2006年12月購入検討&感想スレッド Part13

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88名無したちの午後
エーデルヴァイスについて。一応フルコンプ。

大正時代の女探偵を描いたノベルゲー。ライターは一人。文章は繊細。
シナリオ量は少ない。分岐は二者択一。誤選択はBAD直行なので要するに一本道。
登場キャラの立ち絵が無い。セリフ横にたまに顔グラが出る程度。キャラごとの
メイン音楽もない、というか、音楽が非常に静かで、メロディというより添える程度の旋律。
そっけない作りは物語の雰囲気と非常にマッチ。しかし今のエロゲの普通をあまりに放棄。

大正時代の考証は細かい。物語はシャーロックホームズ的ファンタジー。
キャラが総じてボヘミアン。世間から浮いていて、どこか冷めている。
文体・口調・雰囲気共に、現在主流の萌え文法からは完全に乖離してる。

分類するなら「姉萌え」もの。主人公はホームズと同じスーパーウーマン。男は皆惹かれる。
ただ本人はいたって淡泊で名家のブラコンお嬢様(未亡人)。弟は「お嬢さん」などと
姉を呼び、主人公は弟と話すとき自分を「姉様は」などと言う。弟の前では平気で裸になって
風呂に入るし、弟もそれを全然気にしてない。こゆ関係、萌えませんか?萌えませんか。そうですか。

原画家が色まで全部塗ってるんで、CG総数なんて期待できるよしもない(57枚)。
そのぶん、統一感は凄い(あたりまえだ。もともと一人だし)。
この同人感漂う創作体勢はなんなんだろう。良くも悪くも本作の通奏低音になっている。

結局、これはもう「この世界観が好き、雰囲気が好き」という人しかオススメできない。
興味がある人はまずは体験版&同舞台設定の旧作品がフリーでできるんでそれをやってみるしかない。
もしフィットすれば、小品ながら確かな世界観に没入してその雰囲気を味わえる。これは06年発売の
全エロゲを含めても、ここにしか作れない唯一性。それは素直に褒めたい。つかそれが全てかもしれない。