ここは泉だ
こんこんと清い水が湧いている
そんな泉だ
水面に手を浸けると痛いほど冷たい
眺めれば水底から砂を巻き上げる泡まで見て通せる
口に含めば甘く軟らな若水
そのような
有り難い泉の中に
数インチの色の集まりと、紙の上のインクの香りと
なにから生まれた隔たりだろう
彼は今でも世界の容を現し続けているというのに
眼に広がるその空間に感じ入っていればよかった
触れる姿に興したくて、その世界を、 否定されたくなかった
ただ 紙の上に落ちたインクの香りを、ただそれだけを
愛すれば良かった。指に触れるただそれだけを。
轟く轟音 青空の雲を赤い霧が彩った
止まらない轟音 叩いた目覚まし時計
朝日に目が眩む
鳥の囀り 僕は温度のない涙を流していた
踏切の音 僕は鏡の前で四肢の裂かれる感覚を覚えた
静かな朝 青白い顔して母も泣いていた…もう十分に僕は母を泣かせた、泣ける存在だ
時を忘れる 父も泣いていた…当たり前だ、こんな僕だから
ただ一言。いってきます。どこへ?
近くの踏切 誰か自殺したのか?花が手向けられてる…綺麗だな…
踏切の音 心臓が変なリズムで動きだす。涙が出てきた
目前に迫る電車。終わりにしよう
轟く轟音 青空綺麗だな…父さん、母さん、泣いてくれるんだね
さようなら
童話の兎と亀のかけっこは 最後に亀が勝らしい
だけど途中で眠ってる 僕らほんとの鈍亀は
兎の足にはかないません
やっぱ途中でいじけてる 僕らほんとの鈍亀は
兎の自信にかないません
いつも途中で諦める 僕らほんとの鈍亀は
兎の器用さにかないません
ノロノロ大地にうずくまる 僕ら惨めな鈍亀は
ピョンピョンお空に跳ねる 兎の軽さに憧れる
現実の兎と亀のかけっこは 最後に兎が勝つみたい
しかしよくよく見てみると 僕らほんとは海亀で
大地の固さにへしゃげた手足は 柔らかい水掻き分けるためのツールかも
だから今日も僕ら憐れな鈍亀は 海を目指してエッチラホッチラ
自由の海を求めて エッチラホッチラ 兎が足も踏み入れない
僕らだけの海の碧を渇望して エッチラホッチラ エッチラホッチラ
さぁ行くんだ!
その前に休憩だ
600!600だ!
僕は石の上に三年、600を待ち続けてきたんだ
ついにこの瞬間、600を取る
僕は600と共に一つの新しい体になった
重い、白い、冷たい、600を得た体
もうどこへでも飛んでいけそうな気分
僕はロシアへ行ってモスクワのモスクに閉じこもろう
600、ああ600!
なんと美しい響きだろう
この600が体の中にすっと入り込んで、僕も600になったんだ
不思議なめまいに襲われて、愛も勇気も吹っ飛んだ
爆発しそうな頭をもたげて、白馬のように走るんだ
600だ!600だ!
夢にも賞味期限があると
最近知った
あの時あーしていればあーなってこーなって とか
考えだすと
リアルにキレそうになる
自分だけは特別だと
考えてた時期が
俺だけは終わらない
母さん、
そんなとこにスピリチュアル本なんか置いても
読みませんから
母さん、
そんなとこに中村天風の本なんか置いても
読みませんから
ひきこもりが親を殺したニュースに
リモコンを持つ親父が
素早く反応する
この部屋は奇妙なほど静かだ
懐かしく楽しい思い出が
90年代中盤から
無い
数年ぶりに話した相手が
歯医者の受付
気づけば現実に
マウントポジション取られてた
たった1つの目で全部の物を感じたい
音も匂いも暖かさも
瞳から入ってくれれば
どんなに凛とするだろう
360°まとわる感触に2つもの目だなんて
もっとシャープに感じたい
脇目も振らずに入って来い
もっとシャープに入って来い
行き過ぎる時の重みと
枕元の抜毛の軽さ
だんだん母親が飯を作らなくなった
でもそんなの関係ねえ
兄が
ニートの兄が
こんな狂った家には二度と戻るか!と
東に旅立った
妹が
金髪の妹が
このままいくとこの家族どうなるん?と
寂しげに呟いた
この部屋はやっぱり臭い
今になって分かるのは
この道はイレギュラーなんかじゃなく
定められた哀しみの必然
喪失われし真実への旅路
でっていう
よく考えたら小比類巻の方が
俺より強いなぁ
働いたら負けかなって
カメラの前で噛まずにスラスラ言えないのが
ヒキコモリ
ヒキ当初につけた壁の傷は
あの頃の心の傷み
昨日あけた壁の穴は
深夜起きて夕食がサンマ一匹だった
腹いせ
ハタチ過ぎて時間だけが過ぎた
成人式にもいけなかったよね
アイツはあの人は今幸せなのだろうか?
知る由もなく 今日の日が終わる
ハタチを過ぎて何も変わらず
恋愛観も錆び付いてしまった
童貞でもいいや もうなんでもいいや
呆れ顔で笑ってみたよ
時は経って、自傷も増えた、危機感さえも忘れてしまう
もういいよ。
逃げ道の握るコントローラー ミシリと泣いた
イラついて壁とか殴ってる時にもしも手とか震えてたらソレお前の感情じゃなくて
トランキライザーの副作用だから。内蔵にダメージ出る前に止める努力したほうが良い
級に止めるとヤバイからちゃんと専門家に相談すれ
624 :
(-_-)さん:2007/10/24(水) 00:55:40 ID:rjDlHNGeO
なんかしらんがワロタ
625 :
(-_-)さん:2007/10/26(金) 03:53:43 ID:4uUk66BLO
鼻毛の詩(うた)
むんずと掴んだ鼻毛には 抜いて初めて分かったことだが
予想以上の長さがあり 私が始めに想像したのは
あの黒黒光る ゴキブリ虫の触角でした
深夜にがなる改造車の爆音と 兄貴が食べるヌードルの咀嚼音は等しく不快で
私が見つめる鼻毛の長さを測るのを思いついた訳とはなんの関係もございません
老いし母もよもや三十路の息子が深夜三時に嬉々として
鼻毛の長さを測るなど 私を産んだ時には想像一つしますまい
空は青く 夜には黒い 黒いはカラス カラスは漁る
漁るは何だ 漁るは袋 半トーメーなゴミ袋 そこには何が入ってる
私の欠片が入ってる 10mmジャストの私の鼻毛が底にある
切れたものは戻らない 切られたものは何処へゆく?
泣いている 風に吹かれて泣いている ユラユラユラユラ 繋がり求めて泣いている
改造車を乗り回すアンちゃんも スモークガラスの向こうで哭いている
黒黒とした夜の底で 太陽にひからびたアスファルトの溝でユラユラユラユラユラユラユラユラ
そして六時の時報が鳴り 私はいつも通り眠りにつくのでした
【いいわけ】
高い壁は何処まで続くんだろう?どこまで支配するんだろう?
支配されたくないといった僕が支配に救いを求める
始まりは何処だろう?終わりは何処だろう?
答えがみつからず伸ばした手が崩れていく…
崩したのが自分だなんてまだ知らない…
まだここに留まるのかい?
留まる?抜け出せないだけさ…四方八方の壁を越えられないんだ…
始まりは何処?終わりは何処?答えを探して伸ばした想いが無になる…
まだ僕の足は歩けなくて、手が伸ばせなくて…
想いは届かなくて…
壁が高くて…
まだ僕の中の長い旅の終わりが見えなくて…
始まりは何処?終わりは何処?答えを探した僕はもう知っている…もう歩けるだろう?もう想いは届いているだろう?無なんてないんだろう?
僕は逃げただけさ…
でもそれでいいんだ僕の旅の勇者は僕しかいない…
さあ、おいで。
おいで、おいで。
僕のあとに、付いておいでよ。
そうすれば、見えるだろう?
今にもはじけそうな、まあるいシャボン玉。
虹色の丘の向こうで、僕は待ってる。
笑い狂いながら、君を待ってる。
おいで、おいでよ。
さあ、おいで。
途中の林で、黒いハイエナが現れるんだ。
悪いけだものには、相手をしないこと。
そうでなければ、君は夢を食われちまうよ。
君の夢は、ここで終わりやしないんだから。
赤い河をいかだで渡ったら、もうすぐ。
そこで君の血を、大きな蚊が狙ってるよ。
君はそいつをハエ叩きで殺しちゃいけない。
真っ赤な血を捧げないと、先へは進めないんだ。
貧血になっても、君は歩かないといけない。
誰も助けてなんかくれやしないよ。
だからおいで。
僕と一緒に、おいで。
人生破産宣告
よれた背広、曲がったネクタイ、襟の汚れたワイシャツ
ああ…戦後ならば、いまの俺も馴染めるな
ああ…今朝の鏡に写ってたあいつは誰だったかな
公園で、臭いおっちゃん見つけた。
今なら、可愛い捨て猫に見える。
うちで飼うこと出来ないし、俺の財布をあげた。どうか今夜の足しに…
どこまで、歩いたか。とこまで、歩くのか。
どこまでもビルの光に見付かって、心臓が冷たくなるや。
寒いから、なんとかしよう
辛いので、なんとかしよう
疲れたさ、なんとかしよう
次の電車が帰り道。やっぱり帰り道は良い…
630 :
(-_-)さん:2007/11/12(月) 22:03:51 ID:X737/vMJO
芸術性がないと
言われてもなぁ
なぁ
無理矢理押し付けられた 硬い靴のせいで
ショーウィンドウの中で 動けないあの人形
暇だから 週末は賑わい返るこの通りで
周りの人達に染まってみるのもいいかもね
雨上がりの朝は水たまりで跳ねて
星降る夜を待ち 願いをかけよう
久し振りに見かけた 半世紀 寄り添う二人
ほら そこの窓からこぼれ落ちている幸せを
少し黙って もらってみても
ここの周りの人達も 見逃がしてくれるよね
昨日の午後の昼は もう少し夢の中
星降る夜を待ち 願いをかけよう
繰り返すその言葉は、祈りの言葉
ケータイから
『声』
ねぇ…聞こえますか?
君の生きた証がそこにはあるのかなぁ…
存在を証明した君
その真っ赤に流れた君の心臓の音は確かに響いてる?
その深く深くなった傷は君に何を教えてるのだろう
存在を証明した君
その流れだした心臓が証なら僕は否定しよう
傷から流れ出した真っ赤な心臓より
君の瞳から流れだした君の想いで
僕は君の生きている証を証明しよう
ねぇ…聞こえますか?
君の真っ赤な心臓を止めれば君に心が生まれる
君の流した想いをすくい上げたら新たな君が生まれる
僕が生まれたばかりの君を抱きしめよう
時に思い入れる物には都合なんて無くて
液晶にならぶドットもあわさりようによっては心奪われてしまう
いつかには古びた紙面に 鉄に染み込む滑油に 頬に撫でる陽に
やがてはアルコールにも入れあげるのか
肌の感触を求めた頃があっただろうか…
ふれる物を好む
「時間」に嗜好を委ねる
それが自由だったなんて
きっとそれを味わったなら 何かが変わる
頭の中 キラキラと音が鳴ったりね
その日はたぶん 可愛い靴を履く
637 :
(-_-)さん:2007/11/22(木) 07:27:03 ID:4PJd3CylO
ニーチェ☆ドライヴ
火星からある日、青い青い光線が延びてきて
薄暗い部屋にうずくまる俺サマの脳髄を貫いた━(゚∀゚)━♪
それから視える、聴こえる、感じられる!
すべてのヒキコモリの生活が瞼の裏に映しだされる!
ある者は今日も麻痺した顔でオナニーし ウンザリしながら手を洗うエブリデイ
とあるピザは座る場所もない部屋で 漫画にPC ティッシュに精子のカルパッチョ
ドイツもコイツも一ヵ月前と変わらねえ、一年前とも変わらねえ、いやいや五年前とも変わってねえ
小さな肥溜めをグルグル廻る間抜けヅラしたボウフラどもよ
ちょっとしたコメディーだが笑う奴ァいない
アンガールズよりキモカワだがつっこむ司会者も不在中
誰もが独りで不戯けてて
誰もが独りで冷笑してる…
木星からある夜、腕が四十七肢あるやつが降りてきて
太陽の裏に一緒に行かないかと誘いにきた━(。∀゚)━♪
そこには何があるかと問い質すと 神サマが引き籠もってるときたもんだ
俺サマは承知したね だって断る理由もないだろう??
誰かがつっこんでやらなきゃいけないんだよ おめぇマジくだらねーんだよ!って。
誰かが言ってやらなきゃわかんねーんだよ だけどおめぇ…光るモンあるじゃん♪って。
だから俺、神サマんとこちょっと逝ってくるわ ( ̄□ ̄;)ノシ
分割する砂時計
サザナミ Blue-哀 褪せたビスクドール
星砂 浮かぶ浮き輪 ヒトは消えた 繋がりを得て
美しい雲 メタリックな雨 べルヴェットの手触り
艀と 集まるサカナと 夢で見た風景と 肩にかかる髪
ユレル波 散乱する光と過去 融け合う二人だけの未来
僕は今 扉を開けると蜜蜂が舞う庭を夢想したけど
そこでは 妻と子が 手招きする父母が 昼下がりの光の中
得るはずだった得られるはずだった 約束された世界が…
夜の闇 ドアごしに響く雨 冷たい枕
ひび割れたラジオの嬌声 空っぽの水槽 アンティークドール
繋がりは消えて 無重力 浮かぶ星砂
途切れたユメ 半円に欠けた 永遠の喪失感
分割する砂時計
白と黒
左からここまでは白
そしてここから右は黒
冷たいピアノ線で引かれる境界線
どこからだろうか
私は足を踏み外したんだろう
それとも基から決められた道だったのだろうか
白に咲く花は
いつでも陽に当たり
上を向いて群を呼ぶ
黒に咲く花は
いつでも陰の海
下を向いて水を失う
白を求めても何も掴めない
自分の位置が見えないから
そして白は白い目で黒を見る
白が憎くなる
白を消したくなる
黒を無にしたくなる
もうなにも感じられなくなる白と黒の世界
誰か書きなさいよ
赤い血の滴る肉を手に取り あなたは微笑んでいる
それは昨日空を優雅に舞っていた美しい白鳥の肉
黒い光を放つその目で僕を睨み あなたは微笑んでいる
すぐに僕もあなたのその綺麗な手で冷たい骸になろう
心の内に秘める衝動が突き動かされ 鋭い牙を剥く
高まる鼓動 煮え立つ血潮
崩れ落ちた記憶が今 僕の胸を貫き あなたを悦ばせる
何も思い残すことはない さあ 地獄へ舞い戻ろう
642 :
(-_-)さん:2007/12/10(月) 00:59:31 ID:uA1u9f9tO
青深く 深淵の底から 沢山の人 ひたすら歩く
果てが見えない 心満たされない ヒカリ求め彷徨う キミに照らせ月の光よ
照して キミの歩く道へ
願う ぼくの全てを懸けて
赤い鎖が 胸を締め付ける ああ もう 戻れない
一掴みの幸せの為に ああ 全部 壊れる
照して キミの 歩く道へ
願う 僕の すべてを懸けて
643 :
(-_-)さん:2007/12/11(火) 17:18:46 ID:IcetMTaG0
南北の風になって
いくつもの時をこえて
果てしない砂丘に
あたたかい風がのぼっていく
時を、飛び越えてみたい。
あたたかい
空の一部になりたい
蒼く、高く、一番遠くから地球を遥か見渡せる場所まで昇れたらいい
幾千万の粒子に溶けて
光の粒の一つになる
憎しみも悲しみも全部
溶けてしまうような世界
この空のもとで世界の本当の姿を、見渡したい。
空の一番高いところで見渡す世界は、どんなだろう…
たった一歩で、時を越えてしまえるかな。
目の前に広がる朝焼けとか、金糸の雲を振り返って
西の空を見れば、夕暮れが見えるかな。
見えたらいいのにな
綺麗な景色を身体中めいいっぱい見渡せたなら
この体の中に広がる冷たい景色が、溶けて消えてくれるかもしれない…
降り積もる白い雪に、
部屋の中の白い息に、
ふとそんなこと考えてた…
叶うならどうか、今日はあたたかい夢を、見たい
降りそそぐ光のように、やさしく、なりたい
夜の雫が空に溶けました
今、地球は輝き初め
人々は眠りの時になりました
一人
ただ一人
この夜も見放した部屋で
そっと呼吸困難に陥るあなた
そのシルエットは泣いていました
一人は嫌なくせに
なのに、一人だけ
ここは嫌いなくせに
けれど、ここしかなくて
悪魔にシナリオを渡すつもりなの?
悪魔が筆を取る
苦しみを。痛みを。
未来を焦がす業火の日々
明くる日も。そのまた次も。
あなたが生きた事は忘れて下さい
けれど
あなたが死んだ事は忘れないで
ただ死を背負って歩いて下さい。
砂時計みたいにさらさらと落ちていく時間
もうほんとうに、つかれたよ
生きているのが間違いだったのかな
過去は突然襲い来る
流されていく平常な思い
空気中を漂う透明な未来
いつも掴めずにただ、夢を見る
青空の彼方
海の底
果てしない樹海の中で
さまよう死の虚創
虚空の果てに
孤独の中に心が埋もれて 置き去りにされていく
現実から切り離されて さまよいつづけている
身体中から体温が消滅していく時
最後に何が見えるだろう
できるなら傷ついたことじゃなく
優しいあたたかい思いがいい
僕の中にある思い出はもう温もりをなくしているけれど
最後にはあたたかい記憶を思い出して眠りにつきたい
僕が死んだ百年後の未来も、地球は青く輝いているだろうか
だとしたら
僕は、月の上で生まれ変わりたい