c:餌縷々『アクア=エリアス』† 63Ria

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736名無しさん@1周年
それは只の気まぐれだったのかもしれない。
「あっ・・・小犬が・・・」
建物の影に隠れるように震えている小さな生き物を見つけたのは絵鏤々だった。
「鎖が切れてる・・・どこからきたの、お前?」
「首輪が付いてるじゃないか。放っておけば飼い主の所に戻るだろ」
もうまもなく日も暮れる。
「ねぇ、ノレレットぉ・・・連れて帰っちゃ駄目ぇ?」
行きかけたノレレットのマントの裾を掴んで絵鏤々がじっと見詰める。
その腕には既に小犬が抱かれていた。
「部屋に犬をいれたら怒られるぞ?」
「皆に迷惑かけないようにちゃんと面倒見るぅ」
「飼い主が探しているかもしれないんだぞ?」
「大丈夫だもん。元気になったら飼い主の所に戻すもん」
真っ直ぐな眼差しの絵鏤々。もはや何を言っても聞かないだろう。
「仕方ないなぁ」
ノレレットは絵鏤々の肩に手を置いて
「責任持てよ?」
「わぁい。ありがとーノレレットぉ」
シュンとした顔にたちまち笑顔を浮かべる絵鏤々。
「早く帰ろっ!この子にご飯あげて寝床作ってあげよっ!」
(まったく・・・)
宿に向かって一人走り出した絵鏤々の後ろ姿を目で追いながらノレレットは呟いた。
(無邪気で優しくて・・・そんな君が・・・好きだよ)
「おーい!絵鏤々、転ぶなよ!」
「大丈夫ぅー!!ノレレットも早くぅー!置いてっちゃうよぉー!!」
−−−
純愛っぽくこんなのどーよ?
元ネタなんて無いからな。探すなヨ(ワラ