ハイパースペース〜笑ってはいけない超空間〜14マツ

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65名無したちの午後
「アキバでTAKERUが復活したぞ―――」
私がそのニュースを知人から聞きつけ、えもいえぬ懐かしさを胸に上京したのは、新緑の心地よい、
5月のとある天気のよい日でした。
私は秋葉原の駅を降りて、サトー無線の店員さんに「TAKERUはどこですか。」と尋ねました。
店員さんは不思議そうな顔をして、「そんなお店は知らないですね。」と答えました。
私は熱くなって言いました。「お店じゃありません。それは自動販売機の名前です。かつて一時代を
築き上げた、日本のコンピューター文化史に燦然と輝くソフトウェアの自動販売機の名前なんです。」
店員さんは本当に何も知らないようで、「すみませんねえ、そういった自販機のことは何も・・・。」
と申し訳なさそうに答えました。
しかし突然、「ああそういえば、LAOXのザ・コンピュータ館さんの辺りですか、おでん缶販売機の隣に、
なにか変な自販機が出来たとか・・・」
私は「それだ!」と直感し、店員さんにお礼を言うと、一目散にそこに向かいました。
66名無したちの午後:2007/03/17(土) 14:10:33 ID:Ezach0KG0
おでん缶販売機のある場所に行ってみると・・・あるある、あの機械が置いてあります。
しかしよく観ると昔のTAKERUとは多少違うようです。
まず、モニターには何も表示されず、機械に電気が通っているような気配がありません。
これは低消費電力モードということなのでしょうか。
とりあえず、お金を入れれば電気が入るのでしょうか。
私は硬貨投入口の上に「500えん」とシールが張ってあるので、とりあえず500円玉を入れてみました。
すると突然、モニターにアニメーションが再生を始めました。
タイトルは「ありす+」・・・そして大音量で女の子のあえぎ声が周囲に向かって流れます。
周りの人たちがいっせいに私を怪訝そうな目でみます。
おかしい、これは何かがおかしい、これは私の知っているTAKERUの挙動ではない。
とにかく目の前の自動販売機から流れる猥褻なアニメーションを止めなくては・・・
私は機械をああでもない、こうでもないといじってみるのでしたが、それは止まりません。
どうやら通行人の一人が私を警察に通報したらしく、数分後、私は警察官数名に囲まれ路上で職務質問を
受けるのでした。
その最中も猥褻なアニメは流れ続けましたが、10分くらい放って置くと勝手にヒロインが車に轢かれて
終了しました。

やがて職務質問から開放された私は3つの事を知りました。
まず第一に、残念ながらTAKERUは復活していなかったこと。
次に、そこにあった自動販売機は「TAKERU」ではなく、「TAKEI」であるということ。
そして最後に、それはそもそも自動販売機ではなく猥褻アニメの流れる募金箱であるということでした。