「お兄ちゃん、一緒に学校に行こう?」
「い、嫌だ!」
「早くしないと遅刻するよ?」
「うるさいうるさい! お前だけで行けよ!」
「えー。私はお兄ちゃんといっしょに学校に行きたいよ」
「帰れ!」
「ねー、お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん
お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん
お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん
お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん」
「やめろおおおおおぉぉぉぉぉっっっ!!!」
「もうしかたがないなあお兄ちゃんは」
そう言って葵が後ろ振り向くと、何事か呟き始めた。
誰か、他にいるのか?
でもいまさら、誰が!
思わず身を乗り出すと、再び葵が俺を見返した。
「ほら、×××ちゃんも言ってあげてよ」
━━━━?
今、何て言った?
イマ、ダレノナマエヲヨンダンダ?
「なにしてるの志伸くん? 早くしなさい」
「えっ!?」
「まったくだらしない。あれほど規則正しい生活を送りなさいって言っているでしょう?」
×××さんだ。
この声。この言い方は間違いない。
姿は見えないけど、葵の後ろにいるんだろう。
でも、×××さんはその葵に×されたはずで、
「聞いているの志伸くん!!」
「は、はい!」
ああもういい。これは×××さんだ。
俺がそう思うんだからそれでいい。だから。
「だから聞いてくれよ。葵がオカシイんだよ!」
「英里子さん!」
「う、そ、だよ」
「うああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「あははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははは
ははははははははははははははははははははははは」
・ ・ ・ ・
「学校に行こうお兄ちゃん。3人一緒にね」
GAME OVER