CROSS†CHANNEL71

「好きだから、パッチを待つってのは？」
「……それが普通だ」
「でも相手はパッチを出すつもりじゃなかったら？」
「……諦めりゃいーじゃねぇか」
「でもどうしても楽しみだったら？」
「それはよ」

「とても楽しみである。楽しみの最高峰。でもパッチは出るかどうかわかんない。バグだらけかも知れない」
「いつまでも待つの？」
「……望みの無いことしてどうすんだ」
「でもすごく楽しみなんだよ？すごくすごく楽しみ？さあどうする？」
「そりゃ……」
「まず連絡とらなきゃいけないよね？はい、サポートにメールフォームが出来た！さあ、次は？」
「メール出して……」
「ところが返信が来ない。行動を起こすのは、ここでおしまい？」
「やめるか。少し、少し時間を置いてよ……そんで……またちょっとずつ」

「ふぅん。長期戦だね」
「でも時間をかけた分だけ、惜しいよね。あきらめきれなくなるよね」
「…………」
「でも手はあるよね？」
「手？」
「住人でパッチ作ったり、毒づいたり、」
「不買運動起こしたり」
「…………おまえ……」
「ちゃんと計画立てて、2chに風評を回して、完全版の価値を見せて、それに金を出して」
「…………」
「パッチの実現のために、けっこうできることはある」
「欠けたシナリオをプレイするために、そうすべきだ。だよね？」
「……そ―――」

「違う、それは」
「ふざけんな。そりゃ、ただ金を巻き上げられてるか、メーカー追い込んでるだけじゃねーか」
「リリース日に出て、抜けがなくなってるパッチをだけ待ちゃいいんだ」
「それでも抜けシナリオだらけなら、諦めんだ！」
「ハハ」
「何がおかしい！」
「じゃあ楽しみのパッチを出してくれる銀時計を責めたらダメだ」