続くはずの言葉は玄徳に飲み込まれてしまった。唇を食み、ねだるように表面をなぞる玄徳の舌に応えて
花が僅かに唇を開くと、待ちかねたとばかりに熱い舌が進入してくる。
おずおずと花が自ら舌を触れさせると、初めて花から触れてきた喜びに、玄徳はいっそう深く口付けた。
言葉にせずとも伝わる玄徳の愛を受け止めていると、それまで悩んでいた事が信じられないくらいだ。
触れられなかった時間を埋めるように交わされる深く長い口付けに花の不安が溶かされていく。
つ、と銀の橋を架けて二人の唇が離れる頃には花はすっかり蕩けきっていて、そのまま玄徳にこてんと上半身を預けた。
頭の上のほうから、花、とかすれた声で名を呼ばれ甘い震えが走る。
ゆるゆると顔を上げると熱情を隠さない玄徳の瞳にぶつかった。
「――お前が、欲しい」
愛おしさをただ一言にこめて玄徳がそう告げると、花は瞳を潤ませそれは幸せそうに頷いた。
帯を解かれ、袷をはだけられて一糸纏わぬ姿で花は寝台に横たえられた。
「あ、の、私だけ裸なのは恥ずかしいので…その……」
消え入りそうな声で懇願する花に、ああもういったいこいつはどうしてくれようかと玄徳は思わず口元を緩めたが、
それ以上花に言わせず自らも服を脱ぎ捨てる。そのまま覆いかぶさるように花に口付けた。
「その、私……」
胸が小さいのを気にしていると花が告げれば、玄徳はそんな事を気にすることはないと真面目にいった。
「こうやって俺の手にすっぽり収まって、俺を感じてくれるお前の胸が、俺は好きだ」
そう言って愛撫を始めた玄徳の掌に花は涙が出るほど安堵する。
やわやわと、時に押しつぶすように触れる手に花は素直に身をゆだねた。
「ふ、あっ……やぁん」
先ほどまでと異なり触れるか触れないかの絶妙な距離で乳房をなでられて花はねだるように声を出してしまう。
玄徳はそんな花の様子に僅かにのどで笑うと、色づいた頂点に口付けた。
そのまま舌で転がし、同時にもう片方を指で責めると花はビクンと体を震わせる。
(お、かしくなっちゃいそう。でも、やめないで欲しい)
行き場の無い快感に、花は飽きもせずに花の胸に口付けている玄徳の黒髪を知らずかき回す。
そんな花の反応に気をよくして頂点をちゅうと吸い上げると、いやいやと首を振った花が膝をすり合わせた。
それに気付いた玄徳の手がそろそろと花の下肢へと移動していく。