「いつの間に、そんなことに……」
「ムヒがヒキ雑に来なくなった少し後かなあ、さくにギターを教えたことがきっ
かけでね」
ムヒは言葉を失った。しかし、今は感傷に浸っている場合ではない。
「この際、鶯でもいいや。大事な話があるんだ。聞いてくれ」
「悪いけど、聞かない。切るぞ。二度とさくに電話をかけないでくれ」
「ちょっと待ってくれ! 違うんだ!」
「体には気をつけろよ」
プチッ
電話は切れた。
慌ててリダイヤルしたが、電源が切られていてつながらない。
開きかけた希望の扉が、いきなり閉じられたときの虚しさ……。
心に冷たい風が吹いて、ムヒは呆然とその場に立ち尽くした。
「どうすればいいんだ……」
近くで花火大会があるのだろう。浴衣を着たカップルがムヒの傍らを通り過ぎ
ていく。
そう言えば、さっきから花火の炸裂する音が聞こえている。
(・×・`U)c
第10章 再会
ムヒはとりあえず自分を派遣している警備会社に電話してみることにした。
零細の警備会社だが、一人で考えているよりはマシだろう。
呼び出し音を10回ほど鳴らすと、やっと電話に出た。
「もしもし俺だよ。 ? みなかみ。」
「お、お前か……」
「お前じゃないよ俺だよ。 ? みなかみ。」
「お前じゃ話にならん。誰かに代わってくれ」
「いないよ。 ? みなかみ。」
「誰もか?」
「俺はいるよ。 ? みなかみ。」
「……くそ、仕方ない。お前でいいから聞いてくれ」
「俺はくそじゃないよ。 ? みなかみ。」
「分かった。いいか、よく聞いてくれ。俺はムヒだ。松本原発を今夜9時に襲撃
する計画があるらしい。事務所に誰か来たらそう伝えてくれ。頼んだぞ」
「頼まれたよ。 ? みなかみ。」
電話は切れた。とても伝わったとは思えないが、これ以上話している時間はな
い。
ムヒは時計を見た。午後8時5分。予定の時間まで1時間を切っている。
「こうなったら俺1人でも行ってやる」
ムヒは松本原発への道を走り出した。
「ちくしょう」
すれ違うのはカップルや家族連ればかりである。
「ちくしょう、ちくしょう」
ムヒは、自分が世の中の幸せすべてに背を向けて走っているように思えた。
金や地位より大事なものは確かにあるかも知れない。しかし、自分はそれを手
にしたと言えるのか。ヒキにもリア充にもなれない自分がうとましい。
「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう」
ムヒは悲しくなった。
『なんで俺はいつもこんな目に!』
と心の中で思ったとき、どこからか女の声が聞こえた気がした。
……それはお前が悪魔側の人間だからだよ……
「誰だ!」
「神の使いだよ。お前は悪魔側の人間だ」
今度ははっきりと聞こえた。
声のした方を見ると、青い服の女が立っていた。顔を頭巾で覆い、肩に小鳥を
のせている。
「宗教の勧誘かよ。お前なんかにかまってる暇はねえ」
そう言って再び走り出そうとしたが、ふと、足を止めた。
その女の声を聞いたことがあるような気がしたのである。
「お前、悲しいんだろ?」
女は頭巾に手をかけながら言った。
「悲しいときは……」
頭巾を取った。美しい、その顔に、ムヒは見覚えがあった。
「悲しいときは空見んだよ」
ドーンッ
と炸裂音が鳴って、夜空に大輪の花が咲いた。
「お、お前は……」
「花火ちゃん、ただ今参上」
あまり役に立ちそうもない人たちが、ここに揃ったわけである。
つまんね
ラッキーマンを知ってるって事は俺と年齢変わらんのかねぇ?
友情マンってチキン
(−_−)←これ足でふんずけて虐めたらおもろいで
(・×・`U)c
第11章 二頭体制
話は前後するが、ののたん暗殺事件の後、胎児は反ヒキ雑党の思想を持つ者た
ちへのパージを強化する一方で、日本国首相にあんずを就任させた。
あんずは元老院議員の中でもっとも美しい容姿を持ち、また、話の流れを無視
して、
「台湾ラーメンうまー」
などと書き込みながらヒキ雑に登場するかまってちゃんぶりも可愛らしかった
ので、国民的人気が高かった。
しかし、恋愛に夢中になると自分語りをしたがる癖があり、
「彼が早漏すぎて困る」
などと、ひねくれた幸せアピールをする。
それを偽ヒキ的言動と見なす一部の原理主義者からは反発されてもいた。
その抑えと称して、胎児は同じく元老院議員のk☆をヒキ雑党の官房長官に就
任させた。
k☆は元老院の中でも長老格、お局的存在、かつ、もっとも模範的なヒキであ
り、原理主義者たちからの信望が篤かったのである。
政府発表はk☆のスティッカムを通して行われたが、画面は真っ暗、言葉も発
しない、質問と回答はすべてチャットで行われ、聞こえてくるのは、
「フヒヒヒヒ。カタカタカタ。フヒヒヒヒ。カタカタカタ」
というk☆の不気味な笑い声とキーボードを打つ音だけという圧巻の内容であ
った。
それもまたヒキ雑原理主義者たちからは「さすがk☆ちゃん。スティッカムで
やる意味がないw」と好意的に受け止められ、信奉者の増加につながった。
この二頭体制は巧妙な人事である、と元老院議員たちは評価し、胎児を少し見
直した。
実際、その後1年、強硬なパージを行っていたにも関わらず、性急なテロが避
けられていたのは、この二人の人気によるところが大きかったのである。
一時は胎児を見損なっていた大福なども評価を改め、
「胎児先生は一介の天才に過ぎない・・・」
とまた言うようになった。
しかし。
胎児はそんなに甘い男ではなかった。
この二頭体制も、日本をより確実に滅亡に導くための深謀だったのである。
第12章 チュンル
話は中国に飛ぶ。
この広大な国は、2030年の侵攻以来、日本国の支配下に入っていた。
時の首相イフは、自ら陸軍第5師団を率い、自転車による意表を突いた突進作
戦を敢行して、北京を3日で陥落せしめた(この際、イフは両腕が水ぶくれにな
るほどの火傷を負ったが、それでも突進をやめず、「チャイナの虎」と畏れられ
た)。
イフはこの国の統治を胎児(当時外務大臣)に一任した。
総督として派遣された胎児が、その手本としたのは満州国であった。
すなわち、中国を日本の植民地とするのではなく、表面上は、中国共産党(腐
敗を極めていた)による独裁からの解放という体裁をとったのである。
胎児は傀儡政権をつくるべく、清朝皇家の流れを汲む愛新覚羅(あいしんかく
ら)家を復興させ、ヒキ雑党からチュンルを抜擢してこれを継がせた。
中国皇帝、愛新覚羅チュンルがここに誕生したのである。
皇帝と言っても、傀儡であるから、やることがない。チュンルは暇を持てあま
した。
昼近くに起床して、わずかばかりの果物とヨーグルトなどを食べ、
「はぁ」
とアンニュイな溜息をもらして一人で遊ぶ。
鍵っ子という恋人にメールを送り、その返事がすぐないから嫌われたと嘆いて、
「もういいもん。今日で全部終わりだから」
とヒキ雑に書き込み、彼女にとってはほとんどラムネ同然になっている睡眠薬
をボリボリと食べて、ぐっすり眠る。そして翌日も同じことを繰り返すのであっ
た。
退屈は時に人を狂わせる。
やんぬるかな、チュンルは見えない敵と戦うようになった。
ヒキ雑に書き込まれる自分への中傷が、鍵っ子の潜伏に見えるようになったの
である。
「私のメールには返信しないで、また名無しでこんなところに書き込んで……」
チュンルはイライラした。
しかし、その苛立ちを鍵っ子にぶつければ、もっと自分から心が離れてしまう
ことは分かっていたので、我慢した。その抑圧によって、ますます精神状態が悪
化する。
チュンルは孤独であり、寂しかった。
「自分はこの広い中国にたった一人。ひとりぼっちある……」
鍵っ子がなぜ自分に会いに来てくれないのか分からず、涙がこぼれそうになる。
そんな自分を慰めるために、
「鍵っ子みたいな良い人には、私から離れて幸せになってほしい。彼を解放して
あげなきゃ……」
と思おうとし、実際に別れを伝えるメールを送ったこともある。
しかし、心は慰まらなかった。
孤独な皇帝の心は、見えない敵と戦うことに疲れ果て、目に見える敵を求め始
めた。
恰好の標的がいた。
k☆である。
チュンルは、ヒキ雑一と言われることもある美貌の持ち主であり、自分を可愛
く飾るセンスにも優れていた。しかも、歳を重ねるごとに可愛さが増していく。
そのチュンルにとって、k☆が過去に晒した写真は許しがたいセンスであり、
「美容院もいかない、女捨ててる豚」
という待賢門院の酔っぱらった勢いでの言葉にいたく共鳴していた。
一方でk☆も、毎日のように鍵っ子に嫌われたとヒキ雑で嘆いて見せ、ODを
繰り返すチュンルを鬱陶しく思っており、「あぼーん宣言」していた。
実際にk☆はチュンルをあぼーんしていたのだが、名無したちの書き込みで、
チュンルが何を書いているのか推定できてしまうことがある(毎日ほとんど同じ
ことを書いているのだから当然だった)。それで、
「またキチガイが暴れてるのか」
と嫌みを放った。
これにチュンルが待ってましたとばかりに食いつき、
「あなたみたいな女捨ててる人に言われたくないある」
とか、
「あぼーんしてるのに私の書き込みが見えるあるか。嫌いな人の書き込みをあぼ
ーん解除してまで見るなんて滑稽あるね」
とか反撃した。
売り言葉に買い言葉で、チュンルとk☆の争いは泥試合の様相を呈していった。
そんな中、チュンルにとって思いがけない方向から弾が飛んできた。
あんずが何気なく、
「きちがいの十八番 責任転嫁」
と書き込んだのである。
チュンルははじめ意味が分からなかった。
「……?」
しかし、しばらく考えて、それが(鍵っ子に嫌われることまでk☆のせいにし
ようとした)自分への当てつけだと気がつくと、猛烈に腹が立ってきた。
「この、あばずれキャバ猿うう」
見えない敵に対して募らせてきた積年の恨みが堰を切ったようにあふれ、目に
見える敵であるあんずに向かって流れ出した。
「ぜったいに許さないある!!」
怒りのために目がつり上がり、全身の毛が逆立つほどであった。
それからのチュンルのあんずに対する攻撃は、まったく理不尽なほどであった。
あんずがスティッカムを始めると、そこで自分の悪口が語られているというデ
マを信じ、
「あはは。馬鹿には馬鹿しか寄って来ないあるね。まあ当然と言えば当然あるが」
「わざわざ私のことを基地外と呼んでおきながら、私があんな猿のスティッカム
を聞いてるとでも思ってたあるか? 笑ってしまうね、どこまでアホあるか」
などと暴言を吐いた。
ヒキ雑に書き込まれる自分への嫌みもすべてあんずの潜伏と思い込んだ。
「私のせいって遠回しに言って、柴田理恵いわれるのが嫌とか、あぼーんしない
で嫌味言うあんず」
「だって柴田理恵さんにそっくりあるから猿で十分ね。顔だけではなく行動もね」
実際にヒキ雑に「あんず」の名前で書き込まれたレスもあったのだが、それは
トリップが違う偽物であった。
そのことを名無しから指摘されても信じず、指摘したのもあんずの潜伏だと思
い込み、
「まだ懲りてないあるね。本物の分際で、言いたいこと言っておきながら、あれ
は偽者? 馬鹿を通り越して呆れるね。人のことを馬鹿にしておきながら、人
を基地外よばわりして被害者面してるね。あれだけ同じことで苦しみを教えた
あるが、あの猿には何言っても同じある。大嫌いね」
などと逆上した。
本物のあんずが書き込んだのは最初の一言だけであったが、その一発に対して
チュンルは百発は撃ち返した。それでもまだ怒りは収まらなかった。
(・×・`U)c
第13章 恋と花火と陰謀
チュンルは気づかなかったのだ。
本当の敵は、自分の中にある寂しさであるということに。
そしてそれは、戦っても倒すことのできない敵であった。
そういう因縁があることを知った上で、胎児はあんずを日本国首相に、k☆を
ヒキ雑党の官房長官に就任させたのである。
チュンルのあんずやk☆に向けた怒りは、中国皇帝が日本政府に向けた怒りに
なった。
折しも、中国国内で反日世論が強まっていた時期である。
「打倒小日本!」
の機運が急速に醸成されていった。
しかし、中国は日本の支配下にあり、全面戦争ができるような国力はない。
そこに、入れ知恵をした男がいた。
「かしこみ申し上げまする」
と、中国方面軍参謀、ちんちん見てちゃんは言った。
通称「ちん見て」。
チュンルの側近と言っていい男である。
「苦しうない。申すある」
「は」
と言ってちん見てはチュンルの顔を拝み、赤面した。
この男は、表面上は、真性ヒキであり、ヒキ雑党の退廃をうれうるような態度
を装っていたが、内心、ヒキ雑なんてどうでもいい、早く潰れればいいと思って
いた。
しかし、10年以上仕えてきたチュンルには恋心を抱いており、
「この人に天下を取らせたい。傀儡政権の皇帝ではなく、本当の皇帝にしたい」
という野望を持っていたのである。
「どうしたあるか、ちん見て。遠慮は無用ある」
「はい。ヒキ雑党日本を終わらせる良い方法がございまする」
「それはどのような方法か。申すある」
「日本国内でテロを起こしまする」
「テロあるか?」
「はい。今、日本国内にはヒキ雑党、特に元老院に対する不満がガスのように充
満しておりまする。一度でもテロを起こせば、そのガスに火が付いて、次々に
爆発が起こるのは必定」
「連鎖的にテロが起こるということあるな」
「左様で」
「あばずれキャバ猿の青ざめた顔が目に浮かぶようある」
チュンルは子供のように笑った。
「で、どこを標的にするあるか?」
「松本原子力発電所」
ちん見ては即答した。日本中に張り巡らせた情報網により、松本原発の警備が
手薄であることを知っていたのである。
「いつやるあるか?」
「7月11日に松本で花火大会がございます。この夜に一際大きな花火を皇帝に
ご覧に入れましょう」
「その計画、そちに任せたある。でも、なるべく人が死なないようにするあるよ」
難しいことを言う、とちん見ては思ったが、チュンルのそういうところが好き
でもあった。
「は。では早速準備にかかります」
と言ってちん見ては去った。
こうして二つのテロが、同じ日に同じ場所を標的として計画されたのである。
すべては胎児の計算通りに進んでいた。
そうとは知らないチュンルは、ちん見てが去った後、独り言を言った。
「思い知るがいいね!」
なんつーか、センス無いな
面白いつもりか?
かなり面白いと思います
はやく続きを書いて
中の人ブルヒかな。
おもしろいねぇ、最近のログにもよく知悉してるし、作者を予想するのも楽しい。
392 :
(-_-)さん:2009/07/28(火) 20:30:29 ID:JVbRCbSz0
ここ微妙な過疎だよね?
メイン何処?
友情マンはホモゲイなんでもありな鬼畜野郎
根性マンはものすごいおおどすけべで、どうしようもない。
ラッキーマンは盗撮、レイプなんでもあり。
盗撮した写真を持って女を脅迫なんでもあり。
ロッキーマンってそんな鬼畜みたいな酷い事する奴だったのか・・・
397 :
あっきー ◆TuuazI6muM :2009/08/01(土) 07:50:19 ID:WackpTV70
アッキーマン参上!
おまんまん
401 :
(-_-)さん:2009/08/12(水) 18:10:47 ID:H06V9aOO0
続きまだー
おっさんのチンボしゃぶって性病移された池沼
おもしろい
つづきたのむ
おまえらゴミカスなんでしょ?
早くしろ!
ヒキコモリ&メンヘルキティーはやる事なす事すべてが中途半端で殺したくなる
ヒキコモリとかほんとあり得ないよねー
おまえらまとめて自閉症なw
何か対人的なことが絡むことで悩んでた場合、相手や所属の人達の考え方というのがある
だから、自分ではこれでいいと思った、と思ったとしても、相手からはそうでないことがある。
ただ、これは逆もあって、そんなのも第三者の複数に意見を聞いてみると
新しい視点や価値観なんかも知ることができて、今後同じ轍を踏まずに済むと思う。
それは学校のクラス内で覚えるノウハウだけど、「こうするといいですよ」とはあんまり
教えてもらえることじゃないから、いろんな人から意見を教えてもらうといいんじゃないかな。
そうしたら、「こういう風に考える人がいるのか」「こういう風なのが一般的なんだな」と
知ることが出来たら、その人の1つの知識であり、1つの財産であり、1つの武器になる。
そんなことも身につけて行くと、今後対人的なことが絡む内容で足下を掬われることも
格段に減ってくるし、柔軟性がある調整能力もついて来るし、バランス感覚も高くなる。
そんな力を持った高学歴で高い頭脳と多くの知識も持っているなら、一緒に仕事をしたい
仕事を任せたくなる人はいくらでも出てくる。
だから、まずは第三者の意見も聞いてみて欲しい。
そして、自分の力に絶望しないで欲しい。あなたの未来なそんなに悪くないんだから。
少しずつでも次の仕事に必要なノウハウや、人間関係のノウハウを楽しみながら
身につけて行くこともできて(楽しいと身に付きやすいから)、新しく知らなかったジャンルについて
知識も増えていく様子。だから、不安にならず楽観していて大丈夫だと伝えて欲しいと言われた。
その代わり、こんな楽観出来る未来を手に入れるためには、何かここで絶望のまま
誰かを攻撃したり、腹いせ的なことはしてはいけないんだ。これだけは守って欲しい。
今にしろ今後にしろ、何か上手く行かなかった場合、必ず「何故上手く行かなかったのか」
考えて欲しい。もちろん相手のあることの場合、相手の責任も大きいと思うときもあるけど
そんな相手に今後であったときも、被害を最低限にすることも、そんな相手を
フォローし切った上で上手く成し遂げることも出来る。
だから、必ず喩え相手が悪くても、この場合には自分はこう動けたんじゃないだろうか、
こんな風に自分が動いてたらよかったんじ?と、そんな風に考えて欲しい。
.
女
ワッキーナー ワッキーナー
ここまで使って破棄(笑)