【2010】クソゲーオブザイヤー part7携帯【総合】
とりあえず選評作ってみたので投下します。
ちょっとラー油氏の書き方パクってるけど気にしないでくれw
長くなったから複数で投下する。
2010年夏、ハローキティといっしょ! ブロッククラッシュ123!!が発売された。
そのタイトル通り、「ハローキティといっしょ!」を題材としたブロックくずしのゲーム。
子供向けの題材ながら複数の有名絵師を起用し、いわゆる「大きなお友達」への販売も視野に入れたキャラゲーである。
しかし、まさか難易度まで大きなお友達向けであるとは誰が予想できただろうか。
まず、ボールの基本的な挙動から通常のブロックくずしとは一線を画す。
ボールの飛ぶ角度の融通がきかないため、狙ったブロックを壊すのが困難。
ブロックの角が丸みを帯びているようで、ブロックに斜めにぶつかったはずが垂直に降りてくる。
自分が操作するパッドの移動速度は遅く、ボールに間に合うかギリギリになってしまう場面も多いのに、
ボールに間に合ったと思ったらパッドの横に当たって跳ね返って下に落ちていく。
また、BGMはステージ共通で1ループ約40秒、ループするたびに音がブツ切れになる。
オプションもBGMとSEの音量調節(3段階)のみである。
ここまでだと、「ただの出来の悪いブロックくずしじゃないか」と思う人も多いであろう。
しかし、このゲームが「鬼帝(キティ)」と揶揄される最大の要因は、容赦のないステージ構成にある。
パッドの移動が遅いゲームなのに、ボールが急加速するブロックがあらゆる場所に設置してある。
本来ならばお助けブロックであるはずの爆弾は、爆発エフェクトのせいで跳ね返りが見づらくなってミスの原因になる。
3回ボールを当てないと破壊できないブロックが74個敷き詰められただけのステージまで存在しており、
製作者のステージ構成力にセンスは欠片も感じられない。
それでは各ステージの詳細を見ていこう。
okama画のステージでは、「オーソドックスなステージです。」と説明書に記載されているが、
最終ステージに突然5台の砲台が出現し、上からランダムに弾を発射してくる。
敵の弾を消す手段は存在しないため、こちらのボールと重なってきたら確実にアウトとなる。
しかも砲台は3回当てないと消えないブロックに守られているという徹底ぶり。
とはいえ、実は他のステージでも終盤ではほぼ砲台が設置されているため、
このゲーム内だけで見ればオーソドックスなステージ構成ではあるのだが。
KEI画のステージでは、ブロックとボールのサイズが半分になっている。
最初に書いた通り、このゲームではボールの微調整が不可能になっている。
そのため、当たり判定が小さいブロックを狙ってボールを当てるのはほぼ不可能。
ブロックが小さいせいでブロックの数も倍増しているため、プレイヤーのイライラも倍増することになる。
小梅けいと画のステージでは、バーもブロックも曲面のため、ボールがあらゆる方向に暴走する。
なぜかパッドまで丸くなっているため、慣れない内は跳ね返しミスを連発してしまうだろう。
丸くてボールがどこに跳ね返るかわからない大量の硬いスイカがこちらの行動を惑わし続け、
ステージ後半には画面上部に弾を撃つカブが大量に敷き詰められたステージが存在する。
当然、すべてのカブがランダムで弾を発射してくるため、
自分がブロックくずしをやっているのか弾幕シューティングをやっているのか判断が付かなくなってくる。
しめ子画のステージでは、タコ型のボスにボールを当てて倒すとクリアになるのだが、
タコの行動はランダムで、しかもタコ自身が丸いため、ボールがどこに跳ね返るか予測不能。
常に上下に激しく動いているため、タコによってボールが下向きに叩き落とされる(ダンクシュート)現象が頻発し、
これを見てから返球するのは不可能。
そのためタコの真下に位置取りたくなるが、タコ自身もランダムに弾を撃ってくるのでそれも難しい。
ボスが作業ゲーでつまらない、と評価されるゲームは数多いが、
作業で倒せないボスのほうが精神的にキツいということを身をもって感じることができる。
黒白紅白画のステージは、なぜかテーマが「ダンジョンでトレジャーハンティング!」
なぜ女の子だらけのブロックくずしでダンジョン探索というジャンルを選んだのか疑問も尽きないが、
このハタ迷惑な設定のせいで、パッドとボール周辺以外がすべて暗闇で視認不可能というとんでもないステージになっている。
さらに後半になると、見えていても辛かったあの砲台が暗闇の中に設置されることになるのだ。
当然いつ、どの砲台が弾を撃ってきているのかは判別不能なので、砲台の下にボールが飛ぶとまず死ぬ。
低い位置に加速ブロックも敷き詰められているため、突然ボールがはるか彼方まで飛んでいったりする。
単に見えないだけのステージを作ったらどうなるのか予測できなかった製作者は盲目であると言わざるを得ない。
西又葵画のステージは、つぼみにボールを当てて花を咲かせればOK、と珍しくぬるいクリア条件だが、
ステージ構成が群を抜いてひどい。
3ミリ四方のつぼみ39個すべてにボールを当てなければならないステージ。
3回ボールを当てないと破壊できないブロックが98個設置されたステージ。
狭い通路に何十回とボールを入れなければならないステージ。
そしてつぼみの上に設置されて絶対に破壊できない砲台5台が弾を撃ってくるステージ…。
全く華の無いステージ群に、この花屋から客足が遠のくことは間違いないだろう。
駒都えーじ画のステージは、ボールを連続でブロックに当ててコンボを狙うわかりやすいステージだが、
天井や壁に当たってもコンボが途切れるのに、横にブロックがないステージで10コンボ決めろと言ってきたり、
1回当てると消えるブロックしかないステージで5コンボ決めろ、などと無茶を言ってくるので、
必然的に最初に撃ったボールでコンボを狙い、上手くいかなかったら即やり直し、を繰り返すことになる。
もはやブロックくずしというよりストラックアウトに近い。
と、ここまでのステージだけでも筆舌に尽くしがたいものがあるが、
実はステージによっては、通常のブロックを次々と破壊する貫通ボールのアイテムさえ拾うことができれば難易度はかなり下がる。
実際は貫通無しだとクリアできないステージが大半のため、もはや貫通を引くまで粘るゲームになっているのだが。
問題は最後に残された、POP画のステージである。
ボールを当てて矢印ブロックの向きを揃える、というステージなのだが、
もし正しい方向になっていても、再びボールを当ててしまうと向きが変わってしまい、また最初から揃え直しになる。
矢印ブロック自体が丸いためにボールがあちこち跳ね回るため、狙った矢印のみに当てるのは至難の技。
そのため、1つの矢印を動かそうとしたら今まで揃えた矢印が全部やり直しになった、ということも普通に起こる。
最終ステージでは、この矢印ブロックがなんと6個出現する。
上空からは、お約束といわんばかりに壊せないブロックに守られた砲台4台が弾を撃ってくる。
ボールの微調整がきかないゲームで、どこに反射するかわからない場所にボールを投げ込み、
なおかつ砲弾を避けながら決められた場所に一定回数だけボールを当てろ、と言っているようなものである。
さらにこのステージには前述したアイテムが全く出現しないため、今までのようなゴリ押しも不可能。
まともに正面から挑んでも、この地獄からは一生抜け出せないであろう。
なんとかこれを突破した筆者でさえ、
「まず右上と左上、2つの矢印があと1回で揃う向きが出るまで乱数調整したあと、
中央にボールを送って中央4つ+左右どちらかの計5つの矢印が揃うよう天に祈り、
うまくいったらわざと自爆して残りの1個を真下から狙う。」
という戦法で5〜6時間かけてようやくクリアという始末。
KOTYスレで一番早く報告できてこの時間だったため、通常ではもっと時間がかかることだろう。
そして、ようやくこの地獄を抜け出し、念願の全ステージクリアを果たしたとしても、
エンディングはおろか、スタッフロールすら無い。というか何も起こらない。
クリア後はEXステージでエンドレスがプレイできるが、ブロックが適当に出てくるだけ。背景は今までのステージの使い回し。
おまけのウォッチ&カレンダーで見られる絵も公式サイトの絵に背景を足しただけである。
つまり、キャラ目当てのファンがこのゲームをクリアする意味は全く無い。
さらに、宣伝の一環なのか、発売前にエンドレス以外のすべてのステージがネット上に公開されている。
クソゲーマニアが地獄見たさにクリアする意味さえ無い。
また、この選評を書いている時点で、プレイステーションストアの評価が☆5の満点であったことも特記しておく。
たった5件の評価ではあるが、まったくマイナス評価が無いというのは逆にスレ住民の妄想をかき立てることとなった。
一見すると子供向けのかわいらしいブロックくずしだが、
実際はステージ構成の極悪さに加え、地獄から這い上がったファンを絶望に叩き落とす非情さまで兼ね備えていた。
さらにスタッフロールが無い=誰が作ったかが未だに不明なため、完全なステルス爆撃である。
「鬼帝」の名にふさわしい、まさに悪魔のゲームであった。