和食ブームのフランスで「本物の日本食レストラン」に「お墨付き」を与える制度が今年から始まる。
似て非なる料理を出す店が増えており、「真の日本の味とサービスを見分けてほしい」と日本貿易振興機構(ジェトロ)パリ・センターが創設。
グルメガイド「ミシュラン」にならって覆面調査員が店を回って採点するという。
同センターは日仏の有識者12人で構成する「日本食レストラン価値向上委員会」を発足。
委員会が委嘱した調査員が「日本産または同等品質の食材を使っているか」「盛りつけやサービスが日本的か」などの基準で採点する。
高成績の店には、はしを持つ手を図案化した「本物の日本料理」マークを授与。
今年の推奨店は10月に発表する。
油が少なく健康的という評判も手伝ってフランスではこの数年で和食レストランが急増。
パリだけで約600店あるとされる。ブームに便乗しただけの店も多く、「味が違う」「いきなりみそ汁が前菜に出てきた」という苦情も。
フィガロ紙がすしに含まれる雑菌を調査報道するなど、衛生対策の不備を指摘する声も出ていた。
「間違った味覚が日本の味として浸透するのは困る。
すしでおなかをこわして日本食イコール危険とのイメージが広がれば、日本ブランドも傷つきかねない」と同センターの中井毅所長。イタリアとタイの輸出促進機関も同様の認定マークを出しており参考にした。
「日本においしい中華やイタリアの料理店があるように、日本人でなくても立派な日本食は作れる。国籍にかかわらず料理人の励みになってほしい」(中井所長)と、オーナーや料理人が日本人かどうかは「不問」だとしている。
朝日新聞
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