【癒】イヤサレル言葉おしえて【癒】

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ちゃうど岩の面に朝日が一面にさしてゐる。

       安寿は重なり合った岩の、風化した間に根をおろして、

       小さい菫が咲いてゐるのを見つけた。

       そしてそれを指して厨子王に見せて言った。

       「御覧。もう春になるのね。」





                   森鴎外「山椒大夫」より