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名無したちの午後:
「Elysion〜永遠のサンクチュアリ〜」のマナの不幸っぷりは凄い。
まず、出身はコソボ自治州……こう聞いただけで彼女の不幸が分かるでしょう。
ある日、それまで親切だった隣人に目の前で両親を殺されます。
姉は自分達のために水を汲みにいこうとした井戸の周りの地雷原で、両足をもがれました。彼女は地雷原で助けにもいけず、姉もそれをわかっていて助けを呼ばず、姉はそのまま死んでいきます。
弟は爆撃で右腕を残して吹き飛ばされます。こうして彼女は天涯孤独のみに。
その後、どうにか難民として船に乗り込みますが、それも難破。
で、サンタマリア島の庭師・ゲオハルトという人に拾われますが、これがまぁド外道。死体愛好と人種偏見に凝り固まった人間のクズで、プレイしていて何度も殺したくなりました。
更に彼は危機レベルAの病原菌まで保有していて、これがマナ編終盤で事態をややこしくしていくんですが、それはまぁ置いておきましょう。
彼は逃げ出そうとして殺されたメイド・サリナの遺体を数年に渡って部屋におき、弄んでおりました。
マナはその部屋に住まわせられました。生前のサリナはマナに優しかったそうですので、彼女の受けた衝撃はいかほどか(よく発狂しなかったものです)。
おまけにゲオハルト、白人以外の人間を人間とみなしておらず、彼女は月のものが来ると雨の日であろうと外におっぽり出されます。 シャワーなど浴びさせてもらおうはずがありません。
そんなこんなで彼女は主人公に会った時、二つのトラウマを持ってしまっています。
一つはアルバニア語で「地雷だ!」と叫ばれると身動きが出来なくなってしまう事。
そしてもう一つは、自分に優しい人は皆死んでしまうという強迫観念。
この世に神がいるのなら、そいつは残酷な奴だ。あまりにも……。
(キリコ・キュービー)