光を辞めた負け犬の数→

このエントリーをはてなブックマークに追加
177夏厨@就活 ◆333RwWqY
御盆の時の話だ。
私は帰郷してすぐに久しくなる地元の友人達の顔が目に浮かんだ。
(皆、帰って来てるかな?何年も会ってない友人も多い。元気にしてるだろうか・・。)
そんな心配を他所に、御盆では恒例であったらしい同窓会とやらが今年もある事を耳にした。

盆も暮れ始め、友人達との再会も果たし東京に帰る前にどうしても気になった事がある。
そう、>>170彼だけは顔を出さなかったのだ。
彼は友人も特におらず酷い変わり者であったが、何故か私は彼の事が頭を過った。
そしてついに私は彼に直接電話してみる事に至った。

彼はこう話した。
『会社が分社してくれたお陰で退職したんだけどさぁ、
それがきっかけでコンサルタント会社に転職出来たんだ。
それで何とか家も建てれたし、光では負け犬だったけど、普通の生活に戻れたよ。』

電話での彼の精一杯の『嘘』が私の胸を締め付けた。
無職である彼が御盆にも帰る事が許されないその心境がひしひしと伝わってきたのだ。

同窓会でも彼の話題になると『光通○系の会社』に就職した後に事を酷く馬鹿にされ非難されていた。
あれではとても顔を出せる筈がない。
また地元で無職になったのも彼だけであった。
話によると彼は再就職が利かず、家族にも逃げられ、残っているのは多額の借金だけとの事だ。

私の実家に彼の両親から恥ずかしそうに報せが届いたというのはその3日後の出来事だった。
私はまさかあの電話を最後に彼が自ら命を絶つとは想像もつかなかった。
結局、葬儀には人も集まらなかったという。

そして盆は暮れた。