843 :
えるるたんスゴいんデス ACT.4:
部屋に戻ったえるるはベッドに腰掛けて、大人しく婦ぃー巣がお茶を淹れるのを待っていた。
だが、婦ぃー巣がその表情を覗き見るとやはりどこか陰があるのだ。
「どうぞ」
だが、そんなことはおくびにも出さず、平然とした態度で淹れたお茶を渡す。
「ありがと・・・」
「ねえ、えるる。元気だしなよ・・・」
婦ぃー巣はやはり我慢しているえるるがかわいそうになり、耐えきれずにそう言った。
「え?」
「隠したって無駄よ・・・・」
「そう・・・」
言ってえるるは涙をこらえるかのように下を向く。
「でも、春渦様に捨てられちゃったんだよ・・・」
小さい声でえるるが呟く。
「あなたにはまだ、きるひー将軍がいるでしょ? あなたが元気を無くしてしまったら今度はほほえみ亭倉庫の人達まで悲しい思いをするのよ!」
その言葉にえるるははっとしたように顔を上げた。
「そ、そうだけど・・・」
このままじゃ埒があかない。
そう考えた婦ぃー巣は強攻策に出ることにした。
えるるを強引に引き寄せて、唇を重ねる。
「!!!」
驚いたえるるは慌てて婦ぃー巣を押しのけた。
「な、なんなの・・・?」
「あなた、見てられないのよ・・・今だけでも忘れなさい・・悲しい事は。でないと・・・壊れるわよ、心が・・・」
婦ぃー巣が過去の自分を思いだし、そう忠告する。
愛する春渦様に捨てられて自暴自棄になった自分。
それと同じにはしたくなかった。