ひきこもり達が自作小説を公開するスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
397(-_-)さん
 山あいの寒村に寂れた家屋があり、土間をあがったその薄暗い部屋に、
ほう髪にしわのいった男が囲炉裏にあたっていた。
そこに入り口の戸があいて、冬の日暮れのかすかな光が入ってきた。
「おかしら、源蔵という男が帰ってきましたぜ」
おかしらと呼ばれたこの男は、多いときでもせいぜい二十人程度の盗賊の
長であり、源蔵というのはかつてここに身を置いていた若い男である。
若いといっても、もう三十に近いが、顔はなかなかに整った美男子であったので、
外見からするとまだ十代のようにも見えた。源蔵は、一年前にここを飛びだ
してから、かしらに何の便りもよこしていなかった。
それが、今ひょいと帰ってきたというのである。
「ほぉ、そうか。助兵衛、源蔵のやつをここへ呼べ」
「へい、わかりました。つれてきます」
助兵衛は、本当の名ではなくかしらがつけた渾名であり、まだ二十を越すか
越さないかの血気盛んな若者であった。顔はどちらかというと醜男の部類
にはいり、目が細く、頬がでっぱっていた。
398(-_-)さん:04/10/15 23:03:23 ID:???
 それからすぐ、源蔵は重い足取りで、かしらの家へと入ってきた。ややかしこまった形で、
かしらの前に座すと、刀をはずしてから一礼し、いった。
「今帰りました。おかしら」
かしらは、伸び放題に伸びたあごひげをなぜながらこういった。
「おお、まぁそんなにかしこまるな。で、今までどこでどうしてた?何の連絡もよこさねえでよ」
かしらが、前髪の奥からぎらりと目をのぞかせていたので、源蔵は余計にすくんでしまった。
「へい、包み隠さずにいいますと、京の街で遊んでました」
「それで金がなくなったから、ここへ帰ってきたというわけか」
「いえ、決してそういうわけではありません」
源蔵の額からすぅっと汗がたれた。
「わしに、何の断りもなく消えたことについては水に流す。だが、もう勝手はするなよ」
「はい、わかってます」
「なら、さっそくだが、売りに出す娘が三人納屋に入っている。お前それを見張ってろ。
 手は出すなよ。一人は上物で、調べたらまだ傷がついちゃいねえ。高く売れるはずだ」
「へい、いってきます」
源蔵はその場を後にし、納屋のほうへと向かった。途中、助兵衛が源蔵に声をかけてきた。
「どうです?おかしら、怒ってやしませんでしたか?」
「さぁ、どうだろうな。そういえば、見ない顔だが新入りか?」
「へい、最近入った者で、名前は助六といいますが、おかしらからは助兵衛って呼ばれてます」
「そうか……。助六とやら、今ここは何人いるのだ?」
媚びた顔で受け答えする助兵衛に、源蔵はすこし気味が悪かった。
「そうですな、五、六人ってとこじゃないですか。なぁに、狙うのはいつも少人数ばかりだし、
こちらに被害はまずありませんよ。大人数だとわけまえもそれだけ減っちまいますしね」
「そうか、後でみなに挨拶せんとな」
助兵衛は、源蔵に納屋にかけられた錠の鍵を渡すと、すたすたとかしらの家へと戻っていった。
399(-_-)さん:04/10/15 23:04:14 ID:???
 この寒村は、実は盗賊の隠れ家で畑やらが一応はあるが、ほとんど何も
収穫されていなかった。家屋は九棟しかなく、そのほとんどがところどころ傷んでいて、
人が住んでいるとはとうてい思われなかった。それだから、当然納屋のほうも形
だけで中には何もなかった。源蔵が上の隙間から中をのぞくと、聞いたとおり三人の娘が頭
を低くたれながら、静かにすすり泣いていた。錠をはずして中に入ると、源蔵は
好色そうに娘の顔を手でむりやりあげて見てまわった。そして、最後に一番奥
の陰になったところにうずくまっている娘の顔を見た源蔵は、身をのけぞらせていった。
「さ、さや。さやなのか?」
それは十年近く生き別れていた実の妹だったのである。
向こうは兄の顔を見ても、それが兄であるとは判然とわからなかったようだが、
源蔵のほうは、妹の顔を忘れていなかった。兄とは歳が十ほど離れていて、子どもの
頃の顔しか知らなかったが、人より大きく潤んだような黒い瞳と長いまつげ、ぽっ
ちゃりとした赤いくちびるは、昔の面影をしっかりと残していた。源蔵はためらいがち
に、さやの肩を両手でつかんで、からだを起こした。
「さや、兄さんだ。源蔵だよ。忘れたのかい?」
さやは、涙でぬらした目を源蔵に上げると、首をかしげていった。
「げ、源蔵兄さん?源蔵兄さんなの?どうしてここに。きっと助けにきてくれたのね。ああっ」
さやは感極まったのか、源蔵の胸に飛びついて、泣きはじめた。
「さや、どうしてこんな所にいる?おとうとおかぁはどうしたのだ?」
源蔵の胸元を強く握りながら、さやが顔をあげた。
400(-_-)さん:04/10/15 23:04:55 ID:???
「盗賊に襲われたの」
さやは辛いことを思い出したくないと、そこでつまった。
「おっとうとおっかぁはその場で斬り殺されてた。わたしこの目で斬られるのを見た。
わたしだけは生きたまま、ここまで連れてこられて」
源蔵はさやの言葉に何もいえず、自らが今まで犯してきた業のようなものを感じていた。
「兄さん?」
さやの声に正気をもどした源蔵は、さやの肩を激しくゆすっていった。
「大丈夫、心配するな。俺が逃がしてやる。今はここから逃げることだけに集中するんだ」
源蔵は立ち上がると、納屋の外を見にいった。
「誰もいないようだな。さや来い。逃げるぞ」
さやの手を握って納屋から出るとき、源蔵は中でうずくまっている娘二人にいった。
「す、すまない。できたら後で君たちふたりも逃がしてあげるよ」
さやが後ろめたそうにいった。
「どうして一緒に逃げないの?」
「大勢だとすぐ見つかるし、納屋に誰もいないとすぐ気づかれちまう」
「そんな……」
「いいから逃げるんだ」
さやの手を強引に引っ張りながら、源蔵は駈けだしていた。
401(-_-)さん:04/10/15 23:05:53 ID:???
 かしらの座敷の戸口に、慌てた助兵衛が姿をあらわした。
「おかしら、大変でさ。納屋の娘が一人いません。それと、監視していた
源蔵の姿もどこにも」
「なんだと?」
かしらは片肘をついて寝転んでいたが、それを聞くと瞬時にからだを起こした。
「源蔵のしわざか!あの野郎、今度という今度はゆるさんぞ。草の根わけてでもさがしだせ。
殺してもかまわんぞ」
「へ、へい」
 助兵衛ら、四人の男が源蔵のあとを追った。
まもなくして、ブナの林の中をゆく源蔵らを一同は見つけた。
「おい、待て源蔵。どこへ行く気だ」
声をかけたのは、源蔵とは仲のよかった吾平という男である。
「頼む逃がしてくれ。この娘は俺の妹なのだ。頼む」
「それはできん相談だ。おかしらはお前を連れ戻せといわれている」
女を連れて逃げているので、屈強な男四人をまくのは不可能であった。
追いつかれた源蔵は、彼女だけでも逃がそうと男どもを相手に白刃を抜いた。
「四人相手にやろうっていうのかい。知ってるぜあんたが凄腕だってことはよ。
だがな、その娘を守りながら、じゅうぶんに俺たちとやりあえるとでも思ってるのかい?へへへ」
助兵衛の顔が醜く歪んだ。
「逃げろ、さや」
源蔵は必死の形相で叫ぶと、刀を振り上げて斬りかかった。
402(-_-)さん:04/10/15 23:06:16 ID:???
「どうだ?目を醒ましたか」
顔に水をかけられた源蔵は、うつらうつらと目を開けた。
その腫れた顔は、青あざやら傷やらに覆われ、水をかけられるとジンジンとほてった。
声をかけたのは、どうやらかしらのようだった。
辺りを見まわすと、ぼんやりとだが、かしらの家の中だということがわかった。
どうやら、あれからここまで運ばれてきたらしい。
助兵衛に人質をとられ、おとなしくしろと脅された源蔵は、数瞬のためらいを見せたあと、
刀をその場に捨てたのだ。その後、いうまでもなく執拗な暴行が加えられた。
「源蔵、この娘がお前の妹というのは、本当か?」
源蔵は柱に縄でぐるぐるに巻きつけられ、夜をむかえた屋内は、ろうそく
の炎によって赤々と照らされていた。 妖しくゆらめく光によって源蔵の
眼前に立ち現れたのは、半裸にされた娘が、梁からたれた縄に両手を縛られて
つるされている姿だった。
「おかしら、頼みます。どうか手は出さないでやってください」
「どうします?おかしらぁ」
助兵衛が、これ以上にないほどの笑みをうかべて、かしらに聞いた。
「そういわれると、ますますやりたくなるってぇのが男ってもんだ。そうだろ源蔵?」
かしらはさやの腰まきに手をかけながら、暗い欲情を燃えたたせていた。
「おかしらっ。吾平からも何とか頼んでみてくれ」
「ふん、いまさらそんなことをいえた義理かよ」
吾平の蹴りが腹に入り、源蔵は低くうめき声をあげた。
403(-_-)さん:04/10/15 23:07:35 ID:???
 そうして源蔵の目の前で、淫獣の戯れが始められた。
まず助兵衛が、女の着物をはぎとり、あらわになった乳房をしゃぶりだした。
「こりゃいいぜ、おかしらぁ。うますぎらぁ」
ふっくらした白い乳房を吸い、舌でこねまわし、歯で乳首をこりこりとかんでいった。
「おめぇばっかいい目をみるんじゃねえよ」
そういってかしらは、すばやく自分の着物の紐をといて裸になると、縮れた毛にうもれた
大きな陰茎をとりだした。それを手のひらですこし握ってやると、むくむくと勃起していった。
その時、源蔵はどうしていたのかというと、柱にくくられたまま虚ろな目を部屋の片隅へと向けていた。
「どうだ?源蔵ぉ。おまえもやりたくてしょうがねえだろう?」
問われた源蔵の口は、依然としてかたく閉ざされたままだ。
「実の妹を目の前で犯されてて、なにもいえねえか?」
いいながら、かしらは女のあごをつかんで強引にくちびるをあわせた。
「ううん、うっ」
ふたをされたくちびるから、悶えるような声がもれる。かしらの執拗な口づけに
息が続かないのか、それとも感じているのか、黒髪が顔を隠していて表情がうまく読みとれない。
ようやく口を解放してやったかしらは、今度は腰を女の顔のところへと持っていって、
屹立した自慢の如意棒を頬にはわせながら、くちびるへと押しつけていった。
「おい、歯は立てるなよ。うっ、こりゃいい。たまんねえな。女、もっと舌をつかえ」
404(-_-)さん:04/10/15 23:07:57 ID:???
縄を巻かれた梁は、下からくる振動にみしみしと音をたてた。
胸を舐めるのに飽きた助兵衛は、最後の一枚をひらりと剥ぎ取るとそのまま秘所に食らいついた。
瞬間、女のからだがピンとはねあがり、助兵衛の指が可憐な花びらを荒々しくひろげ、
上下に蜜を舐めだすと、正直な女体は快楽になまめかしく動き、波うった。
しだいにその舌先は、糞をひりだす穴にも向かっていこうとしたが、
「もう我慢できねえな。おい助兵衛、そこをどけ」
と、かしらが離れるのも待たずに、足で助兵衛の横っ腹を押していれかわった。
「おい、吾平でも誰でもいい。縄を切れ。この体勢ではやりにくくてかなわん」
吾平ともう二人は、同じ部屋の一隅に座していたのだが、疲労からか強姦には
加わっていなかった。
そのうちの小四郎という小男が、ヒュッと小刀をなげて縄をうまく切りはなした。
倒れそうになった女を、かしらの腕がうけとめ、そのまま床に押しつけて覆いかぶさった。
男と女が一つの塊へとつながりあったのだ。
激しく律動するかしらの下半身にあわせて、
「あぁーっ、あーっ」
とあえぐ女。
そのせわしく息をきざむ口、紅潮した顔、とろりとした薄目はまさに忘我の境地であった。
情欲に支配された女は、その足をかしらの胴へと巻きつかせ、自ら絶頂を求めていった。
405(-_-)さん:04/10/15 23:10:10 ID:???
 短くなったろうそくの炎にてらされた女の膣口からは、白濁色の液がたれていた。
ぐったりとしたかしらの後に、行為の一部始終を見せられて怒張しきった男根をふりながら、
助兵衛が吸いよせられるように女に向かったとき、それまで死んだように動かなかった源蔵が突如笑いだした。
「おれの勝ちだな。おかしらをはじめ、一同まんまと騙されおったわ。それは妹ではない。
 別の娘よ。今ごろ二人はどこか遠くに逃げおおせておるわ」
「何じゃと?」
かしらの顔は陰になっていてよくわからぬが、さすがに驚いたにちがいない。
「何のことをいっておる。おぬし、気でも違ったか?」
「違わぬよ。くくく」
なおも源蔵は、冷笑をあびせた。
「いったであろう。それは妹ではないと」
「では誰だという?」
「さやとして連れだした女。本物のさやは今ごろもう一人を連れてどこかへ消えておるわ」
「おい、おまえら。今すぐ納屋のほうを見てこい」
三人はすぐさま出ていったが、一人助兵衛だけはまごついて遅れた。
「それが本当なら、まんまとしてやられたわ」
「その小娘には悪いことをした。さやの奴、三人いっしょでなくては逃げぬというから、
しかたなしにその場で妙案を考えだしたのよ。おれはこの娘と逃げてやつらをひきよせる。
そこで、手薄になったところを、おまえたち二人で逃げるがよい、とな」
「なんと……」
かしらも騙されていながら感服した。
「おびきよせておいてからそのまま逃げきるつもりが、あえなく捕まってしまったがな」
そこで、納屋に向かった四人がどたどたと戻ってきた。
「源蔵のいうとおり、あとの二人の姿がどこにも見あたりません」
と助兵衛が報告すると、室内に源蔵の高笑いが響きわたった。

一応終わり。もうなにも書くつもりなかったんだけど、前に書いたの途中のままなのは、すっきりしないので
むりやり終わらせときました。