age(アージュ)スレッド 第72章

このエントリーをはてなブックマークに追加
482名無したちの午後
「遊覧飛行」
遊覧飛行を少しだけ 少し 少し ふわ ふわ  と
時間を伸ばして少しだけ 少し 少し ふわ ふわ  と
終わりの笛は落として鳴らず 少し 少し ふわ ふわ  と

空は綺麗ですから、眺めてもいいよ。 街は輝くから、見下ろしてもいいよ。
あの鳥は見てはダメ、覗いてはだめ、覗かれるよ、除かれちゃうよ。

ゆら ゆら ゆら ゆらり
ゆら ゆら ゆら もわり
隣の腐乱したご主人が私達目掛けて、視線を投げかけてきます。
あなたは前を向いていて下さい。手を振らないで。関係ないでしょ。

風が流れ、雨が滴り落ち、日が燃え出すと、私の快楽は極上のものとなり、幻想を与えられます。
少しばかりの、おやつ。
トマトジュース、トマトジュース、私の中から滴るこれは。トマト、じゅーす。
早く早く逃げ出したい、でも、これは、遊覧飛行でしたね。
のんびり、するのが、いいのですよ。

ねぇ、あなた、少しだけ、外に飛び出してみましょうか、
大丈夫。遊覧飛行だから、軽傷であることを望んでいます。
あなたは落ち、私は暇を持て余す、そう、これは遊覧飛行。
辿りつくことも、止まることも出来ない、遊覧飛行。