「んっ……」
百合子は必死に彼の手を握った。
それに答えるように、真島の指に力が入る。
互いに繋いだ手を放さないように力を込めると、彼はひといきに、百合子の中に自分を突き入れた。
「あああああああぁッ」
打たれたかのような衝撃に、百合子の瞼の裏に火花が散る。
「……ああ、すごい。…絡みついてくる」
彼はあえぐように大きく吐息を吐くと、そのまま、自分の剛直を最奥まで差し入れた。
「……大丈夫ですか?」
「ええ、少し痛いけど、平気よ」
真島を見上げる百合子の瞳は、幸せそうに潤んでいた。
「……だってやっとお前とひとつに繋がれた痛みなんだもの」
ついに彼と結ばれたのだ。
百合子は喜びに鼻の奥がつんとなった。
確かに痛かった。
今も、そこが裂けてしまいそうな痛みは変わらない。
けれど、その焼き付くような痛みが、この行為は現実のものなのだと。
真島と繋がった痛みなのだと百合子に感じさせた。
夢ならば、一生さめたくない。
百合子はそう感じてしまうほど、幸福だったのだ。
「可愛いことを言いますね。……我慢できなくなってしまいそうだ」
百合子の額に張り付いた前髪を優しく掻き上げると、真島はゆっくりとその濡れた唇に自分の唇を落とした。
そして百合子の舌をきつく吸うと、そのまま彼女の膝を折りまげて、大きく広げた。
「んっ、んっ……」
大きな杭が百合子の中を激しく揺さぶる。
先ほどそこを舐められたときほどの快楽はない。
まだ痛みが勝っていた。
けれど、百合子は全身を兄の香りに包まれて、例えようもないほどの興奮に包まれていた。