【2013】クソゲーオブザイヤー part9【携帯】
結局、キャラ萌えこそが数少ない本作を愛でられる要素であり、本スレは発売して僅か2週間も経たないうちに
キャラの話題と内容批判への迫害がレスの8割を占める「中身を楽しみきった末期のゲームスレ」の様相を呈す。
もはや狂信者と言わんばかりの姿を見た元信者は、彼らの事を「完全に何か勘違いをしているお客様」と軽蔑し、
監獄の創設者を「明らかに『遊ぶ楽しみの提供をするエンターテイナー・クリエイター精神』を忘れた開発」と
痛烈に批判する。何故なら、創設者の理想は「より、言わずとも着いてくるプレイヤー好みのゲームを用意する事」
であり、糞で食事を賄え、文句を言わず、体のいい労働力となる「模範囚」は、まさに最適な人材だからだ。
この更生プログラムは「理想的なカモがいなければ、それを作ればいい」というエゴに則って製作されたのかという
怒りすらこみ上げる。己が服役しているor服役していた環境に対して嗚咽を堪えることは、とても難しいだろう。
そのキャラ萌え自体も、先述した「キャラクターエピソード」の回想が不可、掘り下げ不足によるマネキン化、
キャラ贔屓の差から生まれる軋轢など、破綻の兆しを見せ始めているのだから、もはや救いようがない。
「ストーリーを理解したいなら、前日談の単行本嫁」という狂信者のお決まりの台詞からも、悪意が込められている。
創設者であるシフトは「本作だけで十分に楽しめる」と、単行本と前作の知識の必要性を弁明していたからだ。
しかし現実は「単行本がなければ内容は支離滅裂」「読んでいても掘り下げ(承)のない起転結」という酷評の嵐。
見栄を張ってシフトが作ってしまった二重律反を破るため、模範囚が進んで指摘という名の罵倒をするのは、
2009年のバカゲーもどき「Let’s 全力ヒッチハイク!!!!!!!!!」の「作品をゲーム中のキャラの台詞で擁護する」
行為に酷似しており、生身の人間をここまで使いこなすとは…と、ある種の怒りと関心を抱かざるを得ない。
もし、二重律反を知らずに発していたと言い訳をしても、奴らはここまで盲目なのかと、同情を禁じ得ないだろう。
本作にひしめくクソが、虚構の枠を超えて溢れる様は、プレイヤーがパンドラの箱を開けてしまったかのようだ。
歴戦の英傑たちのクソ要素をリスペクトしたかのような、クソのカーニバルとも言うべき本作が到達したのが、
「開発と作品のクソ要素をプレイヤーにフィードバックさせる」という新たなクソゲーの境地なのだろうか。
反して、不満と改善策を練った結果、全部ぶっ壊して作り直したほうが早いという「黒歴史」並の結論を出す者、
萌え豚に嫌気が差した者、問題点と改善案を本スレで提示するも、狂信者による迫害により行き場を失った者、
苦行に耐えられず、他の狩りゲーに手を出した「改宗者」、監獄のチケットを早くも換金した「脱獄者」…
様々な人種が愚痴スレ、葬式スレという「アンチスレ」とも総称できる「ユーザー最後の砦」に身を寄せた。
安住の地を追求、古き良きシフトの追悼、未だに盲信する同胞の救助、監獄の解放、革命、世界の再構築…
各々が違う意志を持ちながらも、あたかも団結の兆しが見え隠れする様は、まるでレジスタンスのようだろう。
開発を盲信し、施しを賜る「狂信者」と、真理を知り、本作の方向を正すか見捨てる「反逆者」という対立構図は
近未来SF小説のディストピアを想起させ、本作の腐ったストーリーよりも、遥かに重厚なものが熟成されていく。
意見を交え、正しい方向性を求めてぶつかり合う様は、かりそめの交流よりも、明らかに心を動かす。
狂信者の襲撃を、矛盾を突いて追い払った時には、狩りゲーのマルチプレイで、友好的な仲間たちとの
共闘の際に芽生える「チームの団結感」という忘れかけていたものを、ふと思い出してしまう。
皮肉なことに、このファン同士の争いこそが、前作までの「ハイスピードハンティングアクション」であり、
本作からの「ドラマティック討伐アクション」ではないだろうかという感覚にすら、陥る者もいるだろう。
だが、忘れてはならない事実がある。最初の予兆であった、公式サイトの人物紹介の知らぬ間の改変は
「重要人物とカップリングを前提としたキャラ設定が、いつの間にか消えてなくなっている」というものであり、
前作の公式カップリングに対して、少なからずあったであろう反感を鑑みて、意見を反映させた結果なのだ。
「ユーザーの意見をきっちりと反映する姿勢」の目的と手段が、このように迷走し始めていることを知らずに、
推敲せずに要望を送った者たちもまた、今回の惨状の要因に絡んでいることは、肝に命じなければならない。
「アンチスレ」に身を置き、「反逆者」として活動していた筆者もまた、罪深い存在であるのだろう。
だからこそ「魔の更生プログラム」を作り上げたバンナムとシフトの罪は、どれほど罪が重いのか知りたいものだ。
食費も維持費もかからない労働力「模範囚」「狂信者」を作製する行為に、如何ほどの実刑が言い渡されるのか…
優秀な素材と土壌、潤沢な開発期間とヒットした名声がありながらも、購入者も開発も勘違いしたことを発端とし、
外部からの利権がらみの圧力と、誰にでも媚び続けるというコウモリのような開発の対応という負の連鎖が、
熱心なシリーズのファンほど受け入れがたく、ゲーム自体の楽しさを追求するゲーマーほど苦痛を味わうという、
「プレイヤーをゲームから卒業させるための教材」という、未曾有のクソの塊を作り上げてしまったのだ。
本作が初の狩りゲーというプレイヤーから早々と「フルプライスで買う価値はない」「悪徳商法だろ」という
感想が出るだけでなく、各種SNSでも本作の被害報告が増えていくという、情報化社会らしい現象が発生している。
これは、思い出などの「懐古補正」がなくとも、本作だけでもクソゲーとしか判断されない「クソとしての実力」、
本スレの賑わいが、思考停止した模範囚と狂信者たちの空騒ぎという「洗脳の恐怖」を、如実に表している。
この『GOD EATER2(ゴッドイーター2)』の開発秘話は、悲惨な失敗談としてゲームの教科書に記すべきであろう。
もはやこの監獄を一言で表すことは「続編ブレイカー」「狩りゲーまがいのキャラゲー」という言葉でも不可能だ。
「マインドクラッシャー」「ゲーマーたちの最終処分場」…甲乙つけがたいこの双璧こそが、相応しい。