我々はヌケサクが何故このように最低野郎なのかという
疑問を解決するため、ヌケサクの故郷であるクメン王国に向かった。
「まだメルキアにこんなところがあったのか…」
思わず口に出てしまった言葉を同行した上司に失礼だと咎められた。
小人が住むような小さな家、ツギハギだらけの服を着る農夫たち、
そして彼らは余所者で身なりのいい我々を監視する様に見詰めている。
百年戦争だの、最低野郎だの、バトリングだので浮かれていた
我々は改めてクメンの現状を噛み締めていた。
ただの瓦礫の山のような家に居たのは老いた母親一人
我々を見るなり全てを悟ったのか、涙ながらに
「息子が申し訳ありません」と我々に何度も土下座して詫びた。
我々はこの時初めてヌケサクを許そうと思った。
誰が悪い訳ではない、クメンの貧しさが全て悪かったのだ。
我々はヌケサクの母親から貰ったトカゲっぽい何かの肉を手に、
打ちひしがれながら首都へと帰路についた。