIKATSU KAWAGUCHI ON THE NEXT LEVEL 凡人のもてぬKEEP 持つ魔物
日本敗けたしここライムバトルスレにするか!
590 :
訴える名無しさん。 :2006/06/23(金) 15:43:04 ID:xL+LEm+e
笑わせんな気色わりぃ青き侍 相当サポーターのやつらもイカクサイ 一点先取 それで天狗 なった瞬間に全部 ひっくり返されメンツ 丸潰れで撤収
ロナウジーニョにもがく日本 無理なモラル思想をほざくジーコ
つーか続きまだかよ 二話書き終わってんならさっさと載せればいいだろ
がんばってちょ
載せれ( ̄○ ̄;)
595 :
訴える名無しさん。 :2006/06/28(水) 19:38:37 ID:BuVphkBB
ほしゅあげ 前の話もう忘れちゃったー
7月一発目上げ。 待ちくたびれた…でも待つ。
お願ぇしますだ(-^〇^-)
598 :
訴える名無しさん。 :2006/07/04(火) 23:56:29 ID:00XUrowj
保守あげ
>もう少しお待ちを〜お代官さま〜 殺したくなったのは俺だけじゃないハズ
600 :
キリ番マン :2006/07/05(水) 00:39:23 ID:???
601 :
561 :2006/07/06(木) 18:53:31 ID:???
モニターの前で大爆笑してました
ほしゅ
今更だが全部出来上がってから乗っける気か?
全部もなにも、既に書いても考えてもいないだろ。逃げたんだよ
大体小説家って一冊書き終えるのにどのくらいかかるんだろう
606 :
訴える名無しさん。 :2006/07/12(水) 08:15:40 ID:4YHsbVNS
マダァ―?
ここまできたらもうアップされることはないだろうね
608 :
379 :2006/07/12(水) 20:57:35 ID:???
やっと4話分書き上げた もうちょっと待ってください 遅くてスミマセン
609 :
訴える名無しさん。 :2006/07/12(水) 23:25:26 ID:YTMfOkJS
ふぁいと。でももう前の話忘れt(ry
とりあえず逃げないことを信じて待ってます(>_<)
611 :
訴える名無しさん。 :2006/07/13(木) 05:23:09 ID:FUJjvymt
がんばって!がんばって! 応援してます!!
お願いします乗せて下さい。
活気付いた(>_<)頑張れ!
614 :
訴える名無しさん。 :2006/07/13(木) 11:22:11 ID:9QE81ku5
本当に応援してるよ!!
俺も!!頑張れ(>_<)
616 :
訴える名無しさん。 :2006/07/13(木) 11:58:11 ID:9QE81ku5
待ってるよ!!いつまでも!!
(::´┏┓`:) 頑張れ!
(:p:´┏┓`:)q頑張れ!!
うpうp!!
620 :
379 :2006/07/13(木) 21:42:50 ID:???
一応5話目まではできてるんで、家に帰り次第うPしますので少々お待ちを 今居酒屋なので(´∀`#)
621 :
か :2006/07/14(金) 08:47:01 ID:???
???
なすびはいかが
623 :
訴える名無しさん。 :2006/07/14(金) 09:20:15 ID:HpNzknIg
まだ居酒屋?w
続き!(>_<)
625 :
訴える名無しさん。 :2006/07/15(土) 02:46:12 ID:8m4TMYF0
俺はずっと379を応援そして擁護してきたけど居酒屋発言はないですよ 帰り次第と言いながらまだってことは日をまたいでまだ居酒屋にいるんですね
過疎る?困ります!!
(зДз)寝るよ?ねえ寝るよ?
628 :
訴える名無しさん。 :2006/07/15(土) 15:56:15 ID:5E7HZ5vB
あげ
629 :
379 :2006/07/15(土) 21:51:52 ID:???
ごめん 実は1話分しかできてないんだ
630 :
379 :2006/07/16(日) 02:44:20 ID:vLCcjshm
俺が本物とは限らないだろ?まあ話書く気はないが。
つまんないYO…
(::´┏┓`:)
だから〜期待するだけ無駄なんだよ!雑談スレかなんかにして残りを有効に使おうぜ。
634 :
379 ◆f5gTfpXlyQ :2006/07/16(日) 17:18:27 ID:wyo2047e
お待たせしました。 何やら偽物がいるのでトリ付けました。 今日の夜に出来上がってる2話分を最終チェックしてUPしときます。
頼むぞ〜
wkwk
637 :
訴える名無しさん。 :2006/07/17(月) 11:21:53 ID:RQC4SlzI
期待するだけ無駄か…
638 :
訴える名無しさん。 :2006/07/17(月) 11:25:35 ID:XYGpXNcc
チェケラ
チェック終わったの??
やっぱり全て嘘か
641 :
訴える名無しさん。 :2006/07/17(月) 15:40:02 ID:1zcX/9K2
おいおい、氏ね
まだ居酒屋? まぁ酒でも飲まなきゃやってらんないよな。頑張ってくれ。
もうすぐ朝ですよ
644 :
379 :2006/07/18(火) 12:00:18 ID:lRKS9P30
おまえらうるせぇよ!書く気もしないから
私たちって一杯食わされたの?
646 :
379 :2006/07/18(火) 16:02:10 ID:???
ザッツライト!
だから期待するだけ無駄って何度言ってんじゃんw
648 :
565 :2006/07/18(火) 20:10:09 ID:MexhjRoK
帝国軍の基地にはこれまでにない殺気に包まれた兵士が十数列にズラリとならんでいた。千人は軽く超える数である。 その視線の先には大柄で強面な「蒲原」という男が落ち着かない様子でしきりに時間を気にしている。蒲原の後ろには戦車やら装甲車やらの兵器の点検が行われている。 その兵器たちの中から一両、ジープがこちらに向かってきた。そこに乗っているのは今、蒲原の前に並んでいる兵士たちと全く同じ格好の運転手、その横に顔は強面だが手足がオマケのように短い40代後半くらいの男。その二人を見た蒲原の緊張が一瞬解けた。 「お待ちしていました」 そう言って蒲原が軽く頭を下げると、運転席の横の男はジープから降りながら無愛想に「あぁ」とだけ言った。 蒲原は構わず話を続ける。 「大まかなことは兵士たちには話してあります。勿論、作戦も把握させてあるので、予定通りに話を進めてください」 言い終えると、一歩後ろに下がり上官に後を任した。 下がる蒲原を確認すると、強面で小柄な上官はしゃがれた声を張り上げた。
649 :
565 :2006/07/18(火) 20:12:12 ID:???
「諸君、この戦いの意義はよく理解していると思う。これはこの国を守るための戦いだ。首謀者は誰かわかっていないが、敵は日本の政治行為を組織的に妨害しようと企んでいる。 が、すでにこちらは敵の戦略を読み取っている。まだ、敵は反抗組織を作ろうとしている段階だ。組織が出来上がればすぐに事を起こすであろう。なんとしても、敵の組織が完成する前にテロリストどもを叩き潰せ。命を惜しむな」 と、そう檄を飛ばした。が、もはや政府には首謀者は誰か割れている。しかし、名前を出せば兵士が浮き足だつかもわからないし、いつどこで奴の組織の連中が潜んでいるかもわからないのだ。 政府や軍も幾度もこのテロの首謀者を始末しようと目論んだが、それに関わった者は全て事を起こす前に消え去り、決まって木更津の海で後日遺体となり発見されるのだ。 しかし、それもこれで終わりにするつもりだった。今回は相手の作戦も読めているのだ。相手は今、ヘッズを集めて武器を集めて着実にゲームを潰す準備を進めている。さすがにいとうせいこうとECDだけでは抑えきれないだろう。 これ以上時間がかかれば、更に組織は増大なものになるだろう。もはや自体は秒単位で動いている。 蒲原は部隊を動かした。この戦いはきっと、様々な人間が犠牲になるだろう。
565って消防か?
つまり狙いはヨン様って事だな?
とうとう565が動き出したか・・・
散々うP待たせといて、まさかこんな珍文2話だけって事ないよな?
654 :
訴える名無しさん。 :2006/07/19(水) 18:11:06 ID:sQnTOD+p
MUMMY-Dは生き残った。ただ般若はもっと生き残った!
655 :
訴える名無しさん。 :2006/07/19(水) 19:16:04 ID:NZCxsAIq
なんだ?軍隊大好きな厨房が代役ですか? もしかして...また外伝じゃないだろうな?
379が亡き今、続きを書こうと思うけどいいですか?
657 :
訴える名無しさん。 :2006/07/21(金) 10:12:36 ID:PNMe313M
>656 IDがフダツキー
659 :
訴える名無しさん。 :2006/07/21(金) 13:39:21 ID:oP52nyN9
660 :
訴える名無しさん。 :2006/07/21(金) 17:50:37 ID:RuCNfP+c
662 :
訴える名無しさん。 :2006/07/21(金) 19:35:57 ID:8LyZRpY+
>>656 残念ながら代役は消防の565君が勤めてくれたのでいいです
663 :
代役の代役 :2006/07/21(金) 21:28:51 ID:???
生き残ってるのはつぶやきシローとおぎやはぎ矢作とあと誰だっけ?
アホの坂田
657 着てる服が全て札付き
666 :
訴える名無しさん。 :2006/07/21(金) 21:39:01 ID:Ike9rVsC
和田あきこの母
確かケンドーコバヤシ
668 :
訴える名無しさん。 :2006/07/22(土) 07:57:17 ID:rtUxt9+H
昔の洋楽のHIPHOPでREGAL DRUG MONEYていう曲だれが歌ってるかわかりませんか?
↑確かS-ビレッジだったような
670 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 04:43:28 ID:Ejg/YYh0
「誰でもいい」なら俺が書くけど。
671 :
379 :2006/07/23(日) 05:45:42 ID:???
MUMMY-Dは戦いに疲れ、近くの吉野家に入った 飯くらいおいてあるだろう…、そう思い中へ入った するとなぜか禁止地区になってる吉野家の中には、人がたくさんだった 混んでて席がない MUMMY-Dはふと顔を挙げると垂れ幕があった 「禁止地区なので150円引き」 MUMMY-Dはブチ切れた もうね、アホかと 馬鹿かと 150円引き如きで危ないとこに来てんじゃねーよ、ボケが そう心の中でつぶやいた 親子連れもいる 一家4人で吉野家にきてて、パパ特盛り頼んじゃうぞ〜という叫びも聞こえる まるでさっきまでのことが夢の様だ 禁止地区ってのはもっと殺伐してて出会う人皆が刺すかの状況だと思ってたのに… 我に返ると席が空いた そこに座り注文する
672 :
379 :2006/07/23(日) 05:51:40 ID:???
すると隣の奴が言い出した おじさん、つゆだく頼みます MUMMY-Dは銃を引いた 隣の奴は腹から血を出し倒れ、店内には混乱のみ残された 得意げな顔して何が、宣伝で50円引きやってるぞw、だ MUMMY-Dはそう言い店を後にした
673 :
379 :2006/07/23(日) 06:11:17 ID:???
MUMMY-Dは腹が減っていた 吉野家では思わぬハプニングが起こり 腹が減って死にそうだった それに比べ、RUMIから受けた傷は治っていくようなきがしてきた 痛みはあまり感じなくなってきた MUMMY-Dはそのことよりも今は空腹感を満たしたい気持ちでいっぱいだった MUMMY-Dはそれからどれくらい歩いただろうか なぜ吉野家に人がいて なぜ俺は隣の奴を殺したのだろう 歩きながらそんなことを考えていた ふと気がつくと見知らぬ場所だった 地図で確認しようとも、ポケットにはすでに地図がなかった 首輪が爆発しないのでひとまず安心だろうと思い先へ進む 夜になりさらにお腹も減ってきた そんな中、一軒のお店を見つけた 「ここはとあるレストラン」 変な名前の店だ 中には店長がいる MUMMY-Dは人気メニューの「ナポリタン」を注文する 数分後、ナポリタンがくる MUMMY-Dは食べる ・・・なんか変だ、しょっぱい、変にしょっぱい、頭が痛い MUMMY-Dは銃を握りしめ苦情を言った 「すいません作り直します。御代も結構です。」 店長が言った 数分後、ナポリタンがくる MUMMY-Dは食べる 今度は平気みたいだ 突然 MUMMY-Dは店をでる しばらくして、Dは気づいてしまった・・・ ここは
674 :
379 :2006/07/23(日) 06:12:53 ID:???
ここはとあるレストラン・・・ 人気メニューは・・・ナポリタン・・・ 【残り4MC】
675 :
379 :2006/07/23(日) 06:17:01 ID:???
次回は1週間後です 次はK DUBたちです
676 :
379 :2006/07/23(日) 06:25:11 ID:???
実は居酒屋経営してます。 新宿区の居酒屋「コッタ」です。 知ってる方は一度きてください。
677 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 12:19:41 ID:s9oPAeFo
ゴメンやけどあんまり笑えんわ
ああここまで読んできた俺たちの4ヶ月間を返してくれ・・・
679 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 15:49:48 ID:dqakZXtn
680 :
sage :2006/07/23(日) 16:16:25 ID:Ejg/YYh0
名前に間違えてsageって書いてしまうようなあなたなんて信じていいのかしら・・・?
682 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 18:25:44 ID:Ejg/YYh0
あ・・・
素直に出てくるところはあたし好きよ 書いてちょうだい
684 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 18:49:35 ID:Ejg/YYh0
>>683 今はテスト期間だけどそれ終われば夏休みなんで
書きたい(先人の方には無許可だけど)
685 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 21:01:19 ID:Rj6vLAgv
文学板に出入りするような、才気あふれる若人はおらんか。
686 :
訴える名無しさん。 :2006/07/23(日) 21:15:35 ID:Ejg/YYh0
今から出入りします(;_;)/~~~
久々に来たのに過疎ってる。age
688 :
訴える名無しさん。 :2006/07/29(土) 03:15:42 ID:/eoF7O18
夏休みに入ったんで近々続きを書いてうpしようと思います (今、色々と構想を練ってます) 先代の方々には無許可ですが、勝手に三代目襲名させてもらいます
689 :
訴える名無しさん。 :2006/07/29(土) 22:53:18 ID:+0d9+Tly
ガンガレ
690 :
訴える名無しさん。 :2006/07/29(土) 23:17:41 ID:IF6gxwUp
>>688 が頑張ってくれるみたいだけど
>>379 はどうなったんだ?
なんとなく、逃げたとは思えないんだが
691 :
379 :2006/07/30(日) 10:21:34 ID:???
みなさんすみません かなり忙しかったもんで とりあえず今日中にでも1話分はあげときます。 前レスざっと見たら偽物も多いし、トリつけようかな?
692 :
訴える名無しさん。 :2006/07/30(日) 12:17:12 ID:NJrC6aF6
693 :
訴える名無しさん。 :2006/07/30(日) 15:45:26 ID:zZU3GNSI
今日中にアップしなかったらほかの奴が書いて379追放で!
また偽なんだろうな
695 :
訴える名無しさん。 :2006/07/30(日) 23:00:19 ID:zZU3GNSI
追放まで残り一時間!カウントダウンはじまり
696 :
訴える名無しさん。 :2006/07/31(月) 01:42:05 ID:1yvC2WPE
>>691 の379さんがどうやら偽者っぽいので
やっぱり僕が続き書きたいと思います。
でさしあたり質問があるんですが舞台は渋谷でいいんですよね?
697 :
訴える名無しさん。 :2006/07/31(月) 13:53:30 ID:6O7p5d1r
渋谷でいいよ!最初から読んでる?
698 :
訴える名無しさん。 :2006/07/31(月) 15:25:32 ID:1yvC2WPE
>>697 もちろん全部読みました。
構想はもう大体できたんだけど、いかんせん僕はDAから
HIPHOP聴きだしたにわかなのでいとうせいこう、ECDの知識が
全然ありません。ネットで得られる最小限の情報止まりです。
(いとうせいこうが絵本作家になったとか)
リリック(もしくはこういうキャラだよと示すもの)でも分かればもう少し掘り下げられると思うので
どなたか知ってたら(何でもいいんで)情報提供してもらえると嬉しいです。
699 :
688 :2006/08/01(火) 01:55:09 ID:cVl7TOUb
とりあえず今続きを書いてます。 スタートはみんな(僕を含め)の熱を取り戻すため サイドストーリー的に書いてます。 (誰のSSかはうpしてからのお楽しみということで) もちろん本編にも大きく関わってきます。 日が昇る前にはうpしたいです。
がんばって!!だいぶ人がいなくなったみたいだけど応援してるよ!!
701 :
K side story Part1 feat.ZEEBRA :2006/08/01(火) 03:38:09 ID:cVl7TOUb
時はNIPPSがKREVAとの激闘を制したところまでさかのぼる。 NIPPSが去ってからは人の気配もないプレハブ小屋。 床に仰向けで大の字になっているKREVA。 その左手にはKREVAのトレードマークであるKの文字が作られていた。 「うーん、やっぱ俺って死んでも絵になるなぁ」 誰もいるはずのない小屋内にやや高めの声音(こわね)が響く。 ニヤニヤしながら死体を見下ろす男。見下ろされるKREVA。 まるで二人の間に鏡でも挟んでいるかのように彼らは顔から服装まで瓜二つであった。 そう、この男とは他でもないKREVA本人であったのだ。 「しっかし何でこんなことになったんかねぇ」 実際に自分の死体を目の当たりにしてみると、1度は理解したはずのこの状況がなんとも不可思議でならない。 自分の死を疑いたい気さえしてくる。「本当に俺は死んだのか」と。 それでもやはりKREVAは死んだのだ。それは確かな事実である。NIPPSに撃たれ、まぶたが重くなり体が軽くなる。 そして今までの人生が走馬灯の様にフラッシュバックしてくる。 幼少時代のこと、By Phar The Dopestのこと、KICK THE CAN CREWのこと、ソロとして再出発したこと、 そしてこのイカれたゲームのこと。この時にはすでにKREVAから生命は消えていた。
702 :
K side story Part2 feat.ZEEBRA :2006/08/01(火) 03:39:07 ID:cVl7TOUb
事が起きたのはその直後である。 「KREVA…お前もこっち来ちまったか…」 誰かの声がする。誰だ?どこかで聴いたことのあるような、耳に残るダミ声だ。 目を開け声の主を確認する。会いたかった男がそこにいた。 「ZEEBRA…!?」 どういうことだ?わけが分からなくなりKREVAは周りを見渡した。 会いたいとは思っていたが、と同時にもう会えないことも分かっていたからだ。 「ここは…」 思わずKREVAの言葉が詰まる。何が分からずともここがどこなのか、それだけは瞬時に理解できた。 「そう。俺たちB-BOYの聖地、代々木公園だよ。」 ZEEBRAがKREVAの肩をぽんと叩き隣に腰を下ろした。KREVAに微笑みかけるZEEBRAの表情はとても悲しいものだった。 ZEEBRAのその表情、それに最初のセリフ思い出しKREVAは全てを把握した。 「俺も死んじまったんすね…」 「あぁ…」 「……」
703 :
K side story Part3 feat.ZEEBRA :2006/08/01(火) 03:41:10 ID:cVl7TOUb
短いやり取りの後、重たい沈黙が場を支配する。「死」は言葉を奪う。KREVAも例外ではなかった。 数々のイベント、そして栄光。KREVAにとってもここは特別の場所だった。 夕暮れ時の代々木公園。蘇る思い出の断片。KREVAの目からは自然と涙がこぼれてきた。 この時ばかりは涙が流れるのを許した。 KREVAの涙を見てZEEBRAが口を開く。 「へこたれてんじゃねーぞ。お前にはまだ役目が残ってんだからな。」 「や、役目って何すか!?」涙が鼻と口に入り咽せるKREVA。 「お前にはこのイカれたゲームを最後まで見届ける役目がある。」ZEBBRAが続ける。 「お前はまだこっちに来る器じゃない。あっちに残って最後まで見届けろ。こっちに来るのはその後だ。」 「何言ってんすか!俺もう死んでんすよ。そんなの今生きてるやつに任せりゃいいじゃないすか!」 予想だにしなかったZEEBRAの言葉にすかさずKREVAが反論する。 「分かんねーやつだな。あいつらだけじゃ心配だっつーことだよ。 確かにお前は死んじまったけど、魂は生きてんだろ。 リアル・ジャパニーズ・ヒップホップの魂がよ!その魂で見届けろってことだ。」 そう言ってZEEBRAは立ち上がり、KREVAに背を向けて歩き出す。 「ちょっと待ってくれよ!見届けろってそれあんたの役目なんじゃねーの!?」 KREVAがZEEBRAの背中に言葉をぶつける。ZEEBRAはふり返り、鼻で笑った後KREVAに告げた。 「バーカ、俺にゃこっちでワックMC共を退治する大事な仕事が残ってんだよ。」 それでもKREVAは納得が出来なかった。なぜまたあの地獄のような戦場に戻らなければいけないのか。 生きて戻るならまだしもZEEBRAの言葉から察するにそれもなさそうだ。 「ZEEBRA…お願いだ、俺もそっちに連れてってくれよ!」KREVAが叫ぶ。 「お前にはまだ日本のヒップホップに対する『貢献度』ってもんが足りねーかんな。 それができればこっちに連れてってやんぜ。」 そう言い残しZEEBRAは夕焼けの空へと消えていった。 「…なんだよ貢献度ってよー。おめーはジーコか。」 そう言ったKREVAだったが不思議と力が沸いてきていた。 どういう状況であれZEEBRAにもう1度会えたことが何よりも嬉しかった。 「しかたねー。魂だろうが幽霊だろうがもういっちょやったろうじゃん。」 KREVAの2nd seasonが始まった。
704 :
688 :2006/08/01(火) 03:43:42 ID:cVl7TOUb
↑こんな感じで書いてみました。 批判は全て受け付けます。 なんでもいいんでどうかレス下さい。 (スルーが一番怖い・・・)
705 :
見届け忍A :2006/08/01(火) 04:04:47 ID:ZKQ7w2rI
お疲れ様です688^^。 私なりの意見ですが、続けてもらって結構ですヨ。 内容的に良い、悪いは書き終えた時に付くレス 完結に近づけて頂けるなら一読者として大歓迎です。 ガンガレ!!
706 :
688 :2006/08/01(火) 04:06:50 ID:cVl7TOUb
予めしておく言い訳 KREVAを霊として蘇らせるのには賛否両論あると思います。 (否だけだったらへこみます。) 僕自身、霊とか出したらリアリティが薄くなるかなとも思いましたが ここはエゴを通させてもらいました。 その理由は、漫画で確か三村(死後)が秋也に「お前には哀愁ってもんが足りない」みたいな事 を言ってた気がしたのでそれを使いたかった。 あとは(こっちがメインなのだが)数年前に読んだ「グラスホッパー」という小説に影響されて (パクって)どうしてもKREVAを幽霊として使いたかった。(KREVA=蝉みたいな感じで) それ以前に文章能力が無いと言われれば・・・このレス痛過ぎるな・・・
707 :
688 :2006/08/01(火) 04:09:06 ID:cVl7TOUb
>>705 どうもです。
がんばって完結させたいと思うので、今後ともよろしくお願いします。
708 :
見届け忍A :2006/08/01(火) 04:09:51 ID:ZKQ7w2rI
688 今の時点で良い悪いは判断できないんジャマイカ? 続けてくれ!
709 :
訴える名無しさん。 :2006/08/01(火) 04:12:21 ID:cVl7TOUb
>>708 確かにそうですね。
明日か明後日頃までには続き(本編)を書きたいと思います。
710 :
見届け忍A :2006/08/01(火) 04:22:14 ID:ZKQ7w2rI
応援してます 高円寺で待つ蝉時雨 当面の流れにリプレイ おす!688 ろくなもん無い中早速書き出した君8割り増し の話描いてくれぃ と願う徒然 くれぐれも諦めることはしねぇで欲しい じゃ この辺でおちw
711 :
688 :2006/08/01(火) 04:29:25 ID:cVl7TOUb
712 :
名無し :2006/08/01(火) 04:56:24 ID:qmjdj4ew
KREBAは〜い。アバズレチャン・・・・
713 :
688 :2006/08/01(火) 05:12:58 ID:cVl7TOUb
>>712 僕もKREVAと般若のバトルを書きたかった(>_<)
でも般若があんなへたれキャラじゃ・・・
714 :
688 :2006/08/01(火) 05:38:36 ID:cVl7TOUb
続き書くにあたり再度質問です。
>>248 でNIPPSがあるもの(「それ」)を手にしたじゃないですか。
それってなんなんでしょうか?
察するに狙撃に使う何かだとは思うんですが(スコープとか)。
RUMIを狙撃してるシーンがあるので、俺もそうおもいます。音が聞こえないとか書いてあった気がするのでサイレンサーも? ってか、書いてくれてありがとう。面白いか否かはまだ書きかねます。 幽霊は正直、面白くなりそうなので全然ありです。生身として蘇ったら「ふざけんな!」って感じだったけど。 他の奴でなくクレバなのもZEEBRAとの絡みで理由付けが出来た気がするし。さらなる理由があるのにも期待しちゃってるけど笑。
ってか、379に関しては、もう全く責めないから、ラストだけ次の人に送ってくれ。 頼む。
面白くなるかつまらなくなるかは今後の展開次第ですね。 期待sage
一気に活性化してきましたね、やっぱみんなチェックしてたんだ〜 がんばって!!応援してます!!
720 :
688 :2006/08/01(火) 16:20:52 ID:cVl7TOUb
皆さんに応援してもらえて僕もがんばって書いたかいがありました。
>>715 なるほど。じゃそういう方向で書き進めます。
>>716-719 どうもです。
僕も以前のような悲しい思いはもうしたく(させたく)ありません。
379さん、覗いていたらレスお願いします。
721 :
688 :2006/08/01(火) 22:22:23 ID:cVl7TOUb
今執筆中です。 できた分だけでも今日中(深夜のうち)にうpしようと思います。
がんがれ
723 :
688 :2006/08/02(水) 00:14:51 ID:PiSCRLLJ
そんじゃうpしていきます。 今回は(今回も?)あまりデキはよろしくないかも(・_・;)
724 :
デパート本館1F 〜激闘の序章〜 :2006/08/02(水) 00:18:59 ID:PiSCRLLJ
RUMIを撃った後、Mummy-Dはしばらく呆然としていた。 頭にあるのはもちろんKOHEIのことだ。 「広平…俺、やったぞ…」 呼吸を整え、Mummy-Dはそう呟いた。 KOHEIと別れてからは常に頭の片隅にはRUMIが在った。 あの悪魔のような貌(かお)。KOHEIをモルモット同様になぶり殺した魔女。 「許せねぇ」思い返すたびに唇を噛んだ。RUMIを殺るまでは死ぬわけにはいかない。 この「復讐心」がMummy-Dをここまで強くしたのだった。 そして今、終(つい)に憎きRUMIをこの手で殺った。KOHEIの敵を討った。 するとどうしたことだろう。風船に針を刺したように、今まで隠してきたメモリーが一気に飛び出した。 火の海と化した戦場。死を覚悟したKOHEIのあの表情、最後の言葉「生き延びろ」。 Mummy-Dの両目から大粒の涙がこぼれた。 1粒、そしてまた1粒、コンクリートの床に追憶の雫が群れを成す。 「くそっ…このゲームの狙いは俺を涙もろくすることかよっ…」 汚れた手で目を擦り、潰れそうになる精神を冗談で立て直した。 軽く深呼吸し体中に生気を集め、Mummy-Dは「プログラム」を終わらせるため再び銃を握り締めた。 RUMIの左耳を消した男、NIPPSが徐々に自分たちに近づいてきていることなどこの時Mummy-Dの頭には入る余地も無かった。
725 :
デパート本館1F 〜死神再び!〜 :2006/08/02(水) 00:30:49 ID:PiSCRLLJ
「うっっ…」 背後でうめき声が聞こえMummy-Dは我に返る。 「K DUBっ…大丈夫か!」 Mummy-Dが素早く傷口を確認する。左腿を撃ち抜かれたK DUBだったが奇跡的にも急所は外れていた。 「うん、このぐらいならこの場の応急処置で何とか大丈夫だろう。K DUB、あと少しだ頑張れよ」 必要以上に明るくそう言ってMummy-Dは、K DUB SHINEの上体を起こし肩を貸した。 「すまねぇ、D…」K DUBは申し訳ないように左手で傷口を押さえ、体をMummy-Dに預けた。 幸いにも応急処置に必要なものはRUMIが集めておいたためレジ裏に転がっていた。 レジ裏へと歩み寄る二人。1歩、2歩…、そして3歩目の右足が地面についたその瞬間。 電流にも似た物凄い殺気がMummy-Dの全身を駆け抜けた。そうそれは数分前にも感じたそれと同じものだった。 「ECDぃぃぃィィ!!!!!」そう叫ぶのと同時にMummy-DはK DUBを突き飛ばす。 「ダダダダ!!」銃弾を浴び吹き飛ぶMummy-D。 「ぐっ…!」K DUB SHINEはレジ裏に背を打ちながらも、痛みを堪え身を隠す。そしてすぐさまMummy-Dに向かって叫ぶ。 「Dぃぃー!!大丈夫か!!」 「く、くそ…大丈夫なわきゃねーよ…」婦人服売り場まで吹き飛ばされたMummy-Dは上半身を摩りながら身を起こした。 受けた銃弾はボディーに2発、右腕、左すねにそれぞれ1発。防弾チョッキのおかげもあって何とか致命傷は避けられた。 「ほっ‥」K DUB SHINEは胸を撫で下ろし瞬時にECDに眼光を向ける。 「な…なんだ」ECDのおぞましい容姿にMummy-Dも同様に言葉をなくす。 「ぐ…グハハハハ…ハハ…」どこに隠しておいたのか、まるで飢えた狼のようにECDは右手に小型のライフルを連射している。 眼光を開き、舌を出し、その眼からは夥しい(おびただしい)量の流血が不気味に光る。足元も覚束ない。 Mummy-Dが身を隠す婦人服売り場が次々と切り裂かれていく。ライフルの焦点さえも合っていないのだ。 それだけMummy-Dのスタンガンは確かに効いていたのだ。常人ならそのまま死んでも何らおかしくはない。 しかしECDは死ななかった。今ECDを突き動かすもの、それは「Mummy-Dを殺る」ただその一点だけだった。 「あいつとうとうマジでイカれやがったな。」
726 :
デパート本館1F 〜死神再び!〜 :2006/08/02(水) 00:31:29 ID:PiSCRLLJ
自分の前を銃弾が流れていくのを横目にMummy-Dはそう呟いた。 そして自分の右手を確認する。あるはずのグロックがそこにはなかった。 ECDの銃弾を浴びた時不覚にも手放してしまっていた。 「くそっ…!」Mummy-Dはやや自虐的に言葉を吐き捨て、グロッソを探した。 こうしている間にも正気を失ったECDが1歩1歩近づいてくる。 「ダダダダダ!!」ライフルの音だけが嫌にも鼓膜を走り抜ける。
727 :
デパート本館1F 〜Kの奇策〜 :2006/08/02(水) 00:32:21 ID:PiSCRLLJ
3人の距離がちょうど等しくなった時だろうか。Mummy-Dは自分の位置と水平の位置にあるレジ裏でしきりに自分を呼ぶ K DUB SHINEの声に気づく。夥しい銃声の音で何を言っているのか巧く聞き取れない。 ただその手にはMummy-Dが求めていたモノがしっかりと握られていた。 「ダブッ!!」Mummy-Dが銃をよこすようジェスチャーを送る。 それを見てK DUB SHINEは「こくっ」と1度頭を上下させた。しかし銃をすぐに手放す気にはなれなかった。 「もし投げた銃に流れ弾が当たってしまったら?この銃を失ったら、二人には死しか残されない。 もっと確実な方法はないのか」くたびれた脳をフル回転してK DUB SHINEは策を練る。 死神の足音が聞こえる。やはりECDの狙いはMummy-Dにあった。 「このままではDがやられてしまう。俺が何とかしなくちゃ!」そう思ったK DUB SHINEであったが、 自身は左腿の負傷のせいで踏ん張りが利かないため、ECDをし止めるだけの自信がなかった。 床に銃弾がめり込む「グィン!ギゥン!」という音が二人を追い込んでいく。 「くそ…時間がない…後はDに任せるぜ」 K DUB SHINEは覚悟を決め、死臭が舞う通路に身を出した。 自分が囮になるために・・・
728 :
デパート本館1F 〜激闘の終焉〜 :2006/08/02(水) 00:33:25 ID:PiSCRLLJ
「な、なにやってんだ!?」Mummy-Dは自分の目を疑った。ECDと自分の間を横切ろようにK DUB SHINEがすごい勢いで駆けてくる。 「Dぃぃぃー!!受け取れ!!」痛む左足には目もくれずに叫び、K DUB SHINEは走りながら銃をMummy-Dにトスした。 そう、それはまるでライブハウスでMICをトスするかの様に・・・ もちろん、ECDはこの隙を見逃すような男ではなく、数々の銃弾がK DUB SHINEを襲う。 銃をトスしたK DUB SHINEはそのまま婦人服の群れにダイブ、これも又ライブではお馴染みのパフォーマンスだった。 Mummy-D同様、K DUB SHINEの奇行に不意を衝かれたECDは本能のままにK DUB SHINEに標的を合わせていた。 ずばりそれはK DUB SHINEが描いたシチュエーション通りであった。 「Mummy-Dに銃を渡し、且つ彼が十分にECDを狙える時間を稼ぐ」K DUB SHINEがあの状況で考え出したプラン、 それが見事に成功したのだった。 「まったくよう…どいつもこいつも芝居くせーなぁ…」 Mummy-Dは少し嬉しそうにECDに銃口を向けた。 「ざ…ざ…がま…ぁ…ぁぁああ!!」ECDもMummy-Dの言葉に反応しすぐさま銃口を向ける。 しかしもう遅かった。 「俺の名はMummy-D。Mr. DrunkことMummy-Dだ。」 凛とした瞳でMummy-Dは引き金を引いた。 ドンゥゥゥ…! 1発の銃弾がECDの脳天を貫いた。膝から崩れ、ECDはそのままうつ伏せに床に倒れた。 「ふぅー、こいつはとんだREDZONEだぜ…」 息を1つ吐き、Mummy-Dは銃を降ろした。
おお、良いじゃないか 続きもかなり期待出来そうだ
730 :
訴える名無しさん。 :2006/08/02(水) 01:00:46 ID:PiSCRLLJ
>>729 そう言って貰えると励みになります( ..)φメモメモ
最後の「ふぅー、こいつはとんだREDZONEだぜ…」 でちょっと笑っちゃったけどガンバレ
732 :
688 :2006/08/02(水) 01:50:12 ID:???
731 まじ・・?((+_+))? 僕的には完全に落としにいったセリフだったのに・・・
俺もそこはちょっと…まぁようはあからさま過ぎたんだよ。 キザなセリフは、実際に本人が言いそうなレベルを超えると滑稽になってしまうよ。 書いてもないのに偉そうにごめんね。
734 :
688 :2006/08/02(水) 02:27:20 ID:???
733 やはりそこですか( ..)φメモメモ 書いている間はとても気分が高揚してしまってこういうセリフが 平気な顔して降ってきます。許してください。 何度も推敲してはいるんですが・・・。 >「まったくよう…どいつもこいつも芝居くせーなぁ…」 このセリフに掛けてのREDZONE発言だったのでイケるbと思った 自分って・・・お恥ずかしい・・・
735 :
訴える名無しさん。 :2006/08/02(水) 03:54:07 ID:gP8gbvts
うたまるは?
736 :
688 :2006/08/02(水) 03:57:08 ID:???
735 ネタばれになるのであまり言いたくはありませんが この後出てきます。
737 :
訴える名無しさん。 :2006/08/02(水) 04:06:07 ID:gP8gbvts
とりあえずまだ生きてるやつだけ688的に教えといて!BOSSとかすごいあいまいだからさぁ!
738 :
688 :2006/08/02(水) 04:12:44 ID:???
737 分かりました。とりあえずもう1度BOSS中心に読み返して 生存者リスト作ります。てか最初にこれやるべきでした。
739 :
688 :2006/08/02(水) 05:05:57 ID:???
>>198 を読んでみると、どうやら永眠したみたいですね。
ただ直接的な表現ではないので書こうと思えば行きてる設定でも
書けると思います。(ホントに曖昧だなぁ)
結論として、198の前にもMummy-Dと闘って(負けて)
「BOSS死んだ?」と思わせるシーンがあったので(それが198では生きてたわけで)
またBOSSが目を覚ますと繰り返しになってしまうので彼には永眠してもらいます。
m(__)m
740 :
生存者リスト :2006/08/02(水) 05:46:19 ID:PiSCRLLJ
【主催者側】 いとうせいこう pro.この「プログラム」の全権を握る指揮官。 ECD曰く、現存するラッパーの秀でている能力を全て兼ね備えている男。 【参加者側】 K DUB SHINE pro.形式的には本編の主人公。 Mummy-D,宇多丸と共にECDを倒すことに成功したが、今のところ安否不明。 Mummy-D pro.参加当初は「プログラム」一の殺し屋だったが、今では穏健派に属する。 いとうせいこうの首を狙いK DUB SHINE,宇多丸と行動を共にする。 宇多丸 pro.片足をやられた為、歩行能力には支障をきたすも司令塔として活躍。 K DUB SHINEと同様、今のところ安否不明。 NIPPS pro.単独で行動する過激派。 銃を豊富に持ち、狙撃の際に使用するアイテムも取得する。 【その他】 KREVA pro.魂(幽霊)。 対NIPPS戦で命を落とすも、霊体として再び戦場に舞い戻る。
742 :
688 :2006/08/03(木) 07:10:14 ID:E6tISC/S
なんだか過疎が進行しているのでチラ裏レスを投下(だけどage)。
>>725 真ん中ちょい下
>まるで飢えた狼のようにECDは右手に小型のライフルを連射している。
日本語的におかしいので以下に訂正。
ECDは右手に小型のライフルを持ち、まるで飢えた狼のような形相で乱射している。
最後ケーダブだけ生き残るって落ちだろ
IDがバラバラ。
747 :
訴える名無しさん。 :2006/08/07(月) 00:45:28 ID:Y94JXquu
マダー?
748 :
688 :2006/08/07(月) 20:33:31 ID:???
近じかうpします(>_<) もう少し待ってて
749 :
デパート本館1F〜一時の静寂〜 :2006/08/08(火) 03:24:02 ID:REMClxDS
宿敵ECDを倒したMummy-Dだったが今回は感傷に浸らずにすぐさまK DUB SHINEの元に駆け寄った。 「DUB、大丈夫か!?」婦人服の群れに走っていきMummy-DはK DUB SHINEに声をかけた。 「へっ…大丈夫なわけねーよ、ってか」K DUB SHINEはそうぼやいてペロッと舌を出した。 「見事なダイブだったぜ」Mummy-Dはホッとした顔でK DUB SHINEの腕を引っ張って起き上がらせた。 「客がしっかり受け止めてくれたからな」ポンポンとマネキンの頭を叩いて嬉しそうにK DUB SHINEが言った。 多くの銃弾を浴びたK DUB SHINEだったが、ECDは焦点を定めることができていなかった為 奇跡的にもダメージは僅かで済んだ。RUMIから受けた左腿もそうだったが、どうやらK DUB SHINEと銃弾の相性は悪いらしい。 (もっとも、当の本人からしてみれば最高の相性に違いないが) K DUB SHINEもまた、Mummy-Dと再会できた事で安堵の表情を浮かべた。 Mummy-Dが生きていた事、それは即ちECDの死を意味していたからだ。 「そういやSHIROはどうした?何か連絡なかったか?」 ECDとの激戦が始まってからは宇多丸との交信は途絶えていた為、K DUB SHINEがMummy-Dに尋ねた。 (無論、K DUB SHINEにはトランシーバー、イヤホンどちらも渡されていなかったため 宇多丸と交信する術は持っていなかったわけだが) 「んだな、早く呼んでやんねーと。今頃一人で寂しがってんだろ。」 Mummy-Dは笑みをこぼしながら懐から宇多丸から手渡されたトランシーバーに声を送った。 「宇多丸、聞こえっか?俺だ。ECDを殺ったぞ。DUBも無事だ。降りてこいよ。…おーい宇多丸、聞こえたら応答しろ。」 Mummy-Dは何度も宇多丸を呼んだが彼からの応答はない。 二人の間の空気が徐々に曇りだす。先程までの笑顔は二人からはもう消えていた。 「おい…」K DUB SHINEが心配そうな顔でMummy-Dの顔を覗き込む。 「…駄目だ…」Mummy-Dは頭を下げてぼそりと呟いた。 「おい!何言って…」K DUB SHINEはさっきとはうって変わって声を荒げMummy-Dの肩を掴んだ。
750 :
デパート本館1F〜一時の静寂〜 :2006/08/08(火) 03:24:56 ID:REMClxDS
「だってこいつらイカレちゃってるもん。」 あっけらかんとした表情でMummy-DはK DUB SHINEに笑顔を見せる。 そして、ぽかんとしているK DUB SHINEに壊れたトランシーバーとイヤホンを差し出した。 どうやらこの二つもまた激闘の被害者だったようだ。 「なんだよ、それのせいかよ。」 表面が派手に割れたトランシーバー、バネが飛び出たイヤホンを見てK DUB SHINEは恨めしそうに言った。 「だいたいSHIROがやられるはずねーだろ。敵はみんな俺らが殺ったんだし。」 まるで自分にも言い聞かせるようにMummy-Dはやや強い口調で言った。 「…あと一人、残ってるけどな…」K DUB SHINEもまた、自分に言い聞かすように呟いた。 「あと一人…NIPPSか…やつも相当手強いヤツに違いないからな。俺らと手を組むとは考えらんねーし。」 Mummy-Dは眉間にしわを寄せながら左の掌を見つめた。生々しい青あざと乾燥した血が余計に疲労感を感じさせる。 今はNIPPSと殺り合いたくない、それがMummy-Dの本音であった。RUMIそしてECDと、同時に2人との死闘を繰り広げた Mummy-Dの体力は明らかに消耗していた。もちろんそれはK DUB SHINEも同様であったが、くぐってきた死線の数、 すなわち心身に受けたダメージにはK DUB SHINEとMummy-D間には雲泥の差があった。 K DUB SHINEもそれは重々分かっている。だからこそ痛むはずの左足のことは言わなかった。 そして沈黙を割くようにMummy-Dに話を振る。 「Dはコレが始まってからNIPPS見たか?」 「ん?、NIPPS?いやあいつとは直接は会ってはねーよ。ただヤツにやられたと思われる死体を見た感じじゃ 相当凶暴なヤツに違いねーけどな。それよりDUB、お前足やべーだろ。さっさと治療して宇多丸呼んでこよーぜ。」 NIPPSの話を避けるようにしてMummy-DはK DUB SHINEの左足を指差した。 「ああこれ、実はね…結構痛い(笑)」K DUB SHINEはとぼけた顔で左足を摩(さす)った。 「早く言えよ、ったくおめーはよぉ。」K DUB SHINEの間の抜けた笑みに気が緩んだのか、Mummy-Dも釣られて笑った。 数分前までの戦場に、ようやく二人の笑い声が響いた。 この一時の静寂が、まさしく嵐の前の静けさであったことなど、この時二人は思いもしなかった。 しかし、最凶の死神は確実に彼らの元に近づいていたのである・・・
751 :
688 :2006/08/08(火) 03:31:27 ID:???
ちょっと中途半端だけどここまででうpしちゃいました。 心理描写、背景描写が少ないのは僕もたいした学もない素人なんで勘弁してください。 続きは今書いてるので、近日中にはうpしたいです。
おつ! ケーダブはケーダブらしい雰囲気出てる いい感じ まぁこんな状況だからむしろ自然なのかもしれないけどNIPPSのことはDも宇多丸もデミさんて呼んでる タブはわかんないけどおそらく同じ
753 :
688 :2006/08/08(火) 04:38:20 ID:???
>>752 こちらこそ乙(T_T)
もうだれも見てないんじゃまいかと思ってたよ・・・
そして新情報もdです。
今から変えたら不自然かもしれないけど、できたら使っていきたいです。
754 :
最上階警備室前〜来襲〜 :2006/08/08(火) 06:30:54 ID:REMClxDS
殺伐とした警備室内にトランシーバー越しの声が走る。 「…宇多丸…聞こえっか?…俺だ…ECDを殺ったぞ… …DUBも無事だ…降りてこいよ… …おーい宇多丸…聞こえたら応答しろ…」 窓ガラスが割れているせいで、風になびいたカーテンがさざ波のように男を覆っては離し、また覆っては離し を繰り返している。床には大量の血痕と共に、銃弾がいくつも転がっている。 男はトランシーバーからの応答を無視するかのように、ぐったりと机にうつ伏せに寄りかかっている。 首筋からは鮮血が迸(ほとばし)っているのが見て取れる。 卓上には何が書いてあるのだろうか、血が染まってしまっている為 読み取ることはできないが、何かが書かれたメモが数枚在った。 しかし室内に強い風が吹き込むと、そのメモも空しく宙を舞い深紅の水溜りへと落ちていった・・・ まるでこの男の未来を暗示しているかのように・・・ この男の正体とは、他でもない宇多丸であった。K DUB SHINE、Mummy-DがRUMI、ECDと戦っている最中 宇多丸もまた敵と戦っていた。いや、正確には見えない敵から襲撃を受けていた。と表現した方が正しいだろうか。 つまり、宇多丸自身は自分を攻撃してきた者を見てはいない。否、見ることができなかった。 銃弾だけが突然にして窓を割って部屋に侵入してきたのだ。運が悪かった。そう言ってしまえばそれまでだろう。 神はK DUB SHINEには味方をしてくれても、残念ながら宇多丸にはそれを許さなかった。 神に愛されるか…それとも悪魔に愛されるか… この『プログラム』で生き残るにはこの2つの方法しか存在しない。 そしてもう一人、宇多丸を襲撃した張本人である、悪魔に愛された最凶の男が自分の出番を待ち静かに牙を磨いでいた・・・ まるで獲物を狙うハイエナのように・・・その両の眼の奥には殺意に満ちた紫の焔がただゆらゆらと揺れていた。
755 :
訴える名無しさん。 :2006/08/08(火) 08:13:49 ID:UrBlRkst
うたまる師匠…………(´;ω;`)
(´;ω;`)師匠…… 乙です
誰も書いてないけど
>>749 の
>「…駄目だ…」Mummy-Dは頭を下げてぼそりと呟いた。
>「おい!何言って…」K DUB SHINEはさっきとはうって変わって声を荒げMummy-Dの肩を掴んだ。
ここから
>>750 への流れは巧いと思った。
688さん、みんな期待して見てるからがんばって!
まぁあんまり気負いすぎて作者みたいにならんように、ほどほどにね。
758 :
688 :2006/08/08(火) 20:38:10 ID:???
>>755-757 皆さんも乙です!
ちょっと夏バテで創作意欲が下がってましたが
なんか急に上がりました( ..)φメモメモ
>>757 (;_:)どうもです。
文章の稚拙さはなんとか構成でカバーできるようがんばります。
久しぶりにココ来たら続きやってんじゃん!グロい表現がもっとあっていいようなwW がんがれ。
760 :
688 :2006/08/08(火) 22:37:31 ID:???
グロですか…確かに全然書いてないなぁ でも難しいんだよなぁいろんな意味で。 できるかぎりトライしてみます。
761 :
訴える名無しさん。 :2006/08/08(火) 23:05:58 ID:1s+DRP36
762 :
688 :2006/08/08(火) 23:51:40 ID:???
>>761 だいぶ更新が滞ってるからねぇ
あれだったら僕がまた作り直しましょうか?
前任者の功績を無視するようで悪い気もするけど
需要があれば考えます。
763 :
他人 :2006/08/09(水) 00:35:35 ID:???
762さん、新しく創って欲しいです。個人的にですけど・・・。
764 :
688 :2006/08/09(水) 01:00:58 ID:???
>>762 かつての勢いを少しでも取り戻すためにも作ってみようかな。
できるだけ早くうpするのでこまめにチャックしてくださいねm(__)m
765 :
688 :2006/08/09(水) 01:01:45 ID:???
766 :
688 :2006/08/09(水) 05:59:05 ID:???
只今不眠不休で新しいまとめサイト製作中です。 その為本編の方の更新は少し間が空いちゃうかもしれませんが ご了承くださいm(__)m どちらもできるだけ早く仕上げるので見捨てないでね・・・
宇多丸狙撃されたのに部屋に何発も銃弾が残るってのはおかしくないか?弾を外したか、ライフル連発して貫通したかだよな。まぁNIPPSは実際のとこビビりなんだよ
767みたいに、おかしいトコを指摘して、まとめサイトで、第二の作者さんに訂正とかしてもらいたい。表現方法でより的確なモノとか皆で出し合って、と意見してみる。
769 :
688 :2006/08/09(水) 09:41:43 ID:???
言われてみればおかしいかも。
何発も打ったんじゃ狙撃になんないね。
僕的にはカーテン越しの相手を1発でし止めるのもおかしいだろ
と思ってそのような表現にしたんだけど・・・
この後この時の状況についてもう少し書くつもりなんで
そん時うまくごまかします(・_・;)
それとみなさんまとめサイトが表面だけだけど出来上がりました。
およそ8時間かけて表面だけなんですがpcと格闘してなんとか形だけでもできました。
ちょっと見てやってください。
随時更新してできるだけ早く完成させます!
(何かアドバイスでも頂けると幸いです)
http://www.geocities.jp/hiphopbr2nd/index.html
770 :
688 :2006/08/09(水) 09:45:10 ID:???
>>768 わかりました!
そんな方向でやってみます(-_-)zzz
771 :
688 :2006/08/09(水) 09:52:23 ID:UgQKxLsL
新まとめサイト立ち上げ記念age
新まとめサイト、いいねぇ:.;'(n'∀')η.:';*★
773 :
688 :2006/08/09(水) 10:28:51 ID:???
おお〜どうもです(;_:) 今しがた登場人物も更新しました。
まとめサイト、デザインとか良いけど 登場人物がいきなりネタバレってるのがちょっと…。
775 :
688 :2006/08/09(水) 10:34:16 ID:???
ありゃありゃこりゃ失礼しました。 僕もどうかと思ったんですが勢いで載せちゃいました。 至急移動させます。
767だけど見直したら、床に数発の銃弾が残ってるのは狙撃とは考えづらい。一瞬NIPPSじゃなく部屋に入ってきた第三者が師匠殺したのかと思った。偉そうにスマン
俺も番外編に参加しようかな??
一時はどうなることかと思ったけど
>>688 さんのおかげでこのスレ立ち直ったな
778 :
688 :2006/08/09(水) 12:59:37 ID:???
688はなんていいヤツなんだ!スレ主は見てないのか?
780 :
688 :2006/08/09(水) 15:36:10 ID:???
喜んでいただけたら幸いです。 スレ主は見てないんじゃないのかなぁ。 見に来てほしいでつ(>_<)
781 :
訴える名無しさん。 :2006/08/09(水) 15:46:24 ID:BQ+I6oZa
688はもはや伝説の域だよ!
782 :
688 :2006/08/09(水) 15:59:44 ID:???
いやいやそんな・・・(;_:) 僕なんてスレ主さんの2番煎じみたいなもんですよ。 そもそもこのような良スレがあったからできた訳だし。 まとめサイトが思いのほか早くできたのも(まだまだ未完ですが・・・) すごく分かりやすいサイトがあったおかげなので。 (でも、わたくし只今ものすごく感激しております)
784 :
688 :2006/08/10(木) 04:35:09 ID:???
もう
>>688 を誉めるのはよそう
いちいちレスしなけりゃならなくなってる
誉めるならまとめサイトで
786 :
訴える名無しさん。 :2006/08/10(木) 12:20:21 ID:VI8vLGtP
やけにまとめサイトのミスが多い!拓郎とかようすいとか松本に中井とかKREVAのとこ重複してるし!
787 :
688 :2006/08/10(木) 15:38:22 ID:???
とりあえず・・・1日目までまとめ終わりました(p。−)ゴシゴシ
ところで688はいくつなんだい?
コントラクトはサイレントアサシンの続編ですか?
↑すまない、板違いw
791 :
688 :2006/08/10(木) 22:40:42 ID:???
>>788 今は20ですがもうちょっとで21に・・・
ヒント:清原
792 :
688 :2006/08/11(金) 00:06:44 ID:???
>>786 のいってる通り、まとめサイトの本編で誤字(元ネタと思われる邦楽のメンツ)
が多発しております。できるだけ修正していっているつもりですが貼り付けの時は
ザッピング程度で済ましてしまっているので・・・
KREVAの重複は見苦しいのですぐ直します。
名前の方は手が空き次第治療していきます。
ちょっと僕も舞い上がってしまい『まとめサイト』の意味を取り違えていました。
とりあえず一刻も早く『本編』、『登場人物』を完成させ、続き書きますので
皆さん飽きてしまわないようお願いします。今読み返してみてもかなり面白いです!
Kjがいないお
とっくに死んだお
まとめの紹介でぬけてるお
796 :
688 :2006/08/11(金) 13:43:08 ID:???
降谷建志(Kj)に治療しました。 これでいいのかな?
797 :
688 :2006/08/11(金) 13:48:43 ID:???
↑っと違いましたっ! 『クレジット』の方ですね、すぐ治療します!
パーサーとハンターいないお
最初からいねぇよw
800 :
キリ番マン :2006/08/11(金) 17:27:41 ID:???
そっか!パーサーとハンターはプログラム開始以前に死んでたか。 ミネシンもいないお
802 :
688 :2006/08/12(土) 04:52:43 ID:???
本編のまとめが結構進んできたんで週末中には終わらせます。 んで週明けからうp再開させるんでもう暫くお待ちください m(__)m 以前番外編書いてみようかな、と申された方。 このスレはうpを与え続けないと枯れてしまいますのでよろしければ参戦 くださいまし。
803 :
番外編feat.RUMI :2006/08/12(土) 07:25:39 ID:yBXQ3yGK
『あっ…あたし…死んじゃったぁ…』 RUMIに与えられた時間は銃弾が体内に侵入し脳に達するまでのコンマ数秒間。 己の人生を回顧するにはいくらなんでも少なすぎる時間だ。 しかし、RUMIにはそれで十分だった。 何も思うことはない、過去を悔いることも…未来を恐れることも… 『つまらない人生』 その一言で説明がつく。 17歳の時には既にヒップホップ・アーティストとして活動をはじめ、様々なクルーとユニットを結成するも全て解散。 元来、一匹狼気質のRUMIには他人と協調する能力が欠けていた為だった。 それでもHIPHOPに対する情熱は本物、ソロ活動に踏まえて自身のレーベルも設立。 アルバムもリリースしそれなりの反響もあった。 「好きなことをして金を稼ぐ」この時がRUMIの人生で一番輝いていた時だったのかもしれない。 派手さはないがこのぐらいが丁度いい。このまま楽しくやっていければいい。そう思っていた。 しかし「現実」はそれを許可しない。RUMIはこれを機に向こう数年間リリースはおろか単独ではライブさえも できない状況にまで落ち込んでしまう。理由はただ一つ「売れない」からだ。 どんなに頑張って満足のいく楽曲を作ろうがスズメの涙ほども売れない。 売ろうとすれば売ろうとするほど赤字が膨らんでいく… 「もっとポップ路線でPVも華やかにしたら良いんじゃないのかな?」 そうスタッフに何度も説得されたがRUMIは頑なに首を縦に振ることを拒んだ。 「そんなの…私がしたいことじゃない…そんなのHIPHOPなんかじゃない!!」 どんなに貧しくてもRUMIは己の信念だけは曲げられなかった。HIPHOPを心から愛していた… そんなRUMIはある日、「見てはいけないモノ」を見てしまう。 バイトも終わり家で何とはなしに観ていたテレビ番組にRUMIは我が目を疑う。
804 :
番外編feat.RUMI :2006/08/12(土) 07:27:05 ID:yBXQ3yGK
「なに…あれ…」 そこには幾人ものダンサーを従えR&B調の楽曲を歌う安室奈美恵の姿があった。 「なにしてくれてんの…あのアマ…」 RUMIには我慢がならなかった。HIPHOPをポップにアレンジしたそのスタイルはRUMIが最も嫌うものだったからだ。 「許せない…」 RUMIの憎悪は日増しに強くなっていった。それはもしかしたら嫉妬にも似たものだったのかもしれない。 安室はRUMIにはないモノをたくさん持っていた。異性を惹きつける美貌、同姓を惹きつける逞しさ、 そして聴衆を虜にさせる国民的スター性。かつてのRUMIの夢が安室には全て詰まっていた… 「…まぁあんなの速攻disされて終わりでしょ。大御所たちが黙ってるはずないし。」 あんまり考え込むと仕事にも悪影響を及ぼすのでRUMIはこれ以上安室のことを考えるのを止めた。 「HIPHOPはあんたを決して歓迎しない…降谷の二の舞にでもなればいいのよ。」 RUMIはそう確信していた… 『人生はそう甘くない』それは身をもって知っていたからだ。 それなのに…
805 :
番外編feat.RUMI :2006/08/12(土) 07:28:03 ID:yBXQ3yGK
数ヵ月後、そこにはZEEBRA,Mummy-Dと楽しげに踊る安室の姿があった。 RUMIは失望した。 ZEEBRAに、そしてMummy-Dに。 なによりも愛するHIPHOPに失望した。 今までの自分の人生が全否定された…そんな気さえしてしまった。 自分のようにどれだけ努力しても報われない者もいれば、安室のように全てがうまくいく者もいる。 両者を分けるものはいったい何? 運?、実力?、神の気まぐれ? 出口のない迷宮に迷い込んだRUMIにはもう音楽活動を続ける活力は残されていなかった… 『プログラム』に招待されたのはまさにそんなどん底の時期であった。 RUMIは二つ返事でこれを了承した。 RUMIにはもうこれしか道は残されていなかった。 『このままくだらない日常を過ごすことに意味はない。 それよりもこのプログラムで優勝すれば、もしかしたらHIPHOPがまた自分に微笑んでくれるかもしれない』 そんな絶望と希望が混在した奇妙な心理状態が、RUMIを異常な殺人鬼にしてしまったのかもしれない。 頭部に発信機を埋められた際、人格が崩壊してしまったこと RUMIの最初の犠牲者となったのが安室奈美恵だったこと そしてMummy-Dを執拗に煽り、追い続けたこと 果たしてこれはただの偶然に過ぎなかったのか、それともRUMIの潜在意識が作用したことなのか… 今では誰もそのことは解らない。 ただRUMIは最期まで笑っていた… それが全ての答えだったのかもしれない…
806 :
688 :2006/08/12(土) 07:36:52 ID:???
気が向いたんでRUMIで番外編書いてみました。 それより早くまとめサイト完成させろって感じですけど・・・ こーいうのは書いてる本人は楽しいんだけど 読む側はつまらないかも・・・ 僕の自己満スレになっているような気もしないでもないような・・・
807 :
688 :2006/08/12(土) 08:50:09 ID:???
あ…大切なエピソード一個抜けた…(;_:)
いや、なかなか楽しいよ 途中で投げださない限り応援する(`・ω・´)
809 :
688 :2006/08/12(土) 10:26:44 ID:???
ありがとうございます(`・ω・´) 僕自身かなり楽しんで書いているので投げ出すことはないです (もともとこのスレの一ファンなわけだし) 抜けたエピはまとめサイトで補完しようかな。 (も1度ここに貼るとくどくなるだろうから)
乙です。 本編も期待sage
このシリーズ終わったら次のやってよ まだかなり先だが… 565、まさる、DJWATARAI、びぐざむ、櫻井翔、noriaki、SoulJa、AI、COOL TAK、DEFTECH、トラビット、CO-KEY、RYO-Z、RYOJI、BOY-KEN、KAWABATA、CRAZY-A、MAKIDAI、コーンヘッド、倖田來未、SUGAR SOUL、DEV LARGE、UZI、若頭、 長渕剛、名乗るなもない、三善善三、TWIGY、クリスタルボーイ、みひまるhiroko、DJ OZMA、mc.A.T、TAKA、ケムマキ、加藤ミリヤ、キングコング梶原、吉幾三、DJ TATSUTA、90、YAMAKOU、ダパンプKEN、今回優勝者 とかでてないメンツでさ
久々にこのスレ戻ってきたけど、活性化してきた様子で1読者として素直に嬉しい。 688氏、乙です。 RUMI番外編、色々と本編と繋がる所があって楽しく読ませて頂きました! 本編も期待しております。 霊魂(KREVA)が本編にどのように絡んでくるのかが個人的に気になってます。霊だし、手は出せないよねぇ…。
814 :
訴える名無しさん。 :2006/08/12(土) 21:11:31 ID:JjSj/WnG
EQUAL mr.OZ AK DELI RYUZO ANARCHY 02 MCUとか
>>811 TWIGYも出てるお
普通にちゃんとHIPHOPやってるやつと違うやつが入り混じっててむかつく
816 :
688 :2006/08/12(土) 22:10:14 ID:???
>>812 伏線マニアの僕としてもそれなりに巧く伏線回収したかなと(あわわ
まとめサイトにはここでは漏れたも一個のエピ追加して載せるんでそちらも
見てくださいね。
>>811 のメンツは例えばの話しで出したんだと思うけど
それにしてもヒ ド ス ギ ル
青森に左遷された身としては吉幾三の名前だけは見たくなかった(>_<)
817 :
688 :2006/08/13(日) 17:12:10 ID:???
とりあえず本編まとめ完了しました(今書いているひとつ前まで) 登場人物も手抜き感は否めないけど一応終わりました。 明日から本編製作に取り掛かります m(__)m
818 :
名無し :2006/08/14(月) 16:50:46 ID:dII5L3Na
続編はレゲェバトロワとか面白そう。主役はRYO the SKYWALKERで。
819 :
688 :2006/08/14(月) 17:55:04 ID:???
ちょっと思ったんだけど、次回作があるとしたら バトロワは固定なのかな 個人的にはジョジョとかデスノとかジャガーさん辺り見たいんだけども
820 :
訴える名無しさん。 :2006/08/14(月) 18:06:24 ID:wN+Z/Bpg
レゲエいらね!
821 :
訴える名無しさん。 :2006/08/15(火) 00:59:22 ID:jfO29SQz
>>819 固定でw
ジャガーとか作って意味ねぇしw
またコッタが主人公だし
822 :
訴える名無しさん。 :2006/08/15(火) 01:04:33 ID:kKiUMDcR
824 :
688 :2006/08/15(火) 08:22:27 ID:???
825 :
訴える名無しさん。 :2006/08/16(水) 11:04:39 ID:LCJhBU7h
☆
826 :
訴える名無しさん。 :2006/08/17(木) 15:50:20 ID:fI6kCih5
688まだですか?
827 :
688 :2006/08/17(木) 16:38:05 ID:???
すいません!!すぐ書きます( ..)φメモメモ ちょっと最近暑すぎて頭が回らくて・・・ できれば日付変わる前にはうpしたい・・・な・・・
688さん期待してますよ!
829 :
688 :2006/08/17(木) 23:25:19 ID:???
ごめんなさい どうやら今日中は無理っぽでした(;_:) できるだけ・・・できるだけ早く仕上げます m(__)m
688さんへ 暑いですもんね〜無理しないでください 体調を崩されたりしたら余計困りますから、マイペースでがんばってください
831 :
688 :2006/08/18(金) 17:38:48 ID:???
どーもですm(__)m 今日はうちの方は大雨で結構涼しいのでイイ感じです。 今も書いてる途中なのでキリのいいとこでどんどんうpしていきます! (今日のはマジですw) どうでもいい事なんですが本日、 僕の誕生日なんで今日はこのまま力尽きるまで一心不乱に書き続けます!
832 :
訴える名無しさん。 :2006/08/18(金) 18:37:56 ID:D1p500ty
688おめでとうー♪心から祝います!
688さんおめでとうございます いい機会なので今日からトリップでもつけてみてはいかがですか??
834 :
688 :2006/08/18(金) 19:13:51 ID:???
御二方どうもです(;_:)
>>833 僕もちょっと気になってたんだけどトリップってただ名前欄に
#○○っていれるだけでいいの?
↑こんな感じでいいのかな(from688) ここでテストしちゃってごめんなさいm(__)m
俺もよくわからないんですけどそんな感じでいいと思いますよ あとはその前に688と入れておけば
時は少しさかのぼる。 デパートに入って行ったRUMIを追うように、その数分後にはNIPPSもデパートの近くにまで来ていた。 まるで光に吸い寄せられる虫のように、期せずして生存者全員がこのデパートに集まることになった。 今まで歩んできた道のりは違えど、ここにいる誰もが『殺し』を経験している… 本人の意思に関わらず、生き残るためにはさらに他者を殺していかなければならない。 情けも容赦もいらない…必要なのは『生きたい』と思う生命力、唯(ただ)その一つ。 唯その一つだけ・・・
デパート本体からの距離はおよそ10m。館内には多くの兵士の姿が確認できた。 『おそらく今、中でドンパチしてんだろう』幾度の悲鳴、銃声を耳にしたNIPPSはそう判断してさっと木陰に隠れた。 「1番賢いのは、騒ぎが収まったころ行って漁夫の利を貰っちゃうってヤツだろ。」 全てが自分の思い通りに進む…この『プログラム』は自分の為にある。NIPPSはそう信じ疑わなかった。 事実、この男には『プログラム』を勝ち残るに相応しいだけの実力、運…その全てが詰まっている。 NIPPSは笑みを隠すことができずに、ククッと笑いながらデパートの方に目を向けた。 デパートの外にはジープが何台も見える。つまり、中に居るのがRUMIだけである可能性は極めて低い。 もしかしたら残りの生存者全員いるのかもしれない。生存者を正確に把握することはできないがNIPPSには十分その目星を立てることができた。 「これでMummy-Dでも死んでくれたら儲けもんだよなぁ」NIPPSは自分の銃に向かって感慨深そうに呟いた。 この場に来ても相変わらずの余裕を見せるNIPPSであったが、それでも一つ解せないことがあった。 「にしても政府の連中が何でこんなとこにいるんだ?しかもあんな大勢で。 もしかしていとうせいこうも来てんのか?何が目的だ…」NIPPSが冷静に思考を始める。 「…まさかもうこのゲーム終わらせる気なのか?俺たちを皆殺しにすることで… 確かこのゲームの目的は『真のヒップホップ・アーティストの選別』だったはずだよな。 やつら、もう俺達の中にはいねーと判断したのか……畜生、何の為に今まで人殺ししてきたと思ってんだよ…」 NIPPSは唇を噛みながら胸の奥で報復の誓いを立てる。 「くそが…待ってろよ…いとうせいこう。必ず最後の一人になってお前の尻の穴、あと30は増やしてやっからよ。」
「ふぁ〜ぁ…」 いとうせいこうはデスクに両足を預け、本部全体に届くような大きなあくびを一つした。 ECDがMummy-Dを『殺り』に行って以来、話し相手がいないいとうせいこうはかなり退屈していた。 「いっそ俺もついてきゃ良かったよ。」 参加者のデータが書かれている紙をペラペラと捲(めく)りながら、いとうせいこうはそうこぼした。 「・・・・・」一瞬『ある男』のところでいとうせいこうの指が止まる。 しかし、その後すぐに次を捲り一通り目を通すとバサッと無造作に束を机の上に置いた。 血生臭いデパート周辺と比べると、まるで異次元にでもいるかのような錯覚をしてしまう程、大会本部は穏やかであった。 足元の雑草を踏みつけて、NIPPSはもう1度デパートに目をやる。 相変わらず目に入るのは兵士・・・いやそしてもう一人、不運にもNIPPSの目に留まってしまった者がいた。 そう…RUMIだ。NIPPSの表情が不気味な程に緩んだ。 「実践と練習を兼ねて、1発撃ってみっかな。」 そう言ってNIPPSはナップザックから『あるモノ』を取り出して、手際よく銃に取り付けた。 「うーん…かっこいい…」まるで新しい玩具を買ってもらった子供の様に目を輝かせながら言葉を漏らした。 『あるモノ』とはNIPPSがホビーショップで入手した『スコープが付属されたサイレンサー』であった。 銃のカスタムも終わり、NIPPSはRUMIに標準を合わせた。 スゥーと周りの空気が一気に硬直し、一切の物音がその場から取り除かれる。 『これ』を使うのはこれが初めてになるが、さすがはこの男、と言うべきか彼はもう一流のスナイパーへと化していた。 「…OK…」そう呟くとNIPPSは静かに引き金を引いた。 ポスッ…… 見事な軌道を残し、短い銃声が闇に消えていった… 狼の牙が今まさに獲物を捕らえんと… 「いったか?」NIPPSはスコープから目を離しターゲットへ視線を向ける。 RUMIはもがくようにして瞬時にNIPPSの視界から逃げていった。 NIPPS自身、撃った時には手ごたえが感じられたが、どうやらし止めるとまではいかなかったようだ。 「あー!おしい!」NIPPSは額に手を当てて天を仰ぐ。 「いったと思ったのになぁ…」夜空の星にでも話しかけるように、NIPPSは一言漏らした。
840 :
688 ◆SqIZXHfcUw :2006/08/18(金) 20:21:10 ID:l87bCfWO
ちょっとキリが悪いけどうpしちゃいます(・_・;)(記念age このあともちょっと時間が空くけど本日中にうpしてきます!
841 :
デパート周辺の雑木林 :2006/08/18(金) 22:15:03 ID:l87bCfWO
今宵の月夜はとても美しかった。 傍から見ればそれはいつもと何ら変わらない月夜だったろう。 しかし、仲間(同業者)同士の殺し合いという非現実の状況下のせいか、もしくは星屑のように散っていった者たちの魂がそう思わせたのか いずれにせよ、死を隣り合わせにして今を生きている者たちにとって残酷なほどに美しかった。 『プログラム』二日目、時刻は夜の9時を迎えるところ…物語は終焉へ向けて徐々に加速していく…
842 :
デパート周辺の雑木林 :2006/08/18(金) 22:15:51 ID:l87bCfWO
「おやぁ…おやおやおや…」天を仰いでいたNIPPSがある異変に気がついた。 「あれはどういう意味なのかなぁ。」NIPPSが一人芝居を続ける。 視線の先は、そう…宇多丸が待機している警備室だ。 「どうしてあそこだけカーテンが閉め切られているのかなぁ? あれじゃあ、ここに人がいますってみすみす教えてるようなもんじゃねーか。」 確かに、大きな建物の中に一室にだけあるカーテンの閉め切られた部屋は外から見るといささか異様に見えた。 皮肉なことに、外敵から身を守るため(隠すため)に閉めたカーテンが最も避けたかった敵の関心を引いてしまった。 このプログラムが始まって唯一といっていいだろう宇多丸のミステイクをNIPPSは決して逃がさなかった。 その注意深さ、思慮深さは今やどんな銃器よりも彼の信頼に足る武器であった。 「明かりが点いているって事はまだ誰か居るんだな…下でドンパチやってるにも関わらず。」 NIPPSはそう言って素早くスコープを暗視用のものに取り替えた。 黒いカーテン越しに僅かに人影が写る。もちろん、見覚えのある男の影だ。 「ふむ…あの禿具合からして宇多丸だな…」特に躊躇(ちゅうちょ)するでもなく、NIPPSは銃を両手で持って標的に向けた。 距離、角度共ぎりぎり射程圏内。宇多丸の命運はこの男の両腕に懸けられた… 「恐怖心与えねーだけ感謝してくれよな。」NIPPSはそう言って引き金を引いた…一切の邪念を振り払って… NIPPSが放った弾丸は、先程と同じように綺麗な軌道を残し、滑り込むようにして窓を貫通し侵入していった。 窓ガラスは脆くも崩れ落ち、端を切ったように黒いカーテンが外へ飛び出した。 「うしっ…」 ターゲットが机に倒れこむのをスコープ越しに確認したNIPPSは小さなガッツポーズを作った。 「これであとは3人…かな…、RUMIにMummy-Dに…宇多丸がいたってことはあとはK DUBか…」 NIPPSは一人ずつ指で数え、この『プログラム』に終わりが近づいていることを再確認した。 「…そろそろ行くか…」 デパート内が静まったのを確認し、NIPPSは遂にそこへ足を運ぶ決意をする。 「メインディッシュの御出ましだ。」 ファイナルバウトが今、幕を開けた。
そんな…いくらつまんないからってあからさまにスルーしなくても(;_:)
>>843 まあそう悲観的になるな
読んでるだけのやつもいるだろうし
俺はひたすら(・∀・)ワクワク
俺読んでるだけのやつだよ。 楽しませてもらってっから続けてよ。
>>843 あからさまにスルーって何?
ごめんなさい、ちょっとチェック出来てなかったんだ
おもしろいよ、がんばって!!
NIPPSとTWIGYの因縁の伏線が漏れてるから余力があればキボン あとNIPPSがなのるなもないを殺すところも余力があればキボン
みんなちゃんと読んでくれてたんだ(´・ω・`)
ちょっと僕が先走ってしまったようですね(・_・;)
また近日中には書き上げます!
>>847 わかりました。
書けるだけ書いてみます。(てか、なのるなもないって誰…)
頑張ってねぇ:бεб) 応援してるよo(^-^o)(o^-^)o
850 :
訴える名無しさん。 :2006/08/22(火) 04:06:58 ID:4JfQN4S0
>>843 いや、終わりなら終わりと言ってくれなきゃ感想書きづらいぞ汗
え?今回まだ続いてるの?
みたいな
>>850 ああなるほど、そういう訳か
次からはちゃんと区切りごとにうpしていきます
失礼しましたm(__)m
852 :
訴える名無しさん。 :2006/08/22(火) 22:50:38 ID:4JfQN4S0
期待あげ
853 :
訴える名無しさん。 :2006/08/23(水) 09:08:12 ID:D/EjIVQN
688に敬礼
あともしアレならまとめサイトの誤字修正くらいなら手伝おうか?
>>854 そうですね。僕としては例えば、第○話の○行目の○○んとこ
おかしいよ。とでも言ってくれれば大助かりです。
(もしかしてまだ誤字ある…?)
856 :
訴える名無しさん。 :2006/08/23(水) 15:54:36 ID:CUjMD+E9
ていうかまとめサイト最後まで見れない↓途中で文途切れる…
>>856 まじですか
(当たり前の事だけど)自分のパソではちゃんとなってるんで、僕からはなんとも…
しかもこの手の問題に全然詳しい人間じゃないので如何ともしがたい。
ごめんなさい(;_:)できる限りのことはしてみます。
858 :
訴える名無しさん。 :2006/08/23(水) 16:52:15 ID:CUjMD+E9
すいません↓携帯厨なんで
>>858 氏ね 688に負担かけんな邪魔すんな
なのるなもない
→降神の中の人
860 :
訴える名無しさん。 :2006/08/23(水) 17:29:40 ID:CUjMD+E9
ただそうなってますって言っただけだろ?やれ!!とか特に強制してないし、お前がどうこうできる問題じゃないのにいちいちちゃちゃいれんなよ!
>>858 あー携帯か
一応携帯からでも見れるみたいだから携帯版については放置してたんだけど
もっと規模が大きくなったり、サイトリニュする機会があったら作ってみようかな
(まぁまずはこれ完結しないとな…
なのるなもないってちゃんとした、ラッパーの名前だったんだ(・_・;)
てっきり2chの名無しからきてるオリジナルのキャラかと思ってたよ…
>>859 さんどうもです。
862 :
訴える名無しさん。 :2006/08/23(水) 23:08:08 ID:6SrWsI3Y
ケータイ用ミラーサイトは別ファンが作ればいい 執筆&サイト管理やってるだけで尊敬モン
864 :
訴える名無しさん。 :2006/08/26(土) 18:01:08 ID:VTj1w7/X
なんか更新しませんね↓↓688さんどうしました?
>>864 はっ…確かに…ごめんなさい(・_・;)
なんか構成が上手く固まんないんですよ
生存者をどういとうせいこうの所まで連れて行くか…
ケチをつける訳ではないんですが、頭部に爆破装置が埋め込まれている
っていう設定が邪魔でしょうがない。素直に首輪にしてくれたら良かったのに(;_:)
まぁそうは言ってもこれを生かして書くしかないんで今日明日で書いてうpします。
もうちょっと待ってくださいm(__)m
週末にはうpすると言っておきながらしないまま火曜になってしまいました。 書く気はもちろんあるんですが全然言葉が降ってこないんですよ(;_:) ごめんなさい、もうちょっと時間ください。 できる限り迅速に仕上げますから( ..)φメモメモ
がんばってね!!気長に待ってるから 自分がこのゲームに放り込まれたら、個人的にTWIGYには一番会いたくないな・・ みんなは誰に会いたくない?
869 :
訴える名無しさん。 :2006/08/31(木) 14:28:59 ID:W5Ef7WPv
普通にBOSS!
870 :
訴える名無しさん。 :2006/08/31(木) 15:05:23 ID:cClsX22m
うん、BOSSだな 一思いに殺してくれ
缶コーヒーは会いたくな=∃))Οд〇)
僕もBOSSに1票
久しぶりにこのスレ見たら続きがupされてて驚きました 嬉しいです
期待age
875 :
訴える名無しさん。 :2006/09/03(日) 23:01:32 ID:Lny9sjqY
876 :
訴える名無しさん。 :2006/09/05(火) 12:35:33 ID:R+sCA1Dl
まだかよ禿げ
877 :
688 ◆SqIZXHfcUw :2006/09/05(火) 19:48:34 ID:+ffDTTer
どんだけ待たせんだよ禿 …最近暇がないんだよ。卒検とか成績とかで(;_:) とりあえず今から書いて夜明けまでにはうpするから もうちょっと耐えてくれ。
この流れは前に2回みたことある気がする
879 :
訴える名無しさん。 :2006/09/05(火) 20:28:48 ID:VgSdbnV7
最後の頼みの綱は688のみ!688がサジ投げたら終わりだ
鋭いなw なんか魔力があるんだよこのポジションには 別に嫌になったわけじゃないんだけど正直な話し、優先順位が下げっていくのが止められない しかしここで断ち切る!多分・・・
おお断ち切ってがんばってくれ!! 参加者ももうすぐ餓死しそうだww
ががががががが頑張ってくれよww
いいか?逃げるなよ?絶対逃げるなよ?(ダチョウ倶楽部風)
今書いてっからw 休養してる間DVD見漁ってたせいか、思いのほか順調 なんとか挫折せずに済みそう( ..)φメモメモ
なんか688キャラ変わってないか?前は低姿勢だったが、今じゃお前らのタメに考えてやってるぐらいに思ってるだろw いや、書いてくれるだけでありがたいけどな!うん。ただオナニーばっかしてんじゃねーよこのアンチョビ野郎!
うはwwばれたww いや前者は合ってるが後者は違うぞ。 いわゆる猫かぶりってやつかな。ハナからこうだとすぐイラネされるじゃん で今こうなのは888が言うようなわけじゃなくこっちの内情のせい。 ちょっといろいろあってさ…大学からイラネされちゃうよ(;_:)
オナニーばっかしてるかこうなったんかと思ったよ。大学なんてやめちまえよ。将来どうしたいかもわからず、とりあえず大学出ておくかってタイプだろ? やめちまえ。そして続きをうPすればおのずと先が見えてくる。あとお前最近SOUって映画見ただろこのピーナッツ野郎
人が本気でへこんでんのにオナニーオナニー言ってんじゃねぇw だいたいラッパー同士の殺しあい書いてうpしてナニの先が見えてくんだよ ちなみにグロくて登場人物が可哀相になってくる映画は見ません。 souとか面白いって聞くけど可哀相すぎ(>_<)
sawだろ 688さん何でそんなに変わってんの? まとめサイトにもいって応援とかしたのに><
いや別にアナキンがダースベーダーになったのとは訳が違うんだし そんな悪者扱いしないで(>_<) ちょっと今病んでるだけだからすぐ治るよきっと。 これからも応援してください m(__)m
894 :
688 ◆SqIZXHfcUw :2006/09/06(水) 03:02:30 ID:uMc8dVQF
それではちょっとだけだけどうpします。
895 :
688 ◆SqIZXHfcUw :2006/09/06(水) 03:03:04 ID:uMc8dVQF
「…よう…」 NIPPSがデパートへ向けて足を踏み出そうとした瞬間、不意に男の声がした。 『誰だっ!?』NIPPSは慌てて振り返る。もちろん、銃を向けることを忘れてはいない。 スコープで覗き込んではみたが木に上手く隠れて誰なのか特定できない。 「誰だがしらねーが俺になんか用か?サインなら後にしてくれよ、悪いが今とりこんでんだ。」 NIPPSはとりあえず牽制をしてみた。相手が何者か分からない以上、下手に動くのは得策ではないと判断したからだ。 「クックック…」相手の返答はこの笑い声のみ。さすがのNIPPSも不気味に思い主導で話を切り出した。 もといこの男には第3者をかまっているほど時間はない。せっかくのメインディッシュも冷めてしまってはどうしようもないのだ。 「お前に3つの選択肢をやる。1つ…今すぐ消えろ。そうすりゃ命だけは勘弁してやる。2つ…両手を挙げて出て来い。 3つ…黙って俺に撃ち殺される。5秒やる、さぁ選べ。」 もし敵なら話しかける前に俺を殺している…あえて自分の存在を明かしてきたのは訳があるはずだ… そう思ったNIPPSだがこれ以上考えるのをやめた。『殺る』か『殺られるか』…この『プログラム』には2つの答えしか存在しないのだから。 「5…4…3…2…」 トリガーに添えた指に力が入る。闇雲に撃ったとしても十分標的を捕らえられる距離だ。 「答えは3て訳か…」NIPPSが覚悟を決めたのとほぼ同時に、声の主は動いた。 「あんたが元気でなによりだぜ。」 そう言って声の主は姿を現し、一歩一歩NIPPSに近づいていった。二人の距離がみるみる縮まっていく。 5m…4m…3m…まるで先程のカウントダウンのように…そして1m。もうNIPPSにははっきりと誰なのかは判別できた。 ずいぶん日に焼けた男だ。雑木林がまるでこの男を歓迎しているかのように一斉にざわつきだす。 「俺がいなくて寂しかったか?…ナンバー2」背の高いその男は見下ろすようにNIPPSに話しかけた。 「お前…」 時計の針が止まったような…そんな気がした。
896 :
デパート周辺の雑木林 :2006/09/06(水) 03:05:28 ID:uMc8dVQF
どうやら感動の再開とはならなかったようだ。無論NIPPSからしてみれば無理のない話しなのだが。 「ふっ…俺を呪いにきたって訳か。悪いが俺はオーラの泉に出る気はねーよ」 構っている暇はないとは分かっているものの、けっして心中穏やかではない。 訳を説明してもらわなくては。これから人を殺しに行くのにいらぬ邪念が生まれてしまう恐れがある。 「お前の目的はなんだ?正直に答えろ。そうすりゃ腕のいい坊さんにお祓いしてもらってやっから」 この男、つまりはKREVAなのだがNIPPSは一目見てKREVAが生身の人間でない事は理解していた。 確実にし止め、死に際まで確認したというのももちろんあるが、なにせKREVAには足がなかったのだ。 ベタ過ぎるというきらいがあるかもしれないがないもはしょうがない。 もっとも、いずれにしてもNIPPSが度肝を抜かれることには変わりはないのだが。 「まぁ落ち着けよ。何も俺はお前を呪いに来たわけじゃないんだ。何をしに来た訳でもない。 言っても俺は幽霊なんだし、しようにもできねーだろ?」 いささか興奮気味に喋るNIPPSに対しKREVAは落ち着いて事の経緯を説明する。 「俺はあの世でZEEBRAに言われてここに来たんだよ。この『プログラム』を最後まで見届けろってな。目的はお前じゃねぇんだよ。 たまたまお前が近くにいた。いや、たまたまかどうかは知らねーが。ただそれだけだってこと。」 ZEEBRAと聞いてNIPPSの眉がピクリと反応する。 「あいつは死んでもおせっかい野郎ってか。馬鹿は死んでも直らないってのは正論だな。 まぁこれで理解できたよ。俺はまだ仕事残ってから、じゃなKREVA。一人で幽霊ごっこでもしてろ。」 あらかた事情が飲み込めたNIPPSはKREVAに背を向け歩き出す。最後の仕上げをする為に。
897 :
デパート周辺の雑木林 :2006/09/06(水) 03:06:43 ID:uMc8dVQF
「おいおいつれねー事言うなよ。」NIPPSのすぐ背後からKREVAがニョキっと顔を出す。 「バッ…てめー何してんだよ!」さすがにこれにはNIPPSもぶっ飛んだ。消えろと言わんばかりにKREVAを手で追い払う。 「んな事しても無駄だって。言ったろ幽霊だって。別にお前の邪魔する訳じゃねーし。ただ一緒にお供するだけだから。」 KREVAはさっと身を返しNIPPSの正面に立った。そして今度は真面目な口調で話しかける。 「ZEEBRAが言うには、自分が認めた人間じゃないと気づいてくんねーんだってよ。自分もそれで苦労したって。 つまりあれだ。お前がこれで優勝するって言うんなら、お前に付いて行くのが一番だろ?」 KREVAの目は嫌に真剣だった為、あの時の記憶がNIPPSの脳裏に浮かぶ。『借り』…そんな言葉が頭をよぎった。 「憑いていくの間違いだろ?」ただそれだけ言ってNIPPSはまた歩き出す。 今までずっと独りで戦ってきた。 最後くらいはこんなのもありか…そう思わせたのは、きっとこの美しい満月のせいなのだろう。
全然話し進展してねーって感じですけど話を思い出すってことで(・_・;) 次は金曜日ぐらいにうpします。 車の試験落ちたら…また旅に出るかもしれないですけど(;_:)
蛇足ついでにこれ書いてる時にhiphop×ジョジョ思いついたんだけど 主人公:各務 貢太 スタンド名:アトミックボム 能力:細胞(繊維、遺伝子)を組み替える。状況に応じて分裂、爆破もできる うざいかな?ちょうど今の話終わるころには1000いきそうだしさ 次作あたり・・・
688さん乙です
素直に応援してる人の方が多いから、ぶっちゃけキャラ(?)みたいにならずに最初のままのキャラを通してほしいですはい 気に障るレスがあったら華麗にスルーでよろ
乙
キャラの変貌ぶりに戸惑いを隠せない人多数だね。 まーオレはうpしてくれる限り崇め続けるけど。 ジョジョ×HIPHOP、面白そうだね。 スタンドを考えるのがめちゃくちゃ大変そうだけど…w まぁ次の話考えるのはいいけどさ、 と り あ え ず こ れ 終 わ ら し て か ら ね
みなさんには大変失礼なことしたと思います。
ちょっと天狗になっていたんだと自分でも感じます。
これからも不満があれば言ってください。第三者の意見は成長に不可欠です。
そして先日のレスは忘れてください。
皆さんの反応を見て僕も反省、後悔しています。
生かすべきは自分ではなくて作品だと気づきました。
>>903 来週は全てこれに時間費やして、必ず完結させます。
905 :
訴える名無しさん。 :2006/09/07(木) 21:41:27 ID:nh9oRbd2
ああ、頑張れよ!
906 :
訴える名無しさん。 :2006/09/08(金) 11:34:11 ID:txrg0REC
688さんの発言にちょっとじんわり来た!半泣きした…
続き書くのにそんな責任感じなくてもいいんだが。所詮ネットだ。完結させたとこで顔も知らないヤツに神だのなんだの言われても何も残らない。続き書いてくれるのはありがたいが、その気持ちを大事にリアルでも頑張ってくれ。
何も残らないことはない!
909 :
訴える名無しさん。 :2006/09/09(土) 03:20:29 ID:+d0WqQHB
あげ
Yo!お前らバイトしてる? 金あるか??
好きな時に出来る高収入な珍バイト見つけぞ!
B-BOY(ONLY)のかなりいいバイト!!!!!
普通のバイトよかなり高い時給だぜ!だがしかし割り切りが肝心。
割り切ってやれればマジ簡単 1週間でかなり稼げるぜっ ノンケ→●●
http://cpop.tv/v.asp?si=nonk
911 :
訴える名無しさん。 :2006/09/10(日) 02:28:16 ID:f8c10kX8
マジムカついた
マターリいこうぜ…
正直みんな続きどうでもよくなってきてないか?
んなこたない
またちょっと間空いてしまいましたが今日明日あたりうpします どうでもいいとか言わないで(>_<)
916 :
訴える名無しさん。 :2006/09/13(水) 02:27:47 ID:RFXdD0v3
頑張れ! 期待age
続き楽しみにしている読者の1人です。 688、頑張って!うp楽しみにしてます!
急いでくれるに越したことは無いが、無理はするなよ。 まったり待ってるよ
↑うむ
だが
>>915 >今日明日あたりうpします
この手のことはもう言わないほうが良いw
俺書いていい?小説サイトやってましたよ。
釣りでしょ?
ガチなら
>>920 に聞くがお前はここまで全部読んだのか?
>>922 読んだよ。オリガミがゴミのようだったけど。688が書くならいいけど。書かないなら書きたいな位で。
925 :
訴える名無しさん。 :2006/09/18(月) 02:54:00 ID:lk5FeYP2
688のスローペースさに苛立ちを隠せない
>>925 今までの2人に比べたらまだガマンできるほうだろ
忙しいのか?
ああそうだ
何も言わずに消えた奴がいたがあれは最悪だったな せめて無理なら無理と言えと
無理
エターナルストライフ
932 :
訴える名無しさん。 :2006/09/20(水) 09:40:56 ID:KnhjW3D/
688がうpはともかく書き込みすら1週間以上もないことがさすがに気になってきたage
933 :
パンピー :2006/09/20(水) 14:47:07 ID:G9CGwumr
934 :
訴える名無しさん。 :2006/09/20(水) 16:22:27 ID:6sm2eref
どうした688?今日明日ってなんなんだ?そりゃ顔も知らない他人だし途中で投げだしても問題ないよな!だけどあなたの文を楽しみにしてる人は日本にたくさんいると思います!その変ふまえてください
935 :
訴える名無しさん。 :2006/09/20(水) 16:33:57 ID:DOan9ih0
938 :
688 :2006/09/24(日) 08:04:50 ID:???
すみません。忙しかったもんで…。今日中には3話ぐらいはうPできそうなのでお待ちを。
ワクワク
kononagarehaMAZUI
teyu-ka,nisemonokusai
688が見放したら終わりだ
943 :
訴える名無しさん。 :2006/09/25(月) 01:29:43 ID:Jw9an4Ev
何が今日中だよ?ほんとは偽者で688はもういなくなったんじゃないのか?
>>943 もちろん
>>938 は偽者だよ
お前だまされてたのかよww
酉つけてないだろが
これで2週間現れてないなあいつ
945 :
訴える名無しさん。 :2006/09/26(火) 23:00:17 ID:H78P/FHO
はまっちゃったよww
前にも何度も言ったろ 期待するだけ無駄とw
そんなコトはない。
948 :
訴える名無しさん。 :2006/09/27(水) 19:33:52 ID:h5v3uiXt
きっめーーーー でも人気だねココ
949 :
訴える名無しさん。 :2006/09/27(水) 23:03:18 ID:be/b0CQK
ここが1000いったらまた次のスレたてるのか?
>>946 のレス
後出しじゃんけんではないけどそれに近いものを感じる
流れ的にここまで2人が途中まで書いて消えるというのが続いていたから
>>688 も空気を読んで前の2人に見習ったのかもよ
空気を読めていてすばらしいじゃないか
と
>>688 を無理矢理かばってみる
688お疲れ様。(皆まとめにいってみれ) 継承者どうなってんの?
954 :
訴える名無しさん。 :2006/10/01(日) 11:36:01 ID:DZMMeA5X
そうか……688まで降りちゃうのか……… 688乙。 一時だけど、落ちかかってたこのスレを盛り上げてくれてありがとう。
956 :
956 :2006/10/01(日) 18:22:42 ID:???
俺が続き書こうか? 芸人バトルロワイヤルも書いたし。
959 :
訴える名無しさん。 :2006/10/01(日) 23:55:51 ID:Ug0ljbYF
原作の作者がこんなところに!!
960 :
訴える名無しさん。 :2006/10/05(木) 17:06:23 ID:Tr1ePmKS
で、結局どうなるんだ?
このままとりとめのないレスが続いて1000までいくのと 救世主が続きをうpしてくれるのと どっちが早いんだろうな?
僕書いてもいいですよ 小説書くの得意なんで。 HPはどうなるのでしょうか?
>>962 688はまとめ作業はつづけてくれるらしい。
俺も書いていいぜぇ! 韻とか踏むの得意だしね。
愛知県警中川署は5日、中学3年の男子生徒(14)にみだらな
行為をしたとして、県青少年保護育成条例違反の疑いで、名古屋市
中川区の無職の男(22)を逮捕した。
調べでは、男は8月5日午後1時ごろ、自宅に遊びに来た中川区の
生徒が18歳未満の少年と知りながら、みだらな行為をした疑い。
男は一部否認しているという。
男は地元でヒップホップダンスがうまいと評判で、ダンスが趣味の
生徒は約1年前、先輩に男を紹介してもらったという。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006100602.html
埋め
結局誰も書かないんなら620が書きますよ?
お願いしますm(._.)m
>>962 八百屋のチラシが沢山あるから送ろうか?
970 :
訴える名無しさん。 :2006/10/09(月) 17:55:47 ID:4BuVNzU0
DENプロデュ−スイベント【“A+”〜TOKYO SHIT〜】が
10/12(木)より開始!! DENが東京を代表するDJ陣をレジデントに迎え
東京のYOUNG SHIT達をフックアップ!!まさに東京HIPHOPシ−ン最前線!!
詳しくはこちら→→
http://blog.hip-hop.ne.jp/aplus
>>968 620じゃなく920でした。じゃあ最後の俺書こうか?の人の書き込みから一週間後の13日までに誰も書かなかったら書きます。それまでに1話だけでも書き上げときますんで。今読み返して武器拾って状況整理してます。
言い逃げじゃなく本当に続き書きたい人が居たら遠慮せずにお先どーぞ。
また暗黒期に入りそうな悪寒
973 :
訴える名無しさん。 :2006/10/12(木) 08:05:27 ID:A4zos9de
もう俺が書くわ!なんとかする
是非お願いします もうこのスレ指定撲滅危惧種な希ガス
975 :
971 :2006/10/13(金) 07:25:11 ID:???
今日の夕方にはうPできそうです。とりあえず1話だけしかできてないですけど!
めちゃ期待す。
wktk
おいおい。971は俺の筈なんですけど?
↑口だけヤローは帰りなさい!
980 :
971 :2006/10/13(金) 21:31:22 ID:???
973の人が書かないなら書きますよ。一話は出来てるし。今バイトなんで終わったら書きます。今日中に。
981 :
訴える名無しさん。 :2006/10/13(金) 21:50:40 ID:FPec8PRD
ま た こ の 流 れ か
982 :
訴える名無しさん。 :2006/10/13(金) 23:58:47 ID:41Zugs2q
あー今日が終わる
「D、少しは食べた方がいいよ。もうしばらくなにも食べてないんだ。」 廃墟寸前の荒れたコンビニ。床には引きづられた様な血の跡が出入り口まで続いていた。 Kダブシャインはミネラルウォーターのボトルとおにぎりを座り込んだマミーDの前に置いた。 食べることなど出来ないのは解りきっていた。 マミーDはうつむいたまま力無くうなづいた。 宇多丸が死んだ。 その言葉だけがマミーDの頭の中を回り続ける。 相棒として長年やってきた。苦楽を供にしてきた。 宇多丸の、シロの顔が浮かんでは消える。 このゲームが始まってから、仲間だろうが、例え家族だろうが殺すつもりでやってきた。 それは裏返せば、他の人間に殺されるくらいならば、自分が手を汚してやりたかっただけなのかも知れない。 コウヘイとシロの顔がDに笑い掛ける。 「ダブ…」 マミーDは震える手のひらで顔を覆った。 「五分だけでいいからさ。一人にしてくんねーか?」 「…わかった。じゃあ俺うんこしてくるよ。しばらくしてなかったからさ。」 ダブが道化を演じると、Dは唇の端だけで笑って見せた。 ダブはトイレのドアを閉めた。 しばらくすると微かな嗚咽が薄いドア越しに聞こえた。
ちょっと遅れました。 携帯で打ってるんで文字数の都合で切り捨てたりしてるんすけどすいません。いまからもうちょい書きます。
「あーあー。肉がたくさん転がってるねー。」 ニップスは戦場と化したデパートを散策している。 道路にへばりついたガムをまたぐように兵士の死体を乗り越えると、後方の天井に話しかけた。「あのさ。俺思ったんだけど。」 まるでジャンキーの様に開ききった目玉で喋る。 「俺さ。どっちかといえばピースな人間なんだよ。ビーフとか嫌いだからさ。だからさ、出来れば人とか殺したくないんだよね。しかも昔から知ってる奴らじゃん?Dにいたってはさんぴんも一緒でさあ。ダブはまあ、いいけど。」 ニップスの目線の先、天井付近には霊魂となったクレバが浮かんでいた。 この人は本当に狂ってるのかも知れないな… クレバは真っ白で皺一つ無い卸したてのシャツとアイロンの利いた黒いパンツでニップスの後ろを浮遊していた。 ニップスは仲間との絆や人間的な感情のメカニズムとは極北に位置している。 本能と直感。いわば脳味噌を通さずにその時のリズムで即行動に移る。 クレバはそう判断していた。 この人だけは… 天才の名を欲しいままにしたクレバは気づかれないように。微かに息を飲んだ。 この人だけは底が見えない。
「ん?なんか聞こえた?」 ニップスが不意に足を止めた。 利き手はすでに速射の利くベレッタを握っている。 やはりニップスはジャンキーの様に目玉を見開いている。 だがそれだけで身を隠そうともしない。 もっとも身を隠せば敵から身を隠せると同時に、敵に攻撃を加えることも出来ないのだが。 クレバは整った顔を邪悪に歪ませた。 やっぱりニップスは他とは違う。まず攻撃する。攻撃は最大の防御だと言う。クレバ自信その説を最大限に信じている。 エンターテイナーとして。なによりも1ラッパーとして。 しかしとうのニップス本人はただひたすらに刹那的スリル。快楽に身を委ねているだけだったりする。 「生きてるやついる?」 ニップスはカミソリのような緊張感を下腹部に感じながら一歩一歩歩みを進める。 まるでディズニーランドの列を詰めるように。 「…いこうさん…」 どうやら声はマネキンの下から聞こえるらしい。 ニップスはまるでベッドの毛布をめくるように寝ているマネキンのスカートをめくる。 「…あーあ。」 ニップスは特に感情を感じさせない声で呟いた。 クレバの冷たい視線の先にはマネキンのスカートに巻かれたECDが横たわっていた。
「で?」 ニップスはベレッタをECDの額に突きつけながら言った。 「誰にやられた?」 ECDは秋物のロングスカートにくるまれながらせき込む。 一つ咳をする度に血の固まりがスカートを汚す。 「…せいこうさん…申し訳、ありません…」 ECDは血塗れの目を見開きながら、うなされるように同じ言葉を繰り返す、 「…せいこうさん…申し訳、ありません。」 ニップスはうんざりしたように肩をすくめる。 「おっさん壊れちまったよ。」 ECDが息をする度に胸の穴からゴボゴボと血が吹きでた。 「わたしはあなたになれなかった。」 ECDはうわごとのようにその言葉を繰り返す。「わたしはあなたになれなかった…」 十五回繰り返したところで、ニップスは呟いた。 「…肉だな」 ニップスは引き金を引いた。 ECDの額を貫いた弾丸は大理石の床を跳ねた後、ECDの脳天で止まった。 「肉は冷たくなってればいい。」 ニップスはクレバにも聞こえない様に呟いていた。 同時刻。とある川辺。 迷彩服の男ばかり、三人の男が首から血を流して川を流れていった。
とりあえず今日は終了です。久しぶりに文章を書いたんで至らない部分もありますがリハビリ期間ということで笑って許して。
971さん乙です
乙!!
991 :
971 :
2006/10/14(土) 09:00:07 ID:??? また次スレ立てば続き書きますよ。