【MHP】モンスターハンターポータブル討伐164匹目
遥か昔、世界は今よりずっと進んだ技術力を持っていました。
その技術は人を空へ舞い上がらせたり、生物のありようを容易に確変させたりするほどでした。
しかし、昔の人は今よりずっと欲深く、頻繁に人間同士の争いを起こしていました。
その戦火は、人を木の葉のように吹き飛ばし城を瓦礫の山へと変えてしまうような激しいもので、彼らは度重なる戦争の末、自分たちが手を下さずとも敵を倒すことのできる全く新しい「兵器」を開発するに至りました。。
一つの家にも勝るような体躯を持つそれは燃え盛る火にも焼かれない紅く硬い殻に覆われ、人とは比べものにならないほどの強靭な体力と燃える炎のような4枚の翼で世界を翔び回り、口からは強力な火のつぶてを吐くことができました。
この兵器は古代語で「龍」「ドラゴン」などと呼ばれ、今の古龍種、老山龍の基礎となったのでした。
戦場にかり出されたこの老山龍はたいそうな戦果をあげました。相手の要塞へ向かって火の玉を吹き、また尾の一薙で1000人もの兵士を吹き飛ばしたとも言われています。
結果「龍」を創り出した国はその後数々の戦で勝利することが出来ました。
しかし、その国と対立していたとある国も別の「龍」を創り出していました。
重厚な漆黒の鎧に包まれたその龍は老山龍よりもより鋭角的な姿で、二枚の巨大な翼で自在に天空に舞い上がることができたのです。これが今で言う古龍種、黒神龍ミラボレアスでした。
この国は合計4体の黒神龍を創り、早速戦場へと駆り立てました。数千、数万の兵士には目もくれず、黒神龍達は一直線に老山龍のもとへと向かいその場で戦いを始めました。
黒神龍の力は圧倒的で、口から吐く火の玉はどんな火にも焼かれることがなかった老山龍の甲殻を易々と焼き尽くし、鋭い爪はどんな剣も弾いた老山龍の翼を麻布のように切り裂いていきます。
四の翼を奪われた老山龍は空を舞う黒神龍に抗すること叶わず、ついに力尽きたのでした。
他の国も『最強兵器を打ち倒した』その強大な龍の力を目の当たりにして様々な型の龍を創り上げました。
中にはその龍を小型化したものを大量に生産し、又は様々な特徴を持たせ「飛竜」と呼んだ国もありました。
戦いの後、黒神龍を創った国の人々は大いに歓喜しました。しかし、圧倒的な力を持つ4体の黒神龍達は次第に自らを創った人間の命令を聞かなくなりました―黒神龍達は知恵をつけていたのです。
仕方なく人間達は黒神龍の記憶や知恵を消し去ろうとしましたが、黒神龍はその人々を殺しおのおのが大空へと翔び上がりました。
悠然と国の上を飛び回る黒神龍に対して人々はまず初めに創っていた最初の龍、白神龍ミラルーツを使ってそれらを殺そうとしましたが、その白神龍すらも人間の命令を聞かずに4体の龍の中へと向かっていきました。
そして5体の龍に焼かれてその国が完全に地図から消えたのは、2日後のことでした。
それに触発されたかのように、各国で創られた龍や飛竜達も人間の下を離れてめいめいの国を焼き始めました。
その頃から世界は変わったのです。世界の覇権は人間よりもそれら龍に与えられたのでした。
今では龍の中には老山龍のように長い時を過ごすうちに火を吹くのも忘れたものもいますが、それでも彼らは人を超える力を持っています。
神に無断で生物を創ってしまった我々人間の罪は、一体いつになったら赦されるのでしょうか――――
(伝承の紡ぎ手ハーキムの書物より)
老山龍は翼あったんだよな(´・ω・)