鉄道運賃、1円刻みが浮上=消費増税に合わせ−IC乗車券限定で
現在は10円刻みとなっているJRなどの鉄道運賃について、1円刻みにする構想が浮上していることが2日分かった。
関係者によると、複数の鉄道会社が消費増税に合わせて導入を検討しており、増税分をスムーズに運賃へ
転嫁するのが主な狙い。
駅券売機で10円未満の硬貨を利用可能にするのは技術的に困難なため、交通系ICカードでの乗車に
限る方向で調整している。
1989年の3%の消費税導入時と97年の5%への増税時、JR旅客6社や大手私鉄は税率の上げ幅に
収まる形で運賃を引き上げた。
ただ10円刻みの運賃だと100円台の近距離運賃に増税を転嫁することは難しく、値上げは遠距離に偏る傾向が強かった。
一方、現在はJR東日本の「Suica(スイカ)」など1円単位の電子マネーとして使えるICカードが普及。
発行枚数は全国で8000万枚を超え、2013年3月から1枚のICカードで北海道から九州の全国50以上の鉄道事業者
の運賃が支払える相互利用が始まった。
こうした環境の下で、今回の消費増税が14年4月と15年10月の2段階であることも踏まえ、政府が求める
「適切な価格転嫁」の選択肢の一つとしてIC限定の1円刻み運賃導入が具体的な課題として浮上した。
ただ券売機は10円刻みの運賃が続く。同じ区間でもICと数円の価格差が出るため「二重運賃」との批判も予想される。
ある鉄道関係者は「国民、利用者の理解をどの程度得られるかが実現のポイントだ」と指摘している。(2013/05/02-17:50)
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2013050200648