【2013】クソゲーオブザイヤー part9【携帯】
013年11月14日…
数多くの猛者がひしめくKOTYの門前に、分不相応な影が現れた。『GOD EATER2(ゴッドイーター2)』である。
(PSP+PSVITA 、メーカー/バンダイナムコゲームス、 価格/5,980円、限定版8,980円)
かつて、敵である「アラガミ」の素晴らしいコンビネーションの前に、多くのライトユーザーの心を砕き、
「(プレイヤー)狩りはここまで進化した!」と、人類存亡の危機をリアルに提示した『GOD EATER(通称無印)』、
ユーザーの意見を積極的に取り入れ、僅か半年で良ゲーへ昇華した『GOD EATER BURST(通称GEB)』の
続編であり、あれから三年を経て完成した本作は、多くのユーザーが「神ゲーへの昇華」を確信していた。
公式サイトの人物紹介の、知らぬ間の改変から忍び寄る暗雲に、誰も気づかぬまま…
しかし、蓋を開ければ利権の影、ユーザーの要望を安直に受け取った開発による「意味を成さない修正」により、
前二作で培ってきた「モンスターハンターに次ぐ狩りゲー」の地位を投げ捨てる、何ともお粗末な出来だった。
ゴッドイーター総合スレ(本スレ)からは歓喜の声も聞こえるというが、その声によく耳を澄まして聴いてほしい。
中身もなく、同じ言葉を繰り返して喜ぶ様からは、心を木っ端微塵にされた者の悲哀が込めれれているのだから。
…これより、楽園という名の監獄で繰り広げられる「魔の更生プログラム」を記していく。
最初に、ストーリーを尻すぼみに盛り下がらせることで、嗜好性を狩りへと向けさせる。
発売して数日は大好評であった。チュートリアルと言っても過言ではない、難易度2までの時点で、
仲間との親交を深めるイベントが盛り沢山あり、いつ次の難易度に行けるんだという嬉しい悲鳴まであったのだが…
「それ以降の駆け足、予想以上の超展開による、プレイヤーの感情剥離」によって、幻想はあっさりと打ち砕かれる。
難易度が上昇するごとにストーリーは駆け足になるだけでなく、重要な描写や説明が次々と抜け落ちていくのだ。
「隊長から貰った、重要と思われるDISCを再生しない」「接触感染、致死率100%の病の恐ろしさが表現されていない」
「タイトルムービーでもろ悪役であったであろう人物が、いきなり投降してきたあげく、根っこは善人だった」
「重要人物の人格が唐突に豹変している」をはじめとした、一つの場面では成り立っているのかもしれないものの、
物語全体の整合性が極めて低い「起転結」や「支離滅裂」と揶揄される展開が、プレイヤーの感情移入を阻んでいく。
片道切符を手に楽園に入り込んだプレイヤーは、このツギハギだらけの監獄の全容に打ちひしがれるだろう。
さらに、大問題が発覚して物議を醸す「特に仲良くもなかったはずの歌姫が、なぜか美味しいとこを持っていく」
「交流の描写の殆どなかったラスボスと歌姫が、なぜか親しそうに話している」というトドメのエンディングは、
一撃必殺がデフォの無印アラガミ並に容赦がなく、クリアした人間の感情にやり場のない怒りを植え付ける。