それはひとりの反逆の物語。
「虚淵さん。自分が何をしようとしてるのかわかってるのか」
「承知の上だ。だからお前を振り払うことに躊躇いはない」
逸脱したのは、彼らのうちで最強を謳われる二人組。
「東口。お前までどうした」
「虚淵が俺を原画に選んだんだ。絵師は絵を描くだけ、それで十分だろう」
いつから何が歪んでいたのか。
「鋼屋、俺はお前がうらやましかった」
「何を……?」
「エロゲー業界でエロで評判が取れないことがどれだけ惨めか。
俺が今手にしている評価も、こんなものここでは何の意味もない」
「だからって……!」
沙耶の唄-Ver.Staff only-
祈りは、天へ。
「俺たちは、ただあんたのガンアクションを読みたいだけなんだ。虚淵玄」
それはひとりの反逆の物語。
「濡れ場を売りにしないエロゲーなど滑稽極まりないだろう?
アウトローの中でもまだ、アウトローに過ぎないのさ。今の状況はな」
「作家には適性というものがあるだろう」
「適性を言い訳にするのは、プロフェッショナルのすることじゃない」
踏み切るのが遅かっただけ。
「東口。俺は」
「みなまで言うな。絵師は絵を描くだけ、だ」
今まで曲げていた節を、元に戻すそのために。
「『申し訳ない』のさ。同じ趣向を持つ者を集めただけだ。自慰行為と何の違いがある」
「客は喜んでいる」
「言い方を変えよう。このままでは俺の気が治まらない」
沙耶の唄-Ver.Staff only-
慟哭は、地へ。
「俺のこの一筆で、世界を萌やしつくすその日まで」
なんかシリアスアクション映画風。
その、ごめんみんな。