屍姫と羊と嗤う月(1/3)
当方、伝奇スキー。陵辱OK。鬱耐性有り。
■シナリオ
ガイシュツの通り「叶子・唯緒」「花・明星」で完全に分かれる。
ライター二人みたいなので、この組み合わせで分けてるのは間違いないでしょう。
双方ライターとしてのレベルは高いと思うけど、正直、カラーがあまりに違い杉。
サブキャラ総取り替えなのはまだしも、主人公の性格付けが全く別物になってしまってるのは問題有り。
・叶子シナリオ
伝奇の導入シナリオとしては上出来。体験版で叶子オンリーにしたのも、
このルートを最初にやってもらう意図が有ってのことだと思う。
「人外」の戯れに巻き込まれた「人間」の不条理さや絶望感が良く出てるシナリオだと思う。
さらに、その前段階としてのキャラ萌がよく書けてる。
月厨の漏れとしては弓塚さつきシナリオに、このシナリオが欲しいくらい。
陵辱耐性があるなら単体の鬱シナリオとしても、やってみる価値はあると思う。
・唯緒シナリオ
「人外」と「人間」の恋愛というコンセプト自体は描けてると思う。戦闘シーンも良く書けてた。
でもそれだけ。謎があってそれが解明されるわけでもなく、大きなサプライズも無い。
あと、唯緒の中の人声作りすぎ。途中で慣れたからまだ良いけど。
趣味の問題もあると思うけど、こういう無口系(←これだけならまだイイ)+古風な口調の癖のあるキャラに
メインヒロインやらせるのは引きが弱いと思う。ビジュアル的にも一般受けしないと思うし。
サブキャラで出てきたら、凄く魅力的なキャラだったと思う。
「叶子・唯緒」ルートはもう一本「謎解明編」みたいなシナリオが欲しかった、というのが正直なところ。
屍姫と羊と嗤う月(2/3)
■シナリオ(続き)
・花・明星シナリオ(あんまり好みの系統ではないので、まとめて)
完全なキャラ萌えシナリオ。叶子シナリオもそうだけど伝奇部分はスパイス程度。
登場キャラ全てが、口癖キャラなのはちょっと勘弁。正直ウザイ。
あとショタは禿しくいらないっす。ゲンガーの趣味なのか、ライターの趣味なのか知らないけど
伝奇エロゲー作ってるプロなら、そんな個人的趣味なんぞ窓から投げ捨てろと小一時間問い詰めたい。
首輪とか「さん・さま」の呼称とか趣味に走りすぎ。
キャラ萌えシナリオと考えればショタもアリかもしれないけど……
趣味が合わないという点を除けば、キャラ萌えシナリオとしては悪くない出来だと思う。
会話のテンポはイイし、ギャグのネタも豊富。数少ないシリアスシーンでもきっちり締めてる。
でも、やっぱり明星お姉さまのシリアスでカッコいいシーンをもっと見たかったです。
■CG
原画は絵買いするほどではないけど好み。
出来は一部立ち絵の表情に崩れが見られるけど、まぁ問題なし。
塗りのレベルは高いと思う。CD容量にまだ余裕があるし800x600で作って欲しかった。
ただ中堅メーカーの主力作がこのCG枚数なのは、ちょっといただけない。
あからさまにCGが足りてないシーンがあるし、差分や立ち絵パターンも多いとは言えない。
あと、この制服デザインは、ちょっと勘弁。
■音楽
ボーカル曲の出来は良くない。BGMは悪くないと思う「中の上」〜「上の下」くらい。
暗めの曲の方が出来は良いと思うけど、それが少な目なのは残念。
一番気に入ったのは「蒼い虚空に月は揺れて」
音楽モードに登録されない曲もあって曲数はかなり多い。これって「蒼刻〜」の曲なのかな?
屍姫と羊と嗤う月(3/3)
■エロ
叶子・唯緒・朋絵・慧来のエロは全く駄目。尺も短い。
陵辱は属性が合わなかっただけかもしれないけど、純愛の方も使えない。
唯緒はもう一回、無理なくHシーンを入れられるはず。
今は「シナリオ重視だからエロは薄目」なんてのは通用しないので、ライターには猛省を促したい。
花・明星・触手x2はけっこう濃い。尺も長め。ただし回数は少ない。
フェラ有り、チュパ音多め、卑語有り、一部効果音も有り。
でもやっぱりショタはいらない。数が少なくて貴重なHシーンをそれに割くなと言いたい。
■声
唯緒の声が作りすぎ(演技指導がそうだったんだと思う)ってのはあるけど、みんな巧いです。
特に叶子の中の人はGoodJob!! でも、及川やメガネにも声が欲しかった。
■システム
この系列は二回目(前回は巫女茄子)だけど同じシステム。
必要な機能は揃っていて快適。あと足りないのはキャラ別声ON/OFF機能くらい。
■まとめ
確かに期待度が高かったので、期待はずれ感は大きい。
が、純愛系・キャラ萌えストーリーとしては悪くはない。10点満点で7点。
あと「叶子・唯緒」ルートのライターは、
シリアスシーンの描写力はエロゲー業界ではトップクラスだと思う。
伝奇物では設定に凝って筆力が足りずに崩れるのが大半なのに、
筆力があって設定に凝らずに(伝奇物として)崩れてるのを見るのはなんか不思議な感じ……
次作は是非、(個人的主観では)いまだ名作の無い純和風伝奇物を禿しくキボンヌ。