otherwise vol.7

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270名無したちの午後
ラプラスは、現在の状態を完全に測定できれば未来も完全に予測が可能だと考え、
正確な観測と複雑な計算を瞬時に実行できるものを「ラプラスの悪魔」と呼んだ。
「わからない」のは「原理的に予測不可能」だからではなく、単に人間の英知が
及ばないだけであるとしたのだ。

そこまで考えてから、俺は霞の乳首にキスした。彼女はほんのりと顔を上気させ、
俺をまぶしげにみつめた。「お兄ちゃん、もっと激しくしてもいいよ」

むろん、現在の俺たちはラプラスの考えが近世における一種の信仰であったことを
知っている。ハイゼンベルグの不確定性原理が示すように、ミクロ世界では観測と
いう行為そのものが計測の対象の状態に影響を及ぼすのだ。すなわち、観測できる
要素とできない要素が同時に存在している。

「ねえ、霞がご奉仕してあげようか」むくっと霞が起き上がり、俺の首に両手を回
して耳元でそう囁いた。俺は頷いて、彼女の前にそそり立つものを突きつけた。

観測者という概念を理解すれば、ここで「シュレーディンガーの猫」という命題に
とりくむことができる。さて、猫は死んでいるのかそうではないのか・・・

「お兄ちゃん、何考えてるの」霞が俺のものから口を離した。
「なんでもない。つまんないことだよ」霞は不思議そうに小首を傾げた。