http://blog.goo.ne.jp/syncs/e/6c66b0e97d559eaf8a7e2152cd369d9b AliceSoft『闘神都市V』 2008-12-09
『闘神都市V』をクリア。あとは、グナガンあたりを倒すのみ。
この『闘神都市V』については、14年も前の前作『U』をプレイした人を中心に、アンチが出ているが、
正直なところアンチを表明する人が何が不満なのか分からない。傑作だし、エンディングあたりは結構感動したんだが。
まあ、確かに戦闘システムがつまらないというのは、基本的に相手のタメ攻撃だけはつぶしてあとは放っておくだけで勝てるということで分かる気もするが、
僕などは、インターネットサイトを流し読みしながらレベル上げをしていたので、楽と言えば楽だった。
確かに、淡々としたレベル上げが好きという人以外には面倒くさいかもしれないが。3Dの戦闘がノロいという悪評についても、『U』とそんなに戦闘のテンポは変わってない気がするし。
僕はAliceSoftのゲームは『闘神都市U』『鬼畜王ランス』『ランスY』『戦国ランス』やっているが、ゲームを最初からやり直す気にはならないという意味では、(『ランスY』を除き)
上記に対してゲーム性は弱いかもしれないが、何といってもシナリオが良かったと思う。というわけで、以下ネタバレもありで。
『闘神都市V』の全体の印象としては、だいぶ『U』に似ているなというところ。
主人公がある目的をもって闘神大会という武術大会に参加し、紆余曲折をへて(『V』の紆余曲折は長かったが)闘神となり、
都市がなぜ闘神という猛者を必要としたのかという真実にたどりつくというところ。
『U』ではこの紆余曲折の中で、カラーという種族の関わるエピソードの評価が高かったが、『V』ではカラーに関するエピソードが全体のエピソードの根幹に絡んでいる。
僕にとって『闘神都市V』はメインヒロインの一人、レメディア・カラーに尽きる。エンディングまで見れば、『闘神都市V』はレメディア・カラーの人生の物語だということが明らかになる。
カラーという狙われる種族で、凄腕の剣士で、秘密の使命を持ち、お姉さんだけど口下手(!)。萌えるとか可愛いとかいう意味ではないけれど、良いヒロインだと思う。
物語の根幹の人物であり、百戦錬磨の戦士の割にあんまり活躍せず、スタッフにも愛されている感じもあまりないけど。最終盤の選択で、レメディア・エンドとかあればよかったのに。
そんな彼女が、カラーの少女に対する暴虐に「貴様ぁっ!」っと激昂するのは、作中屈指の名シーン。またシステムとシナリオの両方に絡んだ拡張付与の設定もうまくできていた。
他にも、多少荒いところはあったけれど、謎の見せ方、シナリオの展開の仕方もかなり良かったと思う。
というわけで、総じて言えば『闘神都市V』はRPGの皮をかぶったシナリオ・ゲームだったと思う。『U』よりもシナリオについてはずっと好きなのだが、どうだろう。
そう思えば、たとえば女の子モンスターの捕獲などRPGとしてやり込み要素が減って惜しむ声があるのも、シナリオ・ゲームだからということで多少は減じられるのではないか。
あと、主人公があんまり成長した気がしないという評価については、そうかもしれない。これは主人公の強さが拡張付与による剣の強さにかかっているから仕方ないところではあるが、
確かに、終盤になっても主人公が強くなったという気があまりしない。レメディアともっと絡めば、成長を描きやすかったという気もするのだけれど。
最後にまとめれば、僕は『闘神都市V』を断固擁護したい。ふみゃ氏はよくあのシナリオを作ったと思う。
あとは、拡張パッチが出て、エンディング後の闘神都市でキャラクターたちの後日談が見られたり、レメディア・エンドが追加されたり、強くてニューゲームが追加されたりなどあればいいのだけど、そこまでは望みすぎかなあ。