ヒッキーのためのリレー小説 6発目

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1小太郎
小太郎でやんす。
一応、リレー小説なんで前の文とつなげて、
完結させましょう。
細かい設定で人物を作ってもOKでやんすよ。
2(-_-)さん:03/06/28 20:12 ID:g/8jaH/e
d
3(-_-)さん:03/06/28 20:16 ID:???
目が覚めると隣に知らない女が寝ていた
4(-_-)さん:03/06/28 20:17 ID:???
4get
5(-_-)さん:03/06/28 20:17 ID:???
俺は女の乳をもんだ
6(-_-)さん:03/06/28 20:18 ID:???
当然のようにボッキした
7(-_-)さん:03/06/28 20:18 ID:???
その時かあちゃんがノックもせずに部屋に入ってきた
8(-_-)さん:03/06/28 20:18 ID:???
あんた!なにしてるのよ!!
9(-_-)さん:03/06/28 20:22 ID:???
第一部


ーーーーーーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10(-_-)さん:03/06/28 22:54 ID:???
ついでに第二部も完
11(-_-)さん:03/06/29 12:41 ID:???
立てるの早すぎたかな?
12(-_-)さん:03/06/29 19:06 ID:???
目がさめると、見知らぬ天井だった。
「ここは・・・どこだ?」
もう喉まで出掛かっているのだが、
何故か思い出せない。
「僕の名前は・・・」
名前を入力してください。
デフォルト いかりや シンジ
13(-_-)さん:03/06/30 00:00 ID:???
入力モードです。
あなたの名前は?
頓智 番長
これでいいですか?
イエス!!!
それでは、とんち番長開始します。
14(-_-)さん:03/06/30 00:44 ID:???
ご迷惑をおかけしました。
15(-_-)さん:03/06/30 10:19 ID:???
ピラニア番長「グフフフ、来たな!!とんち番長!!とんちで勝負じゃあ!!」
16(-_-)さん:03/06/30 17:59 ID:???
終了
17(-_-)さん:03/07/01 06:43 ID:???
「経絡秘孔の108くらいを突いた。おまえはもう死んでいる。」
番長は、「そ、そ、そんなブペゥ。」
と言って病院送りになった。
18(-_-)さん:03/07/01 06:49 ID:???
俺の名前は、源七郎。北斗神拳の使い手だが、
ある理由により辞退している。
この学校にもう1人の使い手がいると聞いて、転校してきた。
そいつに継承権を譲ろうと思っている。
果たして、そいつはどこにいるのか?
19(-_-)さん:03/07/01 06:54 ID:???
その頃、生徒会室・・・
生徒会長「そうか・・・奴が来たか。」
付き人「どう致しましょう。青銅バッジに任せますか?」
生徒会長「そうだな。黄金や白銀バッジを出すまでもないな。」
付き人「では、青銅バッジ10名に任せるよう手配します。」
20(-_-)さん:03/07/01 06:56 ID:???
東京が燃えた夜、太郎は歓喜と興奮でなかなか寝つけなかった。
そこへ…
21(-_-)さん:03/07/01 07:00 ID:???
静江がそろりとやって来た。どうも落ち着かない様子だ。
太郎「どうした静江?」
静江「大変よ、太郎!!!次郎が… 次郎が…」
22(-_-)さん:03/07/01 07:00 ID:???
源七郎の前に、2人の男が現われた。
「俺は青銅バッジの天馬。」
「俺は青銅バッジの一角。」
「青銅バッジ10人集の2人だ!!会長の命により貴様を抹殺する。」
23(-_-)さん:03/07/01 07:03 ID:???
源七郎は突っ込んだ。
「これは、あれか?聖闘士・・・」
「それを言うなぁぁぁぁ!!」
2人は動揺した。恥ずかしいらしい。
24(-_-)さん:03/07/01 07:06 ID:???
太郎は静江の様子に戸惑いながらも次の発声は待った。
静江は放心状態のようだ。
静江「太郎は今、東京にいるの…」

太郎「な…、なんということだ…」
25(-_-)さん:03/07/01 07:10 ID:???
源七郎は田舎がそんなことになってるとは思っていなかった。
「とりあえず、お前たち2人を倒せばいいのだな?」
「そうだ!!だが俺たち2人は強いぜ!!」
と一角は言った。
その瞬間、源七郎の拳がめり込んだ。
「一角!!おのれ!!俺はそうはいかない!!」
26(-_-)さん:03/07/01 07:14 ID:???
リナ脱げ
はぃ
そうだよっくり脱げよ
はぃ
程よい乳だのう
はぃ
では参る
はぃ
ズコズコ
あんあんあん
ズコズコ
ん ん うぅ あっ・・・
27(-_-)さん:03/07/01 10:30 ID:???
それはある教室であった。
男「リナよ。あの2人が源七郎とか言う奴を抹殺に向かったと聞いたが?」
リ「はい。会長と黄金バッジの方に。」
男「フン。この白鳥に任せれば、どんな奴も氷付けだと言うのに。」
リ「そ、そうですね。」
白鳥「お前にも飽きたな。そろそろ芸術作品になるか?」
白鳥は、教室の後ろにあるカーテンを開いた。
すると氷付けの女生徒たちがいた。
白鳥「では、俺も源七郎とやらを見に行くか。その前にお前は凍り付け。」
リナは悲鳴を上げる間もなく凍りついた。
28(-_-)さん:03/07/01 10:41 ID:???
その頃、校門では・・・
一角を一撃で倒した源七郎と、天馬がにらみ合っていた。
「おおおおおおお!!俺の拳を受けてみろぉぉぉ!!
 天馬流星拳!!!」
数十発のパンチを音速で繰り出した。
しかし源七郎は、片手で全て受け止めた。
「俺には効かんな。他の者なら効いただろうが。」
「な、俺の流星拳が!!」
「では、通らせてもらうぞ。」
そう言って源七郎は遅刻寸前で、教室へ入っていった。
もちろん、襲い掛かってきた2人は遅刻である。
29(-_-)さん:03/07/01 12:55 ID:???
「いやーわりいわりい…マトリックソオフに参加してたら車に轢かれちゃってさー」
首が無かった
30(-_-)さん:03/07/01 18:43 ID:???
ちょりそ〜〜〜〜〜〜!
31(-_-)さん:03/07/01 19:03 ID:???
源七郎に倒された2人は、遅刻したので廊下に立っていた。
同じクラスと知って、源七郎は驚いた様子もなかった。
そしてそれを見て、ニヤリと笑った男がいた。
あの女を氷付けにした白鳥だった。
「フ・・・あの2人ではやはり駄目だったようだな。
 次は俺が氷の芸術に仕上げてやるとするか。」
白鳥はノートに切れ端に何か書いて、
「すまないが、源七郎くんに回してくれない?」
その生徒は、ビクッとしたが言うとおりに回した。
それを見た源七郎は、白鳥をにらみ付けた。
その紙には「昼休みに屋上へ来い 白鳥」と書いてあったのだ。
32(-_-)さん:03/07/01 19:20 ID:???
昼休み・・・
源七郎は白鳥と対峙していた。
先に動いたのは白鳥だった。
その瞬間、源七郎の右腕が凍りついた。
「これは!!」
「フッ。それが俺の能力さ。炎すら凍らせることが出来る。」
「そうか。それじゃ、凍らせられる前に蹴る。」
源七郎の蹴りが決まり、白鳥はフェンスまで吹っ飛ばされた。
「やるじゃないか。やはりあの2人じゃ無理なわけだ。」
すると源七郎は、
「もう終わった。経絡秘孔のひとつを突いた。お前はそこから動けない。」
「な、ぐぅうう。これでは、無遅刻、無欠席がパーになる!!」
その時、予鈴が鳴った。
「午後の授業は欠席だな。まあ、そこで寝てるがいい。」
源七郎は笑いながら、教室に戻った。
33(-_-)さん:03/07/02 03:01 ID:???
生徒会室
会長「そうか。白鳥もやられたか。」
付き人「はい。おまけに全員遅刻、欠席に・・・」
会長「ふん、まあいい。青銅バッジ、全員で倒せと言っておけ。」
付き人「わ、わかりました。あ、しかし、鳳凰は来ていませんが。」
会長「それならそれでいい。早急にな。」
付き人「は!!」
34(-_-)さん:03/07/02 05:28 ID:???
師匠「あはん、うふん、おほん」
35(-_-)さん:03/07/02 08:05 ID:???
源七郎は次々と青銅バッジの男たちを倒していった。
「残るは俺。鳳凰とお前、鎖か。」
「そうですね。兄さんと僕が組めば、倒せないものはないですよ。」
「そうか。ならば倒しに行くぞ!!」
「はい!!」
36(-_-)さん:03/07/02 10:56 ID:???
その2人も源七郎にとっては、ザコだった。
瞬殺だった。
「そ、そんな馬鹿な!!」
「僕たちの技が効かないなんて・・・」
37(-_-)さん:03/07/02 11:04 ID:???
ちょっと休憩・・・
38(-_-)さん:03/07/02 17:30 ID:???
源七郎「これでもまだ60%ってところかな。このビル平らにしてみせようか?」
39(-_-)さん:03/07/02 19:16 ID:???
源七郎は生徒会室への12の教室を目の前にしていた。
「さっきの白銀バッジもザコだったな。残るはここの黄金バッジと、
 生徒会長か・・・生徒会長、どんな奴か楽しみだな。」
40(-_-)さん:03/07/02 19:34 ID:???
「12の教室を抜けないと、生徒会室に行けない仕掛けか。
 面白い!!さあ、最初は誰だ!!」
源七郎は牛と書いてある教室に入った。
そこには、マッチョな男がいた。
「俺の名は牛 武(ぎゅうたけし)お前に俺の拳が見えるか!!!」
すると、源七郎はいきなり吹き飛ばされ、壁にめり込んだ。
「ぐ・・・何だ今のは?奴が光ったと思ったら、飛ばされていた。」
「ふわぁはっはっはっ!!ワシのタックルは光速なのだ。」
「無茶苦茶言いやがる。だが、お前の技は見切った。指3本で受け止める。」
41(-_-)さん:03/07/02 23:21 ID:???
源七郎は本当に指3本で受け止め、さらに牛を吹き飛ばした。
「俺の勝ちだな。先に進ませてもらう。」
42(-_-)さん:03/07/02 23:36 ID:???
途中省略・・・
「こ、ここが生徒会室。今までにない波動を感じる。」
すると、ドアが開き付き人が中へ招き入れてくれた。
「ようこそ、俺の部屋へ。この生徒会室に来るのはなかなかいないんでね、
 退屈していたんだよ。」
その時、源七郎は「ヤバイ、こいつはやばすぎる。」と思った。
43(-_-)さん:03/07/03 19:14 ID:???
源七郎はあらゆる技を駆使して戦ったが、
生徒会長にはきかなかった。
「はぁはぁ・・・何故、技が効かない!!」
「俺にはある能力があるからな。」
44(-_-)さん:03/07/03 20:15 ID:???
「俺の領域では、あらゆる暴力、能力が無効化される。
ここでは俺のルールで戦ってもらうよ」
45(-_-)さん:03/07/04 04:37 ID:???
「なんだと!!それじゃ、じゃんけんで勝負だ!!」
「いいだろう。」
46(-_-)さん:03/07/04 05:39 ID:???
しかし負けた。
「俺の負けだ。好きなようにしろ。」
「じゃあ、俺の部下となれ。」
「わかった。」
ヒッキーのためのリレー小説 6版につづく
47(-_-)さん:03/07/05 12:41 ID:???
「おお死んでしまうとは情けない。もう一度やり直すがよい。」
俺は101回目の復活をした。
48(-_-)さん:03/07/05 15:09 ID:???
右に回るか、、左に回るか・・・よし右にしよう、とそこの王様の影が
49(-_-)さん:03/07/06 06:01 ID:???
だってさ
50(-_-)さん:03/07/06 08:55 ID:???
「おお死んでしまうとは情けない。もう一度やり直すがよい。」
俺は102回目の復活をした。
「そういえば、東京駅で毒電波パフォーマンスやったけど、
 あれは気持ちよかったな。今度はどこでやるかな?」
51(-_-)さん:03/07/06 23:00 ID:???
某小学校に俺は来ている。
もちろん、毒電波と書いてある全身タイツを装着して。
お、そろそろ下校時間か。
さあ、始めるか。
52(-_-)さん:03/07/07 10:35 ID:???
しばらくパフォーマンスをしていると、
サイレンの音が聞こえてきた。
俺はすぐさま、近くの公園の便所へ行き速攻で着替えた。
そして何食わぬ顔で、自宅へ帰る。
今日も大成功だ。
とりあえず、ドラクエTの続きをやるか。
復活の呪文は、どこにやったかな?
53(-_-)さん:03/07/07 17:42 ID:???
復活のぬ門は切れマンじぇるおさんkみょくにあった。
54(-_-)さん:03/07/07 21:25 ID:???
まさかキムタクさんが、ああいう人だったとは驚きだ。
まあ、カリスマホストとかナンバー1ホストって、
疲れるのかもしれないな。
さあ、さあドラクエの続きをやろう。
55(-_-)さん:03/07/08 05:48 ID:???
「おお死んでしまうとは情けない。もう一度やり直すがよい。」
俺は103回目の復活をした。
56(-_-)さん:03/07/08 17:38 ID:???
「ん?表の俺はキムタクさんたちと、ステージでパフォーマーやるらしいな。」
俺の主人格がやることだ、俺には関係ない。
俺が外に出るときは、殺る時だけだからな。
57(-_-)さん:03/07/09 02:40 ID:???
「なんだよ。期待させておいて。殺しの依頼は無いのかよ。」
58(-_-)さん:03/07/09 04:35 ID:???
鼻毛ボーボーじゃん
59(-_-)さん:03/07/09 11:01 ID:???
「久々にシャバの空気を吸ったぜ。」
60(-_-)さん:03/07/09 19:07 ID:???
「おお死んでしまうとは情けない。もう一度やり直すがよい。」
俺は104回目の復活をした。
61(-_-)さん:03/07/09 22:31 ID:???
表の人格は楽しんでいるようだな。
まあ、俺は女に興味ないし、あっても強姦になって始末するから無理だな。
62(-_-)さん:03/07/10 18:54 ID:???
祭りは終わったようだな。
早くジム行かなきゃ。
63(-_-)さん:03/07/10 22:57 ID:???
スーパーフリー列伝 -和田-
64(-_-)さん:03/07/11 06:34 ID:???
ボブサップはナッパに似てるね
65(-_-)さん:03/07/11 19:30 ID:???
なんだって!!本当なのか、元キバヤシ!!
66(-_-)さん:03/07/11 20:05 ID:???
「おお死んでしまうとは情けない。もう一度やり直すがよい。」
俺は105回目の復活をした。
67(-_-)さん:03/07/11 20:30 ID:???
闘将!!ラーメン男
       完
68(-_-)さん:03/07/11 21:08 ID:???
ん?ドラクエにフリーザが出てるぞ。
なんでだ?
俺は0.000000001秒考えた。
エニックスクエアになったから?
いや鳥山明がキャラデザだからか?
違うな、何か陰謀があるに違いない。
現に、俺の最強パーティーは奴の攻撃で瀕死状態だし。
わからん。これは電波の仕業。
そうか!!毒電波を受けたからだ!!
よし、そうとわかれば、アルミホイルを部屋中に張っておこう。
(この間、0.000000001秒)
69(-_-)さん:03/07/12 02:18 ID:???
>>68
だまれ
70(-_-)さん:03/07/12 05:16 ID:???
>>69
厨房の貴様もな。
71(-_-)さん:03/07/12 18:46 ID:???
ドクドク電波〜マンセー
72(-_-)さん:03/07/12 19:28 ID:???
フリーザはヒッキーになった。
73(-_-)さん:03/07/12 19:33 ID:???
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74(-_-)さん:03/07/12 19:36 ID:???
そしてドラクエをプレイし始めた。
しかしいきなりボスを倒そうとしたので死んでしまった。
フリーザは切れた!!
地球は崩壊した。
75(-_-)さん:03/07/12 19:39 ID:???
というゲームをやっていた。
さて、音切草でもやるか。
76(-_-)さん:03/07/12 19:39 ID:???
あ、字間違えた。
弟切草だった。
77(-_-)さん:03/07/12 19:40 ID:???
というゲームをやっていた。
さて麻利男ブラザースでもやるか。
78(-_-)さん:03/07/12 19:42 ID:???
というゲームをやっていた。
さてパックメンでもやるか。
79(-_-)さん:03/07/12 19:44 ID:???
噂の赤い部屋だ。
俺こそは真の勇者だと思う奴はクリックしてみろ



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80(-_-)さん:03/07/12 19:45 ID:???
というゲームをやっていた。
さて、テニスゲームでもやるかな。
81(-_-)さん:03/07/12 22:34 ID:???
というゲームの夢を見た。
1977年 まだ、ファミコンも出ていないときだった。
82(-_-)さん:03/07/12 22:53 ID:???
という夢を見た。
そして、今、最強の機体ヴァーチャルボーイを手に入れた!!
ヤフオクで、100円だったので買ったのだ。
83(-_-)さん:03/07/12 23:08 ID:???
帰宅・・・
クラスの奴に自慢したら、今時ヴァーチャルボーイはねぇべ。
と言われた。
そいつはぴゅう太とか言うパソコンを持っているそうだ。
チクショウ!!今の時代はパソコンなのか!!
84(-_-)さん:03/07/12 23:08 ID:???
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85(-_-)さん:03/07/12 23:12 ID:???
みつけました!



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86(-_-)さん:03/07/12 23:31 ID:???
DVD見ないし
87(-_-)さん:03/07/12 23:38 ID:???
仕方が無いので、バーチャルボーイはガラクタ屋の爺さんに引き取ってもらうか。
しかし、ぴゅう太に勝てるものとなると・・・
その瞬間、俺はひらめいた。
88(-_-)さん:03/07/13 01:06 ID:???
>>87
なにが?
89(-_-)さん:03/07/13 04:03 ID:???
RX-78 通称ガンダムパソコンを手に入れれば、ぴゅう太なぞに負けない!!
早速、盗んだバイクで走り出し、超中古品の店に行った。
すると、早速見つけた。
それもジャンク品コーナーで・・・
90(-_-)さん:03/07/13 04:08 ID:???
>>89
うんうん
91(-_-)さん:03/07/13 04:21 ID:???
RX-78を持って、ジャンク品コーナーを見ていると、
そこにはジャンクマンがいた。
俺はジャンククラッシュを食らいたくないので、
会計を済まして、速攻で自宅にGOした。
92(-_-)さん:03/07/13 04:36 ID:???
しかしジャンク品コーナーで、こいつを直すパーツ探していたのに、
悪魔6騎士の1人のジャンクマンがいるとは、運がいいのか悪いのか。
93(-_-)さん:03/07/13 14:27 ID:???
そこには本当はもう1人いたのだ。
後輩の松田友一だ。
94(-_-)さん:03/07/13 14:36 ID:???
彼はホモだったので、俺を狙っていたのだ。
しかし、最近見かけなくなった。
引越しでもしたのかな?
95(-_-)さん:03/07/13 19:22 ID:???
次の日、起きてテレビをぼーっとみていると、
あれ?これ地元じゃん。
なんかあったのか?
まあ、俺には関係ないからな。
さあ、寝よう。
96(-_-)さん:03/07/13 19:58 ID:???
次の日、起きてテレビをまた見ると、
また地元が映ってる。
そして、なんか偉そうな爺さんたちがアナウンサーと話をしていた。
しかし、俺には関係ないので寝る事にした。
97(-_-)さん:03/07/13 23:20 ID:???
その次の日も同じことをして眠った。
すると大きな音がして、何かが俺に向かって突進してきた。
それは巨大なダンプカーだった。
俺は足を滑らせ、ダンプ(だった)残骸の下敷きになった。
誰かが呼んでいる声が聞こえるが、もう目を開けていられない。
・・・・・・・・・サイレンの音が聞こえる。
それは俺が最後に聞いた音だった。
98(-_-)さん:03/07/14 12:32 ID:???
そして今、病院のベッドにいる。
医者に俺の名前と経緯を聞いたが、
思い出せない。
99(-_-)さん:03/07/14 15:08 ID:???
 医者・・・「あんさん、うちの病院来はるんやったらー怪我する前にきなはれー」
 看護婦A・・「そうでっせーここの病院のお薬ぃみなぁ人見知りしますねんわぁー」
 同室患者(松たか子)・・「先生!そんなことより、男性と二人部屋なのは、
             ちょっと困るのですが、、、」
 医者・・・「へ? なんでぇー」
 看護婦A・・「松さんも、変なことぉー聞かはるわー」
 医者・・・「あーそうそう、明日の晩まで、わたしら慰安旅行に行きますさかいに、
      この病院、おたくら二人だけになりますよって、あんじょう留守番しとい
      とくんなはれ」

    (医者と看護婦は、その言葉を残し、そそくさとその部屋を出て行った)

 俺・・・「たか子ちゃん、ふたりきりの夜だね」
 松・・・「やめてください!大声をだしますよ」
 俺・・・「いいよ、だしな、誰も助けになんか来ないよ」
 
  (俺はたか子ににじり寄った。たか子はおびえ、部屋の隅でふるえている)

 松・・・「お願いです。やめてください!いやぁー、、、」

  (俺は抵抗するたか子の背後の回り、淡いピンクのパジャマの上から胸を
   揉みしだいている。そして、うなじに舌をはわせた。)

 松・・・「イヤァーイヤァーヤメテー、、、」

   (激しく抵抗するたか子をベットにねじ伏せる、顔を押さえつけて唇を
    奪った。たか子の唾液を吸い、俺の唾液をたか子に飲ませる。
    パジャマのボタンを引きちぎると、白い胸があらわになった。
    俺はたか子の乳首に舌をはわせる)
100(-_-)さん:03/07/14 15:14 ID:???
|Д`)y━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛~~~~゜゜゜゜
101(-_-)さん:03/07/14 19:40 ID:???
と言うやりとりが、俺が目をつぶると見えてきた。
医者が回診に来た時に言ったら、複雑そうな顔をして去っていった。
102(-_-)さん:03/07/14 20:44 ID:???
外には、組織の奴が誰かを殺したのが見えた。
まあ、俺の能力は目立たないので、奴らも気づいた時はバイバイだ。
さて、もっと能力が上がるか調べるか。
103(-_-)さん:03/07/15 00:27 ID:???
俺はTVを見ていた。
「このジャン司教って、俺のいた組織の下っ端じゃねぇか!!」
俺の組織にはランク付けがあって、A級は一生遊んで暮らせるほどの、
報酬が入りその分危険な仕事をこなす。
B級はそれなりに、日常で問題を起こしそうな奴と組んで、世相をこんらんさせる。
C級は、能力はそれほどではないので、仕事がくるのは2年に1回くらいだ。
俺はBとCを行ったりきたりしている。
この病院で能力者らしい奴がいるので、始末しろって命令だったけど、
そいつの組織内で片付いてしまった。
と言うわけで、俺は能力を上げるために病院に入院している事になっている。
104(-_-)さん:03/07/15 11:58 ID:???
もしかして俺の知らない能力に目覚めたのか?
そうすると、奴らの組織もやばいだろうな。
奴らのボスの顔が拝めるかもしれないな。
俺も行って見るか。
105(-_-)さん:03/07/15 12:15 ID:???
あちゃあ、ジャンの奴消されちゃったよ。
俺もやばいかな?さっさとズラかろう。
俺は病院に戻った。
106山崎 渉:03/07/15 14:11 ID:???

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
107(-_-)さん:03/07/15 19:50 ID:???
俺は病院に戻り、悪事を働こうとした。
まあ、俺の能力じゃ大したことは出来ないがな。」
とりあえず、電話帳を開いて適当な人物を能力で探した。
ちなみに、俺の能力は「リーディング」
つまり、ある情報から適当に俺が狙っているものを探せるのだ。
ん。いい情報だ。山島はじめ 75歳 孫あり 孫の名前は強 か。
よし、電話だ。
「はじめ爺ちゃん!!俺だよ俺。孫の強だよ。」
すると、うまいことに孫からの久々の電話らしく、
「どげんしたと?つよし。」
「いや、今、車で事故って入院したんだ。
 それで、入院費300万円かかるんだけど、払えなくてさ。」
「なに!!じゃあ、爺ちゃんの年金つこうたる!!
 どげんしたらよかと?」
「いや、今からいう口座に振り込んでくれればいいよ。」
俺はあらかじめ作っておいた架空口座のひとつをじじいに伝えた。
「わかった!!一時間くらいで振り込むから、まっちょれよ!!」
そして電話が切れた。
俺はこの手口で2000万は稼いでいる。
なんせ、俺の組織はつぶれる寸前だからな。
この間の、ニードルが来た時はあせったぜ。
俺を消しに来たかと思ったが、仲間を殺すとは思わなかったぜ。
108(-_-)さん:03/07/15 20:04 ID:???
1時間たったな。
俺は銀行へ向かった。もちろん顔がわからないようにして。
あとは、指紋は組織に入った時に消したから問題ないな。
そして、銀行へ向かう途中、見たことのある奴を見つけた。
俺たちと敵対してる組織の男だ。
能力は知らないが、見つかると面倒だな。
と、思ったが、ケータイで電話を終えると、
高校生風のガキに声をかけ始めた。
俺は、その隙に銀行で300万引き出すと、
速攻で病院に戻った。
109(-_-)さん:03/07/15 20:41 ID:???
しばらくして、俺はまたオレオレサギをしようと、
電話をかけた。
話がいいところに来たところで、後ろから声をかけられた。
すごいプレッシャーが俺にのしかかって来たので、
俺は戦闘態勢を取った。
しかし、手足が粉になっていく、こいつの能力か!?
そいつは、俺の頭に手の平を当てると、
すべてを知ったようだった。
そして、男が最後に俺に言った言葉で、俺は消えた。
110(-_-)さん:03/07/15 23:24 ID:???
病院、生と死が交錯する場所。
ここの地下には安置所がある。
そこで異変が起きようとしていた。
世界中を巻き込む大惨事になるとは、誰も知らない。
そう、オレオレサギの男を消滅させたものでも予測がつかないほどの・・・
111(-_-)さん:03/07/16 00:10 ID:???
そいつは安置所の死体を、骨の一本も残さず貪り食った。
中には、なんらかの能力を持ったものも、そいつのものになった。
そして、見回りに来た人物すら喰った。
そして、病院を抜け出し、夜の街に消えた。
112(-_-)さん:03/07/16 02:54 ID:UCd85T/W
緊急age
113(-_-)さん:03/07/16 02:55 ID:???
fuck off
114(-_-)さん:03/07/16 09:21 ID:???
そしてそいつは、ある組織が存在する事を確認した。
しかしいくつかあるので、まずは一番小さい組織を狙った。
115(-_-)さん:03/07/16 18:52 ID:???
そいつはあっという間に、その組織の能力者を喰らいまくった。
「マダ、タリナイ。モット強いヤツはイナイノカ。」
そいつは、新しい能力者の匂いを見つけた。
「アレハ、ビルとイウモノカ。」
そいつは今まで喰らった人間の知識も使っていた。
「アノビルに11ニン、イルナ。」
そいつは黒い組織に向かって走った。
周りの人間は、喰われ邪魔なものは破壊してまっすぐ進んだ。
116(-_-)さん:03/07/16 19:09 ID:???
オレは、究極の人間として生み出された。
しかし、失敗作だったために、
処置を受け死人となった。
しかし、オレは生きている。
100年ぶりに外に出られる。
それには、100年前にもいた、能力者を喰らって力をつけねば。
そして、大きな力のある建物についた。
まずは、1人始末した。
あと10人、しかしそいつらは、バラバラに逃げた。
それも気配を消したので、わからなくなった。
しかし、1人逃げなかった者がいた。
そいつは俺を倒したいらしいな。
一撃で終わるだろう。
それまでは考えさせてやる。
117(-_-)さん:03/07/16 19:34 ID:???
ぐ!!まぶしい!!。
人間の兵器か!!
目がなれる頃には、あの中では強そうな男は逃げた。
そして、爆発が始まった。
このままではまずい。逃げなくては!!
118(-_-)さん:03/07/16 20:45 ID:S5QlEI9e
その時、男が言った。
「うんこって臭いよね」
119(-_-)さん:03/07/16 20:47 ID:???
( ・∀・)∩・・・・・・・・・・・
120(-_-)さん:03/07/17 00:47 ID:???
>>118
このスレを100回くらい読め。
121(-_-)さん:03/07/17 03:14 ID:???
「うんこに惑わされるな。鼻ではない、心で臭え・・・・」
そう言い放った幻洸老師の体が、眩い霧の様な光を放ち始めた。
霧状の光は、老師を中心に、ゆっくりと周囲に広がっていく。
「やさしく香る天然ヒノキエッセンスや、柑橘系の香りを悪臭の中に流し、柔をもって剛を制すのが従来の芳香拳
しかし、それでは圧倒的な悪臭を放つ糞尿拳は破れぬ。」
老師が放つ霧状の光に包まれた草花は、徐々にその色彩を失い、老師に服従するが如く、次々と頭を垂れていった。
「剛を持って柔をも制すのが糞尿拳。圧倒的な臭いの前に、一切の小細工は通用しない!
ならばこちらは無臭と化すのみ。いかなる悪臭を持ってしても、無臭を制すことはかなわぬ!」
「こ、これが・・芳香拳最大奥義・・・・消臭光!」

「これより、お前にこの奥義を託す!」


122(-_-)さん:03/07/17 09:06 ID:???
◆ 山崎渉板ができました!(^^) ◆

            ∧_∧
     ∧_∧  ( ^^  )   これからも僕を応援してくださいね(^^)・・・っと。
     (  ^^ ) /   ⌒i
    /   \     | |
    /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  山崎  / .| .|____
      \/       / (u ⊃

山崎渉@2ch2掲示板(^^)
http://bbs.2ch2.net/yamazaki/index2.html

山崎渉板(^^)
http://www.bs1.net/noa/
123(-_-)さん:03/07/17 12:50 ID:???
オレは奴らを探していた。
俺にダメージを与えた人間だ。
奴だけはバラバラにして、喰う!!
124(-_-)さん:03/07/17 19:38 ID:???
オレは建物の影に隠れている奴らを見つけた。
速攻で2人吸収し、もう1人も吸収した。
ボスとやらが近づいてきているようだ。
新しく手に入れた能力で探った。
他の建物の影にもいるな。
7人か。ボスとやらは、まだ追ってきているな。
奴は最後に取っておくか。
念には念を入れなければな。
125(-_-)さん:03/07/17 23:23 ID:???
オレハ、ボスと言われている奴にヤラレタのか?
カラダがくずれ・・・
126(-_-)さん:03/07/18 06:21 ID:???
きやがったなクソ餓鬼どもめ。
野郎ども、行くぜ。
127(-_-)さん:03/07/18 19:09 ID:???
医者「君、彼のカルテを貸してくれ。」
看護師「はい。わかりました。」
数分後、彼のカルテを隅々まで見て、
大学病院で心療科をやっている君嶋医師に連絡を取った。
明日の段取りと、患者の彼にあることを告げなければいけないことを話した。
128(-_-)さん:03/07/18 22:58 ID:???
さて、この坊主。どうやって鍛えるかのぅ。
まあいい、最上級コースで行くか。
死んだら墓でも立ててやるからな。
129(-_-)さん:03/07/19 05:03 ID:???
小僧、下へ行ったはいいが、戻ってくるかの?
130(-_-)さん:03/07/19 06:13 ID:???
小僧が下に降りたのを確認すると、小僧の脱ぎたての汗ばんだシャツを思いっきり嗅いだ。
「ファンタースティック」
131(-_-)さん:03/07/19 19:41 ID:???
しかし、あの小僧も頑張るのう。
今日で一週間やっておるわ。
普通の小僧は、1日で逃げると言うのに・・・
なんでじゃろ?
132(-_-)さん:03/07/19 20:23 ID:???
そうか。ご神木が守っておるのか。
あの小僧、もしや預言書にあった・・・
まあ、違ったなら次を探せばいいだけじゃからな。
133(-_-)さん:03/07/19 22:16 ID:???
と、真面目なことを言いつつも
爺の右手は脱ぎたてのホカホカブリーフへと伸びていた
134(-_-)さん:03/07/19 22:38 ID:???
その時、突然、男がやってきて叫んだ。
「やべー、俺、うんこしてくる!!!それもとびっきりでっかいの!!!」
…十分後。
135(-_-)さん:03/07/20 00:44 ID:???
______________________________________________________________________________
   | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ  .
  /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !   
  ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |    
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

136(-_-)さん:03/07/20 07:07 ID:???
こっちは裏スレか
137(-_-)さん:03/07/20 21:41 ID:???
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
オラゴクウ!!
138(-_-)さん:03/07/21 01:33 ID:???
>>136
こっちが本スレ(ry 

略せてねーじゃん! by三村
139(-_-)さん:03/07/21 11:59 ID:???
俺は土星から電波を受けていた。
すごい数の艦隊のようなものが、地球目指して来ているのが見えた。
彼らは地球に攻撃を加える気らしい。
とりあえず、トメ仙人の修行を続けよう。
トメ仙人は、以前に3000人の馬賊を倒したらしい(200年程前だったか)
何とかできるかもしれない。
ミサイル一発で、死ぬかもしれないが、やれるところまでやってやる。
140(-_-)さん:03/07/22 01:08 ID:???
が、いくら待っても地球に攻めてこない。
何とか言うバンドが歌で戦争を回避したらしい。
俺の苦労を返してください。
奴ら、宇宙中に歌響かせてるし。
仕方がない、もう寝る。
141(-_-)さん:03/07/23 19:46 ID:???
松田友一(仮)は思った。
失敗したなと。
142(-_-)さん:03/07/23 19:58 ID:???
俺はフェロモンを発生させた。
すると時価数万円のカブトムシが5000匹ほど寄ってきた。
捕まえれば大金持ち、失敗すればヒッチコックの鳥状態。
決断の時だ!!
ちなみに逃げるつもりはない。
143アホ ◆W9sVIg2yUM :03/07/23 20:05 ID:???
http://etc.2ch.net/test/read.cgi/hikky/1050041373/
こっちも意見頂戴
&書きたい人誰か続き考えて
144(-_-)さん:03/07/23 20:17 ID:???
俺は昔なんとか仙人だかに習った気で気絶させる術をやってみた。
すると、うまくカブトムシは気絶していった。
俺は、大きな袋を取り出し、傷をつけないように回収した。
後は売るだけだ。ってどこへ?
145(-_-)さん:03/07/23 20:29 ID:???
とりあえずデパートに行って見た。
店員は驚いていた。
とりあえず、1匹1000円で買い取りたいと言ってきた。
俺は却下!!といって出て行った。
次はホームセンターに行ったが、そこも似たような感じ。
しかしこれ以上は、カブトムシ全滅の可能性があるので、
でかいペットショップに行った。
すると1匹7000円(珍しいもの)で、普通のは2000円。
俺は即決。現金と交換した。
計算すると5000匹の中に珍しいものが100匹で700000円、
残りは普通のだったので4900匹で9800000円。
俺の虫くさいフェロモンも役に立つものだ。
おわり
146(-_-)さん:03/07/23 20:37 ID:???
俺は医者だ。それも心療内科だ。
しかし、ド田舎なので患者がいない。
どうするか?
一応、もう一つの顔は気功での記憶操作。
まあ、暗示みたいなものだけど、忘れたい記憶がある人に、
その記憶を良かったこととすりかえる程度のものだが。
しかし、今日も患者が来ない。
まあ、人口8000人じゃ無理か。
たまに内科で来る程度。今日も飯はパンの耳かな・・・
147(-_-)さん:03/07/23 21:19 ID:???
ある日、俺が昼食のパンのみみを牛乳漬けにして食べていると、
診察室の、カラーンというベルがなった。
うーん、今診療時間外なんだけど、まあ患者さんは放って置けないな。
「はい。今日はどんな症状で?」
見ると、この辺に住んでいる娘たちとはまた違う、
あかぬけた少女がいた。
大きなバッグを持っているところを見ると、遠くから来たのかな?
それで、体調が悪くなったとか?
「あの、ここで記憶について相談できるってネットに載ってるのを見て、
 東京から来ました。」
ネット?ああ、インターネットって奴ね。
でも、宣伝した覚えはないけど。
「はい、出来ますよ。じゃあ、診察室に入ってください。
 あ、そのバッグは中にあるベッドにでも置いてください。」
その間に、冷蔵庫から麦茶とグラスを2つ持ってきた。
「暑かったでしょう?麦茶嫌いじゃなければ、飲んでくださいね。」
「あ、ありがとうございます。」
彼女は喉が渇いていたのか、グラスが空になるのは早かった。
「よければ、おかわりしますか?」
彼女ははっと気づいて、赤くなった。
「す、すみません。あまりにも喉が渇いていたので!!」
「まあ、今度は本題に入りましょうか?」
「はい。お願いします。」
「えーっと、あなたのお名前は?」
「松永文子です。」
「えーっと、これであってるかな?」
「はい。年齢は20歳です。」
「はいはいと。それで、どんな事を相談したいのかな?」
彼女の口から出てきた言葉は、今までの彼女からは想像もつかないことだった。
148(-_-)さん:03/07/23 21:27 ID:???
「マムコ」
一瞬、私は彼女が言った言葉の意味が理解できなかった。
「・・・・今、なんて?」
「マムコです」
女は恥らう事もなく平然とそう言った。
149(-_-)さん:03/07/23 21:38 ID:???
「今まで生きてきた全ての記憶を忘れたいんです!!」
俺は驚いた。そんな事をしたら彼女は・・・
「無茶なのはわかっています。でも、全てうまく行かなくて、
 新しい自分になりたいんです。」
彼女は本心から言っている。
俺は、結論を言った。
「君は今まで生きてきた全ての記憶を消したいと言ったね。
 それでやりなおしたいと。
 まず、結論から言わせて貰うと、可能だが不可能でもある。」
彼女は呆然としている。更に俺は話を続ける。
「まず、人生をやりなおすと言うのは不可能だ。
 今までの記憶と言うのは、君が生きてきて、つらい事や
 楽しかった記憶、友人や親、それに関わってきた人たち。
 それを忘れると言う事になる。あと、知識もね。
 それをするのは簡単だ。君の記憶自体を壊せば良いだけだ。
 しかし、君はそこからやり直せない。
 自分が誰かと言う記憶もなくなるからだ。」
彼女はうつむいてしまった。
そうだろう。こんな事実を知ったのだから。
「それでもいいのかい?それをしてしまえば、
 明日から君は何をして良いのかもわからなくなる。」
彼女は考えているのか、うつむいたままだ。
そして、涙を流し始めた。
150(-_-)さん:03/07/23 21:39 ID:???
「ごめんなさい。そんなに難しく考えた事なかったです。
 でも、元の生活には戻りたくないんです。」
「君は何かの仕事をしているのかな?」
「はい、看護師をしていました。」
「で、ご両親は?」
「昨年、亡くなりました。」
「では、ここで働く気はないかい?」
「え?」
「俺は明日の生活もどうなるかわからない、
 ダメ医者だけど助手が欲しいと思っていてね。
 もし、今大丈夫なら、君の給料分は出せるくらいがんばるよ。」
「先生!!私をからかっていますか?」
「いや、そんなつもりは。」
「わかりました。給料は出世払いでいいです。
 私からお願いします。ここで働かせてください。」
「ありがとう。部屋はいくつか開いているから、
 好きなところを使ってくれ。」
そんな事があった一日だった。
それから、温泉が出たとかで、この村も人が増えて、
患者も増えてきた。
彼女に給料を払える日も近いだろう。
151(-_-)さん:03/07/23 21:47 ID:???
「そんな馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
152(-_-)さん:03/07/23 22:05 ID:???
「そんな〜減給されてる!」
153(-_-)さん:03/07/23 22:07 ID:???
そして部屋を借りることができなかった男は夜な夜なヒキーが外に出るのを待ちカツアゲを続けリッチな生活を手に入れた
154(-_-)さん:03/07/23 22:12 ID:???
そういって、入ってきた男がいた。
松永さんが窓口で、
「どうなされました?」
と聞くと、ブルブル震え出して泣いていた。
仕方がない、診察室に入ってもらおうと言おうとした瞬間、
松永さんが「診察室へどうぞ。」と先手を打った。
さすがに2年間、勤務してるだけはある。
とりあえず、落ち着かせて、
「どうしました?なにか困りごとですか?」
「俺は大変な事を見たんです。」
「大変な事?それは一体?」
「ある組織に追われてるんです。」
「それは何故ですか?あなたはそこと何か関係が?」
「新しく開発された技術のパスワードを俺が知ってしまったんです。」
「それで?」
「実は開発中に事故が起きて、他の研究員は亡くなってしまったんです。」
「なるほど、それでパスワードを知っているのが、あなただけになったと。」
「そうです。ここは記憶を消せるって聞いたんで飛び込んできたんです。」
「簡単に言うとそうですが、知ってる記憶を他の記憶と取り替えるのです。」
「つまり、パスワードの記憶を別な記憶と交換するんです。」
男は少し考えて、
「じゃじゃあ、今すぐお願いします。もう奴らが来るんです。」
「しかし、一つ問題があります。もしパスワードの記憶をすりかえても、
 その追ってきている人たちはわからない。もっと酷い目にあうかも知れませんよ。」
男は黙ってしまった。考えているのだろう。
「・・・失礼します。俺は警察にでも行きます。」
「あ、ちょっと、お名前・・・」
男は出て行ってしまった。
155(-_-)さん:03/07/23 22:12 ID:???
しかし、松永さんが診察室の患者の椅子の下から、名刺を拾った。
「これって、あの人のじゃないですか?」
「何々、相沢研究所 開発課 課長 泉 信太。なるほど。」
俺は一つ考えがあったが、松永さんはすでにそれをやっていた。
「インターネットで検索しましたよ。それとプリントアウトしました。」
早いな。さすが、インターネット導入しましょう!!と言っただけのことはある。
「なるほど。だいぶ、上のほうでは汚い事をやっていたようですね。」
松永さんはわくわくした顔で、
「どうします?せんせー?」
何かを期待しているようだが、俺は何も出来ない。
「期待しても、僕は何もできないよ?」
「せんせーの能力があるじゃないですか。」
間髪いれず言って来た。
「僕の能力だけじゃ、無理だよ。腕っ節は弱いんだから。」
「なーんだ。まあ、さわらぬ何とかにタタリなしってとこですかね?」
「そう。一般人がどうにかできるものじゃないよ。」
しかし、次の日の朝刊を見て後悔する事になった。
156(-_-)さん:03/07/23 22:32 ID:???
「せんせー!!大変ですよ!!」
松永さんが、慌てて新聞を持ってきた。
「何?誰か結婚でもした?」
「そうなんですよ。キムタコと静がって、違いますよ!!
 地方版の下のほう。」
見てみると、崖下に男の遺体が!!
昨晩、観光に来ていたA氏たちが、崖の上に人がいるのを発見。
A氏たちは警察に連絡をいれ、危ないから降りるように説得。
しかし5分後、崖下に転落。丁度、そこを通った乗用車にはねられ、
更に下の崖下へ。即死だった。
身元の確認をすると、相沢研究所 開発課 課長 泉 信太(35)さん
と判明。自殺と事件の両方から捜査を進めている。
「この人は・・・」
すると、診療時間前なのに玄関のブザーが鳴った。
松永さんが招き入れると、警察の人だった。
「私、本庁から来ました。山下と申します。
 あ、説明は不要なようですね。」
彼は新聞を見て知っていると思ったのだろう。
157(-_-)さん:03/07/23 22:33 ID:???
「それで、その泉さんが、こちらに来られたという話を聞きまして、
 こうして参った次第です。」
「あ、それじゃ、ここじゃなんですので、奥で・・・」
「あー結構です。泉さんはこちらに来られたのですね?」
はいと頷く。
「それは、何時ごろでしたか?」
松永さんが答える。
「た、確か、患者さんがいなかった時間なので、お昼すぎ1時ごろだったはずです。」
「そうですか。泉さんは、何故こちらに?」
う、一番いいづらい事を聞いてきたな。
「何か、困っていたようなので、診察というか問診したら、出て行ってしまって。」
刑事さんたちは、何やら相談して、
「わかりました。ありがとうございます。早朝にお邪魔しました。」
そういって、去っていった。
「本庁って、警視庁のことですよね?ということは、大事件だったんですかね?」
松永さんは、こういうときはわくわく顔になる。
「まあ、僕らにはどうしようもないから、とりあえず朝食をたべて、
 開院しましょう。」
「はい。わかりましたー。」
しかし、それが大事件の発端だったとは、今はわからなかった。
158(-_-)さん:03/07/24 01:13 ID:???
その次の日。
また、朝山クリニック診察時間前にベルがなった。
今度は、刑事さん増えてるな。
そのうちの昨日はいなかった、いかにも神経質そうな刑事が話し掛けてきた。
「私の名前は、前島と申します。昨日は警部に任せていたのですが、
 私が調査した結果、あなた朝山恭一郎さんにも関わっていることが、
 わかりました。」
僕は何も犯罪を犯した覚えはなかったので?となっていた。
すると、昨日の山下警部が、
「あ、紹介しておきますと、こちら前島警視です。
 今回の事件の指揮をとっていただく事になりました。」
「あ、そうなんですか?それで、僕に関わりがあるかもしれないというのは?」
前島警視さんが、
「あなたの父上は、生前に相沢製薬というところに所属していましたね?」
「あ、ええ、そうです。」
何か引っかかるものが頭の隅で渦巻いている。
そういえば、あの名刺にも相沢研究所って、
「話を続けましょう。相沢製薬と言っても、
 父上も相沢研究所に出入りしていたみたいですね?」
「いえ、それは知りませんでした。」
「相沢研究所では、20年前に凍結されたプロジェクトがあったらしいのです。
 いや、正確にはあったのです。それはすでに完成直前だったのですよ。
 その内容は、あなたにも関係あることです。」
159(-_-)さん:03/07/24 01:14 ID:???
警視は指で頭と胸をさして、
「脳と心、つまり精神に関する研究だったのです。
 今、あなたも記憶に関する相談を受けているようですね。
 そうした能力があると仮定して、話を進めます。
 つまり、相沢研究所で研究されていたもの、
 それはマインドコントロールと、記憶を破壊し死人同然にする兵器が、
 開発されていました。
 それは、危険だと20年前に凍結して知っている者も僅かになりました。
 しかし、あなたの父上は何らかの形で、それをあなたに使った。」
そこまで聞いていて、思い当たるふしはあった。
しかし、それは違う目的だったはず。
「それは、僕も容疑がかかっているということですか?」
「結論を言えばそうですね。最後に泉と言う人物が寄ったところが、
 記憶についての病院。もし、あなたが暗示をかけたとすれば、
 犯行に加わった事になる。」
そこに松永さんが、割り込んできた。
「先生はあの人の相談に乗っただけです!!記憶の話もしたかもしれませんが、
 先生は暗示なんかかけていません。あの人が勝手に出て行っただけです!!」
普段からは想像もつかないような話し方で圧倒した。
「そうですか。じゃあ、最後に聞きます。彼から受け取ったものはありませんか?」
受取ったもの?そんなものは・・・名刺!!
「受取ったと言うモノではないですが、落としていったものはありますよ。
 名刺です。おそらく彼の。」
そういうと、警視さんたちは何やら話しこみ、結論がでたようだ。
「今日はこれで失礼します。後日伺うことがあるかも知れません。
 あまりむやみに外出するのは避けてください。それでは。」
なんだか、いきなりの話で頭の中がゴチャゴチャになってる。
160(-_-)さん:03/07/24 01:37 ID:???
その日の診察は気持ちを半分切り替えられないままだった。
松永さんがフォローしてくれなかったら、まずかっただろう。
そして午前中の診察が終わった。
「先生!!刑事さんにあんなこと言われたって、お父さんはお父さん、
 先生は先生でしょう!
 それに信じてますから、2年前に私に真面目に語りかけてくれた時から。」
「いや、すまない。麦茶もらえるかな。」
「はい。そう思って持ってきてますよ。」
「父が関連してくる話は、ろくな物がないなぁ。」
「先生、お父さんって今は?」
「ああ、10年前に両親ともに事故で亡くなってる。」
「そうでしたか。ごめんなさい。」
「いやいいさ。だが、僕は生まれてすぐ生きても長くはないと言われたらしい。
 そこで、父が知り合いの気功の先生を紹介してくれてね。
 小さい頃から、気と心というのは関係があるんじゃないか?って思った。
 そして、ある日先生に聞いてみた。先生は驚いていたよ。
 でも、それは別のことで驚いたのかも知れない。
 父の実験の関係とか。それとは別に先生に言われたとおりに、
 やってみたら、記憶をあやつれるようになったってわけさ。」
「じゃあ、お父さんの薬とかは関係ないんですね?」
「ああ、そうだよ。やっと記憶が繋がった。ありがとう!」
そう言って僕はいつの間にか、松永さんの両手を握って、
上下に降って喜んだ。
その後、我にかえって赤面したが・・・
161(-_-)さん:03/07/24 01:37 ID:???
「じゃあ、その話をすれば、容疑が晴れるんじゃ?」
そういえば、警視さんの名刺に携帯電話の番号があったな。
まあ、こんな田舎じゃ電波が通っているか心配だが。
数分後、何度かけても出なかった。
「忙しいのかな?」
「そうですね。そういえば、一つ気になっていた事があるんですけど。」
遠慮がちに聞いてきた。
「先生って、今まで俺って言ってましたよね?でも、この事件、
 泉さんと話してから、僕って言ってますよね?
 もしかして、お父さんと関わりがあったのかなぁて。」
「そうかもしれない。俺っていうのは、大学時代女性に間違えられる事があってね、
 それが続いていたのかもね。でも、僕という事にするよ。ありがとう。」
そして、事件は思わぬ展開を見せる。僕達にも。
162(-_-)さん:03/07/24 02:00 ID:???
そこへ、赤いスカーフでお馴染みのヤツが現れた。
「あかぁ〜い お船でぇ〜 どんぶ〜ら〜こぉー」
163(-_-)さん:03/07/24 02:58 ID:???
age
164(-_-)さん:03/07/24 14:47 ID:???
ガシャーン!!
夜中に玄関のほうで音が響いた。
様子を見に行くと、入り口のガラスが大きな石で割れていた。
松永さんも目がさめたらしく、ほうきとちりとりで掃除し始めた。
僕は外に出て辺りを見回したが、すでに誰もいない。
中に戻ると、掃除を終えた松永さんが、紙を見てビクビクしていた。
「どうしたの?その紙?」
すると松永さんは、震える声で
「石と一緒に・・・」
見てみると
「お前たちは知らなくて良いことを知った。数日間はおとなしく寝てな。」
と書いてあった。
松永さんは不安そうにしている。
「仕方がない。いたずらかもしれないけど、夜が明けたら刑事さんに見て貰おう。」
そういって、松永さんを部屋に戻し、
「戸締りはしっかりとね。それと、あまり気にしないように。」
と言って、僕は紙を持って自分の寝室へ戻り眠った。
そして夜が明けた。
今日は休診日なので、朝一番で駐在所に行ってみた。
「あの〜、警視さんと警部さんたちは、いらっしゃいますか?」
「ああ、温泉総合ホテルにとまっとるよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「あ、一応届け出しておきます。器物損壊があったので。」
駐在さんは、心配そうに、
「先生、何かあったんかい?」
「いえ、昨晩、診療所の入り口が大きな石で割られていました。」
「そうかい。気の毒になぁ。書類はワシが作っとくから、
 先生はホテルへ行きなされ。例の事件のことじゃろ?」
「はい。ありがとうございます。それでは失礼します。」
外に松永さんが待っているので、早々に切り上げてホテルへ向かった。
165(-_-)さん:03/07/24 19:38 ID:???
ホテルへ着くと早速、フロントへと思ったら、
カフェで、警視さんがコーヒーを飲んでいた。
僕達は、そちらにお邪魔した。
「あ、僕はアイスココアで。」
「私はアイスティーを。」
ウエイターさんに頼んで、警視さんに話を始めた。
まずは、石で玄関を割られたこと。
そしてそれと一緒に紙があったこと。
紙を警視さんに渡した。
何か考えているようだ。そして、とんでもない事を言った。
「君達、しばらくは気をつけたほうがいい。
 どうやら私の追っている者達が警告にやったのだろう。」
「え?犯人がいるんですか?それも複数ですか?」
僕は大声を出してしまい、2人ににらまれたのでおとなしくした。
松永さんが、聞いてみた。
166(-_-)さん:03/07/24 19:38 ID:???
「それじゃ、私たちに何か秘密を渡されたと思われてるとか?」
警視さんは、黙って頷く。
「どうすればいいですか?僕達はそういうことに関しては、
 ド素人なんですから。」
「それについては、ちょっと失礼。」
警視さんはどこかに電話したようだ。
携帯電話か、便利だから持ちましょうよと言った松永さんの顔を思い出した。
そして、話が終わったらしく、質問と結果を話し始めた。
「まず一つ聞いておきたいのだが、その玄関はそのままかね?」
「いいえ。誰か来ると危ないので、ちりとりに入ってます。」
「それには、石も?」
「はい。危なそうなものは全部かたしました。」
「そうか。今、君たちの診療所に鑑識を向かわせた。
 まあ、得られるものは少ないだろうが、1、2時間は近づかないでくれ。」
僕達は、「はい。」といって、各々の飲み物を飲んだ。
「じゃあ、結果がでたら教えてもらえますか?」
警視さんは少し悩んだが、
「他の者に話さないと言う約束が出来ればOKだ。」
「わかりました。それじゃ失礼します。」
「あ、伝票は私に渡してくれ。後で清算するから。」
「は、はい。ありがとうございます。それでは。」
僕達は、無言で温泉ホテルを出た。
167(-_-)さん:03/07/24 20:03 ID:???
「ふぅ・・・疲れたね。甘味処であんみつでも食べましょうか?」
松永さんは、少し考えた上。
「先生のおごりならいいですよ。デラックスあんみつ食べてみたかったんです。」
僕は財布と相談した。なんとかこの危機を回避できる金額はあった。
「じゃあ、行きましょう。あそこのおばさん好きなんですよ。
 私が来た頃に道に迷ったら、親切に教えてもらったんですよ。
 もちろん、先生の診療所ですよ。」
とりあえず、暑いので早速、甘味処「ヤマハタ」に入った。
そしてさっき行っていた物を注文した。
数分後、松永さんは笑顔になった。
おばちゃんが、
「若いもんはいいねぇ。早く結婚しちまいな先生。
 こんなにいい娘は、他にいないよ!」
と、余計な事を言ったので、気温が更に上がった気がした。
それより、松永さんだ。
デラックスあんみつといえば、どんぶりいっぱいにかき氷やなんやらが、
入っているのだが、あっという間に半分平らげてしまった。
「先生。早く食べないと溶けますよ。かき氷。」
そうだった、僕は財布と相談した上の結論で、一番安いかき氷レモン味にした。
ちょっと溶けかかっているが、氷が喉に入ると、すっきりする。
今の状況を忘れるくらいに堪能した僕たち(松永さんメインだが)は、
夕飯の買い物をすませて、診療所へ戻った。
鑑識の人たちらしき人たちは、終わって帰る所らしい。
「ご苦労様です。ここの診療所の・・・」
「ああ、災難だったね。がんばりなよ。」
人の良さそうなおじさん風の鑑識の人に言われ、
長い一日は終わろうとしていた。
168(-_-)さん:03/07/24 20:19 ID:???
次の日。
僕と松永さんが、開院の準備をしていると、
1人の初老の人が訪れた。
「ちょっといいかね?」
「診察ですか?待ってください。」
「いや、先生たちに教えておきたい事があって。」
僕達は?と思い聞いてみた。
「ガラスは張り替えたのですな。そのことなんですが。」
「え?まさか、見たのですか?」
「ああ、若い男だった。若く見えたと言ったほうが正しいな。」
僕は疑問に思った事を言ってみた。
「あの、それでしたら、駐在さんか、ホテルにいる警視さんに、
 話すべきでは?」
「それも考えたのじゃが。診療所の看板のある一部を見ていたのじゃ。
 記憶と言うところじゃ。」
「え?それは一体。あ、それじゃ、午前中の診察がお昼に終わるので、
 一緒に警視さんのところへ行きませんか?」
おじいさんは、そのころ来るといって歩いていった。
目撃者がいたのか・・・
169(-_-)さん:03/07/25 00:03 ID:???
そして、夕方になり、午後の診察も終わった。
すると松永さんが、
「あのおじいさん、そろそろいらっしゃいますね。」
「そうだね。足が悪そうだから、ゆっくりだろうね。
 先に警視に連絡しておくよ。」
僕は警視の名刺に書かれている携帯番号にかけてみた。
「はい。もしもし、何かね。先生?」
「え?なんでわかるんですか?」
「こちらの携帯に、そちらの番号を記録していたのでね。
 それで、用件は何かね?」
「あ、そうです。今朝、近くのおじいさんが、うちに石を投げ込んだ男を、
 見たそうです。今、診療所で待っているんです。」
「何だって?それは、何時ごろかね?」
「え、診療時間前だから、8時半ごろです。」
警視は何か考えているようだ。
「それは間違いないんだね?実は今朝10時ごろ、老人の遺体が発見された。
 おそらくその老人ではないかね?」
「見てみない事には何とも言えませんが。」
「では、こちらに来てくれ。それから現場に案内する。早急に願えるか?」
「はい。10分ほどで行けると思います。松永さんも一緒で大丈夫ですよね?」
「会っているのなら、確認のために連れてきてくれ。」
僕達は、嫌な予感がしていた・・・
170(-_-)さん:03/07/25 04:27 ID:???
ホテルへ着いて、警視さんが車に乗ってくれというので、
言うとおり車に乗り、15分ほど走った林道に着いた。
「ここだ。まだ、鑑識はいるな。取りあえず降りてくれ。」
僕達は嫌な予感があるが、取りあえず警視さんの後をついていった。
そして、大き目の布がかぶせられたモノを見て、
「確認してもらいたい。まあ、医療関係なら免疫はあるかな?」
警視さんは、布を少しめくった。
すると、やはり今朝のおじいさんだ。
松永さんも冷静にそう判断したようだ。
「その反応からすると、あっていたかな?」
僕達は無言で頷く。
「でも、なんで?この人は無関係なのでは?」
警視さんはため息をつくと、
「奴らには関係があったんだろう。もしかしたら顔を見た人物かもしれないと。」
そんな理由で人を殺すなんて・・・
「そして、もう一つわかった事がある。君達は見張られている。
 君たちが気がつかないほどの人間、プロと言う奴だ。」
つまりプロというのは、殺しのプロと言う意味もあるんだろう。
「そこで提案なのだが、君達にボディーガードを2人ほど付けたい。
 手遅れになる前に、今度は先手を打ちたいし、犠牲者も増やしたくない。」
僕達は診療の邪魔にならない程度で、ということでお願いした。
そして帰りは、その2人の車で診療所に戻った。
171(-_-)さん:03/07/25 06:55 ID:???
その日は、普通に診察して、一日は終わった。
ボディーガードは、どこにいるのか?と思ったら、
若いスーツ姿の男性と、少しゴツイTシャツを着た男がいた。
なるほど、普通っぽい格好ね・・・
気にしないようにしよう。
松永さんは、PCで何か調べ物をしているようだ。
邪魔するとまずいので、自室へ戻る事にした。
すると、すばやくスーツ姿の男が着いてきた。
まあ、気にしない・・・けど気になるな。
あとで、松永さんにお茶でも持っていくときに、
この人たちにも、くつろいでもらおう。
そうしないと、何か落ち着かない。
172(-_-)さん:03/07/25 19:55 ID:???
そして、ちょっとしたお茶会が始まった。
この2人は意外と軽装備らしく、動き回れるほうがいいから。
と言っていた。
松永さんは、話に混ざったり、PCに向かったりしていた。
「松永さん、調べものなら後でもいいじゃないですか?」
すると、
「いえ、ちょっと急ぎで調べることがあって、すみません。」
チラッと見たが、うちの診療所のホームページと言われるものを作成している。
それと同時進行で、何かを調べているが、それまでは見えなかった。
あとで、落ち着いたら聞いてみよう。
とりあえず、ボディーガードの2人に聞きたい事があった。
「あの、もし答えられなかったら答えなくても結構ですので、
 質問しても良いですか?」
すると2人は、頷いた。
「あなたたちは、犯人の目処とかついているのですか?」
2人のうちの痩せたほうの人が、
「いえ、詳しくはわかっていません。ただ、危険な組織が関連しているとしか、
 今はこれ以上は言えません。奴らがどこで聞いているかわかりませんから。」
うーん、本当に厄介な事件、それも父親がらみだと、
何か質問しづらいな。
そんなことを繰り返して、その夜は眠った。
173(-_-)さん:03/07/26 20:17 ID:???
しかしその日は熱帯夜だったので、僕は目がさめてしまった。
とりあえず、水を飲もうと台所へ向かうと水に氷をひとつ入れ、
ゆっくりと飲み干した。
これで、少しはマシになった。
ん?台所の窓が少し開いている。
松永さんも抜けているところがあるんだなぁと、窓へ行くと、
外であのボディーガード達が、トレーニングしていた。
僕は、冷蔵庫からウーロン茶の缶を3つ持つと、
彼らのところへ持っていった。
「どうも。せいが出ますね。」
そう言うと彼らは、トレーニングは終わったのだろう、
汗まみれのシャツを着替えていた。
「どうぞ。ウーロン茶ですけど、よく冷えてますよ。」
2人は礼を言って、受取った。
「しかし、僕たちの身の安全とは言え、こんな夜中にトレーニングですか?」
「それが仕事ですし、相手に負けたらボディーガードの意味がないですからな。」
筋肉質の人は言った。
そういえば、この2人の名前も知らないな。
聞いてみるか。早速聞いてみた。
「いや、もしもの時がありますので、あまり我々の情報を知らないほうがいいです。」
細身の人が言った。
「そうですか。すみません。気になったもので。」
そして、ウーロン茶がなくなる頃には、僕達は再び睡眠に入った。
明日も暑くなりそうだ。
174(-_-)さん:03/07/26 23:44 ID:???
そして次の日。
午前中の診療が終わって、お茶を飲んでいると、
松永さんは、またPCに向かっていた。
「松永さん。ホームページって、簡単に作れるものなの?」
すると、にっこり笑って、
「ええ。今は作成ツールって言うのを使って作ってるんで、
 慣れれば楽に作れますよ。あ、先生。デジカメで撮っても良いですか?」
「いいけど、どうするの?」
「先生の写真もHPに載せるんですよ。この診療所の写真はアップしてあります。
 でも、やっぱり先生の顔が載ってないと、なんか足りないんですよ。」
でもインターネットって確か、世界中の人が見てるって聞いたことあるな。
「で、松永さんの写真は?」
「え?私のはいいんですよ。ここのあるじが載ってなかったら意味ないじゃないですか。」
そうだ。前に聞こうと思っていた事を聞いてみるか。
「そういえば、他に何か調べてたよね?あれは、HPとは関係なさそうだったけど。」
松永さんは、一瞬あせったが、
「気のせいですよ。今はネットで薬の事も調べられるんですよ。」
そうなんだ。と言って話を切り上げた。
なんだろう?何かひっかかる。
僕も後で、PC久々にやってみたいから松永さんが使ってない時に借りてみよう。
そして、そんなことをして昼食を食べ終わると、午後の診察が始まった。
しかし、何かがひっかかる。
175(-_-)さん:03/07/27 00:21 ID:???
そして午後の診察も終わり、松永さんは鼻歌まじりで台所へ向かった。
夕飯は今では松永さんがほとんどやってくれる。
今はボディーガード2人分も作っているのだから、
彼女はすごいと思う。
さて、それはさて置きPCの前に座った。
松永さんの趣味だろうか、マウスにはピンク色のネズミっぽいカバーがしてある。
マウスパッドはイルカが飛び跳ねている写真を加工したもの。
よくみると、イルカグッズが多いことに気づいた。
うーん・・・イルカが好きなんだろう。
今回の事が片付いたら、もうすぐ診療所も短い夏休みになるから、
隣町の水族館でも連れて行ってあげよう。
さて、PCは立ち上がった。
ネットには自動接続になってるのか。
えーと、メーラーは個人的なメールがあるかもしれないので、今は立ち上げない。
とりあえず、診療所のHPでも見てみようか。
・・・本当に僕が写ってる。もう少しいい写真もあったろうに。
まあ、とりあえず検索。とそこで止まった。
何を検索すればいいのかわからない。
これは誤算だった。とりあえず、松永さんの名前でも入れてみるか。
松永文子と、松永さんの場合、ふみこじゃなくてあやこって読むんだったけど、
検索するのは取りあえずこれでいいか。
そして、検索してみると同姓同名が結構いるようで、ちょっと後悔。
しかし、あるものが目に止まった。
相沢研究所 松永浩二
これは、松永さんと関係ないよなぁ・・・
僕に関連があったからって、松永さんが関係あるわけ・・・
そういえば、僕は松永さんのことをほとんど知らない。
最初、患者として来たときも、ほとんど聞かなかったし。
すると、後ろに誰かいるのに気づいた。松永さんだ。
何か複雑そうな顔をしている。
「先生、見ちゃったんですね。私も関わりがあるんです。」
一体何がどうなっているんだ。とにかく話を聞くことにしよう。
176(-_-)さん:03/07/27 12:36 ID:???
松永さんはポツリと話し始めた。
「実は私の父も相沢研究所に、出向していました。
 でも、ある日突然亡くなったと連絡があって、
 遺骨だけになって帰ってきたんです。」
それはまさか口封じの為に消されたのか!!
「先生の思っている通りの理由だと思います。
 父がいたのは、私が看護学校に行っているときだったので、
 その時は事故だと思っていました。
 母はその後ショックで寝込んでしまい亡くなりました。
 私は看護師になってしまい、忙しくなったので、
 それは大きな問題ではないと思っていました。」
「でも、違ったと思い始めた。そして松永さんは何らかの方法で、
 研究所のデータベースを調べ、お父さんの死が事故ではないと知った。」
松永さんは頷く。
「でも、知ったのはここに来て、今の事件に関わった後です。
 あの名刺を見て、泉さんが亡くなったと知り、不審に思ったんです。
 そして悪い事だとわかっていましたが、ハッキングをして、
 あの研究所の実態を知りました。
 でも、そこまででした。その先はプロテクトが固く、
 ここに迷惑がかかると思って調べませんでした。」
すると、診療所の入り口から声がした。
177(-_-)さん:03/07/27 12:36 ID:???
「そう、あなたが調べたとおり、あの研究所には裏の仕事があります。
 あなたの知りたい情報は、私たち警察である程度は調査しました。
 しかし、決定打がない。そこで、あなた達に目をつけて、
 奴らが動くのを待っていたのです。」
前島警視とボディーガードの2人が立っていた。
「立ち聞きしてすまない。だが、君達がシロだということを、
 知っておきたかった。この2人は、連絡係でもあったのです。
 騙すようなマネをしてすみません。」
「いいえ、警視さんたちは僕達のことを信用してくれたから、
 こういうことをしたんじゃないですか?」
前島警視は頷いて、話し始めた。
「もうすでに、奴らの1人をマークした。君達も知っている人物だ。」
僕と松永さんは、わからないと言う顔をした。
「泉 信太と言えばわかるかな?」
僕達は驚いた。彼は崖から落ちて死んだんじゃ?
「崖に落ちたのは、似ている人物を影武者にしたようだ。」
そして僕達は更にとんでもない事を知るのだった。 
178(-_-)さん:03/07/27 19:39 ID:???
番外編 交差の日
そして次の日は、とても暑い日だった。
午前中の診療が終わる寸前に、都会から来たと思われる少年が受付をすまし、
診察室に入ってきた。
「こんにちは。僕の名前は朝山恭一郎。ここの診療所の所長兼医師です。」
「僕は東京に住んでいた鈴木鈴太、13歳です。」
「なかなか賢そうな感じだね。それでどんな症状なのかな?」
「いえ、僕の嫌な記憶、いや僕自身を消してください!!」
少年は必死に頼んできた。
松永さんが麦茶を持ってきてくれた。
「さあ、これを飲んで落ち着いて、ゆっくり飲んでね。
 急いで飲むと危ないからね。」
どうやら、落ち着いたようだ。さすが絶妙なタイミングでフォローしてくれる。
「さて、どういうことなのかな?僕は殺し屋ではないので、
 消すのは出来ないんですが。記憶を他の記憶にすりかえることは出来ます。」
少年は不思議そうな、しかし疑いのない眼差しで、
「それでいいです。お願いします。ここの土地に住んで人生をやり直したいんです。」
「それは、君の両親や親しかった人たちを知らなかったことにするということだよ?」
179(-_-)さん:03/07/27 19:40 ID:???
「はい。もう両親もいません。しかし、この村に空き部屋があると調べてきたので、
 そこで新しい生活をしたいんです。」
「そうですか。後悔はないのですね?」
少年は強く頷く。
「では、その忘れたい記憶を強く思って!!」
僕は何で出来ていたか忘れた金属製の腕輪を外し、
能力(ちから)を使った。そしてすぐに腕輪をつける。
長時間外すと、僕の精神が壊れるらしいのだ。
さてうまくいったかな?
「君の名前は?」
「・・・・」
しばらく話をして行くうちに、生活に支障がないとわかったので、
駐在さんに頼んで、彼のメモにあった住所に送ってもらった。
「お疲れ様でした。ああいう風になるんですね。」
松永さんが自分のことのように言った。
それからは普通に診察を済ませて、一日は終わった。
番外編 交差の日 終了
180(-_-)さん:03/07/27 23:00 ID:???
その日も暑かった。
松永さんもバテ気味のようだ。
ボディーガード兼見張り役の2人も、顔はきりっとしてるけど、
バテているみたいだ。
このままじゃ、仕事に支障をきたすかも知れないな。
よし!!そうと決まれば。
「松永さん、今日のお昼ご飯はどうしますか?」
松永さんはぼーっとしながら、
「うーん・・・特に考えてませんでした。」
「じゃあ、出前を頼もうか?うな重の特上。」
そう言った瞬間、松永さんが目を輝かせ、
「ほ、ほ、ほ、本当ですか?肝吸いとかも付いちゃうんですか?」
「あ、あ、ああ、付いてると思うよ。お二人も一緒で良いですか?」
ボディーガードの2人も、やっぱりバテていたようで、静かに頷いた。
「じゃあ、かっぱ屋に電話しますね。ここのは国産ですよ。」
僕はかっぱ屋に出前を5人前頼んだ。
そして、あの人にも電話。
「20分くらいで来るそうですので、冷たい麦茶でも飲んで待ちましょう。」
すると、松永さんが、
「あの、5人前って?」
「ああ、今から来る人の分。」
181(-_-)さん:03/07/27 23:00 ID:???
「あ、そうですね。確か、午前中の診療が終わった頃に来るって言ってましたね。」
そして20分後。警視さんも混じって、うな重特上肝吸いつきを食べる事になった。
「それじゃ、まずは頂きましょう。」
松永さんは生き返ったように目が輝いている。
すると、警視さんがボディーガードの二人に、何か言って器具を取り出した。
「万が一のためです。奴らが変装してる可能性もあるので失礼。」
そう言って、全員のうな重+肝吸いに毒物、薬物反応を確かめ始めた。
「どうやら、大丈夫のようです。さあ、頂きましょうか。」
ちょっと引っかかるが仕方がない。食べよう。
そして、全員食事も終わり、お茶を飲んでいると、
「どうやら、泉は我々の部下の1人に変装して、例の遺体の脳を調べたようです。」
それには、全員驚いた。
「もしかして、父の開発した記憶を探る薬品か装置ですか?」
「そのようですね。今朝、部下の遺体が見つかったのでわかったのです。」
「それじゃ、パスワードとやらは奴らに?」
「おそらく。そして、今ごろ奴らのボスに連絡がいっているでしょう。」
「そのボスは研究所に?」
「いえ。この村のどこかに隠してあるそうです。奴らは手段を選びません。
 これまで以上にきをつけて。」
182(-_-)さん:03/07/27 23:32 ID:???
それからの警察の対応は早かった。
まず、泉と言う男を逮捕。
そして研究所に強制捜査。
色々な資料や薬品、機械が出てきたらしいので、
まだまだこれからだろう。
そしてボスとやらの部下も全て逮捕。
それが、さっき警視さんの言っていた今回の事件の顛末だった。
どうやら、政界、財界にも捜査が入るようなので、
僕達の周りで起こったことは、その1%にも満たなかっただろう。
そして、警視さんたちは挨拶をして戻っていった。
もちろん、ボディーガードの2人も本職に戻った。
僕達は、日常に戻るわけだ。
警視さんが最後に、僕達の関連する情報で教えられるものは、
あとでまとめてレポートを送ると言っていたが、僕はどうでもいいと思った。
松永さんは、わからないが。
でも、長かった事件も取りあえず終わった。
今日は日曜、松永さんを隣町の水族館に誘ってみよう。
気晴らしにはなるはずだ。

研究所事件 おわり
183(-_-)さん:03/07/28 08:41 ID:???
そして、夏は続いている。
この診療所も、あれ以来特に変わった様子もない。
夏バテや、熱中症の患者さんが多いくらいか。
後は、怪我をした子供たちが遊びに来るようになった。
松永さんは、あの事件のショックから立ち直ったようだ。
子供たちの相手をしている。
先日、警視さんから手紙とレポートが来たが、
僕も松永さんも心を切り替えるきっかけにはなった。
まあ、この間行った水族館で、イルカグッズを買いまくって、
診療所はイルカグッズがあふれている。
そういうところも、子供たちが来るようになった理由だろう。
僕は今、警視さんに手紙を書いている。
レポートと御世話になったお礼の手紙だ。
それを出したら、本当に僕たちにとっての、あの事件は終わる。
さあ、まだ暑い夏は続きそうだ。

エピローグ おわり
184(-_-)さん:03/07/28 19:41 ID:???
ある診療所の日々 2
僕は朝山恭一郎、田舎の村に心療内科の診療所をやっている。
数年前に、温泉が出てリゾート施設なども増えてきている。
この診療所は、僕の他には松永文子(まつながあやこ)さんが、
看護師として手伝ってくれている。
今日も、一日が始まる、
暑い日がまだ続きそうだ。
185(-_-)さん:03/07/29 21:26 ID:???
そして午前中の診療の最後の方が入ってきた。
この診療所に訪れるほとんどが、お年寄りだ。
そして、松永さんは夏の暑い日限定サービスと言って、
特売のそれも一番おいしい麦茶を買い占めてきた。
何をするかと思えば、患者さんも暑いでしょうから、
麦茶をたくさん作って冷やしておいて、飲んでもらうんですよ。
と言っていた。
そして、患者さんごとに新しい麦茶を入れて、置いていってくれる。
その患者さんにも、もちろん出した。
20代前半、松永さんよりは年上くらいの女性の患者さんだった。
「どうぞ、麦茶。お嫌いでなければ飲んでくださいね。」
その女性、えーと受付名簿によれば、田山順子さん(25)か。
無言で麦茶を飲み干した。
「まだありますから、良かったら・・・」
そこで、彼女は話してきた。
「私、隣町のコンビニでアルバイトしてるんです。」
「なるほど、それで今日は内科ですか?心療のほうですか?」
彼女、田山さんは、
「はい。心療のほうで。私、何をやっても充実感がないんです。
 今の仕事もお金のために、つなぎのバイトなんです。」
「なるほど。自分を生かせる仕事が見つからないと言うわけですね?」
「はい。なんか、大学卒業しても就職が決まらなくて、
 フリーターやって、探そうと思ってました。
 でも、先生の言うとおり見つかりません。」
186(-_-)さん:03/07/29 21:26 ID:???
僕は少し考えた。
「そうですね。今、就職難と言われていますからね。
 ひとつお伺いしたいのですが、ご実家の職業は?」
「父は普通のサラリーマンで、母も家事とパートやってます。」
僕には少し思うところがあった。彼女がノーと言わなければ。
「もうひとつお伺いしたいのですが。農業についてどう思いますか?」
彼女はなんで?という顔をして、
「嫌いじゃないです。おばあちゃんの家が、T県にあるんですが、
 たまに農作業を手伝ったりしてました。」
「ふむ。じゃあ、この村に花田さんと言う方がいらっしゃるのですが、
 人手が足りないということなのです。
 もし田山さんさえ良ければ、ご紹介しますよ。」
田山さんは、少し微笑んで、
「はい。やらせてください!!」
と言ってきた。
「じゃあ、ちょっと待ってくださいね。花田さんに連絡してみます。
 もしもし、朝山です。はい。診療所の。
 そちらで、お手伝いをしたいという子がいるので、明日にでもよろしいですか?」
花田さんは大歓迎と言う感じだった。
「えと、田山さん。先方には連絡しましたが、一人じゃちょっと行きづらいですよね?」
そう聞くと、案の定「はい。」と言って来た。
「では、明日は診療所が休みなので、僕と松永さん、あ、受付の看護師の人です。
 と田山さんで、花田さんとお話するのはどうでしょうか?」
返事はイエスだったので、明日朝の6時に診療所前に来るということになった。
187(-_-)さん:03/07/29 22:16 ID:???
次の日。
待ち合わせに田山さんは来た。
早速、花田さんのところへ。
途中の山道で、広い畑が見えた。
「この畑は今から行く、花田さんが管理してるんだよ。」
田山さんは感心しながら、先へ進んだ。
そして、花田さんの家に着いた。
花田さんたちは、待っていてくれたらしく、
朝食を振舞ってくれた。
いわゆる家庭の味と言うのだろうか。
松永さんも料理は上手いが、それとは違う美味しさだ。
田山さんも、ニコニコしながら食べている。
ある程度、朝食が片付いたところで本題に入った。
花田さんが、田山さんに質問してきた。
「おめぇさんは、農作業やったことあるんか?」
「はい。母の実家が農業をやっているので、手伝い程度ですがやりました。」
「そうか。体力は大丈夫け?」
「はい。まだ、若いですから。」そう言うと、花田さんは笑い、
それにつられて、皆が笑った。
僕は少し考えた。そうだ。この皆が笑える所。
僕はそれを目指して、医者になったんだ。改めて思った。
花田さんは、笑い終わるとお茶を一気に飲み、
「じゃあ、今日からやってみるか?まあ、畑とか見てくるだけなんだけども。」
田山さんは、「はい。行きます!!」と言って付いていった。
僕たちは、お邪魔かな?
188(-_-)さん:03/07/29 22:16 ID:???
「それじゃあ、花田さん。よろしくお願いします。僕たちはこれで失礼します。
 田山さんも、何かあったら、すぐ診療所へ来てくださいね。」
僕たちは、会釈をして山を降りた。
「田山さん、うまく行くといいですね。」
松永さんが、にこっとして話す。
「そうだね。僕も自分の目指しているものを再確認できたし、
 明日からもがんばりましょう!」
「そうですね。先生の目指しているものって、わかった気がします。
 皆で笑いあえる。それって、簡単なようで難しいですからね。」
そうして、僕たちは山を降り、松永さんは、
「あ、麦茶の特売やってるんですよ!!行って来ます。
 あと、麦茶だけじゃ飽きるかもしれないので、何かいいものがあったら、
 買ってきますね。試し飲みはお願いしますね〜。」
と言って、スーパーまで走っていった。
僕はちょっと眠い。診療所に帰って、少し眠ろう。
明日もがんばるために。
189(-_-)さん:03/08/01 19:14 ID:???
次の日も暑かった。8月に入ったのか。
今日も松永さんは麦茶と、新しく買ってきた数種類の謎のお茶を冷やしている。
「先生。新しく買ってきたお茶飲みませんか。」
その目は気体に満ちた目だ。僕はこの目に弱い事を知ってか知らずか、
たまに松永さんはそういう態度を出してくる。
「うん。えーっと、ヤーコン茶にどくだみ茶、減肥茶か。」
結構、まともそうなので安心した。取りあえず飲んでみよう。
「ヤーコン茶は結構いいね。どくだみ茶はちょっと苦いかな。
 減肥茶は僕あまり肉多くないからなぁ。松永さんもそうだけど。」
そう言うと松永さんは、少し照れた。
「とりあえず、少しづつ出すのは大丈夫だと思うよ。」
「そうですか〜!!嬉しいですよ〜。
 じゃあ今度から患者さんにメニューから選んで貰って出しますね。」
なんだか、お茶のみ場になってきてる気がする。
冬場もやるんだろうか?やるだろうなぁ・・・
ま、取りあえず診察開始時間だ。今日も頑張ろう。
そんな一日。
190山崎 渉:03/08/02 00:11 ID:???
(^^)
191(-_-)さん:03/08/02 19:48 ID:???
ある少女の告白

今日も朝山診療所は患者さんが結構来てる。
まあ、ほとんどがお年寄りなんだけど、
「先生は結婚なさらないのですか?良かったらいい子がいますよ。
 お見合いしたらどうですか?」
という患者さん?もいる。
その時に松永さんの入れてくれた麦茶がぬるいのは気のせいだろう。
さて、今日の診察もあと一人か。
ノックの音。「どうぞ、入ってください。」
少女だった。「・・・失礼します。」とか細い声で入ってきた。
そこへ、松永さんがメニューを持って、どのお茶がいいか聞いてきた。
「僕は麦茶でいいよ。君、えーっと杉島さんは、どれがいいですか?」
なんだか戸惑っているようだ。確かに診察に来てどのお茶がいいかなんて、
聞かれるとは思わないだろう。
すると、やはりか細い声で、「む、麦茶でいいです。」と言った。
松永さんは「早速お持ちしますね。」と冷蔵庫のほうへ。
そして、素早く麦茶をグラスについで持って来た。
「どうぞ。それを飲んだら、診察に入りましょうか。」
「・・・はい。」ゆっくりと飲んだ。
すると、「とても冷たくておいしいです。」と少しにこやかになった。
「じゃあ、診察を始めましょう。今日はどうしましたか?」
「あの、記憶・・・私、記憶がなくなっていくんです。」
それには、僕は驚いた。確かにそういう病気があると聞いたことはあった。
「それは、詳しく教えてもらえるかな?」
「はい。」
その後、彼女から聞いた話は、僕の過去に関わっていると知るのは、
しばらくしてからだった。
192(・∀・)ホー!!:03/08/07 03:13 ID:???
(・∀・)ホー!!
193(-_-)さん:03/08/07 08:14 ID:???
そして、彼女は話し始めた。
家庭教師がついて1ヶ月くらいから、記憶の抜け落ちが始まったらしい。
「杉島さん。その家庭教師について、知っていることを全て教えて下さい。」
杉島さんは少し考えて、
「はい。でも、ところどころ記憶が抜けているので、役には立たないかもしれないです。
 その家庭教師は奈良順平という大学3年の人です。
 少しひょろっとして、身長は先生くらいあります。」
すると、180くらいか。しかし大学生とは。
「あ、あと先生のように、時計じゃないですけど少し不似合いなブレスレットを、
 つけています。奈良さんが、ブレスレットを外した後に記憶が抜け落ちていることが、
 結構あります。何か手が光った所までは思い出せるんですけど、その後が。」
まさかとは思ったが、奈良と言う人物も僕と同じ能力を持っている?
少し考えて、その家庭教師が来る日と時間を教えてもらい、杉島さんは帰った。
さて、直接会って話して見るか。今のところは、それしかないようだ。
「あ、松永さん。以前の事件でお世話になった、前島警視の携帯番号は・・・」
その瞬間に、警視の名刺を出してきた。
「ありがとう。」
そして、前島警視に事の経緯を話し、何かあったらお願いしますと言っておいた。
松永さんが心配そうな顔をしている。
「大丈夫。僕も普通の人間じゃないんだから。」
194山崎 渉:03/08/15 10:18 ID:???
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
195(-_-)さん:03/08/19 11:07 ID:???
とりあえず杉島さんの言った時間に合わせて、訪問する事にした。
前島警視は例の事件で来られないというので、その時にボディーガードをした2人
を手配してもらった。もうどこかに隠れているのだろう。
それと松永さんがお守り代わりにと渡してくれた小さなイルカのぬいぐるみ。
僕の胸ポケットに入っている。一応、胸に手を当てて確認する。
松永さんも心配性なのがわかって苦笑した。
さて、そろそろかな。気を引き締めないと。
僕以上の能力者、もしくは何か格闘術でもやっていたら敵わないからね。
自慢じゃないが、能力に頼りっきりで腕っ節はからっきしなのだ。
うん?ドアが開いて中から2人出てきた。一人は杉島さん、もう一人が奈良という人物か。
挨拶してるのか、ドアの前で話をしてる。
そして僕がいるのに気づいたようだ。2人がこちらにやってきた。
杉島さんの表情からすると、僕が来るのを話しておいたのかも知れない。
奈良という人物が、挨拶をして来た。
「やあ、あんたが朝山センセーか?俺と同じような能力を持ってるらしいね。」
僕も負けずに口撃する。
「はいそうですよ。でも、あなたのような使い方はしていませんけどね。」
そう言うと、彼の顔がムッとした顔になった。
「へぇ。俺が彼女の記憶をどうにかしてると思ってるわけか。
 ま、その通りだけどね。」彼はニヤリと笑い、あっさり認めた。
「では、その『遊び』を止めていただけますか?杉島さんも困っているようですし。」
彼は更に近づいて、ポケットに手を入れながら話して来た。
「遊び?確かにそうかもな。俺はあるところで、この能力を貰ったんで、
 試しに使おうとしていたところへ、彼女の家庭教師の話が来たってわけさ。
 ふふふ・・・他人の記憶って面白いね。怒り、悲しみ、喜び。
 それを少しづつ壊していく。まるで・・・」
「神様になった気分ですか?その程度の考えでそう思うとは、
 軽い神様ですね。記憶と言うものは大切なものも、そうでないものも、
 その人の生きてきた証なんですよ。それを勝手に壊していいと思ってるんですか!」
僕は昔の自分と重ねていたのかもしれない。少し苛立って言い放った。
しかし彼は、大笑いしながらとんでもない事を言ってきた。
196(-_-)さん:03/08/19 12:15 ID:???
「いいじゃねぇかよ。あんたも似たような事してるんだろ?診察でさ。」
そう言うと、突然駆け寄り僕の頭に右手のひらをあててきた。
腕を見ると、いつの間にかゴツイブレスレットを外している!!
まずいと思い、僕も右腕の時計を外し、彼の頭にてのひらを当てて、
後ろに下がる。どうやら、記憶を消したりしたのではないようだ。
「ふふふ・・・センセーよぉ。知ってるか?俺達、記憶操作系の能力者は、
 人の記憶をなんとなくだが、手をあてると読めるんだぜ。
 まあ、強く思ったこと、感じた事しか読めないけどな。」
「知っていますよ。僕はあなたよりは、能力については長く付き合ってますからね。」
すると彼はへらへらと笑いながら、
「へぇ。知ってたんだ。じゃあ、俺のこともわかったのかい?
 俺は少なくとも、センセーが俺を説得しに来て、どこかに刑事がいるのはわかったぜ。」
僕はそこまでしか読まれなかったことで安心した。
「そうですか。じゃあ、僕の記憶を壊してみますか?やり方を覚えていればですが。」
彼は、はっと気がついたようだ。そして、怒りの表情をした。
「くそっ!てめぇ!何てことしやがる!!俺の楽しみがなくなったじゃねぇかよ!!」
そう言うと、彼は殴りかかってきた。僕は右の頬を殴られ体制を崩した。
その一瞬、彼の手を見るとバタフライナイフが握られているのが見えた。
そして、僕の左胸に刺さった。その時、隠れていた刑事さんたちが現われ、
彼の腕をひねり、ナイフを落としたところまでは見えた。
僕は、地面に倒れ・・・なかった。筋肉質なほうの刑事さんが支えていたのだ。
向こうを見ると、驚いて固まっている杉島さんと、
細身の刑事さんに押さえ込まれている彼が見えた。
「彼のほうが素早いですからね。大丈夫ですか?先生。」
筋肉質の刑事さんが聞いてきた。そしてイルカのマスコットを見せてきた。
それは、松永さんからお守りとして渡されたものだった。
しかし、穴が開いて無残な姿になっていた。すると刑事さんが、
「これにナイフが刺さって、助かったようですね。」
僕の上着のポケットを見ると、上まで裂けていた。
これは、本当に松永さんに感謝しなきゃ。
197(-_-)さん:03/08/19 12:38 ID:???
僕は落ち着いて、刑事さんにお礼を言って立ちあがった。
「刑事さん。彼はもしかして・・・」
刑事さんは少し迷ったが、
「そうです。例の事件の研究対象だったのです。
 実は前島警視は前から内偵を進めていて、彼はそのリストに入っていました。」
「それじゃ、今回の事は?」
「はい。以前から奈良をマークしていたのですが、なかなか尻尾が掴めませんでした。
 それで今回、先生から連絡を受けて渡りに船と言うわけだったのです。
 騙しているような形で申し訳ない。」
はぁ・・・それじゃ、前島警視にいっぱい食わされたわけか。
「では、彼は我々が本庁のほうへ移送しますので。」
「あ、はい。それじゃ、僕は杉島さんに話をしてから帰ります。
 お疲れ様でした。」
そして、刑事さんたちが去った後、杉島さんに話し掛けた。
「あ、先生。大丈夫ですか?私のせいで・・・」
彼女は涙ぐんでいたので、イルカのマスコットを見せて、
「この子が身代わりになってくれて助かったんですよ。
 それに杉島さんは悪くありません。僕が勝手に言ったことですから。」
杉島さんは、少し考えているようだったので、
「杉島さん。今日は大変でしたね。もし、落ち着いたら診療所のほうに。」
杉島さんは、「はい。」と返事をしてお辞儀をして、家の中へ入っていった。
198(-_-)さん:03/08/19 12:38 ID:???
そして、診療所に戻ると、松永さんが外でうろうろしていた。
「ただいま帰りました。事件は解決しましたよ。この子のおかげで助かりましたし。」
そう言って、穴の開いたイルカのマスコットを見せた。
「すみません。こんなにしてしまって、後で・・・」
「いいんですよ。先生の役にたったのなら、この子を渡したかいがありました。」
松永さんはニコッとしていたが、やっぱり何か落ち込んでいるようだった。
「そうですね。松永さん。後でまたイルカグッズを買いに行きましょう。
 それじゃ、中に入ってお茶でも飲みながら話をしましょう。」
そう言って、僕たちは診療所に入った。
後日、杉島さんは元気になったようで記憶の忘却もなくなったようだ。
とりあえず、これで解決したんだと自分に言い聞かせた。
でも、今回のことで昔の自分を思い出し、少し苛立っていた。

ある少女の告白 完
199(-_-)さん:03/08/19 23:38 ID:???
閑話 夏の風物詩
今日も診療所は患者さんでいっぱい・・・ではなく、お盆休みに入った。
3日間だけの休みなので、のんびりしようかな。
松永さんはどうするのかな?ちょっと聞いてみよう。
「松永さん、今暇ですか?」
松永さんは洗濯物を干して縁側に座っていた。
「ええ、今ちょうど暇になりましたよ。」ふふふと笑う。
「今日も暑いですね。それはそうと今日から3日間御休みですけど、
 何か予定はないんですか?」
松永さんはうーんと考え込んで、
「何もないですね。普段どおりにのんびり御休みを堪能します。」
「そうですか。僕もそう思っていたんですが、松永さんが何かあるのなら、
 そちらを優先しようかと思って。」
「うーん、あ、そうだ。お休みの最終日の夜はお暇ですか?」
突然、こんな事を聞いてきた。
「いえ、特にないですよ。何かあるんですか?」
すると、松永さんは家に上がってなにやら広告のようなものを持ってきた。
それには、「村民大花火大会」と書かれていた。日付も確かにそうだ。
「なるほど、花火大会ですか。いいですね。この村も観光客が増えましたからね。」
松永さんはニコニコして、まだ何か言いたそうだ。
「じ、つ、は、浴衣を仕立て直したんです。母から貰った物で唯一残ってる物です。」
最後のほうは、ちょっと悲しそうだったけど、お母さんの形見か。
「そうですか。それは楽しみにしないとばちが当たりますね。」
花火大会・・・直接見に行くのは何年ぶりだろうか。
しばらく見ていない気がする。中高大とこの村にはいなかったし、ある理由もありましたし。
本当に楽しみだ。
200(-_-)さん:03/08/19 23:39 ID:???
・・・・・・3日後、3日間買出しやのんびり過ごしてあっという間に約束の日。
「本当に似合ってますね。浴衣。普段の姿とは別人みたいですよ。」
彼女はちょっとぽっちゃりして、背が低いので浴衣は凄く似合ってる。
普段はちょこまかしているような感じだったので、新鮮さが倍増している。
「せんせーい、早く早く!こっちが一番よく見えますよ〜。」
いつの間にか、松永さんは川の土手を歩いていた。
僕も急いで登ると、そこには花火が空一面に咲いていた。
色々あった夏だったけど、楽しかったと思う。
来年も・・・「来年も見られるといいですね。一緒に。」
僕が思っていたことを言われてしまった。
そう、来年も再来年も、見ていたい。松永さんと一緒になら楽しいだろう。
ずっと続いて欲しい僕の中の永遠の時間。そして記憶。
これは強く思う。何があろうと、決して・・・

閑話 夏の風物詩 完
201(-_-)さん:03/08/20 02:08 ID:???
ヤンミル王子は散歩にでかけることにした。
202(-_-)さん:03/08/25 21:06 ID:???
夏の終わりの少年
「昔の話を聞かせてください!!」
そう言って目を輝かせている松永さんがいた。
今日は日曜日、僕は暇だったので、学生時代の写真やら、
今見ると恥ずかしいものを片付けていた。
そこを松永さんに見つかってしまい、
「可愛い顔だったんですねぇ。」とからかわれながら、
アルバムをひっくり返しては、「かわいい!!」という始末。
松永さんが、高校の頃のアルバムを見たとき、表情が変わった。
「なんだか、寂しそうです。」そう言って来た。
そうだ、その高校に入る前だった。あの出来事があったのは。
そして、松永さんは、「昔の話を聞かせてください。」と言ってきた。
僕がどうしようと思っていると、「いえ、話したくないんでしたら・・・」
「いいですよ。話しますよ。松永さんに話すのは、懺悔するような感じですが。」
僕は、話を始めた。まずは中学時代は普通に家族で生活していたこと。
その後、事故にあって父の知り合いの気功師と父の開発した薬を使われたこと。
その気功師のおかげで、普通に生活できる体になったこと。
それと同時に、記憶を操作する能力を得てしまったこと。
そして、高校に入学。しばらくして、いわゆる不良グループに絡まれ、
初めて他人に能力を使ったこと。その不良グループは、次の日から気が抜けたように
なった。僕が不良グループに関する記憶を壊したからだ。
どこかで噂が広まったのか、その事件以来、僕は一人になっていったこと。
そして、大学へ。誰も知らないところで新しい生活をしようと思っていたとき、
僕は能力を使ってしまいたい欲求を押さえられなくなっていた。
そして、父が使っていた時計を思い出し、それをつけると不思議と能力は使えなかった。
僕はこの能力を人を助けるために使いたいと思い、医学の道に進んだ。

203(-_-)さん:03/08/25 21:17 ID:???
そして、研修医だった頃に、先輩から聞かれた。
「お前、不思議な能力を持っているそうだな。見せてくれ。」
僕はとりあえず、先輩に軽いものを使ってみた。
すると、先輩は考え込んだように黙ってしまい突然、
「もし、お前が普通に医者として生きていくのなら、
 能力はなるべく使うな。その能力は危険すぎる。
 奴らが・・・いや、とにかく人前では使うなよ。」
その時はわかりませんでしたが、もしかしたら先輩は組織の人間か、
組織から抜けた人だったのかもしれない。
その事があってから、先輩とは二度と会うことはありませんでした。
先輩の言うとおり、まずは医者として一人前になろうと、必死でした。
そして、両親の保険でこの村のこの土地を買い、診療所を開いたのです。

「あまり面白くなか・・・」僕の頭を、松永さんは抱きしめた。
「先生、ごめんなさい。つらい事を思い出させてしまって。」
僕は、松永さんに離してもらうと、
「そうでもないです。このことは、僕が間違ったことをしたという事実。
 そして、今でも思っていることなんですよ。
 ありがとうございます。松永さん。改めて頑張ろうと思いましたよ。」
「先生・・・私も頑張ります!!」
ふと、縁側から外を見ると、あの寂しそうな目をした写真の僕が見えた。
その少年はニコッと笑って、消えた。目の錯覚だったのだろうか?
それとも、夏の終わりの夢だったのか。

夏の終わりの少年 完
204(-_-)さん:03/08/26 19:04 ID:???
穏やかな日

「先生〜、どこにいらっしゃるんですか〜?」
松永文子(あやこ)です。
この朝山診療所で、受付兼、看護師をやっています。
今は休憩時間なのですが、朝山先生が休憩時間と同時にどこかへ行ってしまったんです。
とりあえず、玄関に靴があるので母屋のほうに向かっています。
昨日、先生が探していた本、絵本なんですが、さっき本屋さんで見つけて、
買ってきたんです。
あ、居間のほうにいるのかも。私は居間に向かいました。
すると、やはり先生がいました。ここは、縁側と繋がっていて、
涼しい風が入ってくるので、よくお昼寝に使うんです。
そして、先生も案の定、お昼寝中でした。
ここのところ、残暑も厳しくてお忙しかったから、疲れたんですね。
起こすのはやめておきましょう。私は見つけてきた絵本を先生の近くにおいて、
冷たいものでも飲もうと、台所へ向かおうとしました。すると、
「松永さん。」と、先生の呼ぶ声。見ると寝てるようです。
「ふふふ、先生も寝言を言うのですね。」寝ている先生は可愛いと思う。
学生時代、女性に間違えられたって言うのもわかる気がする。
私は改めて、台所へ向かおうと立ち上がると、
「松永さん、ありがとう。」と寝言が聞こえました。
なんだか、午後の診療も頑張れそうです。そんな、穏やかな日でした。

穏やかな日 完
205(・∀・)ホー!!:03/08/31 03:43 ID:???
(・∀・)ホー!!
206:03/09/05 23:39 ID:???
予兆1 少年来訪
今日は土曜日、お昼で診察は終わる。
今、最後の患者さんを呼んでもらっている。
すると、外が光ったと思ったらドカーンと言う音がした。
松永さんは悲鳴を上げた。確かに今のは大きかったな。
そして、患者さんが座る椅子を見るといつの間にか少年が座っていた。
さっきの雷で名前が聞こえなかったのと、ノックの音も聞こえなかったから、
入ってきたのだろう。
「こんにちは。えーと、銀(しろがね)雷太くんでいいのかな?」
「はい。よろしくお願いします。」
少年は淡々とした口調で話してきた。
「今日はどんな用件で?風邪ですか?」
すると少年は首をふって、
「朝山恭一郎さんに用があって来ました。さっきは驚かせたみたいですね。」
少年はまるでさっきの雷を自分で起こしたようなことを言う。
「はい。恭一郎は僕ですけど。どこかで会いましたか?」
「覚えてないんだ。恭は。僕はしっかり覚えているよ。」
少年は12,3歳くらいだろう。カルテにも書いてある。
しかし、何か威圧する物がある。以前にも感じた事があるような。
まさか、能力者!!だとすれば、さっきの言葉もつじつまが合う。
だが、彼は僕を知っているといった。
「君はどこで僕を知ったのかな?」
「ボスと一緒に会った。その記憶は消されているのかな?」
何かが起きようとしている。それもとんでもない事が。
まだ、残暑が残る今から・・・
207:03/09/05 23:53 ID:???
少年はボスと言った。例の組織のだろうか?
「ボスは以前、この村で起きた事件の組織とは違う組織の人だよ。」
少年は当たり前のように言う。
「ボスは優れた能力者を探してる。能力を悪用する奴らを始末するために。」
僕は頭の中がもやもやして考えがまとまらない。いや、何か思い出そうとしているのか?
そこへ松永さんが、グラスに麦茶を入れて持ってきた。
「先生!!どうしたんですか!!」
「いや、大丈夫だよ。めまいがしただけさ。」
「じゃあ、麦茶でも飲んで落ち着いてください。」
少年は松永さんを見ている。そして、
「彼女は能力者じゃないんだね。関わりは間接的にあったみたいけど。」
松永さんが少年に話し掛ける。
「銀くんだったわね。あなたもそう言う能力を持っているの?」
「そうだよ。さっきの雷がそうさ。驚かせてごめんね。」
少年はにこりとして、笑いかける。
「君はそのボスに言われてやってきたのか?」
「そうだよ。それに能力も見てみたかったし。でも今日は帰るね。」
そう言うと、少年はドアを開け出口のほうまで行った。
「あ、そうそう。これから信じられないようなことが起きるから、
 そのおねぇちゃんは、何処かに逃げたほうがいいよ。
 逃げないと、きっと後悔するような事が起きるから・・・」
そう言って、少年は風のように去っていった。その先には車が止まっていた。
その車に乗ると、何処かへ去っていった。
予兆1 少年 了
208:03/09/06 23:04 ID:???
予兆2 夢
それはいつの事だったのか。サングラスをかけた「ボス」という男に会ったのは。
暑い、そう大学の夏休みの1日前だ。
僕は能力を使い、悩みを相談しに来た女性の記憶を操作した。
悩み自体を消し去ったのだ。しかしこれも何がその悩みに繋がっているかを、
思い出してしまえば無駄になる。記憶を壊すのは簡単だ。
数年前にこの能力を授かった時に、不良グループに使ったことがある。
彼らは、生ける屍となっている。医者もお手上げだろう。
記憶の治療など、直接は出来ないのだから。
それからは、父がくれた時計を右手にするようになった。
そうすると、能力は制限される。いや、ほとんど使えないだろう。
そんなことを考えているうちに、大学の門にこの暑い中黒いロングコート姿で、
サングラスの男とまだ10歳にも満たない少年が立っていた。
少年は普通にTシャツに短パン姿だ。その男に近づいてはいけない。
頭の中で危険信号が鳴っている。腕時計を外そうと左手を右手に近づけた。
しかし、いつの間にか男は左手を握っていた。その手も暑い中皮手袋をしている。
男は汗一つかいていない。その男が何かを言った。
「・・・に迎えの者を行かせる。この少年でいいだろう。
 その時、君は命を賭けた選択を強いられるだろう。だが、迷っては・・・」
目が覚めるといつもの部屋だった。
そうか、あの時に少年に会っていたんだ。鍵の役割を果たすために。
だが、目的はわからない。しかし、松永さんは危険な目にあわせたくない。
強く思った。たとえ何があっても、それだけは信じたい。
予兆2 夢 了
209:03/09/07 18:54 ID:???
予兆3 敵
午前中の診療も終わり休憩に入ろうと、松永さんに声をかけた。
松永さんは、指を指して何かを見ている。
そこには男が立っていた。身長170センチくらいの痩せ型の男だ。
「せ、先生。あの人、入り口をすり抜けて来ましたよ。」
松永さんは恐怖を押し殺して答えた。僕はその男に見覚えはない。
「午前中の診察は終わってるのですが、何か御用ですか?」
そう言うと、男は不気味な笑みを浮かべ、僕を指差した。
「先生に用があるんじゃなくて、朝山恭一郎に用があるんだ。」
僕は男のいる待合室まで行った。左手は右手の腕時計を外せるようにしている。
「それで何の用ですか?僕に用があると言ってますが?」
「警告をしに来たのさ。ボスとやらの使いは来たんだろう?」
あの少年の事を言っているのか。更に男は話を続ける。
「俺達はね。彼らと敵対してる組織のものなんだ。」
今、俺達と言った。後ろに気配を感じる。
「やっと気がついたのか。これでも能力者かよ。」
「まあ、いいじゃないか。平和ボケって奴だろ。」
二人は勝手に話し合っている。
「そうそう、俺達は忠告に来たんだ。あのボスの組織に協力しないで欲しい。」
「それが出来なければ、お前の大切な者に危害を加える。」
「考える時間は1週間。それまでに答えを出してね。それじゃ。」
二人はいつの間にかいなくなっていた。
これは忠告と言うより脅しだろう。だが、僕は出来る事をするまでだ。
予兆3 敵 了
210:03/09/08 21:09 ID:???
予兆4 警察
カラーン。入り口のドアベルが鳴る。今日は休診日だが、来客がある。
前島警視と、いつものボディーガードの刑事さん二人だ。
とりあえず、居間に上がってもらい経緯を説明する。
「ふむ。では、その少年もおそらく敵対する組織の者もボスと言ったんですね?」
「はい。少年もあとの二人も能力者だと思いますから、そうでしょう。」
「少年の名前は『銀(しろがね)雷太』。君、本庁のデータを検索してくれ。」
痩せたほうの刑事さんは、うちのPCからデータを検索している。
「残り二人は、名前もわからないですか。」
「はい。背が高いのと低い者がいたというくらいの認識しかできませんでした。」
「少年のほうは、今調べてその結果次第だが、残り二人は以前の事件の組織とも、
 別な物なのかもしれないな。」
そこへ、痩せたほうの刑事さんがプリントアウトした書類を持ってきた。
「これは・・・噂だけだと思っていたが、実在しているとは・・・」
「どうしたんですか?何かわかったんですか?」
その様子を松永さんは、口を挟むことも出来ずに見ていた。
「実は13’sという組織があると言う噂があったんですよ。
 その組織は、まあいわゆる世直し人とでも言うか、そんなことをしていると、
 聞いた覚えがあります。能力者で、難事件を解決している組織です。
 依頼人は主に悪事の犠牲になったり、犯罪組織、危険能力者の排除です。」
全員が無言になった。そんなドラマのようなことが本当にあるのか?と言う顔だ。
「それじゃ、その少年は13’sとやらのメンバーですか?」
「おそらくそうでしょう。あなたは昔、ボスらしき男と接触したと言う事ですから、
 13’sのメンバーの補充要員に相応しいかの見極めに来たのでしょう。」
今まで話には入れなかった松永さんが、「お茶を入れてきますね。」と言ったので、
一息入れる事にした。
211(-_-)さん:03/09/13 11:05 ID:???
162 :TAMA :03/08/21 00:44 HOST:p4232-ipadfx41marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp<8080><3128><8000><1080>
削除対象アドレス:
http://etc.2ch.net/test/read.cgi/hikky/1061392495/1
削除理由・詳細・その他:
アドレスが乗ってしまったので。

163 :削除屋@雪月 ★ :03/08/21 01:27 ID:???
>>162さん
ご自分で投稿されたようですので、自己責任として削除しません。
212:03/09/13 21:39 ID:???
13’s・・・もしかして、父も関わったのかもしれない。
それなら、僕にそこのボスが見に来てもおかしくはない。
今のところは敵ではないだろう。しかし、13人にメンバーを限定している。
つまり、一人一人が能力者としても、実戦においてもプロなのだろう。
もう一つの組織は、いわゆる武闘派という奴なのだろう。
僕としては、関わりたくない連中だ。
13’sのほうは、とりあえず敵にまわさない方向で行くか。
「先生?お茶、入りましたよ。」
松永さんが心配そうに顔を覗き込んでいた。
「あ、ゴメン。考え事をしていたんでね。お茶ありがとう。」
松永さんが、何か言いかけた時、
前島警視が質問してきた。
「あなたの考えていたのは、二つの組織を敵に回さないということでしょう。
 特に13’sのほうですね?」
僕が考えていた事を、ずばりと言い当てられたので、あっけに取られていると、
「確かに、13’sは危険な能力者の排除などを主にしていますが、
 気に入った依頼しか受けないと言うことで、表に出てこない連中です。
 その連中が、あなたを受け入れようとしていると言う事は、
 あなたの能力を必要としているのでしょう。その依頼とやらがね。」
前島警視は、ボディーガードの刑事二人を残し、その組織を調査すると、
帰っていった。僕はある決意をした。
松永さんが不安そうな顔をしている。彼女のこんな顔をずっと見たくない。
だから、僕は決意をした。少年が来たら、それを言うつもりでいた。
予兆4 警察 了
213:03/09/15 23:23 ID:???
予兆5 最悪のシナリオ
それから数日間、何も起こらなかった。
ボディーガードがいるのがわかって警戒しているのか、
それとも作戦でも練っているのか?
松永さんが、お茶を入れて持ってきてくれた。
そういえば、もう診療時間は終わってる。
「先生、お茶でも飲んでゆっくり考えてください。
 もし、誰か襲ってきても合気道やってましたから大丈夫です。」
そういって、腕をまくって力こぶを出すポーズをした。
「ははは、ありがとう。でも、相手は普通の人間と違う。
 だから、それは自分の身を守るのに優先して欲しい。
 ほら、ボディーガードさんたちも強いんだしね。」
僕はお茶を飲み干すと、表の戸締りをしに行った。
そして、戻ってくるとお茶が新しく入れられていた。
「ありがとう。松永さん。」
すると、松永さんが驚いた顔で僕、いや僕の後ろを見ている。
振り返ると、あの時の二人と見たことがある気がする人物がいた。
ボディーガードの二人も駆けつけて、僕たちを後ろにかくまった。
「フォフォフォ、恭一郎よ。そんなに警戒せんでも良かろう?
 昔、お主にその能力の元を教えた仲ではないか。」
僕はもう一度見てみた。そうだこの老人は、僕に気功と能力を引き出した者だ。
「フォフォフォ。ワシの名は、李幽玄。この組織「黒武会(こくぶかい)」の、
 頭目をやっている。今日はお主に答えを聞きにきた。
 時間がないので3分以内に答えてくれぬか?」
僕の返事は決まっていた。
「いくら昔、世話になったと言えど、あなた方に協力する気はない!!」
すると、李は顔を強張らせた。
「そうか、やはり奴の子じゃな。そして、おぬしは13’sに協力すると?」
僕は頷く。すると両側の二人が、一瞬でボディーガードの二人を倒した。
214:03/09/15 23:39 ID:???
「なにっ!!」「えっ!!」
僕と松永さんは何が起きたかわからなかった。
しかし、わかっているのは、このままでは危険だと言う事だ。
「さて、答えは変わったかの?あと2分はあるぞ。」
くっ・・・あくまで自分の組織に入れるつもりか!!
残り1分をきった。李は少し苛立っていた。
「ふう。3分たった。答えは変わらんようじゃな。
 では、次はそちらのお嬢さんに・・・」
李は松永さんに近づいていく。僕は止めようとすると、残りの二人が押さえつけた。
「やめろ!!彼女は関係ない!!松永さん、早く逃げて!!」
しかし彼女は合気道の構えなのか、相手をする気のようだ。
「だめだ!!やめるんだ!!君を失ったら僕は・・・」
その一瞬の隙に、李は松永さんに近づいた。
その時、車の止まる音と同時に、ガラスを破る音。
まさか!これ以上悪い事は起こらないでくれ!!
しかし、いつの間にか診察室に入ってきたのか、銀と言う少年と、
昔会った事のある、ロングコートに皮手袋、サングラスの男がいた。
ボスと言われている人物だろう。少年に合図を送ると、銀少年は、
僕を拘束している二人に、電気を手から放出し頭に食らわせた。
そして、二人は気絶した。少年はにっこり微笑んだ。
「お兄さん、大丈夫?次は、あのお姉さんを助けよう!」
僕は勇気がわいて来た。しかし、ボスは少年を静止し、自ら向かっていった。
「久しぶりじゃのう。お主が来てしまっては、計画は失敗じゃ。
 しかし置き土産をしておこう。」
李は松永さんの頭に手を置くと、手が僕のよりも激しく光った。
「これは記憶破壊に近いが、ワシが見つけた使い方じゃ。
 せいぜい苦しむが良い。」そして、李一行は去っていった。
215:03/09/15 23:59 ID:???
僕は倒れ掛かる松永さんを抱きとめると、呼吸と脈を診た。
少し記憶操作後の症状が見られるが、大丈夫のはずだ・・・
少しすると、松永さんは目を開けてこちらを見た。
「あなたは、誰ですか?すみません、記憶に引っかかっているんですけど、
 思い出せないんです。」
彼女は興奮気味になったので、鎮静剤を打った。
僕は松永さんを寝室へ寝かせると、居間で待っているボスに話をした。
「彼らは一体なんですか?それにあなたたちも!!」
「まず、彼らは世界規模で能力者を集め、そして作り出し、
 兵器、兵士として利用している。それは表向きで、裏では、
 能力者による証拠の残らない殺人、強盗、色々な犯罪をする者たちだ。
 我々は、ある依頼者により君を守る、もしくは13’sに入れると、
 手紙を貰った。その依頼者とは、君の父親だよ。これが手紙、あとは。」
何やら木箱を出した。丁度DVDくらいの大きさだが、深さはもう少しある。
そして、僕に手渡した。僕は開けてみた。すると中には、ナイフが入っていた。
と言っても、白さやの小刀と言ったほうが近い。
そして手紙を読む。確かに、ボスと呼ばれる人物に当てた文章が並んでいる。
急いで書いているのがわかるくらいに、字がおどりまくっていた。
最後に僕宛に、「その白さやのナイフは、お前の能力と合わせれば、
最強の能力となる。相手の能力を無くし消し去る能力だ。だが、お前だけでは
奴らと組み合う事も出来ないだろう。13’sに行き訓練を受けろ。
そして共に李の組織を潰してくれ。」
そこで手紙は終わっていた。二人は無言だ。するとボスが、
「13’sに来るか?彼女は13’sの管理する病院に入れる。
 そこなら安全だ。もし会いたければ会う事も出来る。」
「お願いします。彼女を治せるかもしれない可能性は李が持っている可能性が、
 高いでしょう。だから、訓練をうけさせて下さい!!」
予兆5 最悪のシナリオ 了
216:03/09/16 05:48 ID:???
変化1 組織
あの後、ボディーガードの二人を起こし、前島警視に伝えて欲しいと言って、
帰ってもらい、松永さんをボスの車に乗せ、13’sの関連病院に運び込んだ。
その病院の地下に訓練施設と宿泊施設があると言う事なので、そこへ行った。
診療所のほうは、しばらく近くに出来た病院の先生に少しの間ですからと、
お願いしてきた。これで、僕は訓練に集中できる。
まずは、基礎体力と運動能力の訓練だった。
その訓練には、あの少年銀雷太ともう一人のメンバーのスパイダーと呼ばれている
能力者が協力してくれる。ちなみにスパイダーと言うのはコードネームらしい。
本当はメンバー全員、コードネームで呼ばれているらしい。
銀少年は、偽名でライトニングと言うコードネームらしい。
おそらく能力を表しているのだろう。そして、訓練は始まった。
まずは、二人の動きについていく訓練、さすがに訓練されているだけあって、
全く追いつけない。仕方がないので、スピードを落としてもらった。
今度は追いつけないスピードではなくなったが、僕の体力が限界だった。
なんて情けないんだろう。もっと僕がしっかりしていれば、松永さんをあんな目に、
あわせなかったのに。そんなことを考えていると、スパイダーが、
「起きてしまった事を悔やんでも先へは進めない。先へ進めば道はあるはずだ。」
と言ってきた。そこで、今日の訓練は終わる事になった。
僕は病棟のほうに上がり、松永さんに面会する事にした。
217:03/09/16 06:07 ID:???
松永さんの病室のドアの前で、僕は躊躇していた。
以前の記憶は、バラバラになったとボスが言っていた。
とにかくドアをノックして、中に入ることにした。
「あ、どうぞ。」松永さんの声が聞こえた。久しぶりに聞いた気がする。
まだ、昨日の事だと言うのに。僕は病室に入った。
どうやら個室らしく、松永さんはTVを見ていた。
「あ、こんにちは。えーっと・・・すみませんお名前を教えて下さい。」
そうだ。僕のことも顔は覚えていても、名前は忘れているんだった。
「僕は朝山恭一郎と申します。こことは別で診療所をやってます。」
松永さんは、少し考えて、
「じゃあ、お医者さまなんですね。朝山さんは。」
松永さんにそう呼ばれて、涙が出そうになった。
そう言って見上げている松永さんが、別人に見えたのだ。
「はい。そうです。具合はどうですか?松永さん。」
「うーん、頭の中が立体のパズルのようになっているような感じです。
 ひとつ思い出すごとに、それが組み合わさっていくような・・・」
なるほど、確かに記憶がバラバラにされたのなら的を得た答えだと思う。
「朝山さん。お茶飲みますか?今煎れますけど。」
お茶好きは変わっていないんだな。そうだ、間違いなく松永さんなんだ。
僕はそう確信した。訓練が終わったら、疲れていてもここへ来ようと思った。
「いえ、今日はこれで失礼します。また明日来ます。」
「え、明日もいらっしゃるんですか?ありがとうございます。」
僕は挨拶をして、病室を出た。
すると、ボスが立っていた。ボスは僕に近づくと、
「どうかね?記憶のプロから見て。」
「まだ、時間はかかるでしょうが、訓練と両立させて頑張ってみます。」
「そうか。とりあえず2週間後。それが期限だ。奴らも我々も準備が整う。」
「わかりました。なんとか追いつくまでには辿り着いてみせます。」
そう言うと、ボスは去っていった。2週間か・・・
変化1 組織 了
218(-_-)さん:03/09/16 14:46 ID:???
age
219
下げます。