馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬馬？？？

これってスクリプトなの？

このような安易なスレ立てはご遠慮ください。。。

うひゃ

　

今日仕事が終わってから、ちょっとした時間つぶしに久々にゲーセンに足を運んだ。
店内の配置や装飾が変わったことに気づき、昔を思い出しなら歩き回った。
プリクラやUFOキャッチャーのスペースが広くなり、ビデオゲームのエリアは小さく
縮小されていた。そこで知っているゲームが無いか探し回った。

奥のほうに行くと、格闘ゲームの対戦台があった。1P側の後ろを通りかかると、大学生
くらいの兄ちゃんが、CPUと対戦をしていた。対面の2P側には小学生くらいの少年の姿
があった。一旦その場を離れ、また10分くらい店内を歩き回った。多くは新しいゲームに
置き換わっており、帰ろうとした矢先、丁度先ほどの台で少年がプレイしようとしていた。

なるほど、少年は見ていたわけじゃなく、大学生が遊び終えるまで待っていたのか。
と、そこで初めて気が付いた。少年のプレイが気になり、邪魔にならぬようやや遠巻きに
彼のプレイを観察して時間を潰すことにした。
小さなサイフから100円玉を取り出しゲーム機に投入する少年。

最近のゲームには疎い自分にも、少年の真剣な眼差しからその楽しさは伝わってきた。
少年にかつての自分の姿を重ね合わせ、しばしの間その余韻に浸ったあと、その場を
立ち去ろうと思っていた。
するとそのとき、まだ1ステージもプレイしていないであろう少年に対して対戦者が現れた。

対戦者は先ほどの大学生くらいの兄ちゃんだった。
対戦が始まるなり兄ちゃんのキャラは的確にガードし、確実にコンボを決めていく。
一方で少年のキャラはただサンドバッグになっていた。
あっという間にゲームが終了した。

少年が呆然と席を立った。それを見たとき自分の中で心境の変化を感じた。
言葉じゃ上手く説明できないが、少年に勝利を捧げたいと思った。何故と言われても困る。
気が付くと自分はそのゲームに向かって歩き出していた。
それは傍から見て決してカッコイイ行動ではない。

この年になって、サラリーマンにもなって、感情に任せて行動する自分が、客観的に見て
幼稚で恥ずかしい物体に映るんじゃないかと何度も思った。
少年から見たって、いい年したオッサンが何やってんだと思うかもしれない。
でもな、オッサンはいつだって安っぽい正義感とスーツを着こなしてるんだ。

意味の解らない理屈で自分を言い聞かせながら、少年とすれ違い様に小声で呟いた。
「待ってろ。」
もう引き下がれない。大人の恐ろしさをこの大学生に理解させなくては。
接待プレイの重要性と、それを忘れた時、未来に何が待っているかを

麻雀ゲーム用に両替した100円をゲーム機に投入する。
インストを流し読みするとスト２モードでプレイできると書いてあった。他に比べ、多少は
やり慣れたゲームだった。正に幸運、いや、これこそが必然なのかもしれない。
細かいルールなどほとんど知らん。だが社会のルールに置いては相手だって同じだ。

初めて自分がスト�Uに触れたあの日、他のキャラを圧倒するほど発達したその筋肉は、
過酷なまでの強くなるためトレーニングに費やした時間と努力を思わせる。
肉体に無数に刻まれた傷からは、自分の信念のために貫いたであろう戦歴を物語る
まさに全身強者の証と言わんばかりのキャラが居た。

あの日から十数年…外回りでボロボロになったスニーカーと、空になった名刺の束。
そう、いみじくもザンギエフに憧れた自分が今立っているこの場所は、あの日自分が
見たザンギエフそのものだった。そしてこの少年こそかつての自分なのだ。
そして刮目して見よ！現代のストリートファイター路上に生きる戦士サラリーマンの姿を

少年の目の前でスタボロにされる俺。ひいいそんな目でみないでおくれ
路上で排便するが如き辱めを受けつつ直も構えを取る俺のザンギエフ。
せっかくのスクリューのチャンスもピョンコピョンコ飛び跳ねるザンギエフ。
結局一度も決まることなくあっけなく勝負はついた。

ゲームが終わり、ふと現実にかえり、上着とカバンを持って足早に外に出た。
思えば自分が初めてザンギエフを使った時も、見かけ以上の弱さで
滅多打ちにされていた。それでもなお、ザンギエフを使いつづけた自分。
少年はこのオッサンを見て何を思うだろうか。

帰路についてもずいぶん長い時間今日の出来事を考えていた。
部屋に着く頃には、ずいぶん昔のことのように思えるほどだった。
明日からまた忙しい毎日が始まる。
その日は早く眠りについた。

-fin-